JP4063175B2 - 三次元繊維結合体及び複合材 - Google Patents

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Description

本発明は、三次元繊維結合体及び複合材に係り、詳しくは複数の三次元繊維構造体を結合して構成された新規な三次元繊維結合体及びその三次元繊維結合体を骨格材とした複合材に関する。
繊維強化複合材は軽量の構造材料として広く使用されている。複合材用補強基材として三次元織物(三次元繊維構造体)がある。この三次元織物を骨格材として、樹脂あるいは無機物をマトリックスとした複合材はロケット、航空機、自動車、船舶及び建築物の構造材として幅広い用途が期待されている。
複合材用三次元繊維組織体として、補強繊維からなる複数枚の織物が、それら各織物の織目が互いに一致するように積層され、かつその積層体には、繊維強化樹脂又は繊維強化金属からなる棒体が前記織目に挿通された複合材用三次元繊維組織体が開示されている(特許文献1参照。)。織目の大きさは一辺の長さが1〜20mm程度が好ましく、2〜5mmがさらに好ましいとされている。
また、少なくとも面内2軸配向となる糸層を複数積層して形成された積層糸群と、前記積層糸群の各糸層と直交する方向に配列された厚さ方向糸とを含む少なくとも3軸で構成された三次元織物に、繊維強化複合材製又は金属製のロッドを挿入した三次元繊維構造体が提案されている(特許文献2参照。)。この三次元繊維構造体は、製造が比較的簡単で密度の高い三次元繊維構造体や、半導体装置の放熱部材や電子部品搭載基材として使用する複合材を製造する際の強化材とした場合に必要な熱伝導率を有する三次元繊維構造体として使用される。
実公平3−24356号公報 特開2002−180356号公報(明細書の段落[0015]〜[0018]、図1,2)
複合材は一般にマトリックスの量が少ない方が強度は強くなる。従って、三次元繊維構造体を使用して複合材を構成する場合、三次元繊維構造体の繊維体積含有率(Vf)が高い方が複合材の強度が強くなる。
複合材が板材のように比較的薄く、単純な形状の場合はあまり問題はないが、複合材の形状が複雑になったり、板材でも厚さの厚い板材となるとその骨格材に使用する三次元繊維構造体の製造が問題になる。なぜならば、密度が高く厚さの厚い三次元繊維構造体を製造するのは難しいからである。その理由は、積層糸群の各糸層と直交する方向に配列される厚さ方向糸を挿入する場合、糸層の厚さが厚いと厚さ方向糸を挿入する針を太くする必要があり、針を太くすると針を挿通する際に繊維を傷つける。特にミシン針のように糸が挿通される目が針の先端側に有り、その部分が他の部分より太い針(通常、1.5倍程度の太さ)を使用する場合、繊維が傷つき易いからである。また、繊維の種類(例えば、炭素繊維、セラミック繊維)によっては、屈曲や繊維同士の擦れに弱くミシン糸として適用が難しいか、殆ど適用できない。そのため、糸層の厚さが30mmを超える三次元繊維構造体を、積層糸群の各糸層にミシン掛けのようにして糸を挿通させて製造するのは難しい。
また、複合材として断面がH型のものや、円筒の外周面に軸方向に延びるリブ状の部材が突設された形状のものを一度に作製することは難しい。
特許文献1に開示された三次元繊維組織体のように、二次元の織物を織目が一致するように積層した状態で棒体を織目に挿通して三次元化したものでは、層間を締め付ける力が弱く、また、織目が2〜5mmと大きく、高密度化が難しい。さらに、三次元繊維組織体の厚さのコントロールが難しい。なぜならば、棒体挿通後に織物層を圧縮する場合、棒体の長さを圧縮後の織物層の厚さにすると、圧縮時に棒体が曲がる虞がある。また、棒体の長さを圧縮後の織物層の厚さより長くすると、プレス型として棒体の侵入を許容する孔を有する特殊な型が必要となる。
一方、特許文献2に開示された三次元繊維構造体は、少なくとも面内2軸配向となる糸層を複数積層して形成された積層糸群と、前記積層糸群の各糸層と直交する方向に配列された厚さ方向糸とを含む少なくとも3軸で構成された三次元織物に、繊維強化複合材製又は金属製のロッドを挿入して構成されている。従って、この三次元繊維構造体では、特許文献1のものに比較して高密度化が可能となり、断面四角形状で厚さの厚い三次元繊維構造体であれば製造は可能である。しかし、断面形状が幅雑な形状の三次元繊維構造体を製造することは難しい。
本願発明者は厚さが厚く高密度の三次元繊維構造体あるいは複雑な形状の複合材の骨格材として使用できる三次元繊維結合体を、複数の三次元織物あるいは三次元織物と三次元繊維構造体とを結合することで製造することを考えた。しかし、三次元織物同士あるいは三次元織物と三次元繊維構造体とをミシンを使用して縫合する方法を適用することは、前記のようにミシン針が繊維を傷つけ易くなるため採用し難い。また、結合すべき一方の三次元織物あるいは三次元繊維構造体の片面が金属等の治具と接した状態で支持されている場合には、ミシンや人手で針を使用して、糸が三次元繊維構造体を貫通して折り返し状に挿通されるようにして結合させる方法を採用することができない。さらに、ミシン掛けにより縫い合わせる方法は、ミシンのヘッドが三次元織物あるいは三次元繊維構造体と干渉する形状のものには使用(適用)できない。例えば、縫い合わせるべき面に対して壁が垂直に存在するものでは、壁の近くを縫い合わせようとすると、ミシンのヘッドが壁と干渉する。
特許文献1及び特許文献2では、三次元織物同士あるいは三次元織物と三次元繊維構造体とを結合することに関して何ら記載されていない。
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、ミシン等を使用した糸による縫合が難しい厚さや複雑な形状であっても容易に製造することができる三次元繊維結合体を提供することにある。また、第2の目的は、同じ形状であっても骨格材として二次元のものを単に積層して使用した複合材に比較して高い強度となる複合材を提供することにある。
前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、少なくとも面内2軸配向となる糸層が複数積層されるとともに各糸層と直交する方向に配列された厚さ方向糸を含む少なくとも3軸で構成された三次元織物と、三次元繊維構造体とがロッドで結合され、該ロッドは、その先端が鋭角に形成されている。ここで、「三次元繊維構造体」とは、面を形成するように配列された繊維(糸)からなる繊維層が複数層積層され、その繊維層を貫通する方向に配列された厚さ方向糸を含む所謂三次元織物に限らず、前記繊維層が複数層積層されただけで繊維層を貫通する方向に配列された厚さ方向糸を含まないものも含む。
この発明では、三次元織物と三次元繊維構造体とがロッドで結合されているため、三次元織物と結合される三次元繊維構造体が、結合前はその繊維層を貫通する方向に配列された厚さ方向糸を含まない構成であっても、最終製品の三次元繊維結合体は各繊維層が少なくとも繊維あるいはロッドによって貫通されて互いに結合されている。また、同じ厚さの積層繊維層(積層糸群)を糸で結合する際に必要なミシン針等の針より細いロッドで積層繊維層を結合することができ、結合の際に繊維が傷つき難くなる。また、複雑な形状の三次元繊維結合体であっても、単純な構造の三次元織物と三次元繊維構造体とを結合することで、容易に製造することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記三次元織物と結合される三次元繊維構造体も、少なくとも面内2軸配向となる糸層が複数積層されるとともに各糸層と直交する方向に配列された厚さ方向糸を含む少なくとも3軸で構成された三次元織物である。この発明では、結合されるべき三次元繊維構造体として厚さ方向糸を含まないものを使用した場合に比較して、製造途中における取り扱いが容易になる。また、最終製品の三次元繊維結合体を骨格材とした複合材の強度が高くなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ロッドは繊維強化複合材製である。この発明では、ロッドとして樹脂製のものを使用した場合に比較して、最終製品の三次元繊維結合体を骨格材とした複合材の強度が高くなる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ロッドは樹脂製である。この発明では、三次元繊維構造体同士の結合強度を要求しない場合(樹脂のみの強度)、作業時の形状保持と、成形時に三次元繊維構造体同士がずれないようにロッドにて部分的に固定するために使用でき、ロッドとして繊維強化複合材製のものを使用した場合に比較して低コストで製造できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記ロッドは前記三次元織物を構成する面内配列糸及び厚さ方向糸のいずれかの糸の配列方向と平行に挿入されている。この発明では、三次元織物を構成するいずれの繊維に対してもロッドが交差するように挿入された三次元繊維結合体に比較して、製造工程においてロッドを挿入する際、ロッドが繊維を傷つけずに真っ直ぐに挿入され易い。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記ロッドは先端が鋭角の円錐状に形成されている。
第2の目的を達成するため、請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の三次元繊維結合体を骨格材とした。この発明では、同じ形状であっても骨格材として二次元のものを単に積層して使用した複合材に比較して高い強度となる。
請求項1〜請求項に記載の発明の三次元繊維結合体は、ミシン等を使用した糸による縫合が難しい厚さや複雑な形状であっても容易に製造することができる。また、請求項に記載の発明によれば、同じ形状であっても骨格材として二次元のものを単に積層して使用した複合材に比較して高い強度となる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1(a),(b)に従って説明する。図1(a)は三次元繊維結合体の製造途中を示す模式斜視図、(b)は三次元繊維結合体の一部破断模式断面図である。
三次元繊維結合体11は、複数(この実施形態では2個)の三次元織物Fがロッド12で結合されて構成されている。各三次元織物Fは、繊維が相互に平行に配列された糸層としてのx糸層13及びy糸層14を複数積層して面内2軸配向となるように形成された積層糸群15と、積層糸群15の各x糸層13及びy糸層14と直交する方向に配列された厚さ方向糸zとを含み、3軸方向(X,Y,Z方向)に糸が配列された構成となっている。三次元織物Fは平面四角形状の板状に形成され、厚さが15mm程度に形成されている。なお、図1(b)においては、左右方向がX方向、紙面と垂直方向がY方向、上下方向がZ方向である。
x糸層13は三次元繊維結合体11の厚さ方向(図1の上下方向)と直交する面内において、X方向に沿って配列された第1の面内配列糸xからなり、1本の糸が折り返し状に配列されて形成されている。y糸層14はx糸層13と平行な面内で第1の面内配列糸xと直交する方向(Y方向)に配列され、1本の糸が折り返し状に配列された第2の面内配列糸yからなっている。各面内配列糸x,yは所定のピッチ(例えば3mmのピッチ)で配列されている。ここで、「ピッチ」とは隣接する面内配列糸xの中心間、あるいは面内配列糸yの中心間の距離を意味する。
厚さ方向糸zは積層糸群15の一方の面(図1(a),(b)の下面側)で折り返すように上面側から挿入されるとともに、図1(b)に示すように、下面側において幅方向、即ち第2の面内配列糸yと平行に配列された抜け止め糸16により抜け止めされている。厚さ方向糸zが抜け止め糸16と共同でx糸層13及びy糸層14を締め付けることにより、各糸層が結合されている。厚さ方向糸zも所定のピッチで配列されている。厚さ方向糸zは少なくともロッド12が挿入される箇所を除いた位置に所定のピッチで配列されている。厚さ方向糸zには太さが各面内配列糸x,yの1/2以下、この実施形態では1/4〜1/8程度のものが使用されている。
両面内配列糸x,yには炭素繊維が使用されている。炭素繊維はロービング(トウ)の状態で使用されている。ロービング(トウ)とは細い単繊維のフィラメントを多数本束ねた実質無撚りの繊維束を意味する。両面内配列糸x,yとして12k〜24kの炭素繊維が使用され、厚さ方向糸zには3kの炭素繊維が使用されている。ここで「k」とは炭素繊維を構成するフィラメントの本数を示す単位で、1000本を意味し、例えば、12kの炭素繊維とは、フィラメントが12000本で構成されているロービングを意味する。厚さ方向糸zは撚りが掛かった状態で使用してもよい。
図1(b)では各面内配列糸x,yを円形断面として表しているが、各面内配列糸x,yはx糸層13あるいはy糸層14を構成するように配列された状態ではフィラメントが扁平に拡がった(押しつぶされた)状態となり、隣接する面内配列糸x,y同士は隙間無く重なった状態に配列されている。
ロッド12は厚さ方向糸zと平行に挿入されている。ロッド12は厚さ方向糸zが挿入されていない位置に所定ピッチで配列されている。ロッド12は炭素繊維を強化繊維として使用した繊維強化複合材製で、両三次元織物Fの厚さの合計の厚さと同等の長さに形成されている。ロッド12を構成する繊維強化複合材の繊維含有率は、40%〜70%で、マトリックス樹脂には、三次元繊維結合体11を骨格材とした複合材を形成する際に使用されるマトリックス樹脂と同じ樹脂を使用するのが好ましく、例えば、フェノール樹脂が使用される。ロッド12は断面円形に形成され、直径が0.3mm〜2mm程度の太さ、好ましくは0.9mm〜1mmの太さに形成されている。
また、ロッド12は三次元織物F同士を結合するため、両三次元織物Fを重ねた状態で一方の三次元織物Fを貫通して他方の三次元織物F内に挿入される際に、三次元織物Fの繊維(面内配列糸x,y)を傷めないようにその先端が鋭角に形成されている。先端の角度は30度以下が好ましく、20度以下がより好ましい。
次に前記のように構成された三次元繊維結合体11の製造方法を説明する。三次元繊維結合体11は、2段階に分けて製造される。第1段階では、三次元織物Fが、例えば、特開平8−218249号公報に開示された方法のように、四角形状の基板又は枠体に多数のピンが装着されたものを使用する方法で製造される。即ち、基板又は枠体上にx糸層13及びy糸層14を所定数積層して形成した積層糸群15を、厚さ方向糸zと抜け止め糸16とで結合することによって形成される。
次に第2段階として、前記三次元織物Fに対してロッド12が挿入される。図1(a)に示すように、ロッド12は三次元織物Fの一端から、1本ずつ順に挿入される。挿入は手作業でも機械による方法のいずれであってもよい。ロッド12は各ロッド12の一部、例えば、数mmが三次元織物Fから突出する状態で挿入した後、全てのロッド12を三次元織物F内に完全に挿入する。従って、ロッド12の挿入作業を中断した場合、作業を再開する時にどの範囲までロッド12の挿入が行われているのかが分かり易い。
前記のように構成された三次元繊維結合体11は、マトリックスとして樹脂が含浸されるとともに硬化された複合材、あるいは樹脂の含浸、硬化、焼成を繰り返して製造されるカーボン・カーボン複合材として使用される。
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 少なくとも面内2軸配向となる糸層13,14が複数積層されて形成された積層糸群15と、各糸層13,14と直交する方向に配列された厚さ方向糸zとを含む少なくとも3軸で構成された三次元織物Fがロッド12で結合されている。従って、同じ厚さの積層繊維層(積層糸群15)を糸で結合する際に必要なミシン針等の針より細いロッド12で積層糸群15を結合することができ、結合の際に繊維が傷つき難くなる。
(2) 三次元繊維結合体11は、複数の三次元織物Fがロッド12によって結合されて形成されている。従って、一方の三次元織物Fに代えて、結合されるべき三次元繊維構造体として厚さ方向糸を含まないものを使用した場合に比較して、製造途中における取り扱いが容易になる。また、最終製品の三次元繊維結合体11を骨格材とした複合材の強度が高くなる。
(3) ロッド12は繊維強化複合材製であるため、ロッド12として強化繊維のない樹脂製のものを使用した場合に比較して、最終製品の三次元繊維結合体11を骨格材とした複合材の強度が高くなる。
(4) ロッド12を構成する樹脂には、三次元繊維結合体11を骨格材として形成される複合材のマトリックス樹脂と同じ樹脂が使用されている。従って、複合材を製造する際、樹脂がロッド12と馴染み易い。
(5) ロッド12は先端が鋭角に形成されているため、先端が鈍角に形成されている場合に比較して、挿入の際に繊維を傷つけ難い。
(6) 各糸層13,14を構成する面内配列糸x,yがそれぞれ、互いに平行な平面上に配列されて積層糸群15が構成されているため、積層糸群15を二次元織物で構成する場合に比較して各面内配列糸x,yが真っ直ぐに延び、面内の強度が高くなる。
(7) ロッド12は三次元織物Fを構成する面内配列糸x,y及び厚さ方向糸zのいずれかの糸の配列方向と平行に挿入されている。従って、三次元織物Fを構成するいずれの繊維に対してもロッド12が交差するように挿入された三次元繊維結合体11に比較して、製造工程においてロッド12を挿入する際、ロッド12が繊維を傷つけずに真っ直ぐに挿入され易い。
(8) 三次元織物Fにロッド12を順に挿入して三次元繊維結合体11を製造する際、挿入すべき全てのロッド12を、所定の位置に各ロッド12の一部が三次元織物Fから突出する状態で挿入した後、全てのロッド12を三次元織物F内に完全に挿入する。ロッド12の長さが両三次元織物Fの厚さの合計以下の場合、ロッド12を三次元織物F内に完全に挿入してしまうとロッド12が外から見えなくなる。このような状態では、ロッド12の本数が多い場合、必要な本数のロッド12の全てを挿入する途中で作業を中止した場合、作業を再開する時にどの範囲までロッド12の挿入が完了しているのかが分かり難い。しかし、前記の方法では、そのような心配はないる。
(9) ロッド12の挿入本数を変えることで、厚さ方向の配向成分の割合を調整できるため、三次元織物Fの製造条件を変えること無く、種々の特性の三次元繊維結合体11を得ることができ、三次元繊維結合体11の製造が簡単になる。
(10) 積層糸群15及び厚さ方向糸zに炭素繊維が使用されているため、合成樹脂繊維や他の無機繊維を使用して形成された三次元織物Fを骨格材とする場合に比較して、耐熱性に優れたC/Cコンポジット(カーボン・カーボン複合材)を製造することができる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を図2に従って説明する。この実施形態では、三次元繊維結合体11が、三次元織物Fのみがロッド12で結合された構成でない点が前記第1の実施形態と大きく異なっている。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。なお、図2は第2の実施形態の三次元繊維結合体11の部分模式断面図である。
図2に示すように、三次元繊維結合体11は三次元織物Fと、三次元繊維構造体20とがロッド12で結合されている。三次元繊維構造体20は円筒状の治具21の外周面に炭素繊維のロービングを巻き付けて配列された複数の繊維層で形成されている。ロッド12は三次元織物F及び三次元繊維構造体20の結合部の厚さの合計より数mm(3〜5mm)長く形成されている。
三次元織物Fは断面T字状に形成され、その一部が三次元繊維構造体20の外周面と接触する状態でロッド12によって三次元繊維構造体20と結合されている。三次元織物Fは断面L字状の三次元織物を2個組み合わせて、結合糸又はロッドにより互いに結合された状態に形成されている。なお、図2に鎖線で示す位置が、断面L字状の両三次元織物の合わせ面となっている。
なお、図2では三次元織物Fが1個だけしか図示されていないが、三次元織物Fは三次元繊維構造体20の周面に隣接した状態で結合され、三次元繊維結合体11は円筒の外周面に軸方向と平行に延びる複数の凸条22(リブ)を備えた構成となっている。
三次元繊維構造体20は単独では形態保持が難しいが、ロッド12により三次元織物Fと結合された状態では、治具21が取り外されても円筒形状が保持される。三次元繊維構造体20は少なくとも三次元織物Fと結合されるまでは、治具21の外周面に巻き付けられることによって円筒状の形状に保持されている。治具21は金属製あるいは発泡樹脂製のものが使用される。
前記のように構成された三次元繊維結合体11は、樹脂が含浸されるとともに硬化された状態の複合材又は樹脂の含浸、硬化、焼成を繰り返して製造されるカーボン・カーボン複合材として使用される。カーボン・カーボン複合材を製造する際は、三次元繊維結合体11を治具21に保持されたまま焼成することにより、治具21が金属製であっても治具21が溶融されて、カーボン・カーボン複合材が得られる。治具21が樹脂製の場合は、治具21が燃焼除去される。
この実施形態においては、第1の実施形態の(3)〜(7),(10)と同様な効果を有する他に、次の効果を有する。
(11) 三次元織物Fと、三次元繊維構造体20とがロッド12で結合されている。従って、同じ厚さの積層繊維層を糸で結合する際に必要なミシン針等の針より細いロッド12で三次元織物Fと、三次元繊維構造体20とを結合することができ、結合の際に繊維が傷つき難くなる。また、複雑な形状の三次元繊維結合体11を容易に製造することができる。
(12) 三次元織物Fと、ロッド12を介して結合される三次元繊維構造体20は面を形成するように配列された繊維からなる繊維層が複数層積層されただけで繊維層を貫通する方向に配列された厚さ方向糸を含まないが、治具21を使用することで、ロッド12により三次元織物Fと結合されるまでの形態保持が可能となっている。
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 三次元織物F及び三次元繊維構造体20の構成繊維として炭素繊維に代えて、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維(例えば、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維)等の高強度、高弾性繊維を使用してもよい。
○ 三次元繊維結合体11の形状は前記両実施形態の形状に限らず、例えば図3(a),(b)に示すように、断面H字形状のものであってもよい。この場合、例えば平面板状の三次元織物Faと、U字状の三次元織物Fbとを結合して製造される。そして、少なくともU字状の三次元織物Fb同士を結合する部分がロッド12により結合されている。この箇所はミシン掛けをしようとしてもミシンのヘッドが平面板状の三次元織物Faと干渉するため、ミシン掛けができないが、ロッド12であれば平面板状の三次元織物Faと干渉せずに挿入することができる。
○ ロッド12の挿入方向は厚さ方向に限らず、X軸方向あるいはY軸方向に挿入してもよい。例えば、T字状断面の三次元繊維結合体11を製造する際、図4(a)に示すように、平板状の2個の三次元織物Fを組み合わせ、一方の三次元織物Fに対しては厚さ方向と平行に、他方の三次元織物Fに対してはX軸方向あるいはY軸方向と平行にロッド12を挿入してもよい。
〇 ロッド12は三次元織物Fを構成する面内配列糸x,y及び厚さ方向糸zのいずれかの糸の配列方向と平行に挿入されているのが好ましいが、図4(b)に示すように、一方の三次元織物Fに対しては厚さ方向と斜めに交差し、他方の三次元織物Fに対してはX軸方向あるいはY軸方向と平行にロッド12を挿入してもよい。また、ロッド12を三次元織物Fを構成する糸(繊維)の配列方向を考慮せずに挿入してもよい。しかし、三次元織物を構成するいずれかの繊維に対してロッドが平行となるように挿入された方が、ロッド12を挿入する際、ロッド12が繊維を傷つけずに真っ直ぐに挿入され易い。
○ 三次元繊維構造体同士の結合強度を要求しない場合(樹脂のみの強度)、樹脂製のロッド12を、作業時の形状保持と、成形時に三次元繊維構造体同士がずれないように部分的に固定するために使用してもよい。ロッド12として繊維強化複合材製のものを使用した場合に比較して低コストで製造できる。
〇 ロッド12は複合材製に限らず、樹脂製であってもよい。樹脂製の場合、三次元繊維結合体11にマトリックスとして樹脂を含浸させるとともに硬化させて複合材として使用する場合は、ロッド12は強化材としての機能はない。しかし、三次元繊維結合体11の繊維として炭素繊維を使用し、三次元繊維結合体11に樹脂の含浸、硬化、焼成を繰り返して製造されるカーボン・カーボン複合材として使用する場合は、焼成の際に消失したロッド12の跡に沿って炭素の結晶が成長し、強化材としての機能を有する状態となる。
○ ロッド12の断面形状は円形に限らず、四角形、楕円形等の他の形状としてもよいが、円形、楕円形等の角部がない方が挿入時に繊維を傷つけ難いため好ましい。
○ 三次元織物Fを構成する積層糸群15は、少なくとも面内2軸配向となる糸層を複数積層して形成されていればよい。例えば、第1の面内配列糸xに対して所定の角度(例えば±45°)で傾斜するように配列された2層一組のバイアス糸からなるバイアス糸層を有する面内4軸、合計5軸の三次元織物としてもよい。この場合、三次元織物Fの形状安定性がより向上する。また、積層糸群15を、互いに60°の角度で交差するように延びる3種類の糸で面内3軸に構成してもよい。
○ 抜け止め糸16を使用せずに、厚さ方向糸zが積層糸群15を一方の側から貫通した後、貫通位置を所定ピッチずらして他方の側から積層糸群15を貫通するように配列してもよい。この場合、抜け止め糸16を使用する構成に比較して厚さ方向糸zを太くでき、三次元織物Fの繊維体積含有率(Vf)を大きくするために厚さ方向糸zの締め付け力を強くできる。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 少なくとも面内2軸配向となる糸層が複数積層されるとともに各糸層と直交する方向に配列された厚さ方向糸を含む少なくとも3軸で構成された三次元織物と、三次元繊維構造体とがロッドで結合された三次元繊維結合体の製造方法であって、結合すべき三次元織物及び三次元繊維構造体の合計の厚さ以下の長さの前記ロッドを使用し、ロッドの挿入時に全てのロッドをその一部(基端)が三次元織物の表面から突出した状態で挿入した後、最後にロッド全体を製品の三次元繊維構造体内に挿入する三次元繊維結合体の製造方法
(2) 少なくとも面内2軸配向となる糸層が複数積層されるとともに各糸層と直交する方向に配列された厚さ方向糸を含む少なくとも3軸で構成された三次元織物と、繊維層が複数層積層されただけで繊維層を貫通する方向に配列された厚さ方向糸を含まない三次元繊維構造体とがロッドで結合された三次元繊維結合体の製造方法であって、前記厚さ方向糸を含まない三次元繊維構造体を治具上に保持し、その上に前記三次元織物を載置した状態でロッドを挿入する三次元繊維結合体の製造方法。
(a)は第1の実施形態の三次元繊維結合体の製造途中を示す模式斜視図、(b)は三次元繊維結合体の一部破断模式断面図。 第2の実施形態の三次元繊維結合体を示す部分模式図。 (a)は別の実施形態の三次元繊維結合体を示す模式斜視図、(b)はその部分拡大図。 (a),(b)は別の実施形態の三次元繊維結合体を示す模式図。
符号の説明
F,Fa,Fb…三次元織物、x…第1の面内配列糸、y…第2の面内配列糸、z…厚さ方向糸、11…三次元繊維結合体、20…三次元繊維構造体、12…ロッド、13…糸層としてのx糸層、14…同じくy糸層。

Claims (7)

  1. 少なくとも面内2軸配向となる糸層が複数積層されるとともに各糸層と直交する方向に配列された厚さ方向糸を含む少なくとも3軸で構成された三次元織物と、三次元繊維構造体とがロッドで結合され、該ロッドは、その先端が鋭角に形成されていることを特徴とする三次元繊維結合体。
  2. 前記三次元織物と結合される三次元繊維構造体も、少なくとも面内2軸配向となる糸層が複数積層されるとともに各糸層と直交する方向に配列された厚さ方向糸を含む少なくとも3軸で構成された三次元織物である請求項1に記載の三次元繊維結合体。
  3. 前記ロッドは繊維強化複合材製である請求項1又は請求項2に記載の三次元繊維結合体。
  4. 前記ロッドは樹脂製である請求項1又は請求項2に記載の三次元繊維結合体。
  5. 前記ロッドは前記三次元織物を構成する面内配列糸及び厚さ方向糸のいずれかの糸の配列方向と平行に挿入されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の三次元繊維結合体。
  6. 前記ロッドは先端が鋭角の円錐状に形成されている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の三次元繊維結合体。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の三次元繊維結合体を骨格材としたことを特徴とする複合材。
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