JPH10168699A - 繊維複合材料およびその製造方法 - Google Patents

繊維複合材料およびその製造方法

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JPH10168699A
JPH10168699A JP8326904A JP32690496A JPH10168699A JP H10168699 A JPH10168699 A JP H10168699A JP 8326904 A JP8326904 A JP 8326904A JP 32690496 A JP32690496 A JP 32690496A JP H10168699 A JPH10168699 A JP H10168699A
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JP
Japan
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fiber
composite material
braiding
woven
fabric
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Application number
JP8326904A
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English (en)
Inventor
Noboru Amiji
登 網治
Tsuneji Kameda
常治 亀田
Tadashi Uozumi
忠司 魚住
Yasunori Hamada
泰以 濱田
Akihiro Fujita
章洋 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Machinery Ltd
Toshiba Corp
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】破壊エネルギー値が大きく、かつ層間剥離強度
を改善でき、また肉厚で複雑形状の繊維構造体を比較的
に容易に形成することが可能な繊維複合材料およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】金属および樹脂の少なくとも一方から成る
マトリックス中に繊維構造体を複合化した繊維複合材料
において、上記繊維構造体は、複数の連続繊維を束ねて
成る繊維束2を組み糸として織り上げて成形したブレー
ディング織物1から成り、複合材料中に占める上記繊維
構造体1の体積率(Vf)が10〜60体積%であるこ
とを特徴とする。またブレーディング織物1を構成する
組み糸(繊維束)2が互いに斜交するように配置すると
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維複合材料および
その製造方法に係り、特に複合化する繊維に組ひも構造
を付与することにより、形状対応性および層間強度特性
を改善した信頼性が高い繊維複合材料およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】無機材料,有機材料,金属材料などから
成る各種の長繊維を樹脂、金属あるいはセラミックスな
どのマトリックス中に複合化した複合材料は、マトリッ
クス自体と比較して力学的特性や物理化学的性質が改善
されるため、各種産業分野および生活分野において、そ
の研究・実用化が進められている。例えば、プラスチッ
クをカーボン繊維やガラス繊維で複合化した繊維強化プ
ラスチックス(FRP)は、その複合化した繊維が有す
る高弾性特性と高強度特性とによって、軽量であるとい
う特徴を保持しながら複合材料としての力学的特性を大
幅に改善できる。そのため、これらの複合材料は、航空
機,船舶,自動車等の工業製品の構成部品として活用さ
れている一方で、スキー板,テニスラケットフレーム,
ゴルフクラブシャフト,釣竿等のスポーツ用品や娯楽生
活関連部品等においても広く実用化されている。
【0003】一方、近年になってセラミックス系の長繊
維を金属やセラミックス焼結体中に複合化した繊維複合
材料の開発も広く進められている。具体例として、カー
ボン繊維で強化したカーボンマトリックス複合材料は、
特に高温度域における比強度が大きい特性を有するた
め、高温炉のモールド材料や宇宙往還機の耐熱構造部品
として使用されている。
【0004】またガスタービン部品,航空機部品,自動
車部品に使用される構造部品には、耐熱性および高温強
度に加えて高い信頼性が要求される。その要求に対応す
るため、無機物質や金属から成る繊維,ウィスカー,プ
レート,粒子等の複合素材をマトリックス中に分散複合
化させて破壊靭性値や破壊エネルギー値や耐熱衝撃性等
を高めたセラミックス基複合材料(CMC)部品や金属
基複合材料(MMC)部品の実用化研究が内外の研究機
関等において進められている。
【0005】特に上記のような長繊維を分散複合化させ
た材料では、力学特性の改善効果が大きくなる。しか
し、そのためには、比較的に多量の繊維をマトリックス
中に複合化する必要がある。また複合材特性の異方性を
低減するために、長繊維を2次元方向または3次元方向
に織り合せて形成したプリフォームを繊維構造体として
使用している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように各種の長繊維から成る繊維構造体をマトリックス
中に複合化した従来の繊維複合材料においては、各繊維
の配向方向によって、複合材料の強度特性等に異方性を
生じる欠点があり、部品全体としての特性が問題になる
ことがあった。特に製造が容易である観点から一般的に
採用される積層構造材の場合、すなわち複数の繊維織物
を積層して繊維構造体とし、この繊維構造体をマトリッ
クス中に配置した複合材料においては、層間剥離強度が
極端に低下してしまう問題点もあった。
【0007】上記層間剥離強度を改善するために、各積
層材(繊維織物)の層間を結合する方向に別途繊維を配
置する各種方法、または、層間剥離を回避するために各
積層材を接合する端面処理等の方法が提案されている。
しかしながら、前者の方法は本質的な改良法ではある
が、各積層材(繊維織物)の織り工程が非常に複雑にな
り、製造性が著しく阻害されるため、広範囲に適用され
るには至っていない。一方、後者の端面処理方法におい
ても製造工程が複雑化する割には剥離防止効果が少な
く、抜本的な解決策にはなっていない。
【0008】さらに、各種セラミックス系長繊維は一般
に屈曲やこすれに対してダメージを受け易く、繊維を構
成するモノフィラメントが切断したり、毛羽立ちを生じ
たりするため、2次元織物や3次元織物等の複雑な形状
を有するプリフォーム(繊維構造体)の形成が困難とな
る問題点がある。
【0009】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、層間剥離強度を改善でき、また肉厚
で複雑形状の繊維構造体を比較的に容易に形成すること
が可能な繊維複合材料およびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明者らは、種々の製法によって繊維構造体を
形成して複合材料を調製し、上記繊維構造体の製法や構
造が複合材料の強度特性、特に層間剥離強度に及ぼす影
響を比較調査した。その結果、連続繊維を束ねた繊維束
をブレーディング法によって織り上げて所定形状のブレ
ーディング織物を形成し、そのブレーディング織物を所
定の繊維体積率で金属や樹脂から成るマトリックスに複
合化させて複合材料としたときに繊維構造体の部品形状
付与が極めて容易であり、また層間剥離強度に優れた繊
維複合材料が初めて得られた。
【0011】また上記繊維束を組み糸としてブレーディ
ング織りで織り上げて成形した織物要素を、さらにブレ
ーディング法,ステッチング法,直交3次元織り法,平
織り法などによって織り上げて繊維構造体を形成したと
きに、繊維の配置がより複雑化して、強度特性の異方性
を低減することができる。
【0012】さらに上記織物要素を織り上げてさらに厚
い織物を形成することにより、部品形状に対応した繊維
構造体を形成することが容易になり、複合材料の層間剥
離強度を向上させることができた。すなわち厚い織物を
使用することにより、部品に要求される所定の肉厚を得
るための織物の積層数を減少させることができる。特に
1層の織物のみで繊維構造体を形成することもできる。
複合材料の層間剥離強度は他方向の強度と比較して低く
なることは避けられない。しかし上記のように織物の積
層数を減少させることにより、脆弱な部位を減らすこと
ができる。
【0013】また上記のように形成した繊維構造体にお
いては、複合材料の厚さ方向に対して斜めまたは平行に
繊維が配置されるため、繊維構造体の層内における剥離
強度が大幅に改善されるという知見も得られた。本発明
は上記知見に基づいて完成したものである。
【0014】すなわち本発明に係る繊維複合材料は、金
属および樹脂の少なくとも一方から成るマトリックス中
に繊維構造体を複合化した繊維複合材料において、上記
繊維構造体は、複数の連続繊維を束ねて成る繊維束を織
り上げて成形したブレーディング織物から成り、複合材
料中に占める上記繊維構造体の体積率(Vf)が10〜
60体積%であることを特徴とする。またブレーディン
グ織物を構成する繊維束が互いに斜交するように配置す
るとよい。さらに連続繊維はセラミックス,金属および
樹脂から選択される少なくとも1種で形成するとよい。
また、連続繊維は炭化けい素(SiC)を主たる構成材
料とすることが好ましい。ブレーディング織物は中央糸
を含み、中央糸のヤング率を組み糸のヤング率より大き
くすることが可能である。さらに中央糸の径を組み糸の
径より大きくすることも可能である。
【0015】また繊維構造体は、繊維束を組み糸として
ブレーディング織りで織り上げて成形した複数の織物要
素から成り、各織物要素を素材としたブレーディング織
り構造,ステッチング構造,直交3次元織り構造,平織
り構造および朱子織り構造のいずれかの製織構造を有す
るように形成してもよい。
【0016】さらに織物要素は、帯状に形成した平打ち
ブレーディング織物または袋帯状に平坦化した丸打ちブ
レーディング織物で構成するとよい。
【0017】ここで上記繊維複合材料のマトリックスを
構成する金属および樹脂としては、例えばアルミニウム
(Al),けい素(Si),銅(Cu),鉄(Fe),
鉛(Pb),すず(Sn),これらの合金などの比較的
低融点の金属材やエポキシ樹脂,フェノール樹脂,ユリ
ア樹脂,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂などの
熱硬化性樹脂およびポリエチレン,ポリスチレン,塩化
ビニール樹脂,ABS樹脂などの熱可塑性樹脂を使用す
ることが可能である。これらの金属材および樹脂材によ
れば、繊維織物または繊維構造体内部への溶融含浸操作
が容易である。
【0018】また上記マトリックス中に配置されるブレ
ーディング織物は複合材料の強度を高めるために所定の
繊維体積率Vfで複合化される。上記ブレーディング織
物は、100〜10000本の連続繊維(モノフィラメ
ント)を束ねて成る繊維束を組み糸としてブレーディン
グ法により織り上げて形成される。上記ブレーディング
織物の繊維束を構成する連続繊維の材質は、特に限定さ
れるものではなく、各種セラミックス繊維,金属繊維,
樹脂繊維を用いることができる。このような繊維の具体
例としては、炭化けい素系繊維(SiC,Si−C−
O,Si−Ti−C−O等),SiC被覆繊維(芯線は
例えばC),アルミナ繊維,ジルコニア繊維,炭素繊
維,ボロン繊維,窒化けい素系繊維,Si3 4 被覆繊
維(芯線は例えばC)およびムライト(3Al2 3
2SiO2 〜2Al2 3 ・SiO2)繊維,ガラス繊
維,タングステン(W)繊維,トリウム−タングステン
(ThO2 −W)繊維,ドープタングステン(Si
2 ,Al2 3 ,K−W)繊維,モリブデン(Mo)
繊維,カーボン(C)繊維,タングステン繊維またはカ
ーボン繊維を芯線として、その表面にボロン(B)を析
出させて形成したボロン繊維,鋼線,ピアノ線,ステン
レス鋼繊維,Be繊維,Ti線,,Al線,Mg線,ア
ラミド繊維等があり、これらから選択された少なくとも
一種を使用するとよい。
【0019】繊維の径および長さは、成形体中における
繊維の配置や、体積分率、そして複合材料の強度特性に
大きく影響を及ぼすものであり、本発明では直径が3〜
150μmの連続繊維を使用する。直径が3μm未満の
場合には、複合効果が小さく、また直径が150μmを
超える太い繊維では、繊維とマトリックスとの境界面に
熱膨脹差等による応力が生じ、いずれの場合も繊維によ
る複合効果を大幅に改善することが困難になる。
【0020】上記連続繊維(モノフィラメント)は10
0〜10000本程度に束ねられて所定太さの繊維束
(ヤーン)とされ、しかる後に繊維束は組み糸としてブ
レーディング法によって織り上げられてブレーディング
織物または織物要素とされる。
【0021】本発明で使用する繊維構造体は、部品形状
付与が容易な上記ブレーディング織物をそのまま使用し
て形成することが可能であるが、このブレーディング織
物を織物要素として使用し、さらに2回以上のブレーデ
ィング処理を施して所定の形状および寸法を有する繊維
構造体を形成してもよい。さらに上記ブレーディング織
物を素材として使用し、ステッチング構造,直交三次元
織り構造,平織り構造,朱子織り構造などの他の製織構
造を有するように処理して肉厚で大型の繊維構造体を形
成することも可能である。
【0022】以下に上記ブレーディング織物または織物
要素を使用した繊維構造体について添付図面を参照して
具体的に説明する。
【0023】図1は円筒形状のブレーディング織物(繊
維構造体)1をブレーディング法を適用して製造してい
る状態を示す正面図である。ブレーディング機のキャリ
アから導出された複数の組み糸(繊維束)2がマンドレ
ル(中子)3の表面に巻き付けられるようにして縦横に
織り上げられることにより、組ひも構造を有するブレー
ディング織物1が形成される。
【0024】図2はブレーディング織物の構造例を示す
平面図であり、経方向の繊維束2aと緯方向の繊維束2
bとが約60度の交差角θで織り上げられてブレーディ
ング織物1aが形成されている。
【0025】図3はブレーディング織物の他の構造例を
示す平面図であり、図2に示す構成に加えて、上下方向
に延びる中央糸4を織り込んでブレーディング織物1b
が形成されている。
【0026】図4は平打ちブレーディング織物5の構成
例を示す平面図であり、この平打ちブレーディング織物
5は、9本の繊維束2を組み糸としてブレーディング処
理することによって平面状に形成されている。この平打
ちブレーディング織物5を形成するためには、少なくと
も5本の繊維束2が組み糸として必要である。
【0027】図5は平打ちブレーディング織物5aの他
の構成例を示す平面図であり、この平打ちブレーディン
グ織物5aは、25本の繊維束2と12本の中央糸4と
をブレーディング処理することによって平面状に形成さ
れる。
【0028】図6は丸打ちブレーディング織物6の構成
例を示す斜視図であり、この丸打ちブレーディング織物
6は8本の繊維束2を組み糸としてブレーディング処理
することによって管状に形成される。
【0029】また、本発明において使用する繊維構造体
は、上記のように調製した複数のブレーディング織物を
要素(織物要素)として、さらに2次元構造または3次
元構造となるように製織して形成してもよい。図7〜図
9はブレーディング織りによる織物要素を2次元的に製
織した繊維構造体をそれぞれ示す。
【0030】すなわち、図7に示す繊維構造体1dは、
複数の織物要素7を平織り(plainweave )構造となる
ように製織して形成される。この繊維構造体1dにおい
ては、縦方向と横方向との織物要素7,7が1本ずつ交
互に交錯している組織を有する。縦横の織物要素7,7
の交錯が最も多いため繊維構造体1dが緊密で硬くな
る。
【0031】図8に示す繊維構造体1eは、複数の織物
要素7,7を綾織り(twill weave)構造となるように
製織して形成される。この繊維構造体1eにおいては、
縦方向または横方向の要素が2本以上並列して、他の要
素と交錯して組み合された組織を有する。この組織を有
する繊維構造体1eは平織り構造の繊維構造体1dと比
較して柔らかくて伸び易い。
【0032】図9に示す繊維構造体1fは、織物要素
7,7を朱子織り(satin weave )構造となるように製
織して形成される。この繊維構造体1fにおいては、縦
方向または横方向の多くの織物要素7が並列して、所々
に交錯部を形成した組織を有する。この組織を有する繊
維構造体1fは前記綾織りの繊維構造体1eと比較し
て、さらに柔らかい性質を有する。
【0033】上記繊維構造体の柔らかさは、複合材料の
破壊エネルギーに大きな影響を及ぼし、繊維構造体の柔
らかさが増加するに伴って、複合材料の破壊エネルギー
値も増加する傾向がある。
【0034】図10〜図11は、織物要素を3次元的に
製織した繊維構造体をそれぞれ示している。すなわち図
10に示す繊維構造体1gは、図6に示すような丸打ち
ブレーディング織物6を織物要素7として使用し、この
織物要素7を、互いに直交するX軸方向,Y軸方向およ
びZ軸方向に配設して3次元織り構造となるように製織
して形成される。
【0035】また図11は、ステッチング構造を有する
繊維構造体1hをマトリックス8中に複合化した繊維複
合材料10を示す斜視断面図である。この複合材料10
の繊維構造体1hは、例えば図4に示す平打ちブレーデ
ィング織物5を織物要素7として4層積層して積層体と
し、この積層体をステッチング用繊維束9によって厚さ
方向に縫い付けて一体的に形成される。
【0036】従来の平織物は、経方向の組み糸と(繊維
束)と緯方向の組み糸との交差角θが90度である場合
に相当し、この交差角度に限定される。したがって、従
来の平織物を複合化した繊維複合材料では、異方性のあ
る強度特性が問題となる場合が多い。
【0037】ところが、図2〜図3に示すように本願発
明で用いるブレーディング織物を構成する経方向の繊維
束2aと緯方向の繊維束2bとは、従来の平織物のよう
に互いに90度の交差角をもって直交するのではなく、
10〜170度程度の任意の交差角θをもって互いに斜
交するように構成される。したがって、図1に示すよう
に繊維束2が互いに斜交するように形成したブレーディ
ング織物1の半径方向に主にフープ応力が作用した場合
あるいは軸方向に主応力が作用した場合においても、各
々斜交した全ての繊維束2をこの応力に有効に対抗させ
るように配置できる。さらに、ブレーディング織物1内
に対しマトリックスを成形する際に発生する応力および
マトリックスの焼成時に発生する収縮応力にも十分に耐
えることができ、織物自体および複合材料の形状精度を
高く保持することができる。
【0038】本発明ではブレーディング法によって繊維
構造体(ブレーディング織物)または織物要素を形成し
ているため、連続繊維の切断や毛羽立ちなどのダメージ
を生じることなく、複雑形状であっても容易に繊維構造
体を形成することができる。すなわち従来の平織物では
横糸シャトルの往復および縦糸の稼動箇所において繰り
返して繊維が屈曲し、繊維同士がこすれる回数が大き
い。一方、ブレーディング法によれば、連続した繊維束
をマンドレル外周に巻回して所定形状の織物を形成する
方法であるため、繊維束同士がこすれる箇所は交差部に
おいて1回限りとなる。したがって、繊維束の屈曲やこ
すれによる繊維の切断や毛羽立ちが少ないため、信頼性
が高く、形状精度が良好な繊維構造体が得られる。
【0039】また図3に示すように、経方向の繊維束2
aおよび緯方向の繊維束2bの各交差部を接続するよう
に中央糸4を設けたブレーディング織物1bを使用する
ことにより、中央糸4を設けた方向における織物特性を
調整することができる。特に中央糸4は屈曲がほぼ無い
ので、そのヤング率を組み糸2a,2bのヤング率より
大きく設定することが可能であり、中央糸4を配設した
方向における強度特性を増加させることができ、またマ
トリックス原料の含浸時などに外力が作用した場合にお
いても変形が少なく、ブレーディング織物の形状精度を
高く保持できる。
【0040】また同様に中央糸4は屈曲がほぼ無いの
で、その繊維径を組み糸2a,2bの繊維径より大きく
設定することが可能である。そのため、クラックや破壊
の進行阻止効果が高められ、亀裂進展抵抗が大きな複合
材料が得られる。また、各繊維間のスペーサとしての機
能が発揮され、繊維束の少ない積層数で所定の肉厚の織
物を効率的に製造できる利点もある。上記中央糸4のス
ペーサとしての機能は、繊維体積率を調整する上でも有
効である。
【0041】上記のようにブレーディング法を使用して
繊維織物を形成するに際して、各組み糸の交差角θ,中
央糸4の配設の有無を適宜選択して容易に制御すること
が可能であるため、複合材料で形成する部品の用途、要
求特性に応じた繊維配置が可能となる。
【0042】上記中央糸4は繊維束の交差部など屈曲が
少ない箇所に配置されるものであるため、高ヤング率の
繊維あるいは太い直径を有する繊維であっても折損が少
ない。中央糸4は上記のように繊維構造体自体の強度を
改善すると同時に、複合材料全体の機械的強度を向上さ
せる上で有効である。
【0043】ブレーディング法によって形成したブレー
ディング織物(繊維構造体)は、複合材料全体に対して
繊維体積率(Vf)で10%以上の割合でマトリックス
と複合化される。しかしながら繊維体積率が60%を超
える過量となると、織物を構成する各繊維周囲に均一に
マトリックスを配置することが困難になり、空隙など欠
陥の発生に伴い複合材料の強度特性が急激に低下してし
まう。したがって複合効果が現れる好ましい体積率は1
0〜60体積%の範囲である。
【0044】上記マトリックス中にブレーディング織物
を配置した繊維複合材料は、例えば以下のように製造さ
れる。すなわち複数の連続繊維を束ねて成る繊維束をブ
レーディング法にて織り上げて所定形状の繊維構造体を
形成し、得られた繊維構造体にマトリックス原料を含浸
せしめて成形体とし、含浸したマトリックス原料を固化
せしめマトリックスと繊維構造体とを一体化して製造さ
れる。
【0045】または、複数の連続繊維を束ねて成る繊維
束をブレーディング法にて織り上げて複数の織物要素を
形成し、各織物要素を素材としてブレーディング織り構
造,ステッチング構造,直交3次元織り構造,平織り構
造および朱子織り構造のいずれかの製織構造を有する所
定形状の繊維構造体を形成し、得られた繊維構造体にマ
トリックス原料を含浸せしめて成形体とし、含浸したマ
トリックス原料を固化せしめてマトリックスと繊維構造
体とを一体化して製造してもよい。
【0046】なお、上記製造方法で繊維要素を形成した
段階においてもマトリックス原料を織物要素に含浸する
ことにより、織物要素内にもマトリックスが緻密に形成
されることになるため、より強度特性が良好な繊維複合
材料を得ることができる。
【0047】上記構成に係る繊維複合材料およびその製
造方法によれば、ブレーディング法によって繊維構造体
(ブレーディング織物)を形成しているため、連続繊維
の切断や毛羽立ちなどのダメージを生じることなく、複
雑形状であっても容易に繊維構造体を形成することがで
きる。
【0048】また、本願発明で用いるブレーディング織
物は組ひも構造を有し、組み糸の交差角度を任意に制御
できるため、部品に発生する主応力方向に有効に繊維を
複合することが可能である。したがって、このブレーデ
ィング織物を使用した複合材料部品は信頼性が高い。
【0049】上記ブレーディング織物を構成する経方向
の繊維束と緯方向の繊維束とが互いに斜交するように構
成することにより、ブレーディング織物に外力が作用し
た場合においても、斜交した全ての繊維束がこの外力に
対抗する作用を発揮し、ブレーディング織物の変形を効
果的に防止できる。したがって、ブレーディング織物内
にマトリックス原料を含浸させる際に発生する応力に耐
え、またマトリックス原料の固化時に発生する収縮応力
にも十分に耐えることができ、織物自体および複合材料
の形状精度を高く保持することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例について添
付図面を参照して説明する。
【0051】実施例1 直径20μmのガラス繊維(商品名:PER−231,
日本板硝子株式会社製)を実施例1用の連続繊維として
用意した。このガラス連続繊維を400本束ねて繊維束
(ヤーン)を調製した。さらに得られた繊維束を使用
し、組み糸24本と中央糸12本とから成る丸打ちブレ
ーディング織物を調製した。さらに得られた丸打ちブレ
ーディング織物を袋帯状に圧潰して織物要素とした。さ
らに、図12に示すように、この織物要素を組み糸2c
として使用し、外径100mm×高さ100mmの中子(マ
ンドレル)3aの外周に上記織物要素をブレーディング
することにより、組み糸24本(中央糸はゼロ本)から
成る厚いブレーディング織物を調製した。さらに、この
厚いブレーディング織物を3層積層することにより、外
径116mm×内径100mm×長さ100mm×厚さ8mmで
ある実施例1用の繊維構造体1cを調製した。
【0052】次に上記繊維構造体を溶融したエポキシ樹
脂(商品名:EPOMIX R−140,三井石油化学
株式会社製)中に浸漬し、真空脱泡した。そしてマトリ
ックス原料としてのエポキシ樹脂を繊維構造体内に含浸
させた後に取り出し、常温(25℃)で24時間放置し
て樹脂材を硬化させた。さらに硬化させた成形体を恒温
槽内に配置し、温度100℃で2時間のアフターキュア
処理を実施することにより、図13に示すような実施例
1に係る円筒形状の繊維複合材料10aを調製した。
【0053】上記実施例1に係る繊維複合材料10a
は、エポキシ樹脂から成るマトリックス8a中にガラス
連続繊維から成るブレーディング織物1cが複合化した
構造を有する。
【0054】得られた円筒形状の繊維複合材料の密度は
2.1g/cm3と高密度であった。また、この繊維複合
材料から板状の試験片を切り出し、内部組織を詳細に観
察したところ、いずれもガラス繊維の周囲にエポキシ樹
脂から成るマトリックスが均一に、かつ緻密に形成され
ていた。また切り出した試験片について引張り強度試験
を実施し、最大強度を測定するとともに、引張り強度試
験における荷重変位曲線から有効破壊エネルギーを測定
した。また層方向の剪断剥離強度を測定して表1に示す
結果を得た。
【0055】この繊維複合材料の強度特性値はいずれも
高い値を示した。
【0056】実施例2 直径14μmのSiCセラミックス連続繊維(商品名:
ハイニカロン,日本カーボン株式会社製)を実施例2用
の連続繊維として用意した。このSiCセラミックス連
続繊維を500本束ねた繊維束(ヤーン)を組み糸とし
て用意した。繊維束のヤング率は270GPaとした。
【0057】さらに得られた繊維束を使用し、組み糸6
本と中央糸24本とから成る丸打ちブレーディング織物
を調製した。さらに得られた丸打ちブレーディング織物
を袋帯状に圧潰して織物要素とした。さらに、この織物
要素を組み糸として使用し、外径100mm×高さ100
mmの中子(マンドレル)の外周に織物要素をブレーディ
ングすることにより、組み糸24本(中央糸はゼロ本)
から成る厚いブレーディング織物を調製した。さらに、
この厚いブレーディング織物を3層積層することによ
り、外径110mm×内径100mm×長さ100mm×厚さ
5mmである実施例2用の繊維構造体を調製した。
【0058】次に上記繊維構造体を耐火性鋳型内にセッ
トし、加圧鋳込み法を使用して、温度670℃の溶融ア
ルミニウム合金をマトリックス原料として繊維構造体内
に加圧含浸させて、実施例2に係る円筒形状の繊維複合
材料を調製した。
【0059】得られた円筒形状の繊維複合材料の密度は
2.7g/cm3と高密度であった。また複合材料から板
状の試験片を切り出し、内部組織を詳細に観察したとこ
ろ、いずれもセラミックス繊維の周囲にアルミニウム合
金から成るマトリックスが均一に、かつ緻密に形成され
ていた。また切り出した試験片について引張り強度試験
を実施し、最大強度を測定するとともに、引張り強度試
験における荷重変位曲線から有効破壊エネルギーを測定
した。また層方向の剪断剥離強度を測定して表1に示す
結果を得た。
【0060】この繊維複合材料の強度特性値はいずれも
高い値を示した。
【0061】実施例3 直径10〜13μmのアルミナ(Al2 3 )系セラミ
ックス連続繊維(商品名:ネクステル610,スリーエ
ム株式会社製)を実施例3用の連続繊維として用意し
た。このAl2 3 セラミックス連続繊維を390本束
ねて繊維束(ヤーン)を調製した。
【0062】さらに得られた繊維束を使用し、組み糸2
4本と中央糸12本とから成る丸打ちブレーディング織
物を調製した。さらに得られた丸打ちブレーディング織
物を袋帯状に圧潰して織物要素とした。さらに、この織
物要素を組み糸として使用し、外径100mm×高さ10
0mmの中子(マンドレル)の外周に織物要素をブレーデ
ィングすることにより、組み糸24本(中央糸はゼロ
本)から成る厚いブレーディング織物を調製した。さら
に、この厚いブレーディング織物を3層積層することに
より、外径114mm×内径100mm×長さ100mm×厚
さ7mmである実施例3用の繊維構造体を調製した。
【0063】次に上記繊維構造体を耐火性鋳型内にセッ
トし、加圧鋳込み法を使用して、温度670℃の溶融ア
ルミニウム合金をマトリックス原料として上記繊維構造
体内に加圧含浸させて、実施例3に係る円筒形状の繊維
複合材料を調製した。
【0064】上記実施例3に係る複合材料は、アルミニ
ウム合金から成るマトリックス中にAl2 3 連続繊維
から成る繊維構造体が複合化した構造を有する。
【0065】得られた円筒形状の複合材料の密度は2.
8g/cm3と高密度であった。また複合材料から板状の
試験片を切り出し、内部組織を詳細に観察したところ、
いずれもAl2 3 セラミックス繊維の周囲にAl合金
から成るマトリックスが均一に、かつ緻密に形成されて
いた。また切り出した試験片について引張り強度試験を
実施し、最大強度を測定するとともに、引張り強度試験
における荷重変位曲線から有効破壊エネルギーを測定し
た。また層方向の剪断剥離強度を測定して表1に示す結
果を得た。
【0066】この繊維複合材料の強度特性値はいずれも
高い値を示した。
【0067】比較例1 実施例1において用意したガラス連続繊維を400本束
ねて繊維束(ヤーン)を調製した。この繊維束を従来の
平織り構造となるように製織して平織りクロスを製造
し、さらに帯状に裁断した。
【0068】次に外径100mm×高さ100mmの中子
(マンドレル)外周に、上記帯状の平織り物を12層巻
回することにより、外径116mm×内径100mm×長さ
100mm×厚さ8mmの円筒状の繊維構造体を調製した。
【0069】以下、実施例1と同様に、上記繊維構造体
中にマトリックス原料としてのエポキシ樹脂を含浸し、
さらにエポキシ樹脂を硬化せしめることにより、比較例
1に係る繊維複合材料を製造した。
【0070】比較例2 実施例2において用意したSiC系セラミックス連続繊
維を500本束ねて繊維束(ヤーン)を調製した。この
繊維束を従来の平織り構造となるように製織して平織り
クロスを製造し、さらに帯状に裁断した。
【0071】次に外径100mm×高さ100mmの中子
(マンドレル)外周に、上記帯状の平織り物を12層巻
回することにより、外径110mm×内径100mm×長さ
100mm×厚さ5mmの円筒状の繊維構造体を調製した。
【0072】以下、実施例2と同様に、上記繊維構造体
中にマトリックス原料としての溶融アルミニウム合金を
加圧含浸して固化せしめることにより、比較例2に係る
繊維複合材料を製造した。
【0073】こうして製造した実施例1〜3および比較
例1〜2に係る各繊維複合材料から引張り試験片を切り
出し、室温(25℃)における密度、引張り試験による
最大強度を測定した、また引張り試験によって得られた
荷重変位曲線から各複合材料の破壊エネルギーおよび層
方向剪断剥離強度を測定した。測定結果を下記表1に示
す。
【0074】
【表1】
【0075】上記表1に示す結果から明らかなように、
ブレーディング織りによって得られた繊維構造体を使用
した各実施例の繊維複合材料は、従来の平織り構造の繊
維構造体を使用した比較例1〜2の複合材料と比較して
最大強度が大きく、また、有効破壊エネルギーが大幅に
改善されることが判明した。また層間剪断剥離強度につ
いては3〜12倍程度と飛躍的に改善でき、また最大強
度も同等から2倍以上となり、優れた強度特性および耐
久性が得られることが実証された。
【0076】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る繊維複合
材料およびその製造方法によれば、ブレーディング法に
よって繊維構造体(ブレーディング織物)を形成してい
るため、層間剥離強度が改善でき、また連続繊維の切断
や毛羽立ちなどのダメージを生じることなく、複雑形状
であっても容易に繊維構造体を形成することができる。
【0077】また、本願発明で用いるブレーディング織
物は組ひも構造を有し、組み糸の交差角度を任意に制御
できるため、部品に発生する応力方向に有効に繊維を複
合することが可能である。したがって、このブレーディ
ング織物を使用した繊維複合材料部品は信頼性が高い。
【0078】上記ブレーディング織物を構成する経方向
の繊維束と緯方向の繊維束とが互いに斜交するように構
成することにより、ブレーディング織物に外力が作用し
た場合においても、斜交した全ての繊維束がこの外力に
対抗する作用を発揮し、ブレーディング織物の変形を効
果的に防止できる。したがって、ブレーディング織物内
にマトリックス原料を含浸させる際に発生する応力に耐
えることができ、織物自体および複合材料の形状精度を
高く保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒形状のブレーディング織物を製造している
状態を示す正面図。
【図2】ブレーディング織物の一実施例を示す平面図。
【図3】ブレーディング織物の他の実施例を示す平面
図。
【図4】平打ちブレーディング織物の構成例を示す平面
図。
【図5】平打ちブレーディング織物の他の構成例を示す
平面図。
【図6】丸打ちブレーディング織物の構成例を示す斜視
図。
【図7】ブレーディング織りによる織物要素を、さらに
平織り構造となるように製織した繊維構造体の構造を示
す図。
【図8】ブレーディング織りによる織物要素を、さらに
綾織り構造となるように製織した繊維構造体の構造を示
す図。
【図9】ブレーディング織りによる織物要素を、さらに
朱子織り構造となるように製織した繊維構造体の構造を
示す図。
【図10】ブレーディング織りによる織物要素を、さら
に3次元構造となるように製織した繊維構造体の構造を
示す斜視図。
【図11】ステッチング構造を有する繊維構造体をマト
リックス中に複合化した繊維複合材料の構造を示す斜視
断面図。
【図12】実施例で使用したブレーディング織物の形状
を示す斜視図。
【図13】実施例に係る円筒形状の繊維複合材料を部分
的に破断して示す斜視図。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g ブレ
ーディング織物(繊維構造体) 2,2a,2b,2c 組み糸(繊維束) 3,3a マンドレル(中子) 4 中央糸 5,5a 平打ちブレーディング織物 6 丸打ちブレーディング織物 7 織物要素 8,8a マトリックス 9 ステッチング用繊維束 10,10a 繊維複合材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 5/04 CFC D03D 25/00 D03D 25/00 D04C 1/06 C D04C 1/06 B29C 67/14 X (72)発明者 魚住 忠司 京都府京都市伏見区竹田向代町136番地 村田機械株式会社本社内 (72)発明者 濱田 泰以 京都府京都市左京区松ヶ崎御所海道町 京 都工芸繊維大学内 (72)発明者 藤田 章洋 京都府京都市左京区松ヶ崎御所海道町 京 都工芸繊維大学内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属および樹脂の少なくとも一方から成
    るマトリックス中に繊維構造体を複合化した繊維複合材
    料において、上記繊維構造体は、複数の連続繊維を束ね
    て成る繊維束を組み糸として織り上げて成形したブレー
    ディング織物から成り、複合材料中に占める上記繊維構
    造体の体積率(Vf)が10〜60体積%であることを
    特徴とする繊維複合材料。
  2. 【請求項2】 ブレーディング織物を構成する繊維束が
    互いに斜交するように配置したことを特徴とする請求項
    1記載の繊維複合材料。
  3. 【請求項3】 連続繊維はセラミックス,金属および樹
    脂から選択される少なくとも1種から成ることを特徴と
    する請求項1記載の繊維複合材料。
  4. 【請求項4】 連続繊維は炭化けい素(SiC)を主た
    る構成材料としていることを特徴とする請求項1記載の
    繊維複合材料。
  5. 【請求項5】 ブレーディング織物は中央糸を含み、中
    央糸のヤング率が組み糸のヤング率より大きいことを特
    徴とする請求項1記載の繊維複合材料。
  6. 【請求項6】 中央糸の径が組み糸の径より大きいこと
    を特徴とする請求項5記載の繊維複合材料。
  7. 【請求項7】 繊維構造体は、繊維束を組み糸としてブ
    レーディング織りで織り上げて成形した複数の織物要素
    から成り、各織物要素を素材としたブレーディング織り
    構造,ステッチング構造,直交3次元織り構造,平織り
    構造および朱子織り構造のいずれかの製織構造を有する
    ように形成されたことを特徴とする請求項1記載のセラ
    ミックス基繊維複合材料。
  8. 【請求項8】 織物要素は、帯状に形成した平打ちブレ
    ーディング織物であることを特徴とする請求項7記載の
    繊維複合材料。
  9. 【請求項9】 織物要素は、袋帯状に平坦化した丸打ち
    ブレーディング織物であることを特徴とする請求項7記
    載の繊維複合材料。
  10. 【請求項10】 複数の連続繊維を束ねて成る繊維束を
    ブレーディング法にて織り上げて所定形状の繊維構造体
    を形成し、得られた繊維構造体にマトリックス原料を含
    浸せしめて成形体とし、含浸したマトリックス原料を固
    化せしめてマトリックスと繊維構造体とを一体化するこ
    とを特徴とする繊維複合材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 複数の連続繊維を束ねて成る繊維束を
    ブレーディング法にて織り上げて複数の織物要素を形成
    し、各織物要素を素材としてブレーディング織り構造,
    ステッチング構造,直交3次元織り構造,平織り構造お
    よび朱子織り構造のいずれかの製織構造を有する所定形
    状の繊維構造体を形成し、得られた繊維構造体にマトリ
    ックス原料を含浸せしめて成形体とし、含浸したマトリ
    ックス原料を固化せしめてマトリックスと繊維構造体と
    を一体化することを特徴とする繊維複合材料の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 繊維要素を形成した段階においてもマ
    トリックス原料を織物要素に含浸することを特徴とする
    請求項11記載の繊維複合材料の製造方法。
  13. 【請求項13】 複合材料に占める繊維構造体の体積率
    (Vf)を10〜60体積%の範囲に設定することを特
    徴とする請求項10または11記載の繊維複合材料の製
    造方法。
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