JP2587080Y2 - 立体構造編地 - Google Patents

立体構造編地

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JP2587080Y2 JP1991080215U JP8021591U JP2587080Y2 JP 2587080 Y2 JP2587080 Y2 JP 2587080Y2 JP 1991080215 U JP1991080215 U JP 1991080215U JP 8021591 U JP8021591 U JP 8021591U JP 2587080 Y2 JP2587080 Y2 JP 2587080Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、立体構造を有し、三次
元方向の引張り強力が極めて強く、一般衣料やスポーツ
衣料用としてはもちろん、マトリックス樹脂などを含浸
して得られる複合材料の基布に好適な立体構造編地に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、一般衣料やスポーツ衣料あるいは
種々の繊維強化複合材料に向けられる三次元的な編物が
多数提案されている。
【0003】しかしながら、繊維強化複合材料に適用さ
れる場合、繊維材料の形態は二次元的な構造が大半であ
り、必要に応じて三次元方向に積層し、マトリックス樹
脂で複合化している。従って、これらは三次元方向に繊
維材料が介在しないため層間が剥離しやすい欠点を有し
ている。また、三次元布帛として立体織物やダブルラッ
セルによる立体調編物も多数見られるが、かかる立体織
物はその構造が複雑であって、自由性や樹脂の含浸性が
低いため、複合加工や最終製品加工において取扱い性や
汎用性に欠けるなどの課題を有している。さらに、ダブ
ルラッセルによる立体調編物は表裏の編地が経編組織で
あるため緯方向の挿入糸条は表裏の編地中に形成され
ず、単に中間層に挿入されているに過ぎないため補強力
が不充分で、用途的に制約されやすい欠点を有してい
る。
【0004】これらの欠点を解消するため、本考案者ら
は緯編組織で構成した表面と裏面の編地、およびこの表
裏両面の編地を糸条で接合した中間層を有するダブルニ
ットであって、表裏両面もしくは片面の編地中に緯糸が
挿入されており、中間層の厚さが10ミリメートル以上で
ある立体構造編地を提案している。この編地は従来のも
のとは異なり、三次元方向の何れにも高強力で高次加工
性にも優れたものであった。ところが、その反面、中間
層を厚くするにしたがって、表裏両面を接合する糸条が
長くなるため、厚さ方向の形態安定性が低下するなどの
弱点を有している。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】本考案はこのような課
題を解決するもので、表裏の編地を特定の組織とし、表
裏を接合した中間層に、補強糸を挿入することにより、
編地が厚くなっても、厚さ方向の圧縮強度や形態安定性
が低下することなく、緯方向の引張り強度を著しく強化
することのできる立体構造編地を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本考案は、緯編組織で構成した表面と裏面の編地およ
びこの表裏両面の編地を糸条で接合した中間層を有する
ダブルニットであって、表裏両面の編地と中間層にそれ
ぞれ補強糸が挿入されており、中間層に挿入される補強
糸の太さは2≦D/d≦50(ただし、Dは中間層の補
強糸のデニール、dは表裏両面編地の構成糸のデニー
ル)を満足し、中間層の厚さが10ミリメートル以上で
あることを要旨とするものである。
【0007】以下、本考案を図面に基づいて説明する。
図1は本考案の一例に係る補強糸を挿入した立体構造編
地の模式的横断面図、図2は図1の表面の拡大図であ
る。図において表面の編地1はシリンダーループ2と表
面補強糸3、裏面の編地4はダイヤルループ5と裏面補
強糸6によって構成されており、これら表裏両面の編地
1、4は接合糸7、8により間接的に接合され、これら
接合糸7、8は特定の厚さを保った中間層9を形成し、
この中間層9に中間層補強糸10が挿入された構造となっ
ている。
【0008】本考案の補強糸を挿入した立体構造編地
は、シリンダーループ2およびダイヤルループ5が各々
経方向に連結されているため、経方向の引張り応力に対
して極めて高い強力を有する。一方、表面補強糸3、裏
面補強糸6に加え、中間層補強糸10が編地の緯方向に直
線的に挿入されているため、緯方向の引張り強力が著し
く強化され、また伸長性を抑制し、優れた形態安定性を
発揮する。かかる表裏両面の編地1、4は直接的に接合
されておらず、特定間隔をもって接合糸7、8によって
間接的に接合されている。前記接合糸7、8は編地を特
定の厚さに保つための中間層9を形成し、その構造は一
種のトラス的構造に近似し、中間層9には中間層補強糸
10が挿入されているため、編地の湾曲や圧迫に対する抵
抗力を極めて向上させることができ、編地厚さの増加に
よる上記抵抗力の低下も阻止できる。さらに、トラス的
構造で特定の厚さを有する中間層9は接合糸7、8と中
間層補強糸10が存在するものの、空隙部が多数形成され
ており、極めて軽量となり、複合材料に用いる場合で
も、マトリックス樹脂などを均一かつ容易に含浸でき
る。上記のように本考案の立体構造編地の中間層9は特
定の厚さ(T)を有するものであって、厚さ(T)が10
ミリメートル未満では表裏両面の編地1、4間の間隔が
小さすぎて、従来からみられる二次元的な繊維構造物と
なって、複合材料としての機能が低下し、その用途も限
られたものとなる。
【0009】以上のような基本構造を有する本考案の補
強糸を挿入した立体構造編地は中間層9の補強糸10の
太さが2≦D/d≦50(ただし、Dは中間層の補強糸
のデニール、dは表裏両面編地の構成糸のデニール)を
満足しておれば、立体構造の形態を維持し、かつ厚さ方
向および緯方向の強力を向上させ得る。前記D/dが2
より小さいと中間層9における補強糸10の割合が小さ
く、厚さ方向の圧縮強力や緯方向の引張り強力の向上が
図れず、D/dが50より大きいと、中間層9の空隙が
少なくなるため、マトリックス樹脂の含浸性が悪くな
り、複合材料としての機能が低下するばかりでなく、編
成時に中間層9への挿入が極めて困難となるので、2≦
D/d≦50の範囲にする必要がある。なお、中間層9
へ挿入する補強糸10の本数は編地1コース当たり1本
に限定されることなく、複数本挿入してもよく、また必
ずしも編地の全コースに補強糸を挿入する必要もなく、
用途や目的とする補強度に応じて数コース毎に挿入して
も何ら問題はない。
【0010】次に、本考案に係る編地の製造例について
説明する。図3は補強糸を挿入した立体構造編地の編成
例を示し、図4および図5は中間層への補強糸の挿入例
を概略断面図で示したものである。なお、図3中、給糸
口F1におけるDLはダイヤル長針、DSはダイヤル短
針、CLはシリンダー長針、CSはシリンダー短針であ
り、給糸口F2〜F10においても同様である。給糸口F
1では裏面補強糸を給糸し、ダイヤル長針DLのみでタ
ック編成することにより裏面補強糸は裏面編地中にレイ
インされることになる。給糸口F2ではダイヤル長針D
L、同短針DSの全ダイヤル針によりダイヤルループを
形成する。従って、この給糸口F2でループ形成された
時点において裏面補強糸はダイヤル長針DLから離脱
し、レイインの形態となる。給糸口F3では表面補強糸
を給糸し、シリンダー長針CLのみでタック編成するこ
とにより表面補強糸は表面の編地中にレイインされる。
給糸口F4ではシリンダー全針CL、CSによってシリ
ンダーループを形成し、表面補強糸をシリンダー長針C
Lから離脱させる。
【0011】次いで、給糸口F4と給糸口F5間で図4
に示す如く、中間層補強糸10を特殊な給糸部材を使用し
て、シリンダーループ2とダイヤルループ5の中間位置
に挿入させる。給糸口F5では一方の接合糸7を給糸し
て、ダイヤル長針DLとシリンダー長針CLによってタ
ック編成し、シリンダーループ2とダイヤルループ5を
接合し、中間層を形成する。このとき給糸口F4と給糸
口F5の間で給糸された中間層補強糸10は、給糸口F5
において図5に示す如く、シリンダー長針CLとダイヤ
ル長針DLの背後に位置し、シリンダーループ2とダイ
ヤルループ5および接合糸7、8に囲まれた空間に挿入
されるものである。
【0012】以下、給糸口F6ではダイヤル短針DS、
給糸口F8ではシリンダー短針CSがそれぞれ給糸口F
1、F3と同様のタック編成を行ない、給糸口F7、F
9ではそれぞれ給糸口F2、F4と同様のループ形成を
行なう。さらに給糸口F9、F10の間で中間層補強糸10
を給糸して、給糸口F10では他方の接合糸8をダイヤル
短針DSとシリンダー短針CSとによってタック編成
し、一方の接合糸7と異なる位置で中間層を形成する。
ここで、中間層の厚さを10ミリメートル以上とするため
にはダイヤルニードルベッド11とシリンダーニードルベ
ツド12の間隔を少なくとも10ミリメートル以上に設定し
なければならない。従って、ダイヤル針やシリンダー
針、あるいはニッティングカム類の形状やサイズなどに
ついても適宜変更する必要がある。また、表裏の挿入糸
をレイインするには挿入糸の給糸口において編針のタッ
ク位置に挿入糸を留置しておくことも必要である。
【0013】
【作用】この構成により、表裏両面の編地中と中間層に
直線的に補強糸が挿入されているので、編地緯方向の応
力に対する引張り強度は補強糸の強度に比例して絶大な
ものとなる。また、表裏両面の編地の経方向には緻密な
ループが強固に連結しているので、ループを形成してい
る糸条の強度に比例して編地経方向の引張り強度は非常
に大きくなる。さらに、表裏両面の編地間を連結してい
る糸条(中間層)を有しているため、厚さ方向の引張り
強力が格段に大きくなる。しかもこの中間層を横断面方
向にみると、一種のトラス状構造に加え、補強糸が挿入
されており、湾曲や圧迫に対する強度が著しく増大す
る。また、中間層の厚さが10ミリメートル以上あるの
で、中間層は多数の空隙が形成されており、そのため嵩
高化、軽量化が得られ、マトリックス樹脂などの含浸性
も良好となる。
【0014】
【実施例】以下、本考案の実施例について説明する。ま
ず、編機ゲージ16本/インチ、給糸口数40口、ダイヤル
ニードルベッドとシリンダーニードルベッドとの間隔20
mm、シリンダー釜径30インチの編機を使用して、図3に
示す編組織を採用し、かつ給糸口F4、F5間および給
糸口F9、F10間で中間層補強糸を給糸し、表1に示す
実施例3点、比較例2点を製編した。かかる5点の編地
に熱可塑性樹脂であるポリアミド樹脂を含浸させ複合材
料を得た。その結果、実施例1、2、3では製編性にも
問題がなく、編地中への樹脂の含浸が短時間に均一にで
きた。また得られた複合材料は3軸方向の引張り強力が
極めて強大で非常に軽量なものであった。一方、比較例
1は中間層の圧縮強力に劣り、樹脂含浸時に変形を生
じ、複合材料としては不適当なものであった。また、比
較例2は編成時に中間層補強糸が太いため編地表裏から
中間層補強糸がはみだすなど品位面で劣り、中間層の空
隙が少ないため樹脂含浸性が悪く、得られた複合材料の
重量も重いものであった。
【0015】
【表1】
【0016】
【考案の効果】上記構成において、表裏両面の編地中と
中間層に直線的に補強糸が挿入されているので、編地緯
方向の応力に対する引張り強度は補強糸の強度に比例し
て絶大なものとなる。また、表裏両面の編地の経方向に
は緻密なループが強固に連結しているので、ループを形
成している糸条の強度に比例して編地経方向の引張り強
度は非常に大きくなる。さらに、表裏両面の編地間を連
結している糸条(中間層)を有しているため、厚さ方向
の引張り強力が格段に大きくなる。しかもこの中間層を
横断面方向にみると、一種のトラス状構造に加え、補強
糸が挿入されており、湾曲や圧迫に対する強度が著しく
増大する。また、中間層の厚さが10ミリメートル以上あ
るので、中間層は多数の空隙が形成されており、そのた
め嵩高化、軽量化が得られ、マトリックス樹脂などの含
浸性も良好となる。従って、嵩高で形態安定性が低下す
ることなく、軽量の一般衣料やスポーツ衣料あるいは高
機能の強化構造材の各種用途などにおいて、広範囲に適
用できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一例に係る補強糸を挿入した立体構造
編地の模式的横断面図である。
【図2】同補強糸を挿入した立体構造編地の表面の拡大
図である。
【図3】同補強糸を挿入した立体構造編地の編成例を示
す説明図である。
【図4】同補強糸を挿入した立体構造編地の中間層への
補強糸の挿入例の概略横断面図である。
【図5】同補強糸を挿入した立体構造編地の中間層への
補強糸の挿入例の概略横断面図である。
【符号の説明】
1 編地 2 シリンダーループ 3 表面補強糸 4 編地 5 ダイヤルループ 6 裏面補強糸 7 接合糸 8 接合糸 9 中間層 10 中間層補強糸 11 ダイヤルニードルベッド 12 シリンダーニードルベッド DL ダイヤル長針 DS ダイヤル短針 CL シリンダー長針 CS シリンダー短針
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−68338(JP,A) 実開 平4−131682(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D04B 1/00

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緯編組織で構成した表面と裏面の編地お
    よびこの表裏両面の編地を糸条で接合した中間層を有す
    るダブルニットであって、表裏両面の編地と中間層にそ
    れぞれ補強糸が挿入されており、中間層に挿入される補
    強糸の太さは2≦D/d≦50(ただし、Dは中間層の
    補強糸のデニール、dは表裏両面編地の構成糸のデニー
    ル)を満足し、中間層の厚さが10ミリメートル以上で
    あることを特徴とする立体構造編地。
JP1991080215U 1991-10-03 1991-10-03 立体構造編地 Expired - Fee Related JP2587080Y2 (ja)

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JPH0530187U JPH0530187U (ja) 1993-04-20
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0268338A (ja) * 1988-08-31 1990-03-07 Gunze Ltd テープ状強化材
JPH04131682U (ja) * 1991-05-20 1992-12-03 ユニチカ株式会社 立体構造編地

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