JP4699238B2 - 強化繊維基材及び繊維強化プラスチック - Google Patents

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Description

本発明は、FRP、CFRP等の複合材料に用いられる強化繊維基材に関し、特に一方向の強度を高くすることのできる強化繊維基材及びそれを用いた繊維強化プラスチックに関するものである。
近年、軽量かつ高強度を有した材料として、FRP(Fiber Reinforced Plastic)、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)等の複合材料が、航空機の主翼、船舶、大型風車の回転翼、鉄道車両、建築分野の構造部材等をはじめとする様々な分野で多用されている。FRP、CFRP(以下、単にFRPと総称する)は、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維からなるテープ状、あるいはマット状の強化繊維基材を型によって成形した状態で、熱硬化性樹脂等の樹脂を含浸させ、これを硬化させることで、所定形状に形成される。
ここで、FRPによって形成した部材(以下、FRP部材)には、所定の強度が要求される。FRP部材の強度は、強化繊維基材に樹脂を確実に含浸させることで担保される。
したがって、特にFRP部材を工業的に生産する現場では、成形時に、樹脂を強化繊維基材に確実に含浸させるための工夫がなされている。このような工夫の一つとして、強化繊維基材を型上に配置し、これをバッグ材で覆った後、バッグ材と型で囲まれた空間を真空ポンプ等で吸引して減圧(負圧)し、この空間に樹脂を導入する、真空バッグ法が知られている(例えば、特許文献1)。
真空バッグ法により形成されるFRP部材おける強化繊維基材の体積繊維含有率は50〜60%にも達するため、FRP部材の機械的強度には、強化繊維基材の特性が重要となる。
FRP部材の機械的強度には、繊維基材を構成する繊維の「うねり」が影響しており、この「うねり」が大きいほど、FRPの機械的強度が低下するとされていた。そこで、この「うねり」を小さくするために、繊維束を編み込んだ織物に替わり、繊維束を引き揃えて一平面となるように束ねた、ステッチ・ファブリックが開発されている(例えば、特許文献2参照)。ところが、特許文献2に開示されたステッチ・ファブリックにおいても、繊維束を束ねる「止め糸」(又は「横糸」)が繊維束を横切るように配置されている。このように、止め糸が繊維束を横切るように配置されているため、繊維束は、これを横切るように配置された止め糸で押し込まれてしまい、この部分において繊維束が湾曲して「うねり」が発生していた。
そこで、本発明者等は、特許文献3において、繊維束の「うねり」を最小限にした、強化繊維基材を提案した。この強化繊維基材は、ステッチ方向を繊維束の引き揃え方向(以下、「主方向」と称す)と平行にしたものである。
特開2003−11136号公報 特公平1−25699号公報 特許第3671037号公報
これまで、強化繊維基材は、主方向の機械的強度は強いものの、主方向と直交する方向の機械的強度が不十分であり、そのために主方向と直交する方向の機械的強度を向上した等方強化型の強化繊維基材が提案されている。例えば、特許文献3の図3及び図4にその例が示されている。
ところが、FRP部材の用途によっては、等方的な強度よりも一方向の強度が高いことが要求されることがある。例えば、大型風車翼をFRP部材で構成する場合には、翼長方向の機械的強度が特に重視される。一方向(翼長方向)の機械的強度を重視する場合には、主方向の繊維配向を多くした強化繊維基材を使用することになるが、それのみでは機械的強度の向上には限界がある。
本発明は以上の背景に鑑み、主方向の機械的強度が向上された繊維強化基材を提供することを目的とする。
ステッチ・ファブリックは、主方向に引き揃えた繊維群(以下、主繊維群)に対して、典型的には主方向と直交又は45°の方向に引き揃えた繊維群(以下、副繊維群)を配設して、止め糸で縫い合わせていた。副繊維群は、主繊維群が面状の形態を維持するために機能するものの、主方向の機械的強度にはほとんど寄与しない。これら副繊維群は、上述した等方的な機械的強度には寄与する。本発明は、この副繊維群を利用して主方向の機械的強度向上を図るものである。すなわち本発明の強化繊維基材は、多数本の繊維が所定方向に引き揃えて構成された主繊維群と、主繊維群に積層される、多数本の繊維が所定方向に引き揃えて構成された副繊維群と、主繊維群と副繊維群を縫い合わせる止め糸と、を備え、主繊維群における繊維の引き揃え方向と、副繊維群における繊維の引き揃え方向とがなす角度の絶対値が2〜25°であることを特徴とする。
本発明の強化繊維基材は、主繊維群における多数本の繊維は密に配設されており、副繊維群における多数本の繊維は、主繊維群における多数本の繊維よりも粗に配設されている。主繊維群における繊維を密に配設するのは、単位体積当たりの繊維量を増やして、主方向における機械的強度を向上するためである。また、副繊維群における繊維を主繊維群における繊維よりも粗に配設するのは、強化繊維基材への樹脂の含浸を容易にするためである。具体的には、副繊維群の繊維は1〜5mmの間隔をおいて配設することが好ましい。
本発明における強化繊維基材において、主繊維群における繊維の引き揃え方向と、副繊維群における繊維の引き揃え方向の角度の絶対値が10〜25°であることが本発明にとって好ましい。
本発明における強化繊維基材において、1つの主繊維群に対して2つ(一対)の副繊維群を積層することができる。この場合、主繊維群を挟んでその表裏両面に一対の副繊維群を各々配設する形態と、主繊維群の表裏面のいずれか一面側に一対の副繊維群を配設する形態がある。このとき、一方の副繊維群の繊維の引き揃え方向と主繊維群の繊維の引き揃え方向とがなす角度と、他方の副繊維群の繊維の引き揃え方向と主繊維群の繊維の引き揃え方向がなす角度とが、逆向きとすることが好ましい。
本発明は、以上の強化繊維基材を用いた繊維強化プラスチックを提供する。この繊維強化プラスチックは、樹脂組成物をマトリックスとし、強化繊維基材を強化材とする繊維強化プラスチックであって、強化繊維基材は、多数本の繊維が所定方向に引き揃えて構成された主繊維群と、主繊維群に積層される、多数本の繊維が所定方向に引き揃えて構成された副繊維群と、主繊維群と副繊維群を縫い合わせる止め糸と、を備え、主繊維群における繊維の引き揃え方向と、副繊維群における繊維の引き揃え方向とがなす角度の絶対値が2〜25°であり、主繊維群における多数本の繊維は密に配設されており、副繊維群における多数本の繊維は、主繊維群における多数本の繊維よりも粗に配設されていることを特徴とする。
本発明によれば、主方向の機械的強度が向上された強化繊維基材が提供される。この強化繊維基材は、ステッチ・ファブリックに必須の副繊維群を利用し、その主繊維群に対する角度を所定の範囲とすることにより、新たに繊維群を設けることなく、主方向の機械的強度を向上させることができる。このことは、ステッチ・ファブリックにおいて、単位体積当たりの主方向の機械的強度を向上できることを意味する。
また、本発明の強化繊維基材を用いたFRPは、主方向の機械的強度が向上されているため、大型風車翼等のように一方向の機械的強度が要求される用途に適している。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は本発明による強化繊維基材10を示す平面図である。
この強化繊維基材10は、多数本の繊維1aが所定方向に引き揃えて配設された主繊維群1と、主繊維群1に積層される、多数本の繊維2aが所定方向に引き揃えて構成された第1の副繊維群2と、多数本の繊維3aが所定方向に引き揃えて構成された第2の副繊維群3と、主繊維群1と第1の副繊維群2、主繊維群1と第2の副繊維群3とを縫い合わせる止め糸4とを備えている。主繊維群1を構成する繊維1aの引き揃え方向を主方向という。止め糸4は、繊維ずれを防ぐ機能を有していればよく、チェーステッチやトリコットなど種々のステッチングを使用することができる。
主繊維群1は、多数本の繊維1aを平行状態にして重ねることなく隣接配置してシート状にしたものである。このように、多数本の繊維1aを密に配置することにより、主方向における機械的強度を最大とすることができるが、互いに間隔をあけて多数本の繊維1aを配置することも本発明は許容する。繊維1aは、その断面が13〜24μm程度のサイズのものを用いることができる。
繊維1aは、多数本の繊維を平行に引き揃え、かつ結束した繊維束から構成することもできる。繊維1aは、ガラス繊維、炭素繊維、ケイ素系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、芳香族ポリアミド系繊維、全芳香族ポリエステル系繊維、その他公知の補強繊維から構成することができる。繊維1aは、上記各種繊維の単一種とすることができるが、複数種の繊維を組合わせて用いることもできる。
第1の副繊維群2を構成する繊維2aの引き揃え方向と、主方向とがなす角度θは、2〜25°の範囲にある。また、第2の副繊維群3を構成する繊維3aの引き揃え方向と、主方向とがなす角度θは、θと逆向きの−2〜−25°の範囲にある。ここで、第1の副繊維群2又は第2の副繊維群3は、主繊維群1と止め糸4で縫い合わせることで、主繊維群1の形態を維持する機能を発揮する。本発明では、このように主繊維群1の形態を維持する機能を発揮する第1の副繊維群2及び第2の副繊維群3に、強化繊維基材10の主方向の機械的強度を向上の機能を持たせる。θ及びθの絶対値が小さいほど主方向の機械的強度を向上に寄与し、そのために、θ及びθの絶対値を25°以下とする。しかし、θ及びθの絶対値が2°未満になると、止め糸4で主繊維群1と縫い合わせることが容易でなくなるので、θ及びθの絶対値を2°以上とする。好ましいθ又はθの絶対値は10〜25°、さらに好ましいθ又はθの絶対値は15〜25°である。なお、θ及びθは、その絶対値が上記範囲にある限り、等しくてもよいし、異なっていてもよい。ただし、主方向と直交する方向の対称性を確保するためには、θ及びθはその絶対値が等しいことが好ましい。
第1の副繊維群2を構成する多数本の繊維2aは、各々所定間隔を隔てて配置されている。また、第2の副繊維群3を構成する多数本の繊維3aは、各々所定間隔を隔てて配置されている。強化繊維基材10は樹脂を含浸することによりFRP部材を構成するが、樹脂の含浸が容易であるために所定間隔を隔てることが好ましく、その間隔は1mm以上であることが好ましい。ただし、この間隔が広くなりすぎると繊維の形態を保つことが困難となる。そこで、第1の副繊維群2を構成する多数本の繊維2a、第2の副繊維群3を構成する多数本の繊維3aの間隔は、10mm以下とすることが好ましい。この間隔のより好ましい範囲は0.5〜5mmである。なお、繊維2aを密に複数本だけ配設し、所定の間隔を複数本毎に設けることを本発明は許容する。
第1の副繊維群2を構成する多数本の繊維2a、第2の副繊維群3を構成する多数本の繊維3aは、
繊維1aと同様の材料で構成することができる。つまり、繊維2a、繊維3aは、ガラス繊維、炭素繊維、ケイ素系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、芳香族ポリアミド系繊維、全芳香族ポリエステル系繊維、その他公知の補強繊維から構成することができる。
第1の副繊維群2を構成する多数本の繊維2a、第2の副繊維群3を構成する多数本の繊維3aとは、同一の材料から構成することができるし、異なる材料から構成することができる。例えば、繊維2aと繊維3aとをともにガラス繊維から構成することができる。また、繊維2aを炭素繊維から構成し、繊維3aをガラス繊維から構成することもできる。
さらに、主繊維群1を構成する繊維1aと、繊維2a、繊維3aは、同一の材料から構成することができるし、異なる材料から構成することもできる。例えば、繊維1aをガラス繊維から構成し、繊維2a及び繊維3aもガラス繊維から構成することができる。また、繊維1aをガラス繊維から構成し、繊維2a及び繊維3aを炭素繊維から構成することもできる。
ガラス繊維と炭素繊維とを比べると、強度、剛性の点では炭素繊維が優れるが、靭性の点ではガラス繊維が優れる。また、コストの点では、ガラス繊維が優位である。したがって、これらの特徴を考慮して、繊維1a、繊維2a及び繊維3aの材質を適宜設定することができる。
繊維2a、3aは、その番手が50g/m程度のものを用いることができる。
本実施の形態では、第1の副繊維群2及び第2の副繊維群3と2つ(一対)の副繊維群を設けているが、図2に示すように、副繊維群を1つとすることもできる。なお、図1と同一の要素には図1と同様の符号を付してその説明を省略する。後述する図3についても同様である。また、本実施の形態では、第1の副繊維群2及び第2の副繊維群3と2つ(一対)の副繊維群を、主繊維群1の表面又は裏面のいずれか一方の面に配置しているが、例えば図3に示すように、主繊維群1の表面に第1の副繊維群2を、裏面に第2の副繊維群3を配置することができる。一対の副繊維群を、主繊維群1の表面又は裏面のいずれか一方の面に配置すると、製造が容易で安価な基材を提供できるという利点がある。また、主繊維群1の表面に第1の副繊維群2を、裏面に第2の副繊維群3を配置すると、繊維の「うねり」を小さくできるという利点がある。
強化繊維基材10は、主繊維群1、第1の副繊維群2及び第2の副繊維群3を止め糸4により縫い合わせることにより結束している。図1の例では、止め糸4のステッチ方向を、主方向と直交する方向としている。しかし、止め糸4のステッチ方向は、図1の例に限定されるものではなく、主方向と所定の角度(直角を除く)をなすようにすることもできる。
強化繊維基材10を用いたFRP部材は、上述した真空バッグ法、その他の公知の手法により得ることができる。
以下本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
<第1の実施例>
図1に示す形態の強化繊維基材10において、主繊維群1を構成する繊維1a、第1の副繊維群2を構成する繊維2a及び第2の副繊維群3を構成する繊維3aを以下の仕様とし、真空バッグ法によりFRP部材を作製した。この際、繊維2aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θ、繊維3aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θを変動させて、FRP部材の主方向における引張り強さを測定した。その結果を表1に示す。
繊維1a:ガラス繊維 線径;23μm、番手;600g/m
繊維2a、繊維3a:ガラス繊維 線径;23μm、番手;600g/m 繊維間;1mm
使用樹脂:ポリエステル樹脂
Figure 0004699238
表1に示すように、繊維2aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θ、繊維3aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θを小さく(絶対値)することにより、FRP部材の引張り強さを向上できることがわかる。
<第2の実施例>
図1に示す形態の強化繊維基材10において、主繊維群1を構成する繊維1a、第1の副繊維群2を構成する繊維2a及び第2の副繊維群3を構成する繊維3aを以下の仕様とし、真空バッグ法によりFRP部材を作製した。この際、繊維2aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θ、繊維3aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θを変動させて、FRP部材の主方向における引張り強さを測定した。その結果を表2に示す。
繊維1a:炭素繊維 線径;7μm、番手;230g/m
繊維2a、繊維3a:炭素繊維 線径;7μm、番手;170g/m繊維間;1mm
使用樹脂:エポキシ樹脂
Figure 0004699238
表2に示すように、炭素繊維を用いた場合にも、繊維2aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θ、繊維3aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θを小さく(絶対値)することにより、FRP部材の引張り強さを向上できることがわかる。
<第3の実施例>
図1に示す形態の強化繊維基材10において、主繊維群1を構成する繊維1a、第1の副繊維群2を構成する繊維2a及び第2の副繊維群3を構成する繊維3aを以下の仕様とし、真空バッグ法によりFRP部材を作製した。この際、繊維2aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θ、繊維3aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θを各々20°、−20°とし、FRP部材の主方向における引張り強さ、破壊靱性値を測定した。その結果を表3に示す。
繊維1a:炭素繊維 線径;7μm、番手;230g/m
繊維2a、繊維3a:ガラス繊維又は炭素繊維 線径;13μm、番手;60g/m 繊維間;1mm
使用樹脂:エポキシ樹脂
Figure 0004699238
表3に示すように、第1の副繊維群2を構成する繊維2a及び第2の副繊維群3を構成する繊維3aに炭素繊維を用いると、引張り強さは高く、強度を重視するFRP部材の場合には、繊維2a、繊維3aに炭素繊維を用いることが好ましい。一方、繊維2a、繊維3aとしてガラス繊維を用いると、靭性の点で有利であるとともに、ガラス繊維が炭素繊維に比べて安価であるため、低コストで靭性に優れたFRP部材を得ることができる。
<第4の実施例>
図1に示す形態の強化繊維基材10において、主繊維群1を構成する繊維1a、第1の副繊維群2を構成する繊維2a及び第2の副繊維群3を構成する繊維3aを以下の仕様とし、真空バッグ法によりFRP部材を作製した。この際、繊維2aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θ、繊維3aの引き揃え方向と主方向とがなす角度θを、各々20°、−20°とした。真空バッグ法による樹脂の含浸状況を確認するとともに、FRP部材の主方向における引張り強さを測定した。その結果を表4に示す。
繊維1a:炭素繊維 線径;7μm、番手;170g/m
繊維2a、繊維3a:炭素繊維 線径;13μm、番手;30〜170g/m繊維間;1mm
使用樹脂:エポキシ樹脂
Figure 0004699238
表4に示すように、第1の副繊維群2を構成する繊維2a及び第2の副繊維群3を構成する繊維3aの間隔により、樹脂の含浸状況が変動し、それに伴って得られるFRP部材の機械的強度も変動することがわかる。樹脂を適正に含浸させ、かつ高い機械的強度を得るためには、繊維2a、繊維3aの間隔は1〜5mmとすることが好ましい。
本実施の形態における強化繊維基材を示す平面図である。 本実施の形態における強化繊維基材の変形例を示す平面図である。 本実施の形態における強化繊維基材の他の変形例を示す平面図である。
符号の説明
1…主繊維群、1a…繊維、2…第1の副繊維群、2a…繊維、3…第2の副繊維群、3a…繊維、4…止め糸、10…強化繊維基材

Claims (5)

  1. 多数本の繊維が所定方向に引き揃えて構成された主繊維群と、
    前記主繊維群に積層される、多数本の繊維が所定方向に引き揃えて構成された副繊維群と、
    前記主繊維群と前記副繊維群を縫い合わせる止め糸と、を備え、
    前記主繊維群における前記繊維の引き揃え方向と、前記副繊維群における前記繊維の引き揃え方向とがなす角度の絶対値が2〜25°であり、
    前記主繊維群における多数本の前記繊維は密に配設されており、
    前記副繊維群における多数本の前記繊維は、前記主繊維群における多数本の前記繊維よりも粗に配設されていることを特徴とする強化繊維基材。
  2. 前記主繊維群における前記繊維の引き揃え方向と、前記副繊維群における前記繊維の引き揃え方向とがなす角度の絶対値が10〜25°であることを特徴とする請求項1に記載の強化繊維基材。
  3. 前記副繊維群における多数本の前記繊維は、1〜5mmの間隔をおいて配設されることを特徴とする請求項に記載の強化繊維基材。
  4. 前記主繊維群を挟んでその表裏両面又は前記主繊維群の表裏面のいずれか一面側に、一対の前記副繊維群が積層され、一方の前記副繊維群の前記繊維の引き揃え方向と前記主繊維群の前記繊維の引き揃え方向とがなす角度と、他方の前記副繊維群の前記繊維の引き揃え方向と前記主繊維群の前記繊維の引き揃え方向とがなす角度とが、逆向きであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の強化繊維基材。
  5. 樹脂組成物をマトリックスとし、強化繊維基材を強化材とする繊維強化プラスチックであって、
    前記強化繊維基材は、
    多数本の繊維が所定方向に引き揃えて構成された主繊維群と、
    前記主繊維群に積層される、多数本の繊維が所定方向に引き揃えて構成された副繊維群と、
    前記主繊維群と前記副繊維群を縫い合わせる止め糸と、を備え、
    前記主繊維群における前記繊維の引き揃え方向と、前記副繊維群における前記繊維の引き揃え方向とがなす角度の絶対値が2〜25°であり、
    前記主繊維群における多数本の前記繊維は密に配設されており、
    前記副繊維群における多数本の前記繊維は、前記主繊維群における多数本の前記繊維よりも粗に配設されていることを特徴とする繊維強化プラスチック。
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