JP2008307818A - 繊維強化熱可塑性プラスチック用多軸基材および成形体 - Google Patents

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明 粕谷
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Abstract

【課題】組成変動なしに、機械的強度に優れた成形体を簡便に製造可能で、しかも基材自体の製造も簡便な繊維強化プラスチック用多軸基材を提供すること。機械的強度に優れ、しかも製造が簡便な繊維強化プラスチック成形体を提供すること。
【解決手段】強化繊維を引き揃えた強化繊維層(1a、1b)と熱可塑性樹脂繊維からなる不織布層(2a、2b、2c)とが交互に積層され、最上層(2a)および最下層(2c)が熱可塑性樹脂繊維不織布層である繊維強化熱可塑性プラスチック用多軸基材であって、強化繊維層を2層以上有し、ステッチ糸3により編成されている多軸基材、および該多軸基材を加熱・加圧成形してなる成形体。
【選択図】図2

Description

本発明は繊維強化熱可塑性プラスチック用多軸基材および成形体に関する。
繊維強化熱可塑性プラスチック、いわゆるFRTP(Fiber Reinforced Thermo Plastics)は、材料の弾性率や強度等の機械的強度の向上を担う強化繊維にマトリックス樹脂(プラスチック)を含浸させた複合材料である。そのような繊維強化プラスチックは、金属系材料やセラミックス系材料と比較して、軽量で、かつ成形が容易なことから、各種分野で注目されており、特にマトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いると、FRTPを樹脂の融点以上にすることで強化繊維とマトリックス樹脂とを分解でき、リサイクル性を発現することが可能となり注目されている。
繊維強化プラスチックは、強化繊維とマトリックス樹脂とからなる中間体(基材)を予め製造し、当該中間体を金型等を利用して加熱・加圧し、所定の形状に成形することによって得られる。そのような中間体の製造方法としては、(1)マトリックス樹脂を加熱溶融して強化繊維に予め含浸させる方法、(2)マトリックス樹脂をパウダー化し、強化繊維に塗布・融着させる方法、(3)マトリックス樹脂を繊維形態で強化繊維に混ぜる方法等が挙げられる。
しかしながら、上記(1)の方法では、中間体の製造が煩雑であった。上記(2)の方法ではマトリックス樹脂パウダーが強化繊維から比較的容易に脱落するため、組成が変動することが問題となっていた。上記(3)の方法では、中間体の製造段階においてマトリックス樹脂繊維を強化繊維に混ぜる時、強化繊維が損傷を受けるため、強度の低下が問題となっていた。
そこで、強化繊維のマルチフィラメントの周囲をマトリックス樹脂フィラメントでカバリングした複合糸を用いる方法が見られる。しかし、マトリックス樹脂となる熱可塑性樹脂は粘度が高く、強化繊維に含浸させることが困難なのであるが、上記複合糸は、もともと扁平な強化繊維をフィラメントで縛ることとなるため円形断面となり、強化繊維内部への含浸性能が悪化する傾向となり、十分な強度が得られなかった。
また2層以上の強化繊維層を有する積層体において、熱可塑性樹脂を織編物等の繊維シート、粉末またはフィルムの形態で各強化繊維層間に介在させる技術が報告されている(特許文献1)。しかしながら、上記技術において、積層体(中間体)の一体化を加熱により行うと、加熱加圧により繊維内部に樹脂が含浸し、結果として板状となり屈曲させることができず、ロール状の形態ができないため、輸送面や取扱い性が低下してしまう。そこで積層体の一体化を、糸を用いた編成により行うことを試みると、上記熱可塑性樹脂が織編物等の繊維シートまたはフィルムの形態の場合、針が積層体を通らず、一体化が困難であった。熱可塑性樹脂が粉体の場合は、やはり組成の変動が問題となった。
特開平5−96638号公報
本発明は、組成変動なしに、機械的強度に優れた成形体を簡便に製造可能で、しかも基材自体の製造も簡便な繊維強化プラスチック用多軸基材を提供することを目的とする。
本発明はまた、機械的強度に優れ、しかも製造が簡便な繊維強化プラスチック成形体を提供することを目的とする。
本発明は、強化繊維を引き揃えた強化繊維層と熱可塑性樹脂繊維からなる不織布層とが交互に積層され、最上層および最下層が熱可塑性樹脂繊維不織布層である繊維強化熱可塑性プラスチック用多軸基材であって、
強化繊維の引き揃え方向が異なる強化繊維層を2層以上有し、
ステッチ糸により編成されていることを特徴とする多軸基材、および該多軸基材を加熱・加圧成形してなる繊維強化熱可塑性プラスチック成形体に関する。
本発明に係る繊維強化プラスチック用多軸基材は、組成変動なしに、機械的強度に優れた成形体を簡便に製造可能で、しかも基材自体の製造も簡便である。特に本発明の多軸基材は、加熱加圧成形を比較的短い時間で行っても、ボイドの発生を防止でき、結果として機械的強度に優れた成形体を簡便に製造できる。
(繊維強化プラスチック用多軸基材)
本発明の繊維強化プラスチック用多軸基材(単に多軸基材ということがある)は、強化繊維層と熱可塑性樹脂繊維不織布層とが交互に積層され、最上層および最下層が熱可塑性樹脂繊維不織布層である。そのような本発明の多軸基材の構成の具体例として、例えば、図1(A)〜(C)の構成が挙げられる。図1(A)は5層型多軸基材の概略模式図、図1(B)は7層型多軸基材の概略模式図、図1(C)は9層型多軸基材の概略模式図であり、共通して、1(1a、1b、1c、1d)は強化繊維層、2(2a、2b、2c、2d、2e)は熱可塑性樹脂繊維不織布層を示す。本発明の多軸基材の構成は、積層順序が強化繊維層1と不織布層2との交互であって、最上層および最下層の両層が不織布層2である限り、これらの構成に制限されるものではない。最上層または最下層の少なくとも一方が強化繊維層であると、強化繊維層が剥き出しになり、マトリックス樹脂の含浸が不十分となるとともに、使用時に強化繊維が損傷する可能性がある。
強化繊維層1は強化繊維を一定方向に密に引き揃えたシート状の層である。本発明の多軸基材は、強化繊維の引き揃え方向(軸)が異なる当該強化繊維層を2層以上有するものであり、そのように軸が異なる強化繊維層を少なくとも2層有するという意味で、本発明の基材は多軸である。すなわち、強化繊維は、短繊維を短くカットして不織布として用いるよりも、連続繊維として用いた方が弾性率、強度面で有利である。しかし、繊維方向のみ機械的強度が向上するため、多軸方向に繊維を並べることで、所望の方向に対して要求する強度が得られるのである。
本発明の多軸基材は、当該基材が有する全ての強化繊維層の中に強化繊維の引き揃え方向が互いに異なる強化繊維層が少なくとも2層存在する限り、一部の強化繊維層の引き揃え方向が同じであってもよい。
例えば、図2に示す多軸基材では、基材の長手方向αを0°としたとき、強化繊維層1aの引き揃え方向は0°、強化繊維層1bの引き揃え方向は+α°であり、これらの強化繊維層は引き揃え方向が互いに異なっている。図2は、図1(A)に示す5層型多軸基材の一例の製造工程を示す概略模式図である。
本明細書中、強化繊維の引き揃え方向は、図2に示すように、基材の長手方向αを基準(0°)にして、反時計周りの方向の角度を正の値、時計回りの方向の角度を負の値で示すものとする。
強化繊維層1を構成する強化繊維は無機系または有機系のいずれであってよく、最終用途によって決定すればよい。各強化繊維層ごとに種類の異なる強化繊維が使用されてもよい。好ましくは、無機系強化繊維であり、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、鋼繊維等が挙げられ、好ましくは炭素繊維またはガラス繊維、特に炭素繊維である。
有機系強化繊維として、例えば、アラミド繊維等が挙げられる。
強化繊維は通常、マルチフィラメントの形態で使用される。
多軸基材における強化繊維の全繊維に対する体積比は、成形体の用途に応じて適宜設定されるため特に制限されないが、通常は30〜70体積%、好ましくは40〜60体積%である。そのような体積比は各繊維の使用重量と比重から求めることができる。
強化繊維の太さおよびマルチフィラメントの構成繊維数は、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではなく、製造コストおよび製造容易性の観点から、繊維の種類に応じて以下の範囲内に設定されることが好ましい。
炭素繊維;3k〜72k、特に12k〜50kの繊維からなるマルチフィラメント;
ガラス繊維;200テックス〜2400テックス、特に500テックス〜1200テックスの繊維からなるマルチフィラメント;
なお、本発明は含浸性能に優れる構成であるため、強化繊維としては、含浸が困難である繊維、特に12k〜50kの炭素繊維からなるマルチフィラメントに対し、極めて有用である。
不織布層2は熱可塑性樹脂繊維からなるものであり、成形体においてマトリックスを構成するものである。不織布層2の代わりに熱可塑性樹脂をフィルム、織編物の形態で用いると、ステッチ針が積層体を貫通し難くなるため、ステッチ糸による編成が行えない。
熱可塑性樹脂繊維としては、有機繊維の分野で従来から使用されている熱可塑性繊維であれば特に制限されない。具体例として、例えば、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド繊維;ポリプロピレン繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維;ポリエチレン繊維;ポリカーボネート繊維;ポリエーテルエーテルケトン繊維;ポリフェニレンスルファイド繊維等が挙げられる。各不織布層ごとに種類の異なる熱可塑性樹脂繊維が使用されてもよい。
熱可塑性樹脂繊維の融点は本発明の目的が達成される限り特に制限されず、例えば100〜500℃であり、通常は100〜400℃である。
本明細書中、融点は示差走査熱量測定法(DSC法)により測定された値を用いている。
不織布層は、不織布の分野で従来から採用されている公知の製造方法によって製造できる。例えば、ニードルパンチ法、スパンボンド法、スパンレース法等が採用可能である。
各不織布層の目付は、前記所望とされる多軸基材における強化繊維の全繊維に対する体積比に応じて求めることができる。すなわち、全不織布層の割合は通常は強化繊維の全繊維に対する体積比で30〜70体積%、好ましくは40〜60体積%となるものであり、当該体積比となるよう各不織布層の目付は適宜設定されればよい。
強化繊維と熱可塑性樹脂繊維との組み合わせについて、好ましいものを以下に示す;
炭素繊維−ポリアミド繊維;ポリプロピレン繊維;ポリエーテルエーテルケトン繊維;ポリフェニレンスルファイド繊維からなる群から選択される1種類以上の繊維;
ガラス繊維−ポリプロピレン繊維;ポリエチレンテレフタレート繊維;ポリアミド繊維からなる群から選択される1種類以上の繊維。
本発明の多軸基材は、上記した強化繊維層と熱可塑性樹脂繊維不織布層とを所定順序で積層したものを、図2に示すように、ステッチ糸3により編成・縫合してなっている。熱可塑性樹脂繊維は不織布形態で使用されるため、糸による編成が可能であり、多軸基材自体の製造が簡便である。
ステッチ糸3は、編成により強化繊維層と熱可塑性樹脂繊維不織布層との層間結合を達成して積層体全体の保形・一体化を行うものである。ステッチ糸3は種々の糸を用いることができ、例えば、成形時に溶融するものであってもよいし、または溶融しないものであってもよい。強化繊維の方向性の乱れを防止する観点からは、成形時に溶融しないものを使用することが好ましい。ステッチ糸3の具体例として、例えば、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレンスルフィド等の繊維からなる糸が挙げられる。ステッチ糸3の太さは、基材の保形・一体化が達成される限り特に制限されず、例えば、30〜200μm程度のものが通常用いられる。
ステッチ糸3による編成は、各層を重ねただけの積層体を編み機等によりステッチ糸で編むことにより達成されればよい。編成は成形時において各層がずれない程度に達成されればよく、例えば、図2に示すように積層体全面にわたって一様に編成されていてもよいし、間隔を開けて編成されていてもよい。編み方法は特に制限されず、例えば図2に示すようなトリコット法であってもよいし、チェーン法であってもよい。
本発明の各軸の強化繊維の種類と角度は、一般的な多軸基材と同様の考え方であり、層間や層内で2種以上のものであっても良い。なお、各軸の角度は所望とする機械的物性により決められる。本発明の多軸基材において、積層数、各強化繊維層の引き揃え方向、ならびに各強化繊維層および不織布層の構成繊維の種類に関する好ましい組み合わせの具体例を以下に示す。以下に示す組み合わせの記載においては、最上層から順次、各層を示すものとする。γは強化繊維層の強化繊維引き揃え方向を示す角度を意味する。
(1)5層型;不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=+90°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=+30°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)
(2)5層型;不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=0°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=+90°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)
(3)7層型;不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=+90°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=+30°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=−30°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)
(4)7層型;不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=+90°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=+30°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=−30°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)
(5)7層型;不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=−30°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=+30°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=+90°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)
(6)7層型;不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=−30°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=+30°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=+90°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)
(7)9層型;不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=+90°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=+30°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=−30°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)−強化繊維層(γ=−30°、炭素繊維)−不織布層(ポリアミド繊維)
(8)9層型;不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=0°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=+30°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=−30°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)−強化繊維層(γ=90°、ガラス繊維)−不織布層(ポリプロピレン繊維)
(多軸基材の使用方法)
本発明の多軸基材は繊維強化プラスチック成形体の製造に有用である。例えば、所望の用途に合わせて所定枚数の多軸基材を重ね合わせ、所定形状の金型を用いて加圧加熱により成形する。すなわち、下型に沿うように多軸基材を配置し上型を閉じると共に、加熱及び加圧によりFRTPを形成する。その際、本発明の多軸基材は糸を用いた編成・縫合により一体化されており柔軟性に富むため、金型の形状が曲面部分を有していても追随性に優れ、したがって複雑な形状であるFRTPを簡便に得ることができる。なお、成形時の加熱温度および圧力は、不織布層に使用される熱可塑性樹脂繊維の融点や所望の形状等に依存して適宜選択されればよい。
<実施例および比較例>
(多軸基材の製造)
各実施例/比較例において、図2に示すような多軸基材製造工程によって、表1に示す構成の多軸基材AおよびBを幅1000mmで製造した。なお、ステッチ糸3としてナイロン−6繊維からなる糸(太さ100μm、融点220℃)を用いた。
Figure 2008307818
表中、層番号は最上層より順次付された番号である。
Vfは全繊維に占める強化繊維の体積比であり、各繊維の比重および各層の目付から求めた値である。
炭素繊維は太さ7μmの炭素繊維24kからなるマルチフィラメント(東邦テナックス社製)を用いた。
不織布層は以下の方法により製造されたものを用いた。
ナイロン66の短繊維(融点260℃)をニードルパンチ法により加工して所定目付の不織布を得た。
比較例1で使用した複合糸は以下の方法により製造されたものを用いた。
熱可塑性樹脂繊維よりなる組紐組織中の長手方向に芯繊維として炭素繊維24k(東邦テナックス社製、太さ7μmの炭素繊維24000本からなるマルチフィラメント)およびナイロン66繊維(太さ100μm、融点260℃)が挿入された複合糸を製造した。詳しくは熱可塑性樹脂繊維としてのナイロン66繊維のマルチフィラメントにて丸打組機で編組しつつ、その中に上記芯繊維を挿入して、複合糸を得た。
(評価)
各実施例/比較例で得られた多軸基材AおよびBを290℃に加熱した上下金型間で積層し、4MPaにて加圧し、所定時間保持した。次いで、放置冷却を1時間行った後、金型を開放して、平板状成形体を得た。成形体を以下の項目について評価した。なお、実施例における多軸基材AおよびBの積層順序は、補強繊維層の引き揃え方向が上から順に+90°/+30°/−30°/−30°/+30°/+90°となるような順序であった。また比較例における多軸基材AおよびBの積層順序は、複合糸の引き揃え方向が上から順に+90°/+30°/−30°/−30°/+30°/+90°となるような順序であった。
・引張弾性率
JIS J 7073:1988に従って測定を行った。
・引張強度
JIS J 7073:1988に従って測定を行った。
・曲げ弾性率
JIS J 7074:1988に従って測定を行った。
・曲げ強度
JIS J 7074:1988に従って測定を行った。
Figure 2008307818
本発明の多軸基材は、自動車、飛行機、車両、風力発電、建築、土木などの分野で使用されている繊維強化プラスチック成形体の製造に有用である。
(A)〜(C)は本発明の多軸基材の一例の構成を説明するための概略説明図である。 本発明の多軸基材の構成と製造方法を示すための多軸基材製造工程模式図の一例である。
符号の説明
1:1a:1b:1c:1d:強化繊維層、2:2a:2b:2c:2d:2e:熱可塑性樹脂繊維不織布層、3:糸。

Claims (5)

  1. 強化繊維を引き揃えた強化繊維層と熱可塑性樹脂繊維からなる不織布層とが交互に積層され、最上層および最下層が熱可塑性樹脂繊維不織布層である繊維強化熱可塑性プラスチック用多軸基材であって、
    強化繊維の引き揃え方向が異なる強化繊維層を2層以上有し、
    ステッチ糸により編成されていることを特徴とする多軸基材。
  2. 強化繊維が炭素繊維またはガラス繊維である請求項1に記載の多軸基材。
  3. 強化繊維が炭素繊維であり、熱可塑性樹脂繊維がポリアミド繊維である請求項1または2に記載の多軸基材。
  4. 強化繊維がガラス繊維であり、熱可塑性樹脂繊維がポリプロピレン繊維である請求項1または2に記載の多軸基材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の多軸基材を加熱・加圧成形してなる繊維強化熱可塑性プラスチック成形体。
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