JP2005349826A - 繊維強化複合材料部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一配向の連続積層を有する繊維強化複合材料部材において、圧縮強度などの力学的特性に優れ、航空機構造などとして好適に用いられる部材を、樹脂注入法により生産性よく得る。
【解決手段】樹脂注入法で成形されてなる繊維強化複合材料部材および/または補助繊維で形態保持された基材からなる繊維強化複合材料部材であって、同一の強化繊維配向を有する隣接2層間の間隙厚みを均一にすることにより、強化繊維の体積含有率が高くとも、強化繊維の局所的な屈曲を防止し、圧縮強度など繊維強化複合材料部材部材として重視される力学的特性を有効に発現させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂注入法(レジンインフュージョン法)によって成形される繊維強化複合材料からなる部材に関し、特に、航空機や自動車の構造部材として好適な、軽量でかつ優れた機械的特性を有する繊維強化複合材料製部材に関する。
繊維強化複合材料部材は、軽量でありながら優れた機械的特性を有することから、航空宇宙、自動車などの輸送機器の構造部材や、スポーツ用途部材として広く使用されている。
特に、高い力学的特性が要求される部材には、強化繊維が一方向に配列したいわゆる一方向材(ラミナ)を積層した構成の部材が多く用いられる。こうした積層部材の特徴は、各ラミナ層内での強化繊維の配向方向の力学的特性が高いことと、積層順序や配向角を適当なものとすることにより、所望の部材特性を効率よく得られることにある。
このような繊維強化複合材料部材の成形方法として、予め一方向に引き揃えた強化繊維に未硬化または半硬化のマトリクス樹脂(代表的には、いわゆるBステージ化したエポキシ樹脂)を含浸しシート状とした中間基材すなわちプリプレグを用いる方法が広く用いられている。プリプレグを部材に成形する方法としては、プリプレグを積層して真空バッグし、オートクレーブ中で加圧・加熱してマトリクス樹脂を硬化させるオートクレーブ法や、同じく積層したプリプレグに機械的に圧力をかけながら加熱してマトリクス樹脂を硬化させるプレス法が知られている。
これらプリプレグを使用する成形方法の最大の利点は、プリプレグ中で強化繊維の配向や形態がマトリクス樹脂によって固定されており、成形工程において強化繊維の配向や形態の乱れが非常に少ないため、機械的特性の優れた部材が得られることにある。このため、航空機構造材など、特に高い機械的特性を要求される部材には、プリプレグを用いた成形方法が広く用いられてきた。
他方、プリプレグを用いる方法の問題点として、強化繊維とマトリクス樹脂からプリプレグを製造するために特別の装置と技術を要すること、反応性のマトリクス樹脂を含浸しているためプリプレグの可使時間が制限され、このためにプリプレグを低温貯蔵する必要があること、また、プリプレグ中で強化繊維が拘束されているために賦形性が制限され、非平面的形状の部材の成形への適用には限界があること等が挙げられる。
プリプレグを用いることなく、すなわち上述の問題を回避しながら低コストで繊維強化複合材料を成形する方法として、樹脂注入法(レジンインフュージョン法)が知られている。樹脂注入法においては、マトリクス樹脂を含浸していない強化繊維基材を型内に積層セットした後に、上型またはバッグフィルム等で型内を閉空間とし、そこに液状のマトリクス樹脂を注入して強化繊維基材内に含浸させて繊維強化複合材料を得る。
この方法では、強化繊維基材にはプリプレグと異なり予めマトリクス樹脂が含浸されていないため、型内への積層などの工程で強化繊維基材内の繊維の配向や強化繊維基材の形態が乱れやすい。そのため、強化繊維基材の形態としては織物、編物、一方向繊維シートをステッチ接合したものなどが採用される。
これらの強化繊維基材は一般に2方向以上の繊維(強化繊維やステッチ糸)が互いに組み合わされているため、主軸方向の強化繊維の体積分率が制限されるということと、強化繊維が真直にならず屈曲(クリンプ)することから、ラミナの力学的特性が一般にプリプレグ使用の部材に比べて低いという問題がある。
これに対して、強化繊維と、それより低目付の補助繊維とからなる一方向織物を使用することが知られている。このような一方向織物を用いて樹脂注入法により部材を成形すると、通常の二方向織物よりもラミナの特性を改善することができることが開示されている。(特許文献1および特許文献2)
たとえば、特許文献1においては、主たる荷重を負担するためにたて方向に並行に配列された強化繊維と、これを拘束するためによこ方向に配列された補助繊維とからなる織物を、軽量かつ薄い織物とするために、よこ方向の補助繊維としてできる限り細い(繊度の小さい)糸を用いることが開示されている。また、特許文献2には、樹脂注入法に使用される強化繊維基材として、同様な一方向織物の層間に樹脂材料を適用することにより、衝撃付与後の圧縮強度にすぐれ、航空機や自動車の各種構造材として好適な繊維強化複合材料を得る方法が開示されており、よこ方向の補助繊維の繊度を小さく(細く)することによって、強化繊維のクリンプを防ぎ強度低下を抑制することが示されている。
また、特許文献2と同様に樹脂注入法に使用される強化繊維の一方向織物のよこ方向補助繊維の繊度を小さくすることによる補強繊維のクリンプの低減が開示されている(特許文献3)。この文献では、繊維強化複合材料の構成は、隣接層の配向角度が90度ないし45度となる構成についてのみ記載されており、強化繊維基材を同一方向に積層する構成は示唆されていない。
以上のように、一般論として、繊維強化複合材料に用いられる強化繊維の一方向織物の補助繊維(よこ糸)の繊度を小さくすることにより、たて方向の強化繊維の強度、ひいてはラミナの強度を発現させることについて開示されてはいたが、2層以上のラミナを補強繊維の配向を揃えて連続積層すると、その2層のラミナ間に補助繊維が挟まれる構成になり、部材特性、特に圧縮強度が予想以上に低くなるという問題については、考慮されておらず、このような構成においては、補助繊維を単に繊度を小さくするだけでは、十分な効果が得られなかった。すなわち、同一繊維方向の2層のラミナ間に補助繊維が挟まれると、特許文献1ないし3に開示されたような比較的細い補助繊維であっても、周囲の強化繊維と直角に近い角度で接触するため、強化繊維の局所的な屈曲を起こしやすく、それによって圧縮強度が著しく低下するという問題があった。
また、部材の特性を高くするために、繊維体積含有率を上げようとすればするほど補助繊維が強化繊維の領域に食い込む形となり、強化繊維の屈曲がさらに激しくなり、所望の特性が発現しないという現象があった。
航空機の一次構造部材など、極めて高い力学的特性が要求される部材においては、部材のうける荷重に応じてラミナの繊維配向の構成が最適設計されるが、その結果しばしば繊維配向が同一のラミナの連続積層部分(以降、連続積層ラミナと略す)を含んだ構成となる。しかも、このような場合、連続積層ラミナが主たる荷重を負担する重要なラミナとなることが多いため、その力学特性が低いと、部材全体の強度に大きく影響し、結果として構造体の強度低下につながってしまう。すなわち、こうした連続積層ラミナを有する構成での力学的特性が低い事は、樹脂注入法による繊維強化複合材料の極めて高い力学的特性が要求される部材への適用に限界を生じる要因となっていた。
以上のように、樹脂注入法により得られる繊維強化複合材料部材において、繊維配向が同一の連続積層ラミナを有する場合の力学的特性を向上する有効な手段は従来知られておらず、航空機一次構造材に広く適用できる高い力学的特性を得ることは困難であった。
特開平11−43839号公報 特開2003−80607号公報 特開2004−114586号公報
本発明の目的は、上述の従来技術の課題を解決することにあり、より具体的には、圧縮強度などの力学的特性に優れる繊維強化複合材料部材を樹脂注入法によって提供することにある。
上記目的を達成するために、次のような構成を有する。
すなわち、本発明の繊維強化複合材料部材のうち第一の様態においては、樹脂注入法で成形されてなる繊維強化複合材料部材であって、実質同一の強化繊維配向を有する隣接2層の、強化繊維配向方向に沿って測定される最大間隙と最小間隙との厚みの差が、該隣接2層の平均厚みの0〜30%であることを特徴とするものである。
また、本発明の第二の様態においては、実質同一の強化繊維配向を有する隣接2層の間に、該隣接2層の強化繊維と交差する方向に延在する補助繊維を有し、かつ、該隣接2層の、強化繊維配向方向に沿って測定される最大間隙と最小間隙との厚みの差が、該隣接2層の平均厚みの0〜30%であることを特徴とする。
また、本発明の第三の様態においては、実質同一の強化繊維配向を有する隣接2層の間に、該隣接2層の強化繊維と交差する方向に延在する補助繊維を有し、かつ、該補助繊維の最大厚みが5〜50μmであることを特徴とする。
本発明のいずれの様態においても、実質同一の強化繊維配向を有する隣接2層の最大間隙と最小間隙との厚みの差が、50μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、以下に示すとおり、圧縮強度など、力学的特性に優れた繊維強化複合材料部材を、樹脂注入法によって生産性よく提供することができる。
本発明の第一の様態にかかる繊維強化複合材料部材は、樹脂注入法により成形される。樹脂注入(レジンインフュージョン)法とは、マトリクス樹脂を含浸していない強化繊維からなる基材(以降強化繊維基材と略す)を型内に積層セットした後に、上型またはバッグフィルム等で型内を実質閉空間とし、そこに液状のマトリクス樹脂を注入して強化繊維基材内に含浸させた後にマトリクス樹脂を硬化させて繊維強化複合材料部材を得る方法を指す。樹脂注入法の例として、レジントランスファーモールディング(RTM)法、真空RTM(VaRTM)法、リアクションインジェクションモールディング(RIM)法などが挙げられるが、なかでも物性に優れた繊維強化複合材料部材を生産性良く得ることができるRTM法やVaRTM法が好ましい。
強化繊維基材としては、連続繊維を用いた織物、編物、組物や、不連続繊維を用いた不織布やマット等が使用可能であるが、少なくとも部分的に強化繊維が配向を有しているものが使用される。配向を有する基材を適切な角度に配して積層することにより、部材が受ける力に応じて所望の特性を持たせることができる。強化繊維基材の形態としては、力学特性を高く発現するために、連続繊維をできるだけ高い体積含有率で部材中に適用でき、かつ繊維の屈曲を比較的小さくすることができるという点で織物が好ましい。本発明の部材を得るために、複数の織物を積層して成形する。このような、織物としては、上に述べた織物の特長を更に生かすために、強化繊維を一方向に配列させ、その強化繊維よりも繊度の小さな補助繊維で形態保持させた、いわゆる一方向織物が最も好ましい。
本発明の第二および第三の様態においては、強化繊維基材は補助繊維で形態保持されたものであり、好ましくは一方向織物であるが、繊維強化複合材料部材の成形方法は樹脂注入法には限定されず、上記のような基材を使用可能な任意の公知の成形法を適用しうる。
本発明の繊維強化複合材料部材は、配向を有する強化繊維基材からなる複数の層をするが、必ずしも全ての層の基材が配向を有する必要はなく、必要に応じて等方的な基材からなる層を有しても良いし、場合によっては金属など異種材料の層を有していてもよい。
本発明の部材は、隣接し、かつ実質的に同一な強化繊維配向を有する2層以上の強化繊維基材の層を少なくとも1組有する。強化繊維配向が実質的に同一とは、強化繊維の角度が近いために、特性として隣接する2層をほぼ1体と認めうることを意味し、隣接2層の強化繊維配向角度の差が5度以内、好ましくは3度以内であることをいう。ここでいう配向角度の差とは、隣接2層の任意の1層の強化繊維配向と、他層の強化繊維配向のなす角度を0〜+90°の範囲で表すものとする。
隣接する2層の強化繊維基材の層に挟まれた部分を2層間の間隙と呼ぶ。この層間間隙にはマトリクス樹脂の他に、強化繊維とは異なる補助繊維やスペーサーを有していてもよい。
本発明の第一および二の様態においては、強化繊維の配向方向に沿って測定した場合の間隙の厚みの最大値と最小値が、その隣接2層の強化繊維部分の平均厚みの0〜30%であることが必要であり、かつ絶対値としては5〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。
2層間の間隙の最大値と最小値の差をこの範囲内とすることにより、その隣接2層内の強化繊維の局部屈曲と層自体の座屈を防止でき、高い圧縮強度を発現させることができる。また、同様の理由により弾性率の高い発現効果も得られる。本発明者らは、力学特性発現、特に圧縮強度の観点からこの面内における間隙変化がとりわけ重要であることに着目し、本発明に想到したものである。
層間間隙は、部材形状の屈曲部や厚み変更部など、例外的な場所では上記以外の値をとってもよいが、長さ(L)と部材厚み(T)との比(アスペクト比=L/T)が10以上の長さにわたって概ね均一構成を有する部分においては少なくとも上記の範囲内にあることが好ましい。
層間間隙の厚みは、実際の繊維強化複合材料部材においては以下のように測定することができる。
すなわち、当該隣接2層の繊維配向を含み、かつ外表面に垂直な面で繊維強化複合材料部材を切断し、断面で当該2層の繊維分布状況が観察できるようにする。繊維強化複合材料部材の外表面が曲面の場合であっても、切断位置における外表面の法線を含んだ面で切断することで、同様な観察ができる。断面を研磨し、断面内で、当該隣接2層の繊維配向方向に25mmにわたり観察域をサンプリングし、光学顕微鏡または同等の装置で連続的に層間間隙を観察する。観察域で最も層間間隙が厚い箇所と最も薄い箇所を特定し、それぞれの層間間隙の厚みを測定する。なお、本観察方法において、基材形態によっては、切断の位置により計測される層間間隙の厚みが大きく変わる場合がある。たとえば、強化繊維基材が織物形態の場合、一方の強化繊維基材層中の強化繊維の糸条の中央付近を切断する場合は糸条厚みが大きいために層間間隙は小さくなるが、強化繊維の糸条の間を切断すると断面に強化繊維がほとんど存在しないためにみかけの層間間隙は大きくなる。このような場合には、予め別途強化繊維に垂直な断面で強化繊維基材の形態を観察し、強化繊維糸条の最大厚みを測定し、層間間隙を測定する観察断面においては強化繊維基材の平均厚みが、垂直断面での強化繊維基材の最大厚みの75%以上である断面を選択し測定する。
本発明の第一の様態において層間間隙を上述の範囲内とする手段としては、隣接層間に、ほぼ一定厚さの樹脂層を配することが有効である。この場合、樹脂層を確保するために、粒子形状や短繊維形状の各種スペーサーを配することも好ましく、この場合、粒子やスペーサーとしては樹脂注入後のプロセスにおいてマトリクス樹脂に溶解して形態が消失するものであってもよい。
本発明の第二の様態において強化繊維基材として前述の一方向織物を使用する場合、補助繊維は厚みの小さいものを用いることが有効である。この場合、補助繊維は強化繊維と交差する方向に延在し、かつ厚みが小さいことにより、上述の層間間隙の厚みの範囲を満たす構成とすることができる。すなわち、補助繊維が存在しない部分で隣接2層が実質的に接触している場合、つまり最小間隙厚みが0μmの場合には、補助繊維厚みが50μm以下であれば、最大間隙と最小間隙との厚みの差を50μm以下とすることができる。
補助繊維は元来強化繊維同士の相対的位置を固定するために用いられるので、その観点からは補助繊維に対し直角に近い角度に延在させるのが好ましい。このような構成の補強繊維基材を積層すると、補助繊維は、その属する層の強化繊維と、隣接する層の強化繊維との間に挟まれることになり、強化繊維基材に押し付けられることになる。補助繊維が隣接する層の強化繊維に押し付けられたとき、一方の層の強化繊維基材中の強化繊維と、隣接する層の強化繊維が直角をなす場合には、補助繊維はそれと平行に配向した強化繊維、すなわち隣接する強化繊維基材層中の強化繊維と平行となるため、繊維中に容易に埋まるために強化繊維の屈曲はあまり生じない。ところが、同一の方向に配向された隣接層の場合、補助繊維は隣接2層の強化繊維のいずれとも直交するため、埋まることなく強化繊維に押し付けられることから、強化繊維に著しい屈曲を生じさせることになり、この結果力学特性、特に圧縮強度を著しく低下させることになる。これを防ぎ、圧縮強度を確保するためには、補助繊維の厚みを所定の値以下とすることが有効である。また、上述の補助繊維が押し付けられることによる強化繊維の屈曲は、部材の繊維体積含有率が高くなるといっそう顕著となる。
本発明の第三の様態においては、第二の様態と同様に補助繊維が適用されるものの、その補助繊維の最大厚みが50μm以下であることが必要であり、25μm以下であることが好ましい。補助繊維は強化繊維と交差して部材幅方向に長く連続して延在しているため、層間間隙に比較して強化繊維の強度発現の妨げとなることが著しい。この傾向は、補助繊維と強化繊維が直角に近い角度で交差している場合に特に顕著である。
補助繊維の厚みを制御するためには、補助繊維の繊度を小さくすることが有効であるが、その他にも、その繊維中の単繊維の集合形態を適当なものとすることが有効である。
たとえば、補助繊維中の単繊維が、一方向に広がった形態、すなわち繊維の形状としては扁平状、あるいはテープ状にすると、単繊維の厚み方向の重なりが減少し層間間隙厚みの最大値を小さくすることができ好ましい。具体的には、繊維幅(W)と繊維厚み(t)との比(W/t)が2以上であることが好ましい。
また、補助繊維としては、モノフィラメント、マルチフィラメントいずれも使用することができるが、上記構成を得る観点から、フィラメント数が2〜10の実質的に無撚りのマルチフィラメントを用い、層間間隙中でフィラメントが整列するような構成にするのが最も好ましい。図1は、本発明の好ましい様態のひとつとして、フィラメント数7のマルチフィラメントを補助繊維とした構成を示している。
補助繊維の主材料としては、ガラス(繊維)、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリイミド、ポリアミドイミドなど各種繊維が使用できるが、繊度の小さい(細い)ものが安定して得やすく、樹脂含浸前の工程での取り扱い性にすぐれ、かつ成形後の繊維強化複合材料部材の各種特性に悪影響を及ぼさないという観点でポリアミドが好ましく、中でもナイロン繊維がより好ましい。
また、樹脂注入、硬化の過程で、熱による融解やマトリクス樹脂中への溶解によって繊度の減少もしくは断面形状の扁平化が生じる繊維を使用することもできる。
本発明の第二および第三の様態においても、第一の様態と同様に、隣接層間に、ほぼ一定厚さの樹脂層を配することによって本発明の構成を得ることも可能である。この場合、樹脂層を確保するために、粒子形状や短繊維形状の各種スペーサーを配することも好ましい。図2は、本発明の好ましい様態の一例として、粒子状のスペーサーを適用することによって隣接層間間隙を一定とした構成を示している。
一方向織物のかわりに、引き揃えた強化繊維をメッシュやシート等で片面から固定・保持したものを基材として用いることも可能である。これらの基材は、メッシュやシートの厚みの大きな部分が隣接層間に配されないようにいわば背中合わせで配することにより、2層間間隙の最大値と最小値の差を小さくすることができる。図3は、本発明による好ましい様態の一例として、メッシュで片面より保持された強化繊維基材を用いた例を示している。ただし、こうした構成は、部材内における強化繊維の体積含有率が低くなり、結果として部材の力学的特性に限界を生じる点が、一方向織物に劣る。
本発明において、同一の強化繊維配向を有する隣接2層のそれぞれの厚みは、100μm〜600μmの範囲内にあることが好ましい。厚みが100μmよりも小さくなると積層数が増加し生産性が低下するうえ、1層の厚みの変動率が大きくなり、結果として相対的に安定した層間間隙の厚みを保つことが困難になりやすい。また、厚みが600μmよりも大きくなると、繊維強化複合材料部材の特性として層間の応力が高くなる場合があり、層間破壊が生じやすくなる傾向がある。
本発明の繊維強化複合材料部材中、強化繊維の体積含有率は50%〜65%の範囲内にあることが好ましく、53%〜60%の範囲内にあることがさらに好ましい。ただし、金属層などの異種材料部分は除外する。
本発明の強化繊維複合材料部材の強化繊維としては、炭素繊維(黒鉛繊維を含む)、ガラス繊維(S−ガラス、E−ガラス、T−ガラス等)、ボロン繊維、アラミド繊維、高強度ポリエチレン繊維等が単独または複数の組み合わせで好ましく用いられる。なかでも比強度・比弾性率、耐薬品性、耐食性に優れた炭素繊維、特にポリアクリロニトリル系炭素繊維が好ましい。
炭素繊維のストランド弾性率としては200GPa〜500GPaの範囲のものが好適に用いられ、なかでも220GPa〜360GPaの範囲内であることが好ましい。弾性率が200GPaより低いと、部材の弾性率が低くなり航空機構造材等への適用に限界があり、逆に弾性率が500GPaより高いと、炭素繊維の強度が低くなる傾向があるためである。
本発明の繊維強化複合材料部材のマトリクス樹脂としては、熱または光や電子線などの外部からのエネルギーにより架橋反応し、少なくとも部分的に三次元硬化物を形成することで硬化する樹脂が主成分として用いられ、中でも熱により硬化するいわゆる熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などが好ましく使用され、これら2種以上を混合して用いても良い。なかでも、成形が容易で物性に優れたエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
マトリクス樹脂として、エポキシ樹脂を用いる場合、少なくともエポキシ基含有化合物と硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物であることが肝要である。かかるエポキシ基含有化合物としては、分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく用いられる。
具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルキシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、グリシジルo−トルイジンなどのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂等、あるいはこれらの組み合わせが好ましく用いられる。
かかるエポキシ樹脂組成物に使用される硬化剤としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族アミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン等の脂肪族アミン、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のようなカルボン酸無水物、アジピン酸ヒドラジド等のカルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ポリメルカプタン、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のようなルイス酸錯体等あるいはこれらの組み合わせが好ましく用いられる。
これらの中でも良好な耐熱性および硬化性を与えることから、ジアミノジフェニルスルホンの各構造異性体および/またはジシアンジアミドを含むことが好ましい。
本発明の構成をスティフナ付き面板のスティフナおよび/または面板に適用すると、部材として特に優れた圧縮特性が生産性よく得られる。スティフナとは、面板の剛性を補強するために、面板上に概垂直に立つように配され面板と一体化された短冊状の板材であり、しばしば複数が並行に配される。スティフナ付き面板は航空機の主翼や尾翼の外面板など、特定方向の荷重に対して強化が必要な場合に多く用いられる。スティフナ付き平板は、通常強化方向すなわちスティフナ長手方向の配向繊維量を多く取る必要があるためしばしば同一配向層の連続積層が必要となるうえ、従来プリプレグではスティフナの賦形に時間と工数を要するところを強化繊維織物等のマトリクス樹脂の未含浸の強化繊維基材を用いることによって短時間での賦形が可能となり、さらにはスティフナと面板の同時成形も可能となる場合があり、本発明の効果が有効に発現される。
以下に、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。用いた原材料、成形方法、圧縮強度および層間間隙厚みの測定方法は次の通りである。
なお、糸条直径とは(単繊維の集合体としての)繊維の断面の直径を表す。
<炭素繊維A(強化繊維)>
ポリアクリロニトリル系炭素繊維、24,000フィラメント、繊度1,030tex、引張強度5.9GPa、引張弾性率295GPa、比重1.80g/cm
<ガラス繊維A(補助繊維)>
日東紡績社製ECE225 1/0 1Z、繊度22.5tex、糸条直径0.1mm。
<ナイロン繊維A(補助繊維)>
ナイロン(ポリアミド)66のマルチフィラメント、フィラメント数7、繊度1.7tex、糸条直径0.02mm、フィラメント直径17μm。
<炭素繊維B(補助繊維)>
ポリアクリロニトリル系炭素繊維、1,000フィラメント、繊度66tex、引張強度3.53GPa、引張弾性率230GPa、糸条直径0.2mm。
<エポキシ樹脂配合物>
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(Vantico社製「“アラルダイト(登録商標)”MY−721」)を40重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「“エピコート(登録商標)”825」)を35重量部、ジグリシジルアニリン(日本化薬社製GAN)を15重量部、およびトリグリシジルパラアミノフェノール(ジャパンエポキシレジン社製「“エピコート(登録商標)”630」)を10重量部とした混合物を70℃で1時間撹拌して均一化したもの。
<硬化剤配合物>
ポリアミンとして、2,4−ジエチル−6−メチル−m−フェニレンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−m−フェニレンジアミンとの混合物(ジャパンエポキシレジン社製「“エピキュア(登録商標)”W」)を70重量部、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン(三井化学ファイン社製)を20重量部、および4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(住友化学工業社製「“スミキュア(登録商標)”S」)を10重量部とした混合物を100℃で1時間撹拌して均一化した後に70℃に降温し、硬化促進剤としてt−ブチルカテコール(宇部興産社製)2重量部を加えさらに70℃で30分間撹拌して均一溶解させたもの。
<成形方法>
離型処理を施したアルミニウム製ツール板の表面に、強化繊維基材を所定の枚数強化繊維の配向を揃えて積層した。その上面に、離型処理されたポリエステル繊維織物をピールプライとして配置し、さらにその上面に、ポリプロピレン製メッシュ状シートを樹脂拡散媒体として配置した。さらに上面に、アルミニウム製プレートを押さえ板として配置した。ツール板上の、積層された強化繊維基材の周囲には、ポリエステル繊維不織布を、エッジブリーザーとして張り巡らした。
なお、樹脂拡散媒体からエッジブリーザーを介して真空吸引口への樹脂の直接流出を防ぎ、有効に強化繊維基材へと樹脂が供給されるように、樹脂拡散基材は、その外輪郭が真空吸引口やエッジブリーザーから少なくとも10mm離れるように配置した。
次に、ツール面の周囲にシール材を配置し、ツール面上面全体をナイロンバッグフィルムで覆い、ツール面とバッグフィルムとの間を前記のシール材で密閉系とし、真空吸引口と樹脂注入口以外に系内と系外との空気の出入りがないようにした。樹脂注入口は樹脂拡散媒体と接触するように、真空吸引口はエッジブリーザーのうち樹脂注入口から最も遠い部分に接触するように、それぞれ配置した。
樹脂注入口を閉じ、真空吸引口から吸引し、空気の漏れがないことを確認したうえで、系全体を80℃±2℃になるように昇温し、さらに温度が均一となるように1時間保持した。
予め80℃に予熱し、真空脱泡した上述のエポキシ樹脂配合物と硬化剤配合物とを100:39の重量比で混合し、均一となるように静かに撹拌した。この樹脂混合物をカップに入れ、樹脂注入口との間をナイロンチューブで接続し、樹脂注入口を開いて注入を行った。樹脂混合物が積層基材に含浸された時点で、樹脂注入口を閉じた。真空吸引は、注入開始から所定の時間継続した。
ツール板全体の温度を1.5℃/分の速度で、上記樹脂混合物の一次硬化温度である130℃まで上昇させた後、120分間保持して樹脂混合物を硬化させた。次に3℃/分の速度で室温まで降温し、一次硬化した繊維強化複合材料部材を取り出した。その後、取り出した繊維強化複合材料部材を180℃で120分間二次硬化させて、板状の繊維強化複合材料部材を得た。なお、成形後に繊維強化複合材料部材の平均厚さを測定し、強化繊維である炭素繊維の総目付と比重とから公知の方法により繊維体積含有率を算出した。
<圧縮強度の測定方法>
繊維強化複合材料部材の圧縮強度は、強化繊維を同一方向に揃えて連続積層した構成の成形板に対して測定した。積層枚数は、成形板の厚みが概ね2mmとなるように適宜調節した。圧縮強度の測定方法は、SACMA(Suppliers of Advanced Composite Materials Association)が公開している、Recommended Method(SRM)1R−94に準拠した。
<層間間隙の測定方法>
繊維強化複合材料部材を、まず強化繊維と垂直な断面を切り出して観察し、強化繊維基材の最大厚みを測定し記録した。
次に、同じ繊維強化複合材料部材を、強化繊維の配向方向に30mmにわたって切り出した。強化繊維の配向軸を含み、部材表面に垂直な断面を研磨し、光学顕微鏡で強化繊維の分布と配向が観察できるようにした。観察画像を長さ25mm分にわたってスキャンし、厚み方向で中央の層間の間隙が最も大きい場所と小さい場所を特定し、それぞれ間隙を測定した。
なお、この層間の両側の2層(強化繊維層)の厚みをほぼ等間隔に20箇所測定し、その平均値を求めて隣接層平均厚みとした。なお、最初に測定し記録した強化繊維と垂直断面における強化繊維基材の最大厚みに対して、隣接層平均厚みが75%に満たない場合、断面の位置を変えて同様の測定をやり直した。
(実施例1)
強化繊維として炭素繊維Aをたて糸に用い、補助繊維としてナイロン繊維Aをよこ糸に用いて、強化繊維目付193g/mの一方向織物を作製した。この織物を強化繊維基材として用い、繊維強化複合材料部材を作製した。積層構成は同一方向の12層とした。なお、成形時の真空吸引は、樹脂注入開始後90分後に停止して過度な樹脂のブリードアウトを防止した。
こうして得られた繊維強化複合材料部材の強化繊維体積含有率は57%であった。また、最大層間間隙厚みは23μm、最小層間間隙厚みは5μmでその差は18μmであり、これは隣接2層の平均厚み(187μm)の10%であった。また、観察断面において補助繊維であるナイロン繊維Aは、隣接層間に7本のフィラメントがほぼ直線上に並んで存在しており、その最大厚みはフィラメント直径に近い18μmであった。
この部材の圧縮強度を測定したところ、1450MPaであった。
(実施例2)
実施例1と同様の一方向織物を用い、成形時の真空吸引を樹脂の硬化まで連続して樹脂のブリードアウトを促したことの他は実施例1と同様にして複合材料部材を作製した。
こうして得られた繊維強化複合材料部材の強化繊維体積含有率は62%であった。また、最大層間間隙厚みは20μm、最小層間間隙厚みは1μmでその差は19μmであり、これは隣接2層の平均厚み(170μm)の11%であった。また、観察断面において補助繊維であるナイロン繊維Aは、隣接層間に7本のフィラメントがほぼ直線上に並んで存在しており、その最大厚みはフィラメント直径に近い19μmであった。
この繊維強化複合材料部材の圧縮強度を測定したところ、1420MPaであった。
(実施例3)
補助繊維としてナイロン繊維Aのかわりにガラス繊維Aを用いたことの他は実施例1と同様にして繊維強化複合材料部材を作製した。
こうして得られた繊維強化複合材料部材の強化繊維体積含有率は54%であった。また、最大層間間隙厚みは59μm、最小層間間隙厚みは10μmでその差は49μmであり、これは隣接2層の平均厚み(198μm)の25%であった。また、観察断面において補助繊維であるガラス繊維Aの最大厚みは48μmであった。
この繊維強化複合材料部材の圧縮強度を測定したところ、1290MPaであった。
(実施例4)
実施例3と同様の一方向織物を用い、成形時の真空吸引を樹脂の硬化まで連続して樹脂のブリードアウトを促したことの他は実施例3と同様にして繊維強化複合材料部材を作製した。
こうして得られた繊維強化複合材料部材の強化繊維体積含有率は60%であった。また、最大層間間隙厚みは57μm、最小層間間隙は厚み2μmでその差は55μmであり、これは隣接層平均厚み(188μm)の29%であった。また、観察断面において補助繊維であるガラス繊維Aの最大厚みは49μmであった。 この部材の圧縮強度を測定したところ、1160MPaであった。
(実施例5)
強化繊維目付を285g/mとした点以外は実施例3と同様にして一方向織物を得た。この強化繊維織物を基材として用い、積層構成を同一方向の8層としたこと以外は実施例3と同様にして繊維強化複合材料部材を作製した。
こうして得られた部材の強化繊維体積含有率は53%であった。また、最大層間間隙厚みは59μm、最小層間間隙厚みは6μmでその差は53μmであり、これは隣接2層の平均厚み(290μm)の18%であった。また、観察断面において補助繊維であるガラス繊維Aの最大厚みは48μmであった。
この繊維強化複合材料部材の圧縮強度を測定したところ、1340MPaであった。
(実施例6)
強化繊維目付を150g/mとした点以外は実施例1と同様にして一方向織物を得た。この強化繊維織物を基材として用い、積層構成を同一方向の14層としたこと以外は実施例1と同様にして繊維強化複合材料部材を作製した。
こうして得られた部材の強化繊維体積含有率は53%であった。また、最大層間間隙厚みは52μm、最小層間間隙厚みは5μmでその差は47μmであり、これは隣接2層の平均厚み(145μm)の32%であった。また、観察断面において補助繊維であるナイロン繊維Aは、隣接層間に7本のフィラメントがほぼ直線上に並んで存在しており、その最大厚みはフィラメント直径に近い19μmであった。
この繊維強化複合材料部材の圧縮強度を測定したところ、1300MPaであった。
(比較例)
補助繊維としてナイロン繊維Aのかわりに炭素繊維Bを用いたことの他は実施例1と同様にして一方向織物を得た。この一方向織物を用い、成形時の真空吸引を樹脂の硬化まで連続して樹脂のブリードアウトを促したことの他は実施例1と同様にして繊維強化複合材料部材を作製した。
こうして得られた繊維強化複合材料部材の強化繊維体積含有率は53%であった。また、最大層間間隙厚みは210μm、最小層間間隙厚みは12μmでその差は198μmであり、これは隣接2層の平均厚み(187μm)の106%であった。また、観察断面において補助繊維である炭素繊維Bの厚みは160μmであった。
こ繊維強化複合材料の部材の圧縮強度を測定したところ、1100MPaであった。
以上の結果を表1にまとめた。
Figure 2005349826
本発明によれば、軽量でかつ圧縮強度などの力学的特性に優れた繊維強化複合材料部材を、樹脂注入法によって生産性よく得ることができる。このような部材は、航空機一次構造材や自動車の主構造材などとして好適に使用される。
本発明の繊維強化複合材料部材の一様態を示した斜視図および断面図である。 本発明の繊維強化複合材料部材の別の一様態を示した断面図である。 本発明の繊維強化複合材料部材のさらに別の一様態を示した断面図である。
符号の説明
1:同一繊維配向を有する隣接層
2:補助繊維
3:隣接2層の最大間隙
4:隣接2層の最小間隙
5:粒子状スペーサー
6:メッシュ

Claims (11)

  1. 樹脂注入法で成形されてなる繊維強化複合材料部材において、実質同一の強化繊維配向を有する隣接2層の、強化繊維配向方向に沿って測定される最大間隙と最小間隙との厚みの差が、該隣接2層の平均厚みの0〜30%であることを特徴とする繊維強化複合材料部材。
  2. 実質同一の強化繊維配向を有する隣接2層の間に、該隣接2層の強化繊維と交差する方向に延在する補助繊維を有し、かつ、該隣接2層の、強化繊維配向方向に沿って測定される最大間隙と最小間隙との厚みの差が、該隣接2層の平均厚みの0〜30%であることを特徴とする繊維強化複合材料部材。
  3. 実質同一の強化繊維配向を有する隣接2層の間に、該隣接2層の強化繊維と交差する方向に延在する補助繊維を有し、かつ、該補助繊維の最大厚みが5〜50μmであることを特徴とする繊維強化複合材料部材。
  4. 補助繊維の最大厚みが5〜25μmであることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の繊維強化複合材料部材。
  5. 実質同一の強化繊維配向を有する隣接2層の最小間隙と最大間隙との厚みの差が、0〜50μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料。
  6. 実質同一の強化繊維配向を有する隣接2層の平均厚みがそれぞれ100μm〜600μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化複合材料部材。
  7. 実質同一の強化繊維配向を有する隣接2層の強化繊維配向方向が、主たる荷重方向と実質的に一致することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料部材。
  8. 強化繊維の体積含有率が50%〜65%の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の複合材料部材。
  9. マトリクス樹脂がエポキシ樹脂であり、かつ強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の複合材料部材。
  10. スティフナ付き面板であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の複合材料部材。
  11. 航空機一次構造材として用いられることを特徴とする請求項1〜10に記載の繊維強化複合材料部材。
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