JP2023004899A - 風車翼 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量かつ剛性の高い風力発電などに使用される風車翼を提供すること。【解決手段】風車翼長手方向に直交する断面における中空構造の内部両面に接しつつ長手方向に延びるシェアウェブ17を少なくとも1つ有する風車翼10であって、その内の少なくとも1つのシェアウェブ17は少なくとも2種類の強化繊維を含む繊維強化樹脂からなり、風車翼長手方向根元側のシェアウェブ17の弾性率がその他の箇所の弾性率よりも高い、風車翼10。【選択図】図4
Description
本発明は、風力発電などに使用される風車翼に関する。
風力発電用の風車翼は、より大きな発電量を得るために、風を受ける面積を大きくすることと回転に伴う遠心力や風力に負けない剛性を確保する必要があることから、材料としてコストが比較的安いガラス繊維強化樹脂が使われることが多い。一方で、風車が大型化すると風車翼そのものの重量が重くなり、ガラス繊維強化樹脂の剛性では翼の曲げ変形が大きくなり、風車翼を支える支柱(タワー)と風車翼が接触し、風車翼が破損するという課題がある。
このような問題に対し、特許文献1ではダウンウィンド方式とし、風下側に風車翼を設置することで、支柱と風車翼の接触を防止している。
また、特許文献2には、円形の横断切片または一つ以上のウェブを有しており、その横断切片・ウェブには±35°~55°の2軸角度で配向される繊維が含まれており、これにより横断切片・ウェブのせん断変形および風車翼の曲げ変形を抑えることが提案されている。また使用される繊維はガラス繊維・炭素繊維・アラミド繊維など様々なものが挙げられており、一つの繊維がもう一つの繊維を補強することが開示されている。
また、特許文献3には、内側ウェブが好ましくはガラスおよび炭素繊維を含む複合材料から形成されていて、二つ以上の異なる種類の炭素繊維を組み込むことができ、少なくとも一つの成分の炭素繊維の異なるタイプの比率は翼の長手方向において変化して、繊維強化複合材料の弾性率は翼の端部に向かうにつれて増加することが開示されている。
しかし、特許文献1の構造においては、タワーによって風が遮られるため発電効率が下がり、十分な発電量が得られないという問題がある。また、特許文献2には、風車全体におけるそれぞれの繊維の使用箇所に関しては記載されておらず、各種繊維の特徴を十分に活かせているとは言えない。さらに、特許文献3の開示は片持ちの翼に要求される特性を鑑みると材料の特性を効果的に活用しておらずコスト増など別の課題が生じていると推察される。
そこで、本発明の目的は、軽量かつ剛性の高い風力発電用風車などに使用される風車翼を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の風車翼は、風車翼長手方向に直交する断面における中空構造の内部両面に接しつつ長手方向に延びるシェアウェブを少なくとも1つ有する風車翼であって、その内の少なくとも1つのシェアウェブは少なくとも2種類の強化繊維を含む繊維強化樹脂からなり、風車翼長手方向根元側のシェアウェブの弾性率がその他の箇所の弾性率よりも高いことを特徴とする。
また、本発明の風車翼の好ましい形態によれば、強化繊維の1種類が長さ10mm以上の炭素繊維であることを特徴とする。
また、本発明の風車翼の別の好ましい形態によれば、風車翼長手方向の長さが最も長いシェアウェブにおいて、風車翼長手方向根元側1~25%の弾性率がその他の箇所の弾性率よりも高いことを特徴とする。
また、本発明の風車翼のさらに別の好ましい形態によれば、風車翼長手方向の長さが100m以上であることを特徴とする。
本発明においてシェアウェブとは、風車翼のせん断変形を抑制する機能を有しており、ウェブ・スパー・桁材等と呼ばれることもある。このシェアウェブにはコア材としてバルサなどの木材や発泡体が使用され、その表面が繊維強化樹脂で覆われることもある。シェアウェブは複数用いられることもあり、各々に使用される材料が異なるものであっても良く、例えば1つのシェアウェブは炭素繊維とガラス繊維を含む繊維強化樹脂からなり、もう1つのシェアウェブは炭素繊維とアラミド繊維を含む繊維強化樹脂から構成されていても良い。また、同じ強化繊維であっても弾性率が異なれば2種類の強化繊維と見なされ、これら2種類の強化繊維を含む繊維強化樹脂であっても良い。
本発明において風車翼長手方向根元側とは、翼が固定されている側のことを指し、風車翼長手方向先端側とは、固定部分から最も離れている側のことを指す。尚、この長手方向とは、翼根元側の断面における重心と固定部分から最も離れている部分を繋ぐ方向のことを指す。シェアウェブは長手方向に沿って設けられていることを想定しているが、曲げ変形やねじれ変形を見越して、シェアウェブ自体が長手方向に対して角度をもって設置されていることや、湾曲していること、ねじれていることも許容される。
なお、本発明における繊維強化樹脂に使用される強化繊維は特に限定されないが、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等が挙げられる。また、樹脂としても、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ビニルエステル系樹脂等の熱硬化性樹脂に加えて、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ABS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明における繊維強化樹脂の弾性率は強化繊維・樹脂の種類によって上下する。例えば、弾性率の高い炭素繊維を使った繊維強化樹脂と、相対的に弾性率の低いガラス繊維を使った繊維強化樹脂を組み合わせる、あるいは弾性率の高いエポキシ樹脂を使った繊維強化樹脂と、相対的に弾性率の低い不飽和ポリエステル樹脂を使った繊維強化樹脂を組み合わせることなどが考えられる。
本発明によれば、風車翼長手方向根元側のシェアウェブの弾性率をその他の箇所の弾性率よりも高くすることで、風車が大型化した際にも風車翼を支える支柱と風車翼の接触により風車翼が破損することのない、軽量かつ剛性の高い風力発電などに使用される風車翼を提供できる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る風力発電用の風車10を示しており、タワー11・ナセル12・ハブ13・風車翼14からなる構成を示している。風車翼14はハブ13に取り付けられており、風力によって風車翼14が回転し、その回転がハブ13を介してナセル12内の動力伝達軸に伝わり、ナセル12内の発電機で電気に変換することで発電が行われる。本発明はこの風車翼14に関するものであり、翼が固定されている側を風車翼長手方向根元側15と呼び、固定部分から最も離れている側を風車翼長手方向先端側16と呼ぶ。
尚、風車翼14はタワー11に衝突しにくいように、タワー11から離れる方向に先端側をあらかじめ曲げた構成(プリベンド)となっていても良い。プリベンドの場合の長手方向とは、翼根元側の断面における重心とプリベンドする前までの範囲で固定部分から最も離れている部分の断面の重心を繋ぐ方向のことを指す。また、図1では3枚の風車翼を有する風車が描かれているが、翼の枚数は1枚、2枚、4枚などでも良く、スペースとして設置可能なのであれば数に限りは無い。
風車翼に使用される繊維強化樹脂の強化繊維は特に限定されないが、軽量性が必要な場合は炭素繊維、コストを抑えることが必要な場合はガラス繊維が良く使われる。そのため、本発明の好ましい形態としては、風車翼長手方向根元側15に弾性率が高い炭素繊維、風車翼の長手方向先端側16に炭素繊維よりも弾性率が低いガラス繊維を使うことが考えられる。また、成形はインフュージョン成形(上型にフィルムを使用し、下型とフィルムの気密性を保ち、真空圧によって樹脂充填・含浸させる成形法)が好ましく使われる。
弾性率の測定は、JIS K 7161、JIS K 7113、ISO 527、ASTM D638等いずれの引張試験方法でも良いが、シェアウェブの根元側とその他の箇所は同一の試験方法で測定する必要がある。試験数は好ましくはN=5であるが、ばらつきが大きい場合はさらに多くても良い。
図2は本実施態様における風車翼およびその断面を示す斜視図であり、図3はシェアウェブ17の全体像が見えるように翼内部を可視化した図である。本実施態様では、シェアウェブ17を構成する強化繊維の配向方向18は、翼長手方向を0°方向とした時に、シェアウェブ17の面内方向において、0°、+45°、-45°の3軸の角度に強化繊維が配向されるか、あるいは+45°、-45°の2軸の角度に強化繊維が配向されることが好ましいが、各々の角度が10°程度増減しても同等の効果が得られる。また、これらは3軸あるいは2軸の織物が積層されて構成されても、1軸に配向された基材が各角度に積層されても良く、成形方法に制限は無い。
図4は本実施態様における、風車翼長手方向の長さが最も長いシェアウェブ17(L)において、風車翼長手方向根元側25%以下の範囲を示すものである。シェアウェブ17は翼長手方向において全ての範囲に設置されている場合も、設置されていない場合もある。いずれの場合においても、最も長いシェアウェブ17(L)の風車翼長手方向距離Cに対して、風車翼長手方向根元側25%以下の距離Dの範囲において、繊維強化樹脂の弾性率がその他の箇所の弾性率よりも高いことが好ましく、翼先端の変位量を大幅に低減することができ、タワーへの衝突回避あるいは翼のさらなる大型化が可能となる。
図5は本実施形態における、シェアウェブ17とスパーキャップ19と呼ばれる部分の関係性を示すものである。スパーキャップ19は風車の曲げ変形を抑制するため、炭素繊維などの剛性が高い素材が使われることが多い。シェアウェブ17が1~3本、スパーキャップ19が2、4、6本の組み合わせで構成され、図5のようにシェアウェブ17とスパーキャップ19が組み合わせて使用される場合には、シェアウェブ17の両端部分にスパーキャップ19が存在すればその使用方法は限定されない。
図6は本実施形態における、シェアウェブ17の詳細を示すものである。シェアウェブ17の内側にはコア20としてバルサなどの木材や発泡体が使用され、その表面が繊維強化樹脂で覆われてシェアウェブ17を構成することが好ましいが、コア20がなく、繊維強化樹脂のみでシェアウェブ17が構成されても良い。
以下に実施例・比較例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
実施例・比較例において、翼先端の変位量を図7に示すように評価した。すなわち図7は風車翼の表面に風21を想定した荷重1300kNを与える模式図であり、風車翼根元端部22を一周完全に拘束した時に、翼先端23のX方向変位量を評価するものである。
本実施例・比較例はコンピュータシミュレーションによって計算し、SIEMENS社製の構造解析ソフトウェア「NX Nastran」を使用した。また、風車のモデルはNational Renewable Energy Laboratory(NREL)が公開している風車モデル「WindPACT Reference Wind Turbine」の定格出力1.5MW(翼の長さ約33m)、および、「Definition of the IEA Wind 15MW Offshore Reference Wind Turbine」(翼の長さ約117m)と、Denmark Technical University(DTU)が公開している「The DTU 10MW Reference Wind Turbine」(翼の長さ約86m)を使用した。なお、本発明において「翼の長さ」とは、風車翼長手方向の長さのことを指す。
(実施例1)
表1に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの根元側25%をCFRP、その他をGFRPとして、上記に従ってシミュレーションを行った。
表1に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの根元側25%をCFRP、その他をGFRPとして、上記に従ってシミュレーションを行った。
解析の結果、表1に示すとおり翼先端のX方向変位量は2.79mであった。
(比較例1)
表1に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、全てGFRPとして、上記に従ってシミュレーションを行った。
表1に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、全てGFRPとして、上記に従ってシミュレーションを行った。
解析の結果、表1に示すとおり翼先端のX方向変位量は2.93mとなり、実施例1に比べて変位量が大きい結果となった。
(比較例2)
表1に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの先端側25%をCFRP、その他をGFRPとして、上記に従ってシミュレーションを行った。尚、本条件は特許文献3のアイデアを反映したものである。
表1に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの先端側25%をCFRP、その他をGFRPとして、上記に従ってシミュレーションを行った。尚、本条件は特許文献3のアイデアを反映したものである。
解析の結果、表1に示すとおり翼先端のX方向変位量は2.87mとなり、実施例1に比べて変位量が大きく、比較例1に比べると変位量が小さい結果となった。
表1のとおり、定格出力1.5MW(翼の長さ約33m)の風車翼において、翼の根元側25%を弾性率の高いCFRPとした実施例1では、全てGFRPとした比較例1、翼の先端側25%をCFRPとした比較例2と比べ、翼先端のX方向変位量を低減できることが判った。
(実施例2)
表2に示すとおり、翼の長さが86mの解析モデルを用いたこと以外は全て実施例1と同じ条件で実施した。
表2に示すとおり、翼の長さが86mの解析モデルを用いたこと以外は全て実施例1と同じ条件で実施した。
解析の結果、表2に示すとおり翼先端のX方向変位量は13.6mであった。
(比較例3)
表2に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、全てGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例2と同じ条件でシミュレーションを行った。
表2に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、全てGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例2と同じ条件でシミュレーションを行った。
解析の結果、表2に示すとおり翼先端のX方向変位量は14.0mとなり、実施例2に比べて変位量が大きい結果となった。
(比較例4)
表2に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの先端側25%をCFRP、その他をGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例2と同じ条件でシミュレーションを行った。尚、本条件は特許文献3のアイデアを反映したものである。
表2に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの先端側25%をCFRP、その他をGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例2と同じ条件でシミュレーションを行った。尚、本条件は特許文献3のアイデアを反映したものである。
解析の結果、表2に示すとおり翼先端のX方向変位量は13.9mとなり、実施例2に比べて変位量が大きく、比較例3に比べると変位量が小さい結果となった。
表2のとおり、定格出力10MW(翼の長さ約86m)の風車翼において、翼の根元側25%を弾性率の高いCFRPとした実施例2では、全てGFRPとした比較例3、翼の先端側25%をCFRPとした比較例4と比べ、翼先端のX方向変位量を低減できることが判った。
(実施例3)
表3に示すとおり、翼の長さが117mの解析モデルを用いたこと以外は全て実施例1と同じ条件で実施した。
表3に示すとおり、翼の長さが117mの解析モデルを用いたこと以外は全て実施例1と同じ条件で実施した。
解析の結果、表3に示すとおり翼先端のX方向変位量は22.8mであった。
(比較例5)
表3に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、全てGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例3と同じ条件でシミュレーションを行った。
表3に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、全てGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例3と同じ条件でシミュレーションを行った。
解析の結果、表3に示すとおり翼先端のX方向変位量が18.6mでウェブが破断し、風車ブレードとして成立しない結果となった。
(比較例6)
表3に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの先端側25%をCFRP、その他をGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例3と同じ条件でシミュレーションを行った。尚、本条件は特許文献3のアイデアを反映したものである。
表3に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの先端側25%をCFRP、その他をGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例3と同じ条件でシミュレーションを行った。尚、本条件は特許文献3のアイデアを反映したものである。
解析の結果、表3に示すとおり翼先端のX方向変位量が18.2mでウェブが破断し、風車ブレードとして成立しない結果となった。
(実施例4)
表3に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの根元側10%をCFRP、その他をGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例3と同じ条件でシミュレーションを行った。
表3に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの根元側10%をCFRP、その他をGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例3と同じ条件でシミュレーションを行った。
解析の結果、表3に示すとおり翼先端のX方向変位量が29.1mであった。
(実施例5)
表3に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの根元側50%をCFRP、その他をGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例3と同じ条件でシミュレーションを行った。
表3に示すとおり、シェアウェブの繊維強化樹脂部分に関して、シェアウェブの長さの根元側50%をCFRP、その他をGFRPとして図7に示す条件とした以外は全て実施例3と同じ条件でシミュレーションを行った。
解析の結果、表3に示すとおり翼先端のX方向変位量は22.4mであった。実施例3と比べると高価なCFRPを多く用いたためコストが高くなった。
(実施例6)
表3に示すとおり、CFRPにCFRP(繊維長12.7mm)を用いたこと以外は全て実施例3と同じ条件で実施した。
表3に示すとおり、CFRPにCFRP(繊維長12.7mm)を用いたこと以外は全て実施例3と同じ条件で実施した。
解析の結果、表3に示すとおり翼先端のX方向変位量は22.9mであった。
(実施例7)
表3に示すとおり、CFRPにCFRP(繊維長5mm)を用いたこと以外は全て実施例5と同じ条件で実施した。
表3に示すとおり、CFRPにCFRP(繊維長5mm)を用いたこと以外は全て実施例5と同じ条件で実施した。
解析の結果、表3に示すとおり翼先端のX方向変位量が26.1mであった。
表3のとおり、翼の根元側25%を弾性率の高いCFRPとした実施例3では、全てGFRPとした比較例5、翼の先端側25%をCFRPとした比較例6ではウェブが破断してしまう定格出力15MW(翼の長さ約117m)の風車翼においても風車を運転できることが判った。この有利な効果は、翼の長さが100m以上の大型の風車翼において発現するものと考えられる。
本発明は、風力発電用風車の風車翼に限らず、空飛ぶ車用の翼などにも応用することができ、その応用範囲がこれらに限定されるものではない。
10 風力発電用の風車
11 タワー
12 ナセル
13 ハブ
14 風車翼
15 風車翼長手方向根元側
16 風車翼の長手方向先端側
17 シェアウェブ
17(L) 風車翼長手方向の長さが最も長いシェアウェブ
18 強化繊維の配向方向
19 スパーキャップ
20 コア
21 風
22 風車翼根元端部
23 風車翼先端部
A 正面図
B 側面図
C シェアウェブの風車翼長手方向距離
D シェアウェブの風車翼長手方向根元側25%以下の距離
b シェアウェブの幅
H シェアウェブの高さ
11 タワー
12 ナセル
13 ハブ
14 風車翼
15 風車翼長手方向根元側
16 風車翼の長手方向先端側
17 シェアウェブ
17(L) 風車翼長手方向の長さが最も長いシェアウェブ
18 強化繊維の配向方向
19 スパーキャップ
20 コア
21 風
22 風車翼根元端部
23 風車翼先端部
A 正面図
B 側面図
C シェアウェブの風車翼長手方向距離
D シェアウェブの風車翼長手方向根元側25%以下の距離
b シェアウェブの幅
H シェアウェブの高さ
Claims (5)
- 風車翼長手方向に直交する断面における中空構造の内部両面に接しつつ長手方向に延びるシェアウェブを少なくとも1つ有する風車翼であって、その内の少なくとも1つのシェアウェブは少なくとも2種類の強化繊維を含む繊維強化樹脂からなり、風車翼長手方向根元側のシェアウェブの弾性率がその他の箇所の弾性率よりも高い、風車翼。
- 強化繊維の1種類が長さ10mm以上の炭素繊維である、請求項1に記載の風車翼。
- 風車翼長手方向根元側1~25%の弾性率がその他の箇所の弾性率よりも高い、請求項1または2に記載の風車翼。
- 風車翼長手方向の長さが100m以上である、請求項1または2に記載の風車翼。
- 請求項1または2に記載の風車翼を備えてなる風力発電用風車。
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JP2021104539 | 2021-06-24 | ||
JP2022003498 | 2022-01-13 | ||
JP2022003498 | 2022-01-13 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023004899A true JP2023004899A (ja) | 2023-01-17 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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