WO2014196574A1 - 熱処理炉用治具 - Google Patents

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Abstract

治具の底部(網体)の強度を向上させるとともに、網目のずれを生じにくくする。 熱処理炉用治具の網体2には、ワークが載置される。網体2では、接点X1において、第1ストランド10、第2ストランド20及び第3ストランド30が接している。接点X1付近では、第2ストランド20が第1ストランド10に上方から重なり、第3ストランド30が第1ストランド10に下方から重なっている。これにより、第1ストランド10は、第2ストランド20と第3ストランド30とによって上下方向に挟まれている。

Description

熱処理炉用治具
 本発明は、熱処理炉内でワークを熱処理する際に用いられる熱処理炉用治具に関する。
 浸炭や焼入れ等の各種熱処理において、ワークは治具に載置された状態で熱処理される。このような治具として、特許文献1には、ワークが載置される網状の底部と、底部を保持する四角枠状の枠体とを有した治具が開示されている。底部は、平織の網体からなり、縦軸の繊維ストランドと横軸の繊維ストランドとが交互に交差してなる。網体は、各繊維ストランドを枠体に固定しながら作製されている。
特表2006-527351号公報
 治具の底部(網体)は、ワークを安定して保持できるように、高強度であることが好ましい。そこで、網体にマトリックスを含浸することにより、網体の強度を高める方法が採られている。しかしながら、特許文献1の網体では、縦軸の繊維ストランドと横軸の繊維ストランドとが交差しているだけであり、マトリックスを含浸させても交差部分での繊維ストランドの接着力が弱い。このため、網体を枠体から外すと、網体が水平方向及び垂直方向に容易に変形してしまう。このような網体ではワークを十分に支持できないため、金属製品等の熱処理する際、非常に不都合である。
 また、交差部分での繊維ストランド同士の接着力が弱い場合、網目が水平方向にずれることで、網目が小さい領域が生じることがある。このような領域では、例えばワーク及び治具を冷却油に浸漬させた際の、冷却油の通り道を確保できず、その結果、ワークを冷却油に十分に浸漬させることができないおそれがある。
 そこで、本発明の目的は、網体(治具の底部)の強度を向上させつつ、網目のずれが生じにくい熱処理炉用治具を提供することである。
 本発明の熱処理炉用治具は、複数の炭素繊維を束ねたストランドが織り合わされた網体を備えており、前記網体にマトリックスが含浸され、少なくとも1方向の前記ストランドが、他の方向に延在した2つの前記ストランドに挟まれている。
 本発明によると、網体のストランドを他の2つのストランドで挟み、網体の交差部分での接着力を高めることにより、網目のずれを防止できるとともに、網体自体の強度を高めることができる。これにより、熱処理炉用治具を油槽に浸漬した際の冷却油の通り道を確保できるとともに、ワークを安定して保持することができ、長期に渡る使用が可能となる。
 また、本発明において、前記網体は、三軸織物であることが好ましい。あるいは、前記網体が二軸織物であり、少なくとも1つの軸に、複数のストランドを撚り合わせた撚りストランドが用いられていることが好ましい。
 上記構成によると、外周部に枠体を設けることなく、簡易な構成で、網体の強度を高めることができるとともに、網目のずれが生じることを抑止できる。
 また、前記網体が三軸織物である場合は、
 第1軸の前記ストランドの一方の側線が、第2軸の前記ストランドと第3軸の前記ストランドとが重なり合った四角形の第1領域の頂点に接し、
 前記第1軸のストランドの他方の側線が、前記第2軸のストランドに平行であり且つ前記第2軸のストランドの隣に配置されたストランドと前記第3軸のストランドとが重なり合った四角形の第2領域の頂点に接していることが好ましい。
 上記構成によると、第1軸のストランドを第2軸のストランド及び第3軸のストランドによって両側方から挟むことができるため、網体の強度をさらに向上させることができるとともに、網目のずれが生じることを抑止できる。
 あるいは、本発明の熱処理炉用治具は、
 複数の炭素繊維を束ねたストランドが織り合わされた網体を備えており、
 前記網体にマトリックスが含浸され、
 異なる少なくとも2方向に延在した前記ストランドの交差部分において結び目(knot)が形成されている。
 本発明によると、2つ以上のストランドを交差部分において結び、網体の交差部分での接着力を高めることにより、網目のずれを防止できるとともに、網体自体の強度を高めることができる。これにより、熱処理炉用治具を油槽に浸漬した際の冷却油の通り道を確保できるとともに、ワークを安定して保持することができ、長期に渡る使用が可能となる。
 また、前記マトリックスは、炭素主体であることが好ましい。このような炭素として、ピッチ由来又は樹脂由来の炭素、熱分解炭素等が挙げられる。
 炭素主体のマトリックスの熱膨張係数は炭素繊維の熱膨張係数とあまり変わらないため網の製造もしくは使用時の内部応力の発生が小さく、また炭素繊維と反応する可能性が低いため炭素繊維の強度を損なうことがない。したがって、炭素主体のマトリックスは、本発明のマトリックスに適している。マトリックスに用いられる炭素には、ピッチ由来又は樹脂由来の炭素、気相熱分解炭素等の各種方法によって得られる炭素が挙げられる。
 本発明によると、治具の底部(網体)の強度を向上させることができるとともに、網目のずれが生じることを抑止できる。
(a)は本発明の第1実施形態に係る熱処理炉用治具の組立後の状態を示す斜視図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る熱処理炉用治具の組立前の状態を示す斜視図である。 (a)は図1に示す網体の平面図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。 第2実施形態に係る熱処理炉用治具の網体の部分拡大図である。 第2実施形態の変形例の網体の部分拡大図である。 第3実施形態に係る熱処理炉用治具の網体の部分拡大図である。 第3実施形態の変形例の網体の部分拡大図である。 第4実施形態に係る熱処理炉用治具の網体の部分拡大図である。 第4実施形態の変形例の網体の部分拡大図である。 第5実施形態に係る熱処理炉用治具の網体の部分拡大図である。
 以下、本発明の実施形態について説明する。
 ここでは、本発明の実施形態である熱処理炉用治具100について、図1,2を参照しつつ以下に説明する。
 熱処理炉用治具100は、図1(a)に示すように、箱状のフレーム1と、フレーム1内に配置された網体2とを有している。フレーム1は、網体2を取り囲む四角枠状の枠部3を有している。枠部3内には、図1(b)に示すように、板状部材4が格子状に配置され、フレーム1の底部を形成している。板状部材4の上には、網体2が配置される。熱処理炉内では、網体2にワーク(図示省略)を載置した状態で、浸炭、浸炭窒化処理、焼き入れ、焼き鈍し等の熱処理が行われる。
 網体2は、図2(a)に示すように、複数のストランドを3方向から織り合わせた三軸織物であり、六角形の網目2a,2b・・・が形成されている。各ストランドでは、複数の炭素繊維が撚らずに並べられている。
 また、網体2には、マトリックスが含浸されている。マトリックスとしては、500℃以上の高温においても強度低下の少ないマトリックスを用いることが好ましく、炭素、SiC,SiN4,Al23などのセラミックス類、金属類、とりわけ好適にはCr,Ni,Mo,W等の1000℃以上の融点の金属又は合金、或いはこれらの組合せを用いることが出来る。これらのなかでも、気相熱分解炭素、ピッチ由来の炭素、樹脂由来の炭素等が含まれる炭素成分主体のマトリックスを用いることが好ましい。マトリックスを炭素主体とすることで、マトリックスと炭素繊維との反応を低減させることができるとともに、マトリックスと炭素繊維との熱膨張係数が近似するため、マトリックスと炭素繊維との接着力を向上させることができる。また、高強度の網体2が得られる。炭素主体のマトリックスは、ピッチや樹脂を含浸し炭化させるもしくは、高温で炭化水素ガスなどの原料ガスを流し熱分解(気相熱分解)することで得られる。なかでも気相熱分解法によればマトリックス含浸後の網体から余剰な炭素を取り除くなどの作業が不要であるため好ましい。気相熱分解炭素は一般的な熱CVD法により得ることができるが、特に、CVI法を適用することが好ましい。この方法では、ストランドの表面だけでなく、ストランドを構成する炭素繊維間や、炭素繊維同士が接触した交点部分にも熱分解炭素を含浸させることができる。更には含浸量をコントロールすることで余剰の炭素を除去することが不要となる。
 網体2では、図2(b)に示すように、3つのストランド10,20,30が、接点X1で接している。第1ストランド10は前後方向に延在し、第2ストランド20は右前方向(又は左後方向)に延在し、第3ストランド30は右後方向(又は左前方向)に延在している。
 また、接点X1の右前方における接点Y1では、3つのストランド10,20,40が接している。第4ストランド40は、右後方向(又は左前方向)に延在し、第3ストランド30と平行なストランドである。また、第4ストランド40は、第3ストランド30の隣に配置されている。
 第1ストランド10の中心軸に対して、接点X1は左方に位置し、接点Y1は右方に位置している。
 そして、接点X1で交差した第2ストランド20及び第3ストランド30のうち、第2ストランド20が上方から第1ストランド10に重なり、第3ストランド30が下方から第1ストランド10に重なっている。このような構成から、第1ストランド10は、前後方向について異なる位置であるが、第2ストランド20及び第3ストランド30によって上下方向に挟まれている。ここで、上下方向とは、網体2の平面に直交する方向である。
 また、接点Y1では、交差した第2ストランド20及び第4ストランド40のうち、第2ストランド20が上方から第1ストランド10に重なり、第4ストランド40が下方から第1ストランド10に重なっている。このような構成から、第1ストランド10は、前後方向について異なる位置であるが、第2ストランド20及び第4ストランド40によって上下方向に挟まれている。
 さらに、接点X1では、第1ストランドの左側線が、第2ストランド20と第3ストランド30とが重なり合ったひし形の領域61の右頂点(接点X1)に接している。一方、接点Y1では、第1ストランドの右側線が、第2ストランド20と第4ストランド40とが重なり合ったひし形の領域62の右頂点(接点Y1)に接している。これにより、接点X1,Y1付近では、第1ストランド10が、第2ストランド20、第3ストランド30及び第4ストランド40によって左右方向に挟まれている。
 以上から、接点X1,Y1付近では、第1ストランド10が、他の方向に延在したストランド20,30,40によって上下方向及び左右方向に挟まれている。
 また、ストランド20は、図2(b)に示すように、接点X1,Y1付近において、ストランド10,30,40により上下方向に挟まれている。そして、接点X1では、第2ストランド20の後側線が、第1ストランド10と第3ストランド30とが重なり合ったひし形の領域63の前頂点(接点X1)に接している。一方、接点Y1では、第2ストランドの前側線が、第1ストランド10と第4ストランド40とが重なり合ったひし形の領域64の後頂点(接点Y1)に接している。これにより、接点X1,Y1付近では、第2ストランド20が、第1ストランド10、第3ストランド30及び第4ストランド40によって前後方向に挟まれている。
 以上から、接点X1,Y1付近では、第2ストランド20が、他の方向に延在したストランド10,30,40によって上下方向及び前後方向に挟まれている。
 また、ストランド30は、図2(b)に示すように、接点X1,Z1付近において、ストランド10,20,50により上下方向に挟まれている。ここで、接点Z1は、3つのストランド20,30,50が接した点である。第5ストランド50は、前後方向に延在し、第1ストランド10と平行なストランドである。また、第5ストランド50は、第1ストランド10の隣に配置されている。
 そして、接点X1では、第3ストランド30の前側線が、第1ストランド10と第2ストランド20とが重なり合ったひし形の領域65の後頂点(接点X1)に接している。一方、接点Z1では、第3ストランド30の後側線が、第2ストランド20と第5ストランド50とが重なり合ったひし形の領域66の前頂点(接点Z1)に接している。これにより、接点Y1,Z1付近では、第3ストランド30が、第1ストランド10、第2ストランド20及び第5ストランド50によって前後方向に挟まれている。
 以上から、接点Y1,Z1付近では、第3ストランド30が、他の方向に延在したストランド10,20,50によって上下方向及び前後方向に挟まれている。
 このような構成から、3つのストランドの接点付近では、ストランドが前後方向、左右方向及び上下方向にずれにくい。よって、網体2の網目がずれにくい構成となっている。
 以上に述べたように、本実施形態の熱処理炉用治具100によると、以下の効果を奏する。網体2のストランド(10)を他の2つのストランド(20,30)で上下方向に挟み、網体2の交差部分での接着力を高めることにより、網目2a,2b・・・のずれを防止できるとともに、網体2自体の強度を高めることができる。これにより、熱処理炉用治具100を油槽に浸漬した際の冷却油の通り道を確保できるとともに、ワークを安定して保持することができ、長期に渡る使用が可能となる。
 また、ストランド10,20,30・・・を枠部3に強固に固定したり、ストランド10,20,30・・・を張設したりすることなく、網目2a,2b・・・のずれを防止できるとともに、網体2の強度を確保できる。
 さらに、三軸織物の網体2では、ストランド(10)の一方の側線が交差した2つのストランド(20,30)に接触し、ストランド(10)の他方の側線が交差した2つのストランド(20,40)に接触することにより、ストランド(10)を両側方から挟んでいる。これにより、ストランドを前後方向や左右方向に挟むことができるため、網目のずれをより生じにくくできる。
 また、炭素主体のマトリックスを網体2に含浸させるという簡易な方法で網体2の強度を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
 次に、第2実施形態について、図3を参照しつつ説明する。第2実施形態において第1実施形態と異なる点は、網体201の構成である。
 網体201は、二軸織物であり、四角形状の網目201a,201bが形成されている。各ストランドでは、複数の炭素繊維が束ねられている。また、網体201には、マトリックスが含浸されている。
 横軸のストランド210では、炭素繊維が撚らずに並べられている。一方、縦軸のストランド(撚りストランド)220では、2つのストランド221,222が格子間で1回転(360°捩り)するように緩やかに撚り合わされている。横軸のストランド210は、縦軸の2つのストランド221,222の間を通っている。
 横軸のストランド210と縦軸のストランド221,222との3つのストランドは、接点X2,Y2で接している。接点X2と接点Y2とは、縦軸のストランド210を挟んで互いに反対側に位置している。
 接点X2,Y2間では、横軸のストランド210が縦軸のストランド221,222によって径方向(網体201の平面と直交する方向(上下方向))に挟まれている。
 また、接点X2では、横軸のストランド210の前側線が、縦軸のストランド221とストランド222との交差した領域に接している。一方、接点Y2では、横軸のストランド210の後側線が、縦軸のストランド221とストランド222との交差した領域に接している。これにより、横軸のストランド210は縦軸のストランド221,222によって前後方向に挟まれている。
 このような構成から、接点X2,Y2付近、つまり、四角形の網目201aの角部を構成する部分では、横軸のストランド210が、縦軸のストランド221,222によって上下方向及び前後方向に挟まれている。そして、他の角部を構成する部分においても、横軸のストランド210が、縦軸のストランド221,222によって上下方向及び前後方向に挟まれている。これにより、全ての網目の角部周辺では、ストランド210が上下方向及び前後方向にずれにくい。また、横軸のストランド210は、縦軸のストランド221,222によって上下方向に挟まれることで、左右方向にもずれにくくなっている。また捩りストランドを用いることで、ストランド221,222に捩り反力が生じて横軸のストランド210を挟みつける力が生じるため、ストランド210をよりずれにくくできる。
 以上から、本実施形態では、網体201に二軸織物を採用することで、網体201を枠体に固定することなく網目201a,201b・・・のずれを防止できるとともに、網体201自体の強度を高めることができる。
〔変形例1〕
 次に、第2実施形態の変形例について、図4を参照しつつ説明する。変形例1において第2実施形態と異なる点は、網体301の横軸に撚りストランド310を用いている点である。
 横軸の撚りストランド310では、炭素繊維を束ねたストランド311,312が緩やかに撚り合わされている。また、縦軸の撚りストランド320でも、炭素繊維を束ねたストランド321,322が緩やかに撚り合わされている。横軸の撚りストランド310は、縦軸のストランド321とストランド322との間を通っている。
 図4に示すように、横軸のストランド311と縦軸のストランド321,322との3つのストランドは、接点X3で接している。横軸のストランド312と縦軸のストランド321,322との3つのストランドは、接点Y3で接している。接点X3と接点Y3とは、撚りストランド310を挟んで互いに反対側に位置している。
 接点X3と接点Y3との間では、横軸のストランド311,312が縦軸のストランド321,322によって径方向(網体301の平面と直交する方向(上下方向))に挟まれている。
 また、接点X3では、横軸のストランド311の後側線が、縦軸のストランド321とストランド322との交差した領域に接している。一方、接点Y3では、横軸のストランド321の前側線が、縦軸のストランド221とストランド222との交差した領域に接している。これにより、横軸のストランド311,312は縦軸のストランド321,322によって前後方向に挟まれている。
 このような構成から、変形例1でも、四角形の網目301aの角部(接点X3,Y3付近等)において、横軸の撚りストランド310が、縦軸の撚りストランド320によって上下方向及び前後方向に挟まれている。これにより、網目301aの角部では撚りストランド310が上下方向及び前後方向にずれにくい。また、横軸の撚りストランド310は、縦軸の撚りストランド320によって上下方向に挟まれることで、左右方向にもずれにくくなっている。
 以上から、本変形例でも、第2実施形態と同様に、網体301に二軸織物を採用することで、網体301を枠体に固定することなく網目301aのずれを防止できるとともに、網体301自体の強度を高めることができる。
〔第3実施形態〕
 次に、第3実施形態について、図5を参照しつつ説明する。第3実施形態において第1実施形態と異なる点は、網体401の構成である。
 網体401は、二軸織物であり、網目401a,401b・・・が四角形状となっている。各ストランドでは、複数の炭素繊維が束ねられている。また、網体401には、マトリックスが含浸されている。
 横軸のストランド410では、複数の炭素繊維を撚らずに並べられている。一方、縦軸の撚りストランド420は、2つのストランド421,422を撚り合わせてなる。撚りストランド420の撚り数は、第2実施形態の撚りストランド220の撚り数より多い。そのため、撚りストランド420の強度は、撚りストランド220の強度より高い。横軸のストランド410は、縦軸のストランド421とストランド422との間を通っている。
 横軸のストランド410と縦軸の撚りストランド420とが重なり合った部分P1では、横軸のストランド410が縦軸のストランド421とストランド422とに上下方向(網体401の平面に直交する方向)に挟まれている。
 このような構成から、2軸のストランド410,420が重なり合った部分P1、つまり、四角形の網目401aの角部を構成する部分では、横軸のストランド410がずれにくい。
 そのため、本実施形態では、網体401に二軸織物を採用することで、網体401を枠体に固定することなく網目401aのずれを防止できるとともに、網体401自体の強度を高めることができる。また、第2実施形態の網体201と比較すると、撚りストランド420(縦軸)では、第2実施形態の撚りストランド220(縦軸)よりも撚り数が多いため、第2実施形態の網体201よりも高強度であるとともに網目401aのずれが生じにくい。
〔変形例2〕
 次に、変形例2について、図6を参照しつつ説明する。変形例2において第3実施形態と異なる点は、網体501の横軸に撚りストランド510を用いている点である。
 横軸の撚りストランド510では、炭素繊維を束ねたストランド511,512が撚り合わされている。また、縦軸の撚りストランド520でも、炭素繊維を束ねたストランド521,522が撚り合わされている。横軸の撚りストランド510は、縦軸のストランド521とストランド522との間を通っている。
 横軸の撚りストランド510と縦軸の撚りストランド520とが重なり合った部分P2では、横軸の撚りストランド510が縦軸のストランド521とストランド522とに上下方向(網体501の平面に直交する方向)に挟まれている。
 このような構成から、2軸の撚りストランド510,520が重なり合った部分P2、つまり、四角形の網目501aの角部を構成する部分では、横軸の撚りストランド510がずれにくい。
 そのため、本変形例でも、第3実施形態と同様に、網体501に二軸織物を採用することで、網体501を枠体に固定することなく網目501aのずれを防止できるとともに、網体501自体の強度を高めることができる。さらに、変形例2の網体301と比較すると、撚りストランド510,520(横軸、縦軸)は、変形例2の撚りストランド310,320(横軸、縦軸)よりも撚り数が多いため変形例2の網体301よりも高強度であるとともに網目501aのずれが生じにくい。
〔第4実施形態〕
 次に、第4実施形態について、図7を参照しつつ説明する。第4実施形態において第1実施形態と異なる点は、網体601の構成である。
 網体601は、二軸織物であり、横軸及び縦軸に撚りストランド610,620を用いている。また、網体601には、マトリックスが含浸されている。
 横軸の撚りストランド610では、2つのストランド611,612を緩やかに撚り合わされている。また、縦軸の撚りストランド620では、2つのストランド621,622を緩やかに撚り合わされている。
 横軸のストランド611は、縦軸のストランド621とストランド622との間を通っている。また、横軸のストランド612も、縦軸のストランド621とストランド622との間を通っている。
 そして、縦軸のストランド621は、横軸のストランド611とストランド612との間を通っている。また、縦軸のストランド622は、横軸のストランド611とストランド612との間を通っている。
 上記構成から、縦軸の撚りストランド610と横軸の撚りストランド620とが重なり合った部分では、横軸のストランド611が縦軸のストランド621,622によって径方向(網体601の平面と直交する方向(上下方向))に挟まれている。また、横軸のストランド612が縦軸のストランド621,622によって径方向に挟まれている。さらに、縦軸のストランド621が横軸のストランド611,612によって径方向に挟まれている。また、縦軸のストランド622が横軸のストランド611,612によって径方向に挟まれている。
 また、横軸のストランド611と縦軸のストランド621,622との3つのストランドは、接点X6で接している。接点X6では、横軸のストランド611の下側線が、縦軸のストランド621とストランド622との交差した領域に接している。
 そして、横軸のストランド612と縦軸のストランド621,622との3つのストランドは、接点Y6で接している。接点Y6では、横軸のストランド612の上側線が、縦軸のストランド621とストランド622との交差した領域に接している。接点X6と接点Y6とは、横軸の撚りストランド610を挟んで互いに反対側に位置している。
 上記構成から、横軸の撚りストランド610は縦軸のストランド621,622によって前後方向に挟まれている。
 また、縦軸のストランド621と横軸のストランド611,612との3つのストランドは、接点Z6で接している。接点Z6では、縦軸のストランド621の右側線が、横軸のストランド611とストランド612との交差した領域に接している。
 そして、縦軸のストランド622と横軸のストランド611,612との3つのストランドは、接点W6で接している。接点W6では、縦軸のストランド622の左側線が、横軸のストランド611とストランド612との交差した領域に接している。
 上記構成から、縦軸の撚りストランド620は横軸のストランド611,612によって左右方向に挟まれている。
 このような構成から、接点X6,Y6,Z6,W6付近、つまり、四角形の網目601aの角部を構成する部分では、横軸のストランド611,612及び縦軸のストランド621,622が、他のストランドによって、上下方向、前後方向及び左右方向に挟まれているため、網目がずれにくい。また、他の網目の角部を構成する部分でも、同様な構成となっているため、網目がずれにくい。
 以上から、本実施形態では、網体601に二軸織物を採用することで、網体601を枠体に固定することなく網目601aのずれを防止できるとともに、網体601自体の強度を高めることができる。また、変形例1では、横軸のストランド311,312の間に縦軸のストランド320が通っていないが、本変形例では、横軸のストランド611,612の間に縦軸のストランド621,622が通っているため、変形例1よりも縦軸のストランド621,622が左右方向にずれにくい。そのため、変形例1よりも網目301aがよりずれにくい。
〔変形例3〕
 次に、第3実施形態の変形例について、図8を参照しつつ説明する。変形例3において第4実施形態と異なる点は、網体701の縦軸及び横軸(撚りストランド710,720)の撚り数(撚り強さ)である。
 横軸の撚りストランド710では、2つのストランド711,712が撚り合わされている。また、縦軸の撚りストランド720では、2つのストランド721,722が撚り合わされている。撚りストランド710,720(縦軸及び横軸)の撚り数は、第3実施形態の撚りストランド610,620(縦軸及び横軸)の撚り数より多く、1ピッチ(隣合う縦軸間、隣合う横軸間)で2回捻っている(360°回転を1回捻りとする)。
 横軸のストランド711は、縦軸のストランド721とストランド722との間を通っている。また、横軸のストランド712も、縦軸のストランド721とストランド722との間を通っている。
 そして、縦軸のストランド721は、横軸のストランド711とストランド712との間を通っている。また、縦軸のストランド722は、横軸のストランド711とストランド712との間を通っている。
 上記構成から、縦軸の撚りストランド710と縦軸の撚りストランド720とが重なり合った部分では、横軸のストランド711が縦軸のストランド721,722によって径方向(網体701の平面と直交する方向(上下方向))に挟まれている。また、横軸のストランド712が縦軸のストランド721,722によって径方向に挟まれている。さらに、縦軸のストランド721が横軸のストランド711,712によって径方向に挟まれている。また、縦軸のストランド722が横軸のストランド711,712によって径方向に挟まれている。
 また、横軸のストランド711と縦軸のストランド721,722との3つのストランドは、接点X7で接している。接点X7では、横軸のストランド711の下側線が、縦軸のストランド721とストランド722との交差した領域に接している。
 そして、横軸のストランド712と縦軸のストランド721,722との3つのストランドは、接点Y7で接している。接点Y7では、横軸のストランド712の上側線が、縦軸のストランド721とストランド722との交差した領域に接している。接点X7と接点Y7とは、横軸の撚りストランド710を挟んで互いに反対側に位置している。
 上記構成から、横軸の撚りストランド710は縦軸のストランド721,722によって前後方向に挟まれている。
 また、縦軸のストランド721と横軸のストランド711,712との3つのストランドは、接点Z7で接している。接点Z7では、縦軸のストランド721の右側線が、横軸のストランド711とストランド712との交差した領域に接している。
 そして、縦軸のストランド722と横軸のストランド711,712との3つのストランドは、接点W7で接している。接点W7では、縦軸のストランド722の左側線が、横軸のストランド711とストランド712との交差した領域に接している。
 上記構成から、縦軸の撚りストランド720は横軸のストランド711,712によって左右方向に挟まれている。
 このような構成から、接点X7,Y7,Z7,W7付近、つまり、四角形の網目701aの角部を構成する部分では、横軸のストランド711,712及び縦軸のストランド721,722が、他のストランドによって、上下方向、前後方向及び左右方向に挟まれているため、網目がずれにくい。
 そのため、本変形例でも、第4実施形態と同様に、網体701に二軸織物を採用することで、網体701を枠体に固定することなく網目701aのずれを防止できるとともに、網体701自体の強度を高めることができる。
 さらに、第3実施形態の網体601と比較すると、本変形例の撚りストランド710,720(横軸、縦軸)は、第3実施形態の撚りストランド610,620(横軸、縦軸)より撚り数が多いため、網体701の強度をより高めることができる。
 また、変形例2では、横軸のストランド511,512の間に縦軸のストランド520が通っていないが、本変形例では、横軸のストランド711,712の間に縦軸のストランド721,722が通っているため、変形例2よりも縦軸のストランド721,722が左右方向にずれにくい。そのため、変形例2よりも網目501aがよりずれにくい。
〔第5実施形態〕
 次に、第5実施形態について、図9を参照しつつ説明する。第5実施形態において第1実施形態と異なる点は、網体801の構成である。
 網体801は、ストランドの交差部分(網の節部分)に結び目が形成された有結節網であり、マトリックスが含浸されている。例えば、ストランド810及びストランド820の交差部分C1では、ストランド810,820が結ばれている。ストランド810及びストランド820は、それぞれ交差部分C1から前後方向及び左右方向に延在している。したがって、前後方向に延在したストランド810と、左右方向に延在したストランド820とが、交差部分C1で結ばれているといえる。また、左右方向に延在したストランド810と、前後方向に延在したストランド820とが、交差部分C1で結ばれているともいえる。そして、他の交差部分においても、結び目(knot)が形成されている。このように、網体801では、異なる2方向に延在したストランドの交差部分において結び目(knot)が形成されている。
 以上から、本実施形態では、2つのストランド810,820を交差部分で結び、網体801の交差部分C1での接着力を高めることにより、網目801a,801bのずれを防止できるとともに、網体801自体の強度を高めることができる。これにより、熱処理炉用治具を油槽に浸漬した際の冷却油の通り道を確保できるとともに、ワークを安定して保持することができ、長期に渡る使用が可能となる。
(実施例1)
 12000本のフィラメントからなるPAN系高強度炭素繊維のロービングを2本用い、12mmの間で1.5回(360°回転を1回捻りとする)捻りを加え、直径約2mmの撚糸(ストランド)を得た。この撚糸を横糸とし、縦糸に同じく12000本からなる炭素繊維ロービング2本を用い、図6に記載の構造の網を作製した。この際、縦糸ピッチ及び横糸ピッチをそれぞれ12mmとし、縦糸の撚り数は横糸ピッチ間(12mm)で1.5回とした。得られた炭素繊維製網に、1100℃、10Torr下でCH4ガスを流量10l/minで供給し、この状態を100時間保持したCVI処理を行うことによりマトリックスを含浸させ、実施例1のC/Cコンポジット製の網状の熱処理用治具を得た。
(比較例1)
 12000本のフィラメントからなるPAN系高強度炭素繊維のロービングを2本用い、12mmの間で1.5回捻りを加え、直径約2mmの撚糸(ストランド)を得た。一方、これとは別に、幅10mm×厚さ10mmのC/Cコンポジット製材料を用いて、大きさ300mm×200mmの四角状の枠を形成し、枠に12mmピッチで直径4mmの穴をあけ、治具作製用の枠を得た。この治具作製用枠の各穴に上記撚糸を通し、枠内で横方向と縦方向に上記ストランドを交差させ、交点で縦糸が横糸の上下を交互に通過している一般的な構造(横糸が縦糸に挟まれていない構造)の炭素繊維製の網を得た。得られた網に実施例1と同じ方法でマトリックスを含浸させた後、枠付近からストランドを切断して治具作製用枠から取り出し、比較例1のC/Cコンポジット製の網状の熱処理用治具を得た。
 実施例1の熱処理用治具は、剛直でありかつ横糸と縦糸が交差部分で強固に接着しており、衝撃を加えても網は容易に壊れることはなかった。本網を図1類似のC/Cコンポジット製トレイにセットし、SCR420鋼材をのせ950℃で浸炭、オイルクエンチ処理を行った。処理後も網は破壊や変形せず当初の形態を保っていた。また、処理された鋼材には、良好な焼き入れ処理が行われていた。
 一方、比較例1の熱処理用治具は、マトリックスにより縦糸及び横糸はそれぞれ剛直となっていたが、横糸と縦糸の交差部分では接着力が弱く、長方形の網が容易に平行四辺形に変形してしまうものであった。このため、熱処理用治具として実用に耐えるものにならなかった。
 以上、本発明の実施形態、変形例及び実施例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
 例えば、上述した実施形態及び変形例では、治具の網体が二軸織物又は三軸織物であるが、網体は四軸以上の多軸織物でもよい。また、網体の構成は、上述した実施形態及び変形例に示すものに限らず、変更可能である。
 さらに、第1実施形態では、熱処理炉用治具100の網体2のストランド10,20,30,40に、炭素繊維を撚らずに並べたものを用いたが、撚りストランド(炭素繊維やストランドを撚り合わせたもの)を用いてもよい。
 また、上述した実施形態及び変形例では、治具の網体にマトリックスが含浸されているが、網体にマトリックスが含浸されていなくてもよい。
 さらに、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態及びこれらの変形例では、撚りストランドに2つのストランドを撚り合わせたものを用いたが、3つ以上のストランドを撚り合わせた撚りストランドを用いてもよい。また、第4実施形態及び変形例1~3では、縦軸又は横軸に、1つのストランドを撚って作成した撚りストランドを用いてもよい。
 また、撚りストランドの撚り数は、図3~8に示すものに限られず、変更可能であり、格子間ピッチの距離、ストランドの径、炭素繊維のフィラメント数、網目のピッチ等に応じて適宜変更することができる。例えば12,000本のフィラメントを用い、10mmピッチ程度の網を作る場合には撚り数は0.5回から10回、好ましくは1回から5回、さらに好ましくは1.5回から3回が好ましい。また、フィラメント数が少ないほど及び/又は網目のピッチが大きいほど撚り数が多い方が好ましいが、撚り数については上記例に限定されるものではない。
 また、第5実施形態では(図9参照)、2つのストランドの交差部分に結び目を形成したが、3つ以上のストランドの交差部分に結び目を形成してもよい。さらに、ストランド同士の結節部の締め付けは、図9に示すものに限られない。例えば、図9に示す状態より強く締め付けてもよい。
 また、網目の大きさや結び目の形等は、上述した実施形態及び変形例に限られず、変更可能である。
 2,201,301,401,501,601,701  網体
 10 第1ストランド
 20 第2ストランド
 30 第3ストランド
 40 第4ストランド
 50 第5ストランド
 220,320,420,510,520,610,620,710,720 撚りストランド
 2a,2b,201a,201b,301a,401a,401b,501a,601a,701a 網目
 61,62,63,64,65,66  領域
 100   熱処理炉用治具

Claims (8)

  1.  複数の炭素繊維を束ねたストランドが織り合わされた網体を備えており、
     前記網体にマトリックスが含浸され、
     少なくとも1方向の前記ストランドが、他の方向に延在した2つの前記ストランドに挟まれていることを特徴とする熱処理炉用治具。
  2.  前記網体は、三軸織物であることを特徴とする請求項1に記載の熱処理炉用治具。
  3.  第1軸の前記ストランドの一方の側線は、第2軸の前記ストランドと第3軸の前記ストランドとが重なり合った四角形の第1領域の頂点に接し、
     前記第1軸のストランドの他方の側線は、前記第2軸のストランドに平行であり且つ前記第2軸のストランドの隣に配置された第2軸のストランドと前記第3軸のストランドとが重なり合った四角形の第2領域の頂点に接していることを特徴とする請求項2に記載の熱処理炉用治具。
  4.  前記網体は、二軸織物であり、
     少なくとも1つの軸に、複数のストランドを撚り合わせた撚りストランドが用いられていることを特徴とする請求項1に記載の熱処理炉用治具。
  5.  複数の炭素繊維を束ねたストランドが織り合わされた網体を備えており、
     前記網体にマトリックスが含浸され、
     異なる少なくとも2方向に延在した前記ストランドの交差部分において結び目が形成されていることを特徴とする熱処理炉用治具。
  6.  前記マトリックスは、炭素主体であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の熱処理炉用治具。
  7.  前記マトリックスにピッチ由来の炭素又は樹脂由来の炭素が含まれることを特徴とする請求項6に記載の熱処理炉用治具。
  8.  前記マトリックスは、少なくとも熱分解炭素を含むことを特徴とする請求項6に記載の熱処理炉用治具。
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