JP2002059488A - 繊維強化プラスチック成形体およびその成形方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック成形体およびその成形方法

Info

Publication number
JP2002059488A
JP2002059488A JP2000250686A JP2000250686A JP2002059488A JP 2002059488 A JP2002059488 A JP 2002059488A JP 2000250686 A JP2000250686 A JP 2000250686A JP 2000250686 A JP2000250686 A JP 2000250686A JP 2002059488 A JP2002059488 A JP 2002059488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
molding
sheet
reinforced plastic
molded article
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000250686A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Nishimura
明 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2000250686A priority Critical patent/JP2002059488A/ja
Publication of JP2002059488A publication Critical patent/JP2002059488A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、強化繊維が長さ方向に真直ぐに配列
し、機械的特性に優れる長尺のFRP成形体およびその
成形方法を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明のFRP成形体は、少なくとも30
mの連続繊維からなる強化繊維糸条と、少なくとも30
mの連続繊維からなるガラス糸条とが、幅方向に交互に
配列されてなるシート状基材が一体化されて積層体を構
成していることを特徴とするものであり、かかる成形体
の形成方法は、かかる積層体を、常温で液状の樹脂を含
浸させた後、硬化させることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化繊維が長さ方
向に真直ぐに配列した、機械的特性に優れた長尺の繊維
強化プラスチック(以下FRPと呼称)からなる繊維強
化プラスチック成形体およびその成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRPは重量当たりの強度や弾性率、い
わゆる比強度や比弾性率に優れていることから軽い構造
体となり、また錆びることなく耐候性にも優れているの
で、そのような特性を利用して種々の用途に展開されて
いる。たとえば回転体は、FRPにすると回転運動に対
するエネルギー損失が小さくなるので、ヘリコプターや
風力発電の風車のブレードとして実用化され、またプロ
ペラ機のブレードとしても検討されている。
【0003】これらブレードは軽ければ軽いほどエネル
ギー損失は小さくなるが、とくに風力発電の風車ブレー
ドは、発電コストの点から低コストな材料であるガラス
繊維を使用したFRPが使われている。一方、発電効
率、発電能力はブレードの長さが長くなればなるほど向
上するが、長くすると自重や風荷重によって大きな曲げ
モーメントが発生するので、ブレードの変形量が大きく
なり発電効率が低下する。また変形量を小さくするため
ブレードのFRP厚さを大きくすると、ブレード重量が
大きくなりエネルギー損失が大きくなり発電効率が低下
するという問題があった。
【0004】これに対し、軽量で長く、かつ長さ方向の
変形量が小さなブレードを得るため、弾性率の高い強化
繊維、たとえば炭素繊維の一方向織物をブレードの長さ
方向に、補強効果を高めるため裁断された織物をラップ
するような積層はせず、連続的に延びるように積層し、
ガラス繊維からなる繊維材料と併用することも試みられ
た。
【0005】ブレードなどの長尺FRPの成形は、材料
コストや成形型のコストの点から、繊維材料に常温で液
状の熱硬化性樹脂を含浸、硬化させる方法が取られてい
るが、樹脂が硬化する際、重合発熱し、成形に使われる
樹脂量も大きいので発熱量も大きくなり、硬化過程で樹
脂および繊維材料はかなり昇温する。
【0006】一方、強化繊維とガラス繊維の線膨脹係数
は異なり、強化繊維の線膨脹係数は−5〜0.2×10
-6/℃と小さく、ガラス繊維は5.0×10-6/℃と大
きい。したがって、樹脂が未硬化の段階では昇温により
ガラス繊維の延び率は強化繊維より大きく、また長尺で
あるから延び量も大きくなる。次ぎに樹脂がある程度固
まって、降温し始めると、ガラス繊維が収縮し、炭素繊
維の収縮量が小さいので、降温過程で炭素繊維の一方向
織物が、長さ方向に対して局部的に1〜2箇所、FRP
の厚み方向に湾曲した状態となり、その状態で完全硬化
する。この湾曲量はFRP成形体の長さが長くなればな
るほど大きくなる。このように、長さ方向に対して真直
ぐ強化繊維が配向しなく、局部的に湾曲した状態に入っ
ているから、荷重がかかると湾曲部で応力が集中し、所
定の機械的特性が得られないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、強化繊維が長さ方向に真直ぐに配列
し、機械的特性に優れる長尺のFRP成形体およびその
成形方法を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のFRP成形体は、少なくとも3
0mの連続繊維からなる強化繊維糸条と、少なくとも3
0mの連続繊維からなるガラス糸条とが、幅方向に交互
に配列されてなるシート状基材が一体化されて積層体を
構成していることを特徴とするものであり、かかる成形
体の形成方法は、かかる積層体を、常温で液状の樹脂を
含浸させた後、硬化させることを特徴とするものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のFRP成形体は、長さが
30m以上であるという長尺のFRP成形体において優
れた効果を発揮し、特に風車のブレードのように、回転
体としての機械的特性が要求される用途に優れた効果を
奏するものである。
【0010】本発明のFRP成形体の概念を示す部分破
断斜視図を図1に示した。図1において、長尺FRP成
形体1を構成する繊維材料は、少なくとも30mの連続
繊維からなる強化繊維糸条と、少なくとも30mの連続
繊維からなるガラス糸条とが、幅方向に交互に配列され
てなるシート状基材2とガラス繊維糸条からなる基材3
とからなり、図1の下層からガラス繊維糸条からなる基
材層3、シート状基材層2、ガラス繊維糸条からなる基
材層3、シート状基材層2、ガラス繊維糸条からなる基
材層3の順番で5層積層され、少なくとも該シート状基
材層2は、該FRP成形体の長さ方向の両端部4、5付
近まで、切れることなく、少なくとも30mの長さを有
する形で連続的に積層されているものである。
【0011】かかるシート状基材は、高い弾性率を有す
るものであるが、かかるシート状基材を、図1のよう
に、極力FRP成形体の外側に配置させて積層すると、
わずかな強化繊維糸条の量でも大きな曲げ剛性向上効果
が得られるので好ましい。
【0012】ガラス繊維糸条からなる基材3はとくに限
定されるものではないが、FRP成形体の比弾性率、比
強度を大きくするには、樹脂量が少なくて、高い繊維体
積含有率が達成できる、たとえば連続繊維からなるロー
ビングクロスや多方向に繊維配向し、細いステッチ糸で
一体化された多軸ステッチ布帛を使用するのが好まし
い。
【0013】なお、本発明においては、繊維材料、つま
り基材2、3の積層構成は、上記の例のものに限定する
ものではなく、たとえば、該シート状基材層2、ガラス
繊維糸条からなる基材層3、該シート状基材層2の3層
の積層構成や、さらにガラス繊維糸条からなる基材層
3、該シート状基材層2、ガラス繊維糸条からなる基材
層3、該シート状基材層2、ガラス繊維糸条からなる基
材層3、該シート状基材層2、ガラス繊維糸条からなる
基材層3の7層の積層構成であってもよい。
【0014】なお、これらの積層構成は、強化繊維糸条
とガラス繊維糸条の線膨脹係数の違いによる成形の反り
を防止する観点から、FRP成形体の厚み方向に対して
鏡面対象となる配置構成とするのが好ましい。
【0015】また、該シート状基材層2やガラス繊維糸
条からなる基材層3の各層は、必ずしも1枚の基材に限
定するものではなく、各層に複数枚、または、形態の異
なる基材が積層されていてもよい。
【0016】図2に、該シート状基材2の一実施例を示
した。該シート状基材2は、少なくとも30mの連続繊
維からなる高弾性率の強化繊維糸条6と、少なくとも3
0mの連続繊維からなるガラス繊維糸条7とからなり、
これらの糸条は、該シート状基材の幅方向に交互に、か
つ、それぞれ該シート状基材の長さ(たて)方向に並行
に配向しており、つまり前記強化繊維糸条とガラス繊維
糸条とが層内で交互に配列したものであり、よこ方向に
補助糸8が配列した一方向織物で、いわゆる織成によっ
て一体化されてなるシート状基材である。
【0017】図3は、本発明シート状基材としての他の
例である一方向多重織物の断面図を示すものである。す
なわち、強化繊維糸条とガラス繊維糸条が配列した層
が、図2のように、必ずしも1層に限定するものではな
く、図2のように、強化繊維糸条61 、ガラス繊維糸条
1 、とよこ方向の補助糸81 とからなる織物と、強化
繊維糸条62 、ガラス繊維糸条72 、とよこ方向の補助
糸82 とからなる織物とが2層積層され、これらの2枚
の織物が、2層目の織物を構成するよこの補助糸8
2 が、周期的に1層目織物のたて糸61 と交錯して構成
される、いわゆる2重織物や、さらに3重織物であって
もよい。
【0018】このような多重織物は、織物の繊維目付を
500〜1500g/m2と大きくしても、たて糸の糸
条間に隙間を形成することができるので、繊維目付が大
きくなっても、樹脂の含浸性が阻害されることはなく、
また、大型FRP成形体の成形に当たって、積層枚数を
少なくすることができるので、積層の省力化を図ること
ができるという利点がある。
【0019】なお、図2および図3には、強化繊維糸条
とガラス繊維糸が1本ずつ配列しているケースについて
記載したが、かかる配列方式に拘ることなく、強化繊維
糸条やガラス繊維糸が複数本群をなして並行に配列して
いても、全体として交互配列されていれば、効果上問題
はない。
【0020】また、織成によって一体化されたシート状
基材は、少なくとも長さ方向に配向する強化繊維糸条が
層内で(幅方向に)ガラス繊維糸と交互に配列しておれ
ばよく、つまり、よこ方向には強化繊維糸条やガラス繊
維糸条が配列し、たての強化繊維糸条やガラス繊維糸条
と交錯していてもよい。
【0021】また、図4に、本発明シート状基材2とし
ての他の例であるシート状基材2の一実施例を示した。
図4に示すシート状基材2は、多軸ステッチ布帛と呼ば
れるもので、並行に配列した強化繊維糸条が、シート状
基材2の長さ方向(0゜)に配列した層9と幅方向(9
0゜)に配列した層10および斜め方向(±α゜)配列
した層11、12が交差し、これらの層が補助糸として
のステッチ糸13で縫合され一体化されている。これら
の多軸ステッチ布帛は公知であるが、本発明に使用する
シート状基材2は、少なくともシート状基材2の長さ方
向(0゜)に配列した層9が、連続繊維からなる高弾性
率の強化繊維糸条6と、連続繊維からなるガラス繊維糸
条7が、シート状基材2の長さ方向に並行に配向し、前
記強化繊維糸条6とガラス繊維糸条7が層内で交互に配
列ている。幅方向(90゜)に配列した層9および斜め
方向(±α゜)配列した層11、12は、高弾性率の強
化繊維糸条であってよいし、またガラス繊維糸条であっ
てもよい。
【0022】また、上記においては、0゜、90゜、±
α゜の4層構成について説明したが、0゜方向のみに配
列し、マット状物を裏打ちしてステッチ糸で縫合一体化
したものでもよいし、あるいは、0゜、90゜の2層構
成や、0゜、±α゜の3層構成であってもよいが、少な
くとも0゜層を含み、かつ、強化繊維糸条と連続繊維か
らなるガラス繊維糸条が層内で交互に配列されている層
を有することが必要である。
【0023】本発明のFRP成形体に用いる高弾性率の
強化繊維としては、炭素繊維やポリアラミド繊維であ
り、該FRP成形体の曲げ剛性向上効果を高めるという
観点で引張弾性率がガラス繊維より高いものが好ましく
使用され、好ましくは100GPa以上、より好ましく
200GPa以上であるものが使用される。
【0024】かかる強化繊維糸条の太さは、糸条間の隙
間を確保してシート状基材の樹脂含浸性をよくするこ
と、ならびに、繊維目付を大きくするという観点から、
2,000〜80,000デシテックス程度が好まし
く、またシート状基材の表面を平滑にするという観点
で、ガラス繊維糸条の断面積は強化繊維糸条とほぼ同じ
であることが好ましい。
【0025】また、本発明に用いるシート状基材の一方
向織物のよこ糸や多軸ステッチ布帛のステッチ糸として
用いる補助糸は、ガラス繊維糸またはポリエステル繊維
糸、ポリアミド繊維糸やポリアラミド繊維糸などの合成
繊維からなる細い糸で、糸繊度は50〜800デシテッ
クス程度のものが好ましく使用される。
【0026】このように、本発明のシート状基材は、同
じ層内に線膨脹係数の小さな強化繊維と線膨脹係数の大
きなガラス繊維に存在し、これらはよこ糸や多軸ステッ
チ布帛のステッチ糸で一体化されているから、成形の降
温の過程でガラス繊維と強化繊維織物の線膨脹係数差に
よる糸長差は、シート状基材の長さ方向の全長に渡っ
て、平均して強化繊維がミクロ的に曲がることによって
吸収されるので、糸長差吸収のため、長さ方向に対して
局部的に1〜2箇所、FRPの厚み方向に大きく湾曲す
るようなことはない。
【0027】なお、強化繊維とガラス繊維の線膨脹係数
の違いによる糸長差は、温度差が50℃の条件下でも、
0.025〜0.05%程度と、強化繊維やガラス繊維
の破断歪みの1.5〜4%と比べて小さいので、全長に
渡って、平均して強化繊維がミクロ的に曲がっても、F
RP成形体の機械的特性に及ぼす影響は小さい。
【0028】ちなみに、この強化繊維やガラス繊維の熱
線膨脹係数の違いによる糸長差は、たとえば、温度差が
50℃の条件下での50m長さの長尺のFRP成形体で
は12.5〜25mmと大きくなりなり、湾曲量は大き
くなる。
【0029】本発明のFRP成形体に用いる樹脂は、た
とえばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニル
エステル樹脂やフェノール樹脂などの常温で液状の熱硬
化性樹脂で、長尺FRP成形体の成形での樹脂含浸性お
よび樹脂注入時間短縮の観点で樹脂粘度が小さい方がよ
く、2〜10ポイズ程度が好ましい。をある。
【0030】本発明の長尺FRP成形体は、従来から知
られている方法で成形することができるが、なかでもレ
ジン・トランスファー成形法や真空バッグ成形法は、大
型の成形品が安価に製造することができ、かつ、精度よ
く、ボイドが少ない信頼性に優れる成形品が得られるの
で、好ましく用いられる。
【0031】次に、本発明のFRP成形体の成形方法に
ついて説明する。
【0032】図5は、本発明のFRP成形体の真空バッ
グ成形法を説明する一実施例の断面図である。図5にお
いて、型14の上に、本発明のシート状基材2の長さ方
向の強化繊維糸条が型の長さ方向になるように所定の枚
数が積層され、その上に樹脂が硬化した後、引き剥がし
て除去するシート、いわゆるピールプライ15を積層
し、その上に樹脂を繊維材料の全面に拡散するための媒
体16を置く。繊維材料の周囲には、真空ポンプの空気
の吸引口17を取り付けた、エッジ・ブリーザ18とし
ての織物など多孔性の材料を多数枚積層して張り巡ら
し、全体をバッグ・フイルム19で覆い、空気が漏れな
いようにバッグ・フイルムの周囲をシール材20で型に
接着させる。バッグ・フイルムの上部に樹脂タンクから
注入される樹脂の吐出口21を取り付け、吐出口の取り
付け部から空気が漏れないようにシール材で接着する。
樹脂タンクには、硬化剤を入れた常温で液状の常温硬化
型樹脂を入れておく。ついで、真空ポンプでバッグ・フ
イルムで覆われた繊維材料を、真空圧力が700〜76
0Torr程度の真空状態にしたのち、バルブ22を解
放して樹脂を注入する。バッグ・フイルムで覆われた中
は真空状態であり、繊維材料の厚さ方向より媒体の面方
向が樹脂の流通抵抗が小さいから、まず媒体の全面に拡
がった後、ついで繊維材料の厚さ方向の含浸が進行す
る。樹脂含浸完了後、バブルを閉口し室温に放置して樹
脂を硬化させる。樹脂の硬化後ピールプライを剥いで、
媒体やバッグ・フイルムを除去し、型から脱型すること
によってFRP成形品が得られる。
【0033】本発明に使用する媒体の一例を図6に示し
たが、媒体は、バッグ内の真空圧力を繊維材料に伝え、
かつ、注入される樹脂を媒体の隙間を通して、媒体側の
繊維材料上面の全体に樹脂を行き渡らせるものである。
すなわち、バッグ・フイルムとピールプライ間に位置す
る媒体に樹脂が注入されると、図6において、注入され
た樹脂は、バッグ・フイルムに接するA群の矩形断面の
バー23の間隙を流れて、バー23の方向とB群の矩形
断面のバー24の間隙に流れるから、全面に樹脂が拡散
することとなる。また、バー23にかかる力をバー24
に伝えることができるから、真空圧力を繊維材料に伝え
ることができるのである。バーの太さはとくに限定され
るものではないが、0.2〜2mm程度が好ましい。ま
た、間隙の幅は、0.2〜2mm程度が好ましい。媒体
の具体的なものとしては、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニルや金属からなるメッシュ状のシート
で、たとえばメッシュ状樹脂フイルム、織物、網状物や
編物などであり、必要に応じてこれらを数枚重ねて使用
することができる。
【0034】以上、本発明のFRP成形法として、真空
バッグ成形法について説明したが、雄型と雌型によって
形成されるキャビティー内に、少なくとも長さ方向に強
化繊維糸条とガラス糸条が層内で交互に配列し一体化さ
れてなるシート状基材を成形体の長さ方向になるように
積層されているように、所定の繊維材料を積層し、型締
めした後、樹脂を注入するレジン・トランスファー成形
法も採用することができる。レジン・トランスファー成
形法は、真空バッグ成形法は型が1つでよいが、雄型と
雌型の2つの型が必要となり、コストアップ要因となる
が、表面が平滑なFRPとなるので、好ましく用いられ
る。
【0035】本発明のFRP成形体は、長さが30m以
上の長尺FRP成形体において、特に効果を発揮し、特
に風車のブレードにように、回転体としての機械的特性
が要求される用途に奏効する。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、成形時の降温の過程
で、ガラス繊維と強化繊維織物の線膨脹係数差による糸
長差は、シート状基材の長さ方向の全長に渡って平均し
て強化繊維がミクロ的に曲がることによって吸収される
ので、FRPの厚み方向に大きく湾曲するようなことは
なく、機械的特性に優れた長尺のFRP成形体を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFRP成形体の一例を示す部分破断斜
視図である。
【図2】本発明に使用するシート状基材の一実施例(一
方向織物)を示す斜視図である。
【図3】本発明に使用するシート状基材の他の一例を示
す断面図(多重織物)である。
【図4】本発明に使用するシート状基材のさらに他の一
例を示す(多軸ステッチ布帛)の斜視図である。
【図5】本発明の真空バッグ成形方法を説明する断面図
である。
【図6】本発明の真空バッグ成形に使用する樹脂拡散媒
体の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:FRP成形体 2:シート状基材 3:ガラス繊維糸条からなる基材 4:FRP成形体の長さ方向の端部 5:FRP成形体の長さ方向の端部 6:強化繊維糸条 7:ガラス繊維糸条 8:よこ方向の補助糸 9:多軸ステッチ布帛の0゜層 10:多軸ステッチ布帛の90゜層 11:多軸ステッチ布帛の±α゜層 12:多軸ステッチ布帛の±α゜層 13:ステッチ糸 14:型 15:ピールプライ 16:樹脂拡散媒体 17:吸引口 18:エッジ・ブリーザ 19:バッグ・フイルム 20:シール材 22:バルブ 23:樹脂拡散媒体を構成するA群のバ− 24:樹脂拡散媒体を構成するB群のバ−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 309:08 B29C 67/14 X Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AB06 AB09 AB10 AB22 AB28 AB33 AD11 AD13 AD23 AD38 AG02 AG03 AG14 AG16 AH21 AK05 AK14 AL01 AL09 4F205 AA37 AA39 AA41 AD02 AD04 AD16 AH81 HA09 HA12 HA24 HA29 HA33 HA37 HA47 HM06 HT13 HT16 HT25

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも30mの連続繊維からなる強化
    繊維糸条と、少なくとも30mの連続繊維からなるガラ
    ス糸条とが、幅方向に交互に配列されてなるシート状基
    材が一体化されて積層体を構成していることを特徴とす
    る繊維強化プラスチック成形体。
  2. 【請求項2】前記強化繊維糸条が、少なくとも100G
    Paの引っ張り弾性率を有するものである請求項1に記
    載の繊維強化プラスチック成形体。
  3. 【請求項3】前記強化繊維糸条が、炭素繊維およびポリ
    アラミド繊維から選ばれた少なくとも1種である請求項
    1または2に記載の繊維強化プラスチック成形体。
  4. 【請求項4】前記シート状基材の一体化手段が、織成で
    ある請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形体。
  5. 【請求項5】前記シート状基材の一体化手段が、ステッ
    チである請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形
    体。
  6. 【請求項6】前記繊維補強プラスチック成形体が、風車
    のブレードである請求項1〜5のいずれかに記載の繊維
    強化プラスチック成形体。
  7. 【請求項7】少なくとも30mの連続繊維からなる強化
    繊維糸条と、少なくとも30mの連続繊維からなるガラ
    ス糸条とが、交互に配列されてなるシート状基材が一体
    化された積層体を、常温で液状の樹脂を含浸させた後、
    硬化させることを特徴とする繊維強化プラスチック成形
    体の成形方法。
  8. 【請求項8】前記強化繊維糸条が、少なくとも100G
    Paの引っ張り弾性率を有するものである請求項7に記
    載の繊維強化プラスチック成形体の成形方法。
  9. 【請求項9】前記シート状基材が、他の繊維材料を含む
    ものである請求項7または8に記載の繊維強化プラスチ
    ック成形体の成形方法。
  10. 【請求項10】前記成形法が、真空バッグ法またはレジ
    ン・トランスファー法である請求項7〜9のいずれかに
    記載の繊維強化プラスチック成形体の成形方法。
JP2000250686A 2000-08-22 2000-08-22 繊維強化プラスチック成形体およびその成形方法 Pending JP2002059488A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000250686A JP2002059488A (ja) 2000-08-22 2000-08-22 繊維強化プラスチック成形体およびその成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000250686A JP2002059488A (ja) 2000-08-22 2000-08-22 繊維強化プラスチック成形体およびその成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002059488A true JP2002059488A (ja) 2002-02-26

Family

ID=18740216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000250686A Pending JP2002059488A (ja) 2000-08-22 2000-08-22 繊維強化プラスチック成形体およびその成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002059488A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005349826A (ja) * 2004-05-14 2005-12-22 Toray Ind Inc 繊維強化複合材料部材
JP2009214551A (ja) * 2002-06-20 2009-09-24 Rocky Mountain Composites Inc 樹脂含浸処理された複数の配向を有する複合材料の製造法
JP2011190874A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Sekisui Chem Co Ltd バタフライ弁用弁箱およびその製造方法
JP2013091252A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Bando Chemical Industries Ltd 炭素繊維強化樹脂成形品及びその製造方法
JP2015194141A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 積水化成品工業株式会社 風車用ブレード
KR101947592B1 (ko) * 2017-06-14 2019-02-13 (주)유디엠 복합 소재로 보강된 금형 및 이의 제조방법
CN115835957A (zh) * 2020-07-13 2023-03-21 日东电工株式会社 带防污层的光学薄膜

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009214551A (ja) * 2002-06-20 2009-09-24 Rocky Mountain Composites Inc 樹脂含浸処理された複数の配向を有する複合材料の製造法
JP2005349826A (ja) * 2004-05-14 2005-12-22 Toray Ind Inc 繊維強化複合材料部材
JP2011190874A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Sekisui Chem Co Ltd バタフライ弁用弁箱およびその製造方法
JP2013091252A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Bando Chemical Industries Ltd 炭素繊維強化樹脂成形品及びその製造方法
JP2015194141A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 積水化成品工業株式会社 風車用ブレード
KR101947592B1 (ko) * 2017-06-14 2019-02-13 (주)유디엠 복합 소재로 보강된 금형 및 이의 제조방법
CN115835957A (zh) * 2020-07-13 2023-03-21 日东电工株式会社 带防污层的光学薄膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7888274B2 (en) Reinforcing woven fabric and process for producing the same
EP1990178B1 (en) Method for producing a wind turbine rotor blade
CA2333151C (en) Complex fiber reinforced material, preform, and method of producing fiber reinforced plastic
JP3991439B2 (ja) 繊維強化プラスチックおよび繊維強化プラスチックの成形方法
JP4106826B2 (ja) 繊維強化樹脂構造体およびその製造方法
JP4639551B2 (ja) Cfrp製スキン−ストリンガー構造部材の製造方法
JP2010516512A (ja) 減衰中間層を有する複合積層板及びその作製方法
JPS63152637A (ja) 樹脂の補強用プリフオ−ム材
JP2003136550A (ja) 炭素繊維基材の製造方法、プリフォームの製造方法および複合材料の製造方法
JP2004160927A (ja) プリフォーム基材、プリフォーム、繊維強化プラスチック成形体およびその成形方法
JP2002059488A (ja) 繊維強化プラスチック成形体およびその成形方法
JP5707734B2 (ja) 繊維強化プラスチック用一方向性の強化繊維織編物及びその繊維基材と、同繊維基材の製造方法及び同繊維基材を使った繊維強化プラスチックの成形方法
JP4839523B2 (ja) 繊維強化樹脂の製造方法
JP6835225B2 (ja) 繊維構造体及び繊維強化複合材
JP3991440B2 (ja) 繊維強化プラスチックおよび繊維強化プラスチックの成形方法
JP6284310B2 (ja) 繊維基材テープまたはシート、その製造方法および繊維強化複合材料
JP2004130723A (ja) 繊維強化樹脂構造体の製造方法及び、その製造装置
JP2000043172A (ja) Frpサンドイッチ構造体およびその製造方法
JP2004276355A (ja) プリフォームおよびそのプリフォームを用いた繊維強化樹脂複合体の製造方法
JP4761178B2 (ja) Frp製大型面状体の製造方法
JP2005262818A (ja) 強化繊維基材、プリフォームおよび強化繊維基材の製造方法
JP2000238139A (ja) Frp構造体の製造方法
JP4370797B2 (ja) Frp製薄板の製造方法
JP2697008B2 (ja) 繊維強化熱可塑性コンポジットの成形方法
WO2021230343A1 (ja) フローメディア、frp成形品及びfrp成形品の製造方法