JP6650296B2 - 繊維強化プラスチック用基材、繊維強化プラスチック用多層基材、繊維強化プラスチック用プリフォーム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の繊維強化プラスチック用基材は、複数本の強化繊維糸が一方向に引き揃えられた強化繊維シートと、前記強化繊維シートの一方の表面に前記強化繊維糸の引き揃え方向と交差する方向に所定の間隔で配置されている複数本の補助繊維糸を含み、前記強化繊維シート及び前記補助繊維糸はステッチ糸で一体化されている。
本発明の繊維強化プラスチック用多層基材は、前記繊維強化プラスチック用基材を2層以上含み、前記繊維強化プラスチック用基材が2層以上重ねて配置されている。
繊維強化プラスチック用プリフォームは、前記繊維強化プラスチック用多層基材で構成され、立体形状を有する。前記繊維強化プラスチック用多層基材は、強化繊維シートと補助繊維糸を含み、強化繊維シート及び補助繊維糸がステッチ糸で一体化されており、前記補助繊維糸の長さが、該補助繊維糸の長さ方向の両端点を結んだ直線の長さより長い繊維強化プラスチック用基材で構成されていることにより、曲面を有する立体形状の場合も、表面に皺が発生しない。また、2層以上の繊維強化プラスチック用基材が接着性樹脂で接着されていることで、賦形性が良好であり、曲面を有する立体形状の繊維強化プラスチック用プリフォームでも、表面に皺が発生しない。
<繊維プラスチック用基材の作製>
強化繊維糸として、炭素繊維糸(三菱レイヨン社製、マルチフィラメント、12K)を用いた。補助繊維糸として、ガラス繊維糸(日東紡社製、マルチフィラメント、フィラメント本数200本、繊度33.7tex)を用いた。図2に示されているように、まず、強化繊維糸12aを一方向に密に引き揃えて強化繊維シート12(目付444g/m2)を得た。次に、補助繊維糸13を強化繊維シート12の一方の表面に強化繊維糸12aの引き揃え方向とほぼ直交するように配置した。補助繊維糸13の長さLfは、補助繊維糸13の長さ方向の端点を結んだ直線Sの長さLsの110%であった。隣接する補助繊維糸13の間隔αは、2.5cmであった。次に、ステッチ糸14(PET繊維糸、マルチフィラメント、84dtex)によって、強化繊維シート12と補助繊維糸13を縫い合わせて(トリコット縫い)一体化して繊維強化プラスチック用基材11を得た。
まず、一部の繊維強化プラスチック用基材11の補助繊維糸13が配置されている表面に、20g/m2になる量の接着性樹脂(エポキシ系樹脂、モメンティブ社製、品名「Epikote 05390」)を配置した。次に、接着性樹脂が配置されている繊維強化プラスチック用基材11を繊維強化プラスチック用基材41、31、21として用い、図6A及び図6Bに示されているように、繊維強化プラスチック用基材41、31、21及び11をこの順番で繊維強化プラスチック用基材の間に接着性樹脂(図示無し)が配置されるように積層し、繊維強化プラスチック用多層基材10を得た。図3に示されているように、繊維強化プラスチック用多層基材10の長手方向(矢印aで示されている)の角度を0度としたとき、繊維強化プラスチック用基材11の強化繊維糸12aの引き揃え方向の角度は−30度、繊維強化プラスチック用基材21の強化繊維糸22aの引き揃え方向の角度は30度、繊維強化プラスチック用基材31の強化繊維糸32aの引き揃え方向の角度は−30度、繊維強化プラスチック用基材41の強化繊維糸42aの引き揃え方向の角度は30度になるように配置した。次に、図6Cに示しているように、繊維強化プラスチック用多層基材10をプレス成形装置50に供給され、プレス成形装置50の下金型51上に配置した。次に、図6Dに示しているように、ヒーター60をプレス成形装置50の中に配置し、ヒーター60にて繊維強化プラスチック用多層基材10を150℃で40秒間加熱し、接着性樹脂を溶解させた。次いで、図6Eに示されているように、加熱された繊維強化プラスチック多層基材10を下金型51と上金型52にて挟んで、温度25℃、圧力1MPaの条件下、10秒間プレス成形した。図7は下金型51の模式的斜視図であり、図8は上金型52の模式的斜視図である。プレス形成により、繊維強化プラスチック用多層基材10における繊維強化プラスチック用基材11、21、31及び41が接合するとともに、立体形状に賦形され、立体形状の繊維強化プラスチック用プリフォーム100が得られた。
強化繊維糸として炭素繊維糸(三菱レイヨン社製、マルチフィラメント、12K)を用いた。強化繊維糸を一方向に密に引き揃えて第1の繊維シート(目付444g/m2)とし、第1の繊維シートの一方の表面に、第1の繊維シートの強化繊維糸の引き揃え方向とほぼ直交するように、強化繊維糸を一方向に密に引き揃えて配置して第2の繊維シートを構成した。第1の繊維シートと第2の繊維シートをステッチ糸(PET繊維糸、マルチフィラメント、84dtex)にて縫い合わせて(トリコット縫い)一体化して繊維強化プラスチック用基材を得た。得られた繊維強化プラスチック用基材の第2の繊維シートの表面に20g/m2の量の接着性樹脂(エポキシ系樹脂、モメンティブ社製、品名「Epikote 05390」)を配置した。接着性樹脂を含む繊維強化プラスチック用基材と、接着性樹脂を含まない繊維強化プラスチック用基材を、繊維強化プラスチック用基材の間に接着性樹脂が配置されるように積層して積層体を得た。繊維強化プラスチック用多層基材10に代えて該積層体を用いた以外は、実施例1と同様にして立体形状の繊維強化プラスチック用プリフォーム200を作製した。繊維強化プラスチック用プリフォーム200において、積層順番は、表面から裏面にかけて第2の繊維シート、第1の繊維シート、第2の繊維シート、第1の繊維シートであった。積層体の長手方向の角度を0度としたとき、表面から裏面にかけて、第2の繊維シート、第1の繊維シート、第2の繊維シート及び第1の繊維シートにおける強化繊維糸の角度は、それぞれ、−30度、30度、−30度、30度であった。
2、12、22、32、42 強化繊維シート
2a、12a、22a、32a、42a 強化繊維糸
3、13、23、33、43 補助繊維糸
4、14、24、34、44 ステッチ糸
10 繊維強化プラスチック用多層基材
100、200 繊維強化プラスチック用プリフォーム
50 プレス成形装置
51 下金型
52 上金型
60 ヒーター
Claims (9)
- 複数本の強化繊維糸が一方向に引き揃えられた強化繊維シートと、前記強化繊維シートの一方の表面に前記強化繊維糸の引き揃え方向と交差する方向に所定の間隔で配置されている複数本の補助繊維糸を含み、前記強化繊維シート及び前記補助繊維糸がステッチ糸で一体化されており、
前記補助繊維糸の長さが、該補助繊維糸の長さ方向の両端点を結んだ直線の長さの105〜120%の範囲であることを特徴とする繊維強化プラスチック用基材。 - 前記強化繊維糸が炭素繊維糸である請求項1に記載の繊維強化プラスチック用基材。
- 前記補助繊維糸がガラス繊維である請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチック用基材。
- 隣接する補助繊維糸の間隔が5mm〜55mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック用基材。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック用基材を2層以上含む繊維強化プラスチック用多層基材において、
少なくとも1層の繊維強化プラスチック用基材のいずれかの面には接着性樹脂が配置されている繊維強化プラスチック用多層基材。 - 請求項5に記載の繊維強化プラスチック用多層基材で構成され、立体形状を有することを特徴とする繊維強化プラスチック用プリフォーム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック用基材を2層以上積層するとともに、少なくとも1層の繊維強化プラスチック用基材のいずれかの面に接着性樹脂を配置し、得られた繊維強化プラスチック用多層基材をプレス成形して立体形状の繊維強化プラスチック用プリフォームを得ることを特徴とする繊維強化プラスチック用プリフォームの製造方法。
- 請求項5に記載の繊維強化プラスチック用多層基材を所定の立体形状にプレス成形して立体形状の繊維強化プラスチック用プリフォームを得ることを特徴とする繊維強化プラスチック用プリフォームの製造方法。
- 前記プレス成形は、真空成形及び/又は減圧成形である請求項7又は8に記載の繊維強化プラスチック用プリフォームの製造方法。
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