JP7343360B2 - セラミック複合材及びその製造方法 - Google Patents
セラミック複合材及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7343360B2 JP7343360B2 JP2019200181A JP2019200181A JP7343360B2 JP 7343360 B2 JP7343360 B2 JP 7343360B2 JP 2019200181 A JP2019200181 A JP 2019200181A JP 2019200181 A JP2019200181 A JP 2019200181A JP 7343360 B2 JP7343360 B2 JP 7343360B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ceramic
- composite material
- ceramic composite
- aggregate
- material according
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Inorganic Fibers (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
Description
また、上記セラミック複合材は、SiC繊維層が複数積層した構造であるため、セラミック繊維層に平行な方向に対しては良好な熱伝導性を有するが、セラミック繊維層に直交する方向、すなわち、厚さ方向への熱伝導性は低い。
(1) 対向する第一面及び第二面と、前記第一面及び前記第二面に対して直交する方向に所定の厚さを有する形状であるとともに、
骨材と、前記骨材の隙間に充填されたマトリックスと、を有するセラミック複合材であって、
前記骨材は、前記第一面及び前記第二面に対して略平行な方向に沿って延びるセラミック繊維を有し、
さらに、前記マトリックス中に配置され、前記厚さ方向に対して略平行な方向に沿って延びるウィスカ状単結晶体を有する、セラミック複合材。
(2) 前記ウィスカ状単結晶体は、SiC単結晶体及びAlN単結晶体の少なくとも一方からなる、(1)に記載のセラミック複合材。
(3) 前記マトリックスは、多結晶SiCからなる、(1)又は(2)に記載のセラミック複合材。
(4) 前記セラミック繊維は、SiC繊維である(1)~(3)のいずれか1つに記載のセラミック複合材。
(5) 前記骨材は、前記セラミック繊維を用いて形成されたフィラメントワインディング体、ブレーディング体及び織布から選択された少なくとも1種からなる、(1)~(4)のいずれか1つに記載のセラミック複合材。
(6) 前記形状は、板状又は管状である、(1)~(5)のいずれか1つに記載のセラミック複合材。
(7) (1)~(6)のいずれか1つに記載のセラミック複合材を製造する方法であって、
前記セラミック繊維を用いて前記骨材を形成する骨材形成工程と、
前記ウィスカ状単結晶体と、溶媒とを含有するスラリーを前記骨材に含浸させ、前記溶媒を乾燥させて含浸体を得る含浸・乾燥工程と、
前記含浸体をマトリックスで固定化するマトリックス形成工程と、を有するセラミック複合材の製造方法。
(8) 前記含浸・乾燥工程において、前記スラリーはセラミック前駆体を含有し、
前記マトリックス形成工程において、前記含浸体を硬化・焼成することにより、セラミックからなるマトリックスを形成する、(7)に記載のセラミック複合材の製造方法。
(9) 前記マトリックス形成工程において、セラミック前駆体を含有する溶液を前記含浸体に含浸させ、硬化・焼成することにより、セラミックからなるマトリックスを形成する(7)に記載のセラミック複合材の製造方法。
(10) 前記セラミック前駆体は、SiC前駆体である、(8)又は(9)に記載のセラミック複合材の製造方法。
(11) 前記マトリックス形成工程において、セラミックの材料となる原料ガスを用いたCVD法により、セラミックからなるマトリックスを形成する、(7)に記載のセラミック複合材の製造方法。
(12) 前記原料ガスは、シラン系ガスであり、SiCからなるマトリックスを形成する、(11)に記載のセラミック複合材の製造方法。
(13)前記セラミック繊維は、SiC繊維である(7)~(12)のいずれか1つに記載のセラミック複合材。
(14) 前記ウィスカ状単結晶体は、SiC単結晶体及びAlN単結晶体の少なくとも一方からなる、(7)~(13)のいずれか1つに記載のセラミック複合材の製造方法。
(15) 前記骨材は、前記セラミック繊維を用いて形成されたフィラメントワインディング体、ブレーディング体及び織布から選択された少なくとも1種からなる、(7)~(14)のいずれか1つに記載のセラミック複合材の製造方法。
本発明はこのような知見に基づくものであり、以下において本発明の実施形態に係るセラミック複合材及びその製造方法について詳細に説明する。なお、本願明細書において、略平行とは、多少のずれを含んでいてもよい。すなわち、本発明は、セラミック繊維が面に対して略平行な方向に沿って延びることにより、面方向への熱伝導性を得ることができる。また、ウィスカ状単結晶体が厚さ方向に対して略平行な方向に沿って延びていることにより、厚さ方向に優れた熱伝導性を得ることができる。したがって、略平行とは、例えば、±30°のずれを有する場合を含むこととする。また、ウィスカ状単結晶体が厚さ方向に対して略平行な方向に沿って延びているとは、最も多くのウィスカ状単結晶体が当該方向を向いていることを示し、配向しているともいう。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るセラミック複合材を模式的に示す断面図である。図1に示すように、セラミック複合材1は、対向する第一面1a及び第二面1bを有し、第一面1a及び第二面1bに対して直交する方向に、所定の厚さdを有する形状を備える。また、セラミック複合材1は、骨材2と、骨材2の隙間6に充填されたマトリックス3と、マトリックス3中に配置され、厚さdの方向に対して略平行な方向に沿って延びるウィスカ状単結晶体7と、を有する。さらに、骨材2は、セラミック複合材1の第一面1a及び第二面1bに対して略平行な方向に沿って延びるセラミック繊維4aを有している。
図8は、本発明に係るセラミック複合材の製造方法を工程順に示す図である。セラミック複合材の製造方法は、骨材形成工程と、含浸・乾燥工程と、マトリックス形成工程とを有する。なお、図8に示す製造方法は、図1に示すセラミック複合材1を、図2~図4に示す骨材2を用いて製造した例である。
まず、図8(a)に示すように、セラミック繊維4aを有する骨材2を形成する。セラミック繊維4aは、製造されるセラミック複合材1の主面となる第一面1a及び第一面に対向する第二面1bに対して略平行な方向に沿って延びるように構成される。具体的には、複数のセラミック繊維4aからなるストランド4を縦糸及び横糸として織り込むことにより織布5を形成し、得られた織布5を積層することにより骨材2を形成する。これにより、骨材2には、製造されるセラミック複合材1の厚さdの方向(図1を参照)に沿って延びる隙間6が形成される。
次に、図8(b)に示すように、上記骨材2に、ウィスカ状単結晶体7と、例えば、水等の溶媒8とを含有するスラリーを含浸させる。含浸方法としては、骨材2の内部の空気が排出されるよう出口を確保し、一方向から含浸する方法を使用することができる。その後、溶媒を乾燥させることにより含浸体を得る。ウィスカ状単結晶体7を製造する方法、並びに溶媒の乾燥温度及び時間については特に限定されず、適宜選択することができる。なお、スラリー中のウィスカ状単結晶体7の濃度は特に限定されないが、流動性が確保できれば、濃度は高い方が好ましい。
本発明においては、種々の方法によりマトリックス3を形成することができる。上記含浸・乾燥工程に示すように、水等の溶媒8とウィスカ状単結晶体7のみを含有するスラリーを用いた場合には、図8(b)に示す含浸・乾燥工程の後に、図8(c)に示すように、セラミック前駆体を含有する溶液を含浸体に含浸させ、硬化・焼成することにより、セラミックからなるマトリックス3を形成することができる。なお、上記の工程では、含浸・乾燥工程で使用するスラリーには、水等の溶媒8とウィスカ状単結晶体7のみが含有されているので、スラリーの粘度が上がりすぎることを防止することができ、スラリー中のウィスカ状単結晶体7の濃度を高くすることができる。
1a,21a 第一面
1b,21b 第二面
2,12 骨材
3,23 マトリックス
4,14,24 ストランド
4a,14a セラミック繊維
5 織布
6,16 隙間
7 ウィスカ状単結晶体
8 溶媒
Claims (14)
- 対向する第一面及び第二面と、前記第一面及び前記第二面に対して直交する方向に所定の厚さを有する形状であるとともに、
骨材と、前記骨材の隙間に充填された多結晶SiCからなるマトリックスと、を有するセラミック複合材であって、
前記骨材は、前記第一面及び前記第二面に対して略平行な方向に沿って延びるセラミック繊維を有し、
さらに、前記マトリックス中に配置され、前記厚さ方向に対して略平行な方向に沿って延びるウィスカ状単結晶体を有する、セラミック複合材。 - 前記ウィスカ状単結晶体は、SiC単結晶体及びAlN単結晶体の少なくとも一方からなる、請求項1に記載のセラミック複合材。
- 前記セラミック繊維は、SiC繊維である請求項1又は2に記載のセラミック複合材。
- 前記骨材は、前記セラミック繊維を用いて形成されたフィラメントワインディング体、ブレーディング体及び織布から選択された少なくとも1種からなる、請求項1~3のいずれか1項に記載のセラミック複合材。
- 前記形状は、板状又は管状である、請求項1~4のいずれか1項に記載のセラミック複合材。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載のセラミック複合材を製造する方法であって、
前記セラミック繊維を用いて前記骨材を形成する骨材形成工程と、
前記ウィスカ状単結晶体と、溶媒とを含有するスラリーを前記骨材に含浸させ、前記溶媒を乾燥させて含浸体を得る含浸・乾燥工程と、
前記含浸体をマトリックスで固定化するマトリックス形成工程と、を有するセラミック複合材の製造方法。 - 前記含浸・乾燥工程において、前記スラリーはセラミック前駆体を含有し、
前記マトリックス形成工程において、前記含浸体を硬化・焼成することにより、セラミックからなるマトリックスを形成する、請求項6に記載のセラミック複合材の製造方法。 - 前記マトリックス形成工程において、セラミック前駆体を含有する溶液に前記含浸体を含浸させ、硬化・焼成することにより、セラミックからなるマトリックスを形成する請求項6に記載のセラミック複合材の製造方法。
- 前記セラミック前駆体は、SiC前駆体である、請求項7又は8に記載のセラミック複合材の製造方法。
- 前記マトリックス形成工程において、セラミックの材料となる原料ガスを用いたCVD法により、セラミックからなるマトリックスを形成する、請求項6に記載のセラミック複合材の製造方法。
- 前記原料ガスは、シラン系ガスであり、SiCからなるマトリックスを形成する、請求項10に記載のセラミック複合材の製造方法。
- 前記ウィスカ状単結晶体は、SiC単結晶体及びAlN単結晶体の少なくとも一方からなる、請求項6~11のいずれか1項に記載のセラミック複合材の製造方法。
- 前記セラミック繊維は、SiC繊維である請求項6~12のいずれか1項に記載のセラミック複合材の製造方法。
- 前記骨材は、前記セラミック繊維を用いて形成されたフィラメントワインディング体、ブレーディング体及び織布から選択された少なくとも1種からなる、請求項6~13のいずれか1項に記載のセラミック複合材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019200181A JP7343360B2 (ja) | 2019-11-01 | 2019-11-01 | セラミック複合材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019200181A JP7343360B2 (ja) | 2019-11-01 | 2019-11-01 | セラミック複合材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021070618A JP2021070618A (ja) | 2021-05-06 |
JP7343360B2 true JP7343360B2 (ja) | 2023-09-12 |
Family
ID=75712423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019200181A Active JP7343360B2 (ja) | 2019-11-01 | 2019-11-01 | セラミック複合材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7343360B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000272040A (ja) | 1999-03-29 | 2000-10-03 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 高強度繊維強化複合材料及びその製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63265871A (ja) * | 1987-04-20 | 1988-11-02 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 無機繊維強化セラミツク複合体およびその製造方法 |
JP3046143B2 (ja) * | 1992-05-28 | 2000-05-29 | 京セラ株式会社 | 繊維強化セラミックスの製法 |
-
2019
- 2019-11-01 JP JP2019200181A patent/JP7343360B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000272040A (ja) | 1999-03-29 | 2000-10-03 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 高強度繊維強化複合材料及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021070618A (ja) | 2021-05-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5118134B2 (ja) | 複合材料部材のための多層繻子織による強化用繊維織物 | |
KR101387890B1 (ko) | 복합물 부재를 제조하기 위한 섬유 보강 구조물 | |
JP5286591B2 (ja) | ルツボ保持部材及びその製造方法 | |
CN106938937B (zh) | 处理陶瓷纤维的方法 | |
RU2617298C2 (ru) | Волокнистая армирующая структура для изделия из композитного материала, имеющего участок уменьшенной толщины | |
JP6363150B2 (ja) | セラミック繊維を加工処理するための機器及び方法 | |
JP6301261B2 (ja) | Cmc材料部品 | |
RU2695828C2 (ru) | Армирующая волокнистая структура для деталей из композиционного материала с большим диапазоном толщины | |
WO2016002914A1 (ja) | 管状体 | |
JP6774863B2 (ja) | セラミックス基複合材料の製造方法 | |
JP5002846B2 (ja) | ルツボ保持部材及びその製造方法 | |
WO2016006668A1 (ja) | 管状体及びその製造方法 | |
JP6467290B2 (ja) | セラミック複合材 | |
JP7343360B2 (ja) | セラミック複合材及びその製造方法 | |
JP6334292B2 (ja) | 管状体の製造方法 | |
JP6888949B2 (ja) | SiC繊維強化SiC複合材料の製造方法 | |
CN113896558A (zh) | 一种高性能热疏导复合材料及其制备方法 | |
JP6854657B2 (ja) | セラミックバネの製造方法及びセラミックバネ | |
KR101623914B1 (ko) | 균일한 미세구조를 가지는 탄화규소 섬유강화 탄화규소 복합체(SiCf/SiC)의 제조방법 | |
JP6726037B2 (ja) | SiC/SiC複合材の製造方法 | |
KR102153918B1 (ko) | 화학기상증착을 이용한 SiC 나노와이어 균일 성장에 의한 고밀도의 탄화규소 복합체 제조 방법 및 이의 의해 제조된 탄화규소 복합체 | |
CN113748096B (zh) | 制造cmc部件的方法 | |
JPH01211887A (ja) | 炭素繊維/炭素コンポジット製面発熱体 | |
JP6868601B2 (ja) | SiC繊維を内包する管状体およびその製造方法 | |
JP7085388B2 (ja) | SiC繊維強化SiC複合材料の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220819 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230407 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230418 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230526 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230808 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230831 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7343360 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |