JP2015194141A - 風車用ブレード - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維強化プラスチックにより外皮を形成した場合であっても、自重による変動荷重を抑え、風車に振動が生じ難い風車用ブレードを提供する。【解決手段】風車用ブレード1は、風車の回転軸に取付けられる取付け部11と、取付け部11から延在した羽根部12とを備えている。羽根部12および取付け部11は、内部空間Sが形成されるように、強化繊維に合成樹脂が含浸された繊維強化プラスチックで一体的に成形された外皮15を備えている。外皮15は、外皮15の厚さ方向に、繊維強化プラスチックからなる複数の繊維強化プラスチック層15A,15B,15Cが積層された構造である。羽根部12の外皮15の内壁面12a側の繊維強化プラスチック層15Cに含まれる強化繊維の密度は、羽根部12の外皮15の外壁面12b側の繊維強化プラスチック層15Cの強化繊維の密度に比べて高い。【選択図】図4

Description

本発明は、風車の回転軸に取付けられる風車用ブレードであって、特に、繊維強化プラスチックを素材とした風車用ブレードに関する。
従来から、風力発電用などの風車には、回転軸に、複数の風車用ブレード(以下ブレードという)が取付けられている。各ブレードは、流線型の翼断面構造を有しており、ブレードに風が当たることにより、回転軸にブレードが取付けられた構造の風車が回転する。風力により効率的に風車を回転するためには、ブレードを軽量化することが望ましい。
このような点を鑑みて、例えば、特許文献1には、繊維強化プラスチックからなる外皮を備え、該外皮により形成された内部空間に、炭素繊維強化プラスチック層とガラス繊維強化プラスチック層とが交互に積層された桁材が配置されたブレードが提案されている。
このブレードによれば、繊維強化プラスチックでブレードを製造することにより、軽量化を図るとともに、桁材を炭素繊維強化プラスチック層とガラス繊維強化プラスチック層を積層した積層構造としたことにより、ブレードの曲げ疲労強度をも高めることができる。
また、特許文献2には、必要とされる部位の強度に応じて、外皮に複数の繊維強化シートを積層したブレードが提案されている。このブレードによれば、補強すべき箇所に複数の繊維強化シートが積層さているため、ブレードの曲げ強度などの機械的強度を高めることができる。
特開2002−137307号公報 特開2011−137386号公報
しかしながら、特許文献1および2に示すように、繊維強化プラスチックからなる外皮でブレードを製造した場合には、確かに、ブレード自体の軽量化は図れるが、ブレードには、曲げ応力ばかりでなく、自重による回転毎の変動荷重(振れ回り)が発生し、風車に振動等が生じることがある。特に、繊維強化プラスチックなどの外皮を軽量化すればするほど、外皮のわずかな重量変化に起因して、このような現象が顕著なものとなる。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、繊維強化プラスチックにより外皮を形成した場合であっても、自重による変動荷重の発生を抑え、風車に振動が生じ難い風車用ブレードを提供することにある。
発明者らは、前記課題を鑑みて鋭意検討を重ねた結果、同じ位置に重心を有したブレードであっても、回転するブレードの先端側からその基端側に沿った軸線側に、より重量(比重)の大きい材料を配置することにより、振れなどの変動荷重を低減でき、この結果、風車の回転時の振動を低減することができると考えた。
本発明は、このような発明者らの新たな考えに基づくものであり、本発明に係る風車用ブレード(以下、ブレードという)は、風車の回転軸に取付けられる取付け部と、該取付け部から延在した羽根部とを備えた風車用ブレードであって、前記羽根部および取付け部は、内部空間が形成されるように、強化繊維に合成樹脂が含浸された繊維強化プラスチックで一体的に成形された外皮を備え、前記外皮は、該外皮の厚さ方向に、前記繊維強化プラスチックからなる複数の繊維強化プラスチック層が積層された積層構造であり、前記羽根部の外皮の内壁面側の繊維強化プラスチック層に含まれる強化繊維の密度は、前記羽根部の外皮の外壁面側の繊維強化プラスチック層の強化繊維の密度に比べて高いことを特徴する。
本発明によれば、前記羽根部の外皮の内壁面側の繊維強化プラスチック層に含まれる強化繊維の密度は、前記羽根部の外皮の外壁面側の繊維強化プラスチック層の強化繊維の密度に比べて高いので、ブレードの軸線から離れた位置の繊維強化プラスチック層(外壁面側の層)の比重を、軸線により近い位置の繊維強化プラスチック層(内壁面側の層)よりも小さくすることができる。これにより、回転時のブレードの変動荷重が発生することを低減し、回転時の振動を低減することができる。
より好ましい態様としては、前記羽根部には、前記取付け部近傍において、前記取付け部側に進むに従って前記羽根部の幅および厚さが減少するように、絞られた絞り部が形成されており、前記絞り部の位置において、前記羽根部の外皮の内壁面と前記取付け部の外皮の内壁面とに亘って、前記羽根部および前記取付け部の外皮に含まれる強化繊維の密度よりも高い密度となるように強化繊維を含んだ繊維強化プラスチックからなる補強層が形成されている。
この態様によれば、前記羽根部の外皮の内壁面と前記取付け部の外皮の内壁面とに亘って、繊維強化プラスチックからなる補強層を設けることにより、ブレードを使用した際に、絞り部に応力集中が発生したとしても、補強層によりブレードの強度を確保することができる。
また、この態様によれば、外皮の内壁面側に補強層を設けたので、回転時の変動荷重を低減することができる。さらに、絞り部を形成する外皮の内壁面側にも、内部空間が形成されているため、所望の強度に応じた厚さの補強層を形成することができる。また、外皮に含まれる強化繊維の密度より、補強層の強化繊維の密度の方が高いので、より少ない層厚みで絞り部を補強することができる。
補強層を設けた場合の好ましい態様としては、前記補強層は、複数の補強用繊維強化プラスチック層が前記羽根部の外皮の内壁面と前記取付け部の外皮の内壁面を覆うように前記外皮の肉厚方向に積層された積層構造であり、前記複数の補強用繊維強化プラスチック層は、各補強用繊維強化プラスチック層の前記羽根部の先端側の端部の位置を、該補強層の厚さ方向に沿って前記羽根部の先端側から前記羽根部の基端側に順次ずらすように、積層されている。
この態様によれば、複数の補強用繊維強化プラスチック層が、各補強用繊維強化プラスチック層の羽根部の先端側の端部の位置を、補強層の厚さ方向に沿って羽根部の先端側から羽根部の基端側に順次ずらすように、積層しているので、羽根部の先端側の補強層の厚みは、羽根部の基端側の補強層の厚みよりも薄い。これにより、補強層を設けることによるブレードの重心位置が先端側に移動することを低減し、回転時にブレード(羽根部の絞り部)に作用する遠心力を低減することができる。
補強用繊維強化プラスチック層をずらすように積層した場合のより好ましい態様としては、前記複数の補強用繊維強化プラスチック層は、前記羽根部の外皮の内壁面に進むに従って、各補強用繊維強化プラスチック層の前記羽根部の先端側の端部の位置を、前記羽根部の先端側から前記羽根部の基端側に順次ずらすように、積層されている。
この態様によれば、ブレードの先端側からその基端側に沿った軸線から離れた位置に、より大きな補強用繊維強化プラスチック層が配置されることになるため、回転時の変動荷重を低減することができる。さらに、後述する桁部を設けた場合には、補強層と桁部との接触面積をより大きくすることができ、桁部を安定して固定することができる。
より好ましい態様としては、前記取付け部の外皮で囲われた内部空間には、前記外皮の繊維強化プラスチックよりも引張強度の高い繊維強化プラスチックからなる芯材が配置されている。
この態様によれば、取付け部に、外皮の繊維強化プラスチックよりも引張強度の高い繊維強化プラスチックからなる芯材を配置することにより、取付け部の取付け強度を高めることができる。
より好ましい態様としては、前記羽根部の外皮で囲われた内部空間には、前記羽根部の厚さ方向に対向する前記外皮の内壁面間に亘って、かつ、前記羽根部の先端から前記羽根部の基端まで、桁材が配置されており、該桁材と前記芯材とは連続して配置されている。
この態様によれば、桁材によりブレードの長手方向の剛性を高めることができるとともに、絞り部に位置する内部空間には、桁材と芯材とが一体的に連結された補強材が配置されることになるので、絞り部の機械的強度を高めることができる。
本発明によれば、繊維強化プラスチックにより外皮を形成した場合であっても、自重による変動荷重の発生を抑え、風車に振動が生じ難い。
本発明の本実施形態に係る風車用ブレードの模式的斜視図である。 (a)は、図1に示す風車用ブレードの正面図であり、(b)は、その側面図である。 (a)は、図2(a)に示すA−A線矢視断面図であり、(b)は、図2(a)に示すB−B線矢視断面図である。 図2(b)に示すC−C線矢視断面図である。 図3(a)のD部近傍の外皮および補強層の要部拡大断面図である。 製造時において、半割状態の外皮の内壁面に補強層を配置した状態を説明するための模式的斜視図。 製造時において、補強層上に桁材の芯材を配置した状態を説明するための模式的斜視図。 製造時において、芯材の表面に繊維強化プラスチックを被覆した状態を説明するための模式的斜視図。 半割状態の外皮同士を貼り合わせて、風車用ブレードを作製する前の状態を示した模式的斜視図。
以下に本発明の実施形態に係る風車用ブレードを好適に実施することができる成膜装置について説明する。
図1は、本発明の本実施形態に係る風車用ブレードの模式的斜視図である。図2(a)は、図1に示す風車用ブレードの正面図であり、(b)は、その側面図である。図3(a)は、図2(a)に示すA−A線矢視断面図であり、(b)は、図2(a)に示すB−B線矢視断面図である。図4は、図2(b)に示すC−C線矢視断面図である。図5は、図3(a)のD部近傍の外皮および補強層の要部拡大断面図である。
1.風車用ブレードの全体構造
図1に示すように、本実施形態に係る風車用ブレード1は、風車の回転軸に複数取付けられるブレードであり、風車の回転軸に取付けられる取付け部11と、取付け部11から延在した羽根部12とを備えている。羽根部12は、幅方向の一方側に尖った流線型の断面形状であり、羽根部12の先端12cから基端12dまで、この断面形状を維持して捩じられている(たとえば図3(b)参照)。
また、図2(a),(b)に示すように、羽根部12は、その長手方向中央から基端12dに向かって厚さが増加し、取付け部11近傍において、取付け部11側に進むに従って羽根部12の幅および厚さが減少するように、絞られた絞り部13が形成されている。取付け部11には、風車の回転軸に取付けるための3つの貫通孔19,19,19が形成されている。
図3(a),(b)および図4に示すように、羽根部12と取付け部11は、内部空間Sが形成されるように、一体的に形成された外皮15を備えている。外皮15は、強化繊維に合成樹脂が含浸された繊維強化プラスチックからなる。
ここで、繊維強化プラスチックを構成する強化繊維としては、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、塩化ビニル繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリスチレン繊維、アセテート繊維等の他の有機合成繊維を挙げることができる。
強化繊維に含浸される合成樹脂(マトリクス樹脂)としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂を挙げることができる。熱硬化性樹脂の場合には、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂などを挙げることができる。なお、本実施形態では、その一例として熱硬化性樹脂を用いている。
取付け部11の外皮15で囲われた内部空間Sには、芯材18が配置されており、芯材18は、外皮15の繊維強化プラスチックよりも引張強度の高い繊維強化プラスチックからなる。たとえば、芯材18を構成する強化繊維またはこれに含浸させる合成樹脂に、外皮15のものよりも機械的な強度が高い材料を上述の例示した材料から選定することにより、このような引張強度の関係を満たすことができる。
このように、取付け部11に、外皮の繊維強化プラスチックよりも引張強度の高い繊維強化プラスチックからなる芯材18を配置することにより、取付け部11の取付け強度を高めることができる。
羽根部12の外皮15で囲われた内部空間Sには、桁材16が配置されている。より具体的には、桁材16は、羽根部12の厚さ方向に対向する外皮15の内壁面12a,12a間に亘って内壁面12a,12a同士を繋ぐとともに(図3(b)参照)、羽根部12の先端12cから羽根部12の基端12dまで、羽根部12の長手方向に沿って配置されている(図4参照)。取付け部11の芯材18と桁材16は当接しており、これらはブレード1の長手方向に沿って連続して配置されている。
ここで、桁材16は、発泡樹脂からなる芯材16aを有しており、芯材16aには外皮15と同様に繊維強化プラスチックからなる被覆層16bが形成されている。芯材16aを構成する発泡樹脂としては、硬質発泡体が好ましく、硬質発泡体としては、例えば、アクリル樹脂発泡体、ポリウレタン樹脂発泡体、ポリスチレン樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリ塩化ビニル樹脂発泡体など挙げることができる。
このような構造の桁材16を設けることにより、ブレード1(羽根部12)の長手方向の剛性を高めることができるとともに、芯材16aを発泡樹脂とすることにより、ブレード1の軽量化を図ることができる。さらに、芯材16aの表面を被覆層16bで覆うことにより、芯材16aを内部空間Sのより正確な位置に固定するとともに、桁材16の曲げ剛性を高めることができる。さらに、取付け部11の芯材18と桁材16を、ブレード1の長手方向に沿って連続して配置することにより、ブレード1の長手方向の剛性を高めることができる。
2.外皮15の構造
図5に示すように、外皮15は、外皮15の厚さ方向に、繊維強化プラスチックからなる3層(複数)の繊維強化プラスチック層15A,15B,15Cが積層された積層構造である。羽根部12の外壁面12b側に位置する繊維強化プラスチック層15Aは、最も繊維密度の低い繊維シートに熱硬化性樹脂を含浸させた層である。繊維強化プラスチック層15Aよりも内壁面12a側に位置する、繊維強化プラスチック層15B,15Cは、繊維強化プラスチック層15Aより繊維密度の高い繊維シートに、上述した熱硬化性樹脂を含浸させた層である。なお、外皮15の外壁面12bには、樹脂等の塗装層(図示せず)がさらに形成されている。
例えば、本実施形態では、繊維強化プラスチック層15Aの強化繊維に、230g/mの繊維密度の不織布のガラス繊維シートを用い、繊維強化プラスチック層15B,15Cの強化繊維に、320g/mの繊維密度の平織のガラス繊維シートを用いることにより、上述した繊維強化プラスチック層の密度の関係を満たすことができる。なお、このような繊維密度を用いた場合、後述する補強層17の強化繊維に、これらの繊維密度よりも高い、たとえば580g/mの繊維密度の平織のガラス繊維シートを用いる。なお、ここでは、ガラス繊維シートのシート厚みは同程度である。
このように、繊維強化プラスチック層15A,15B,15Cの強化繊維の密度の関係を満たすことにより、一般的にマトリクス樹脂の比重よりも強化繊維の比重のほうが高いなどの理由から、ブレード1の軸線から離れた位置の繊維強化プラスチック層(外壁面側の層)15Aの比重を、軸線により近い位置の繊維強化プラスチック層(内壁面側の層)15B,15Cよりも小さくすることができる。これにより、回転時のブレード1の変動荷重が発生することを低減し、回転時の振動を低減することができる。
ところで、羽根部12の絞り部13には、回転時にブレード1の長手方向に沿って曲げ応力が発生する。このような場合、外皮15の内壁面側に比べて外壁面12b側の方が大きいため、通常ならば外壁面側の強度を高めるように補強することが効率的である。しかしながら、このような補強をすると、外皮の外壁面側が重くなり、変動荷重が発生しやすい方向に重量が変化する。そこで、本実施形態では、以下に示す補強層17を設けている。
3.補強層17の構造
本実施形態では、補強層17は、羽根部12の絞り部13の位置において、羽根部12の外皮15の内壁面12aと取付け部11の外皮15の内壁面11aとに亘って形成されている。補強層17は、織物状の強化繊維シートに外皮15の熱硬化性樹脂と同じ樹脂が含浸されており、上に例示した如く、外皮15に含まれる強化繊維の密度よりも、補強層17の強化繊維の密度の方が高い。
このように、羽根部12の外皮15の内壁面12aと取付け部11の外皮15の内壁面11aとに亘って、繊維強化プラスチックからなる補強層17を設けることにより、ブレード1を使用した際に、絞り部13に応力集中が発生したとしても、補強層17によりブレード1の強度を確保することができる。さらに、外皮15の内壁面11a,12aに補強層17を設けたので回転時の変動荷重が発生し難い。
さらに、絞り部13を形成する外皮15の内壁面12a側には、内部空間Sが形成されているため、所望の強度に応じた厚さの補強層17を形成することができる。また、外皮15に含まれる強化繊維の密度より、補強層17の強化繊維の密度の方が高いので、より少ない層厚みで絞り部13を補強することができる。
ここで、補強層17は、4つ(複数)の補強用繊維強化プラスチック層17A,17B,17C,17Dが羽根部12の外皮15の内壁面12aと取付け部11の外皮15の内壁面11aを覆うように外皮15の厚さ方向に積層された積層構造である。
4つの補強用繊維強化プラスチック層17A,17B,17C,17Dは、各補強用繊維強化プラスチック層の羽根部12の先端側の端部の位置を、補強層17の厚さ方向に沿って羽根部12の先端12c側から羽根部12の基端12d側に順次ずらすように、積層されている。
より具体的には、4つの補強用繊維強化プラスチック層17A,17B,17C,17Dは、羽根部12の外皮15の内壁面12aに進むに従って、各補強用繊維強化プラスチック層の羽根部12の先端12c側の端部の位置を、羽根部12の先端12c側から羽根部の基端12d側に順次(17D〜17Aの順に)ずらすように、積層されている。
本実施形態では、4つの補強用繊維強化プラスチック層17A,17B,17C,17Dを、羽根部12の先端12c側から羽根部12の基端12d側に順次ずらすように、積層したので、羽根部12の先端12c側の補強層17の厚みは、羽根部12の基端12d側の補強層17の厚みよりも薄い。これにより、補強層17を設けることによるブレード1の重心位置が羽根部12の先端側に移動することを低減し、回転時にブレード(羽根部の絞り部13)に作用する遠心力を低減することができる。
特に、ブレード1の軸線から離れた位置に、より面積の大きい補強用繊維強化プラスチック層が配置されることになるため、回転時の変動荷重を低減することができる。特に、後述する図7に示すように、製造時に桁部16の芯材16aを配置する際には、補強層17と桁部16(芯材16a)との接触面積をより大きくすることができ、内部空間Sに桁部16を安定的して固定することができる。
4.風車用ブレード1の製造方法
以下に風車用ブレード1の製造方法を説明する。図6は、製造時において、半割状態の外皮の内壁面に補強層を配置した状態を説明するための模式的斜視図である。図7は、製造時において、補強層上に桁材の芯材を配置した状態を説明するための模式的斜視図である。
図8は、製造時において、芯材の表面に繊維強化プラスチックを被覆した状態を説明するための模式的斜視図である。図9は、半割状態の外皮同士を貼り合わせて、風車用ブレードを作製する前の状態を示した模式的斜視図である。
本実施形態では、羽風車用ブレード1の形状に応じた一対の金型21,22を準備する(例えば図9参照)。まず、一対の金型の成形面に液状またはゲル状の塗装材を塗布し、成形面に空気が入らないように、ローラで伸ばす。
次に、図6に示すように、一方側の成形型21に外皮15を成形し、その後、補強層17を成形する。本実施形態では、その一例としてハンドレイアップ成形法で外皮15および補強層17を成形する。具体的には、外皮15構成する繊維強化プラスチック層15A(図5参照)を形成するべく、成形型21内に強化繊維シート(たとえば230g/mの繊維密度の不織布のガラス繊維シート)を配置し、この強化繊維シートにマトリクス樹脂となる熱硬化性樹脂を含浸する。さらに、その上に、繊維強化プラスチック層15B,15Cを積層すべく、成形された繊維強化プラスチック層15Aに、強化繊維シート(たとえば320g/mの繊維密度の平織のガラス繊維シート)を配置し、同様に熱硬化性樹脂を含浸する工程を2回繰り返す。他方側の成形型22に対しても、同様の作業を行う(後述する図9参照)。
なお、本実施形態では、熱硬化性樹脂は、常温で硬化する常温硬化タイプの熱硬化性樹脂を用いるが、成形時に樹脂を硬化させることができるのであれば、特にこれに限定されるものではない。
さらに、羽根部12の外皮15の内壁面12aと取付け部11の外皮15の内壁面11aの内面に亘って、強化繊維シート(たとえば580g/mの繊維密度の平織のガラス繊維シート)を配置し、これに同様の方法で熱硬化性樹脂を含浸する工程を4回繰り返す。この際、羽根部12の先端12c側に向かって、織物状の強化繊維シートを順次ずらすように配置する。このようにして図5に示す、4つの補強用繊維強化プラスチック層が積層された補強層17を成形することができる。
なお、本実施形態では、外皮15および補強層17は、強化繊維シートを一層ずつ敷設するたびに、熱硬化性樹脂を含浸していたが、強化繊維シートに空気が残存し難いのであれば、強化繊維シートを積層後、熱硬化性樹脂を含浸してもよい。
次に、図7に示すように、羽根部12の先端12cから羽根部12の基端12dまで、羽根部12の長手方向に沿って、桁材16の芯材16aを配置する。取付け部11の内部空間に相当する凹部に、半割状態の芯材18を配置する。
次に、図8に示すように、芯材16aを覆うように、強化繊維シート(たとえば230g/mの繊維密度の平織のガラス繊維シート)を配置し、熱硬化性樹脂を含浸する工程を2回繰り返す。これにより、繊維強化プラスチックからなる被覆層16bが被覆された桁材16が成形される。
最後に、図9に示すように、金型21、22に形成された外皮15,15の繋ぎ目部分(エッジ部分)および桁材16の外皮15の内面に接触する表面、芯材18同士が接触する表面に、接着剤を塗布し、金型21,22同士を向かい合わせて、外皮15,15同士を圧着させながら接着する。これにより、図1に示す風車用ブレード1が成形される。
以上、本発明の実施の形態を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本考案に含まれるものである。
本実施形態では、4つの補強用繊維強化プラスチック層は、羽根部の外皮の内壁面に進むに従って、各補強用繊維強化プラスチック層の羽根部の先端側の端部の位置を、羽根部の先端側から羽根部の基端側に順次ずらすように、積層されているが、例えば、羽根部の外皮の内壁面に進むに従って、羽根部の基端側から羽根部の先端側に、各繊維強化プラスチック層の端部の位置を順次ずらしてもよい。
また、本実施形態では、外皮の繊維強化プラスチック層は3層であり、補強層の補強用繊維強化プラスチック層は4層であったが、上述した強化繊維の密度の関係および補強用繊維強化プラスチック層の配置の関係を満たせば、特にこれらの層数及び形状に限定されるものではない。
また、本実施形態では、強化繊維シートに、不織布または織物状の強化繊維からなるシートを用いたが、上述した強化繊維の密度の関係を満たすのであれば、強化繊維シートに含まれる強化繊維の形態は特に限定されるものではない。
1:風車用ブレード、11:取付け部、11a:取付け部の内壁面、19:貫通孔、12:羽根部、12a:羽根部の内壁面、12b:羽根部の外壁面、12c:羽根部の先端、12d:羽根部の基端、13:絞り部、15:外皮、15A,15B,15C:繊維強化プラスチック層、16:桁材、16a:芯材、16b:被覆層、17:補強層、17A,17B,17C,17D:補強用繊維強化プラスチック層、S:内部空間

Claims (6)

  1. 風車の回転軸に取付けられる取付け部と、該取付け部から延在した羽根部とを備えた風車用ブレードであって、
    前記羽根部および取付け部は、内部空間が形成されるように、強化繊維に合成樹脂が含浸された繊維強化プラスチックで一体的に成形された外皮を備え、
    前記外皮は、該外皮の厚さ方向に、前記繊維強化プラスチックからなる複数の繊維強化プラスチック層が積層された積層構造であり、
    前記羽根部の外皮の内壁面側の繊維強化プラスチック層に含まれる強化繊維の密度は、前記羽根部の外皮の外壁面側の繊維強化プラスチック層の強化繊維の密度に比べて高いことを特徴とする風車用ブレード。
  2. 前記羽根部には、前記取付け部近傍において、前記取付け部側に進むに従って前記羽根部の幅および厚さが減少するように、絞られた絞り部が形成されており、
    前記絞り部の位置において、前記羽根部の外皮の内壁面と前記取付け部の外皮の内壁面とに亘って、前記羽根部および前記取付け部の外皮に含まれる強化繊維の密度よりも高い密度となるように強化繊維を含んだ繊維強化プラスチックからなる補強層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の風車用ブレード。
  3. 前記補強層は、複数の補強用繊維強化プラスチック層が前記羽根部の外皮の内壁面と前記取付け部の外皮の内壁面を覆うように前記外皮の肉厚方向に積層された積層構造であり、
    前記複数の補強用繊維強化プラスチック層は、各補強用繊維強化プラスチック層の前記羽根部の先端側の端部の位置を、該補強層の厚さ方向に沿って前記羽根部の先端側から前記羽根部の基端側に順次ずらすように、積層されていることを特徴とする請求項2に記載の風車用ブレード。
  4. 前記複数の補強用繊維強化プラスチック層は、前記羽根部の外皮の内壁面に進むに従って、各補強用繊維強化プラスチック層の前記羽根部の先端側の端部の位置を、前記羽根部の先端側から前記羽根部の基端側に順次ずらすように、積層されていることを特徴とする請求項3に記載の風車用ブレード。
  5. 前記取付け部の外皮で囲われた内部空間には、前記外皮の繊維強化プラスチックよりも引張強度の高い繊維強化プラスチックからなる芯材が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の風車用ブレード。
  6. 前記羽根部の外皮で囲われた内部空間には、前記羽根部の厚さ方向に対向する前記外皮の内壁面間に亘って、かつ、前記羽根部の先端から前記羽根部の基端まで、桁材が配置されており、該桁材と前記芯材とは連続して配置されていることを特徴とする請求項5に記載の風車用ブレード。
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