JP2024062016A - 風車翼 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の風車にも適用し得る、軽量かつ高剛性の風車翼を提供する。【解決手段】風車翼内壁に両端を接合しつつ風車翼長手方向に延在する長尺板状のシェアウェブを有する風車翼であって、前記シェアウェブが短辺方向に配向した強化繊維を含む風車翼。【選択図】図3

Description

本発明は、風力発電用風車などに使用される風車翼に関する。
近年、風力発電用風車の風車翼は、より大きな発電量を得るために長大化してきている。長大化することで、風を受ける面積を大きくすることができる反面、回転に伴う遠心力や風力に負けない剛性を確保する必要がある。風車翼の材料としては、これまではコストが比較的安いガラス繊維強化樹脂が使われることが多かったが、風車翼の長大化に、伴いガラス繊維強化樹脂では力学特性が足りなくなり、風車翼の曲げ変形が大きくなる結果、風車翼を支えるタワーと風車翼が接触し、風車翼が破損するという課題が顕在化している。
このような課題に対し、特許文献1では、風下側に風車翼を設置するダウンウィンド方式と呼ばれる構造にすることで支柱と風車翼の接触を防止している。しかし、ダウンウィンド方式はタワーによって風が遮られるため発電効率が下がる問題があった。
風車翼の曲げ変形そのものを抑えるための技術として、特許文献2では、風車翼のせん断変形を抑制する部材であるシェアウェブに、斜め方向(±45°)と、そこから少しずれた方向(±35°~55°)との2軸に配向させた強化繊維を配置することで、後者の強化繊維が前者の強化繊維を補強する効果によりせん断変形を抑制している。
特開2019-218886号公報 国際公開第2004/078465号
一方、近年風車が大型化するにつれて風車翼にかかる風荷重も大きくなっていることに伴い、せん断変形だけではなく、翼高さ方向につぶれる変形に対しても対応が必要になってきた。本発明の目的は、大型の風車にも適用し得る、軽量かつ高剛性の風車翼を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の風車翼は、
(1)風車翼内壁に両端を接合しつつ風車翼長手方向に延在する長尺板状のシェアウェブを有する風車翼であって、前記シェアウェブが短辺方向に配向した強化繊維を含む風車翼。
(2)前記シェアウェブの短辺方向の弾性率が長辺方向の弾性率よりも大きい、(1)に記載の風車翼。
(3)前記強化繊維として炭素繊維を含む、(1)または(2)に記載の風車翼。
(4)前記炭素繊維の弾性率が220GPa以上である、(3)に記載の風車翼。
(5)前記シェアウェブは、コア材と、繊維強化樹脂のスキン材からなるサンドイッチ構造を有し、前記短辺方向に配向した強化繊維が前記スキン材を構成する繊維強化樹脂中に存在する、(1)~(4)のいずれかに記載の風車翼。
(6)前記スキン材は層構造を有し、そのうち少なくとも1層が前記短辺方向に配向した強化繊維を含む層である、(5)に記載の風車翼。
(7)前記短辺方向に配向した強化繊維を含む層が前記スキン材の層構造の最表層に存在する、(6)に記載の風車翼。
(8)前記コア材の厚みが50mm以下であり、前記スキン材の厚みが5mm以下である、(5)に記載の風車翼。
(9)前記短辺方向に配向した強化繊維が3軸織物の形態で存在する、(6)に記載の風車翼。
(10)前記シェアウェブの両端が、風車翼内壁に沿って風車翼長手方向に延在しているスパーキャップを介して前記風車翼内壁に接合されており、該スパーキャップの厚さが100mm以下である、(1)~(9)のいずれかに記載の風車翼。
(11)長さが100m以上である、(1)~(10)のいずれかに記載の風車翼。
(12)(1)~(11)のいずれかに記載の風車翼を備えた風力発電用風車。
なお、本明細書において、風車翼長手方向とは、図2中Lで示される、ハブへの固定部分近傍の断面における重心と、ハブへの固定部分から最も離れている部分(翼先端)を繋ぐ直線の方向を指すものとする。風車翼幅方向とは、風車翼長手方向に垂直な断面において、リーディングエッジとトレーリングエッジとをつなぐ方向を指す。また、風車翼高さ方向とは、図2中Hで示される、長手方向および幅方向と直行する方向を指す。
シェアウェブとは、風車翼内壁に両端に接しつつ風車翼長手方向に延在する長尺板状の部材であり、単にウェブ、スパー、桁材等と呼ばれることもある。シェアウェブは、風車翼のせん断変形を抑制する機能を有している。シェアウェブは、典型的には風車翼長手方向に平行に配置されるが、曲げ変形やねじれ変形を見越して、風車翼長手方向に対してある程度角度をもって設置されていることや、湾曲していること、ねじれていることも許容される。つまり、このような状態も含め、巨視的に見てシェアウェブ全体として風車翼長手方向に略平行に配置されているとみなせる場合を、本明細書においては「風車翼長手方向に延在する」と表現する。
本発明によれば、軽量かつ高剛性の風車翼を提供でき、大型の風車においても、風車翼を支える支柱と風車翼の接触による風車翼の破損等の事故を防止することができる。
風力発電用風車の全体図である。 風車翼1を、風車翼長手方向に垂直な面で切った場合の断面を含めて示す斜視図である。 シェアウェブ11を取り出した状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る風車翼のシェアウェブの詳細を示す図である。 風車翼に風を想定した圧力を与えた際に変位量を評価する様子を示す模式図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、図面に示される特定の実施形態についての説明は、上位概念としての本発明の説明としても理解し得るものである。
図1AおよびBに示されるように、典型的な風力発電用の風車は、風車翼1、タワー2、ナセル3、ハブ4から構成される。風車翼1はハブ4に取り付けられており、風力によって風車翼1が回転し、その回転がハブ4を介してナセル3内の動力伝達軸に伝わり、ナセル3内の発電機が駆動される。
風車翼1は、タワー2に衝突しにくいように、タワー2から離れる向きに先端側をあらかじめ曲げた構成(プリベンド)となっていても良い。プリベンドの場合の風車翼長手方向とは、図2翼根元の断面の重心とプリベンドの開始位置までの範囲でハブへの固定部分から最も離れている部分の断面の重心を繋ぐ方向のことを指す。
図2は本発明の一実施形態である風車翼1を、風車翼長手方向に垂直な面で切った場合の断面を含めて示す斜視図であり、図3はシェアウェブ11のみを取り出した斜視図である。シェアウェブ11は、風車翼1内壁に沿って風車翼長手方向に延在するスパーキャップ12を介して風車翼1の内壁に接合されている。スパーキャップ12の構成は特に限定されるものではないが、例えば強化繊維を含む引抜材を引きそろえた構造のものが好ましく用いられる。引抜材を構成する材料も特に限定されないが、例えば炭素繊維強化樹脂であれば必要な剛性を100mm以下の厚さで確保することができるため好ましい。
本発明の風車翼は、長尺板状のシェアウェブ11中に、その短辺方向に配向した強化繊維113を含む。言い換えれば、長尺板状のシェアウェブ11は、風車翼長手方向と直交する方向に配向した強化繊維113を有している。以下、シェアウェブの平面視において、風車翼長手方向を0°方向、風車翼高さ方向を90°方向として説明する場合がある。また、シェアウェブの短辺方向に配向する強化繊維を、「90°繊維」と呼ぶことがあるが、90°繊維は厳密に風車翼長手方向と直交する方向のみを意味するものではなく、±10°の範囲でほぼ短辺方向に配向しているとみなせる場合にはこれに該当するものとする。90°繊維を含むことによって、シェアウェブが風荷重により高さ方向に変形破壊することを防ぐことができる。従来の風車では風車翼の曲げ変形のみが考慮され、シェアウェブには曲げ変形の際にかかるせん断変形を抑制する効果のみ考慮すればよかったため斜め方向への補強だけで良かったが、風車が長大化するにつれ風車翼にかかる風荷重が大きくなり、風車翼が高さ方向につぶれる変形も抑制する必要が生じる。シェアウェブの短編方向に強化繊維を配することにより、この変形に対する剛性を効果的に付与することができる。
90°繊維は、連続繊維であっても不連続繊維であってもよい。90°繊維が連続繊維であれば、必要とされる力学特性が比較的少ない材料使用量で必要な剛性を確保でき、かつ短辺方向に配向させることも容易であるため好ましい。不連続繊維でも、完全にランダムではなく、短辺方向に必要な繊維量が配向していればよい。例えば、不連続繊維マットに一方向の荷重を与えることにより繊維を配向させることができるが、その繊維の配向方向を短辺方向と一致させて配置することにより、90°繊維を有するシェアウェブとすることができる。不連続繊維を用いると、力学特性の面では連続繊維に及ばない場合が多いが、強化繊維としてリサイクル繊維を用いることが容易になるなどのメリットがある。
90°繊維を含め、シェアウェブに含まれる強化繊維の種類は特に限定されないが、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等が挙げられる。軽量性が必要な場合は炭素繊維、コストを抑えることが必要な場合はガラス繊維が適している。軽量性とコストのバランスをとるために炭素繊維とガラス繊維を組み合わせて使用しても良い。強化繊維の弾性率は、必要な剛性を付与できれば特に限定されるものではないが、70GPa以上であれば使用量と必要な剛性とのバランスが取れて好ましい。なお、本明細書における強化繊維の弾性率は、JIS K7161(2014)により測定した値である。本発明においては、特に、炭素繊維を用いることにより、より短辺方向の弾性率を高めることに寄与する。炭素繊維としては、弾性率220GPa以上の繊維を用いることが特に好ましい。
本発明においては、90°繊維を含むことによって、シェアウェブの短辺方向の弾性率が長辺方向の弾性率よりも大きくなることが好ましい。より具体的には、短辺方向の弾性率が長辺方向の弾性率の1.2倍以上20倍以下であることが好ましい。短辺方向の弾性率を長辺方向の弾性率よりも高くすることでシェアウェブの風荷重による変形破壊をより効果的に防ぐことができる。
シェアウェブ11は、せん断変形を抑制する機能を有する必要があるため、短辺方向および長辺方向から±45°の方向の弾性率が高いことが好ましい。そのため、シェアウェブは、90°繊維に加え、短辺方向から約45°(±35~55°)の方向に配向した強化繊維(以下、45°繊維と呼ぶことがある)を含むことが好ましい。
以下、90°繊維を含む本発明のシェアウェブのより具体的な実施形態を説明する。
一般的に、シェアウェブは、コア材とスキン材からなるサンドイッチ構造を有するものが多い。コア材としては、バルサなどの木材や発泡樹脂材が使用され、スキン材としては繊維強化樹脂が使用される。90°繊維は、このスキン材を構成する繊維強化樹脂中に存在することが好ましい。
スキン材を構成する繊維強化樹脂に含まれる樹脂は、特に限定されず、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ビニルエステル系樹脂等の熱硬化性樹脂に加えて、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ABS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
90°繊維をスキン材中に配置する方法は特に限定されないが、一例として、コア材の表面に積層した強化繊維基材(織物やマット)を上型となるフィルムで被覆し、下型となるコア材とフィルムの空間の気密性を保った上で、真空圧によって樹脂充填・含浸させるレジンインフュージョン法が挙げられる。レジンインフュージョン法は、風車翼のような長大な構造物を高品質かつ比較的簡便に製造できる方法として好ましい。あるいは、強化繊維に予め樹脂が含浸されたプリプレグをコア材の表面に積層し、樹脂を硬化させる方法を用いてもよい。以下、本明細書において、強化繊維基材およびプリプレグを「中間基材」と総称する。このような方法で作製されたシェアウェブは、繊維強化樹脂製のスキン材が層構造を有し、各層中に強化繊維が存在する構造となる。
この場合、積層する中間基材として、少なくとも1枚、90°繊維、すなわちシェアウェブのコア材の短辺方向に配向する繊維を含む基材を含めることで、前述の層構造のうち少なくとも1層が90°繊維を含むシェアウェブを作製することができる。90°繊維を含む限り、どのような積層構成とするかは特に限定されないが、例えば、一方向に配向した連続繊維を含む中間基材(一方向基材)を、少なくとも1枚、短辺方向と繊維配向方向が略一致するように積層する方法が挙げられる。また、2軸または3軸織物を、少なくとも1枚、そのうち1つの軸が短辺方向と略一致するように積層する方法も好ましい。
あるいは、スキン材中に、強化繊維の引抜材を繊維方向が短辺方向と一致するよう配置することで、90°繊維を含むよう構成することもできる。この場合、引抜材と前述の強化繊維基材を積層した上で、レジンインフュージョン法によりスキン材を形成することもできる。
特に好ましい態様において、90°繊維は、スキン材の前述の層構造における最表層に含まれている。図4Aは、風車翼中のシェアウェブ11およびスパーキャップ12の、0°方向に直交する(90°方向に平行な)面で切断した様子を表す断面図である。図4Bは、スキン材112を表面から平面視した場合において、本実施形態を視覚化するために、便宜上、最表層とその内側の層をずらした図である。この実施形態においては、スキン材112として、コア材111の表面に接してまず45°繊維を含む層1121が存在し、当該層と接してさらにその外側となる最表層に90°繊維を含む層1122が存在している。このような形態のスキン材112は、例えば±45°に配向する強化繊維で構成された2軸織物を含む中間基材を、繊維方向がコア材の45°方向と略一致するようにコア材の表面に積層し、さらにその表面に、一方向繊維を含む中間基材を、繊維方向がコア材の90°方向と略一致するように積層することにより形成することができる。
また、別の実施形態としては、0°方向、45°方向、および90°方向を繊維方向とする3軸織物を含む中間基材を、そのうち一つの軸がコア材の90°方向と略一致するように積層することにより、90°繊維、45°繊維の両方を含むスキン材を形成することもできる。
コア材の厚みとスキン材の厚みは特に限定されないが、せん断剛性と、その他の剛性とのバランスの観点から、コア材の厚みは50mm以下であることが好ましく、スキン材の厚みは5mm以下であることが好ましい。風車翼の長さが100m以上ともなると、シェアウェブ11を直線的に成形することは難しく、どうしてもゆがみが生じてしまう。そのため、風車翼に組み付ける際には、このゆがみを矯正するため、面外方向に力を加えて組み立てる必要がある。しかし、コア材の厚みが50mmを超える、あるいは、スキン材の厚みが5mmを超えるような場合、ゆがみを補正する方向の剛性(以降、面外剛性と表記することもある)が高くなりすぎてしまい、矯正が困難になることがある。そのため、コア材の厚みが50mm以下で、かつ、スキン材の厚みが5mm以下であることが最も好ましい。なお、コア材として発泡樹脂材を用い、スキン材として炭素繊維強化樹脂を用いた際に、特にこの範囲の厚みとすることで効果が発現される。
本発明において、風車翼の大きさは特に限定されるものではないが、長さが100m以上の風車翼の場合に本発明の効果が顕著に発揮される。なお、同様の観点から、風車翼の全高は2m以下、風車翼の高さを長さで割ったアスペクト比は1/50以下の場合に、特に本発明が有効である。ここで、風車翼の長さとは風車翼が取り付けられている根元から先端までの長さを指し、高さとは風車翼の幅が最も広い箇所の断面における高さを指す。
なお、1つの風車翼は複数のシェアウェブを有していてもよく、その場合各々構造の異なるものを用いてもよい。例えば、図2に示す実施態様においては、1つの風車翼1中に2つのシェアウェブ11を有している。このような場合、そのうちの少なくとも1つのシェアウェブが上記の構造を有していれば本発明の効果が得られるが、全てのシェアウェブが上記の構造を有していることがより好ましい。
実施例として、コンピュータシミュレーションによって本発明の効果を検証した例を以下に示す。
(評価方法)
風車翼先端の変位量を図5に示すように評価した。図5Aは風車翼の表面に風(図中矢印で示す)を想定した分布荷重5778Paを与える模式図であり、風車翼根元端部13を一周完全に拘束した時に、風車翼先端部14のX方向変位量を評価するものである。ここで表面とは図5Bに示す通り風車をxy平面で見たときに風荷重を受けると想定される表面であり、図5Cに示す通りyz平面で投影される面を指す。
シミュレーションには、SIEMENS社製の構造解析ソフトウェア「NX Nastran」を使用した。また、風車のモデルはNational Renewable Energy Laboratory(NREL)が公開している風車モデル「Definition of the IEA Wind 15MW Offshore Reference Wind Turbine」(翼の長さ約117m)を使用した。なお、「翼の長さ」とは、風車翼長手方向の長さのことを指す。
解析に使用した材料の物性値を表1に示す。ここで風車翼長手方向の弾性率をE1、翼高さ方向の弾性率をE2とし、せん断弾性率G12、ポアソン比v12を表1に示す通りとした。これらの材料を組み合わせた実施例と比較例の結果を表2に示す。
Figure 2024062016000002
(実施例1)
シェアウェブのコア材は発泡樹脂材を想定し、スキン材を構成する繊維強化樹脂部分として、コア材と接する層にガラス繊維2軸織物を繊維方向が±45度方向になるよう2mm積層し、その上にガラス繊維製引抜材を繊維方向が90度方向になるよう2mm積層した構成を想定して、表1に従って物性値を入力し、シミュレーションを行った。
解析の結果、翼先端のX方向変位量(たわみ量)は22.7mであった。
(比較例1)
シェアウェブの繊維強化樹脂部分として、ガラス繊維2軸織物を繊維方向が±45度方向になるよう4mm積層した構成を想定して、表1に従って物性値を入力し、シミュレーションを行った。
解析の結果、翼先端のX方向変位量18.7mで破断した。
(実施例2)
実施例1のガラス繊維製引抜材を、炭素繊維製引抜材に変更した構成を想定して、表1に従って物性値を入力し、シミュレーションを行った。
(実施例3)
シェアウェブの繊維強化樹脂部分として、ガラス繊維3軸織物を、繊維方向が±45度方向および90度方向となるよう積層した構成を想定して、表1に従って物性値を入力し、シミュレーションを行った。
(実施例4)
シェアウェブの繊維強化樹脂部分として、リサイクル炭素繊維マットを一方向に荷重をあたえてある程度配向をつけて、配向させた方向を90度方向となるように積層した構成を想定して、表1に従って物性値を入力し、シミュレーションを行った。
Figure 2024062016000003
1 風車翼
11 シェアウェブ
12 スパーキャップ
111 コア材
112 スキン材
113 強化繊維
1121 45°繊維を含む層
1122 90°繊維を含む層
2 タワー
3 ナセル
4 ハブ
13 風車翼根元端部
14 風車翼先端部
L 風車翼長手方向
H 風車翼高さ方向

Claims (12)

  1. 風車翼内壁に両端を接合しつつ風車翼長手方向に延在する長尺板状のシェアウェブを有する風車翼であって、前記シェアウェブが短辺方向に配向した強化繊維を含む風車翼。
  2. 前記シェアウェブの短辺方向の弾性率が長辺方向の弾性率よりも大きい、請求項1に記載の風車翼。
  3. 前記強化繊維として炭素繊維を含む、請求項1または2に記載の風車翼。
  4. 前記炭素繊維の弾性率が220GPa以上である、請求項3に記載の風車翼。
  5. 前記シェアウェブは、コア材と、繊維強化樹脂のスキン材からなるサンドイッチ構造を有し、前記短辺方向に配向した強化繊維が前記スキン材を構成する繊維強化樹脂中に存在する、請求項1または2に記載の風車翼。
  6. 前記スキン材は層構造を有し、そのうち少なくとも1層が前記短辺方向に配向した強化繊維を含む層である、請求項5に記載の風車翼。
  7. 前記短辺方向に配向した強化繊維を含む層が前記スキン材の層構造の最表層に存在する、請求項6に記載の風車翼。
  8. 前記コア材の厚みが50mm以下であり、前記スキン材の厚みが5mm以下である、請求項5に記載の風車翼。
  9. 前記短辺方向に配向した強化繊維が3軸織物の形態で存在する、請求項6に記載の風車翼。
  10. 前記シェアウェブの両端が、風車翼内壁に沿って風車翼長手方向に延在しているスパーキャップを介して前記風車翼内壁に接合されており、該スパーキャップの厚さが100mm以下である、請求項1または2に記載の風車翼。
  11. 長さが100m以上である、請求項1または2に記載の風車翼。
  12. 請求項1または2に記載の風車翼を備えた風力発電用風車。
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