JP2020176538A - 風車ブレード及び風力発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】分割部の結合を容易に行え、結合後も所望の強度信頼性と発電性能を備えていること。【解決手段】本発明の係る風車ブレードは、上記課題を解決するために、風を受けて回転するロータを構成する少なくとも1枚のブレードから成る風車用ブレードであって、前記ブレードは長手方向に少なくとも2つに分割されていると共に、分割された前記ブレードの根元側と先端側の間に中間翼が配置され、前記ブレードの根元側及び先端側は前記中間翼と結合するウェブを有し、かつ、前記中間翼は前記ブレードの根元側及び先端側と結合するガイドを有し、分割された前記ブレードの根元側と先端側及び前記中間翼は、前記ウェブと前記ガイドを介して長手方向に直列に結合されていることを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明は風車ブレード及び風力発電システムに係り、特に、ブレードが長手方向に分割されているものに好適な風車ブレード及び風力発電システムに関する。
近年、地球温暖化問題などの環境保全の観点から、再生可能エネルギーを利用する風力発電システムの需要が拡大している。風力発電システムにおける風力発電量は、風速の3乗に比例し、風車ブレードの長さの2乗に比例する。そのため、近年は、ブレードを長翼化する傾向にあり、長さ100m級のブレードも開発されつつある。
このように、ブレードが長くなると、ブレードを工場から風車の建設現場へ運ぶ車両や船舶の輸送能力、道路の幅などの制限によって輸送コストが増大する。また、ブレードの製造コストも増加し、一体成形時の品質管理が困難となる。
このような問題を解決するための先行技術文献としては、特許文献1を挙げることができる。
この特許文献1には、ブレードが長手方向に複数の部品に分割して製造、輸送され、風車の建設現場において分割部を接着結合することが記載されている。特許文献1に記載されている分割ブレードは、根元側(又は先端側)から延伸した主桁を先端側(又は根元側)に設けた溝に嵌め込み接着剤で固定することで結合されており、分割ブレードの結合にボルトを用いないため、結合部を軽量化できるメリットがある。
しかしながら、上述した特許文献1に記載された分割ブレードは、近年の大型化したブレードに作用する大きな曲げ荷重や捩れ荷重に耐えられない可能性がある。例えば、近年の大型化したブレードでは、主桁は長手方向に繊維を配向した一方向の繊維強化樹脂(FRP;Fiber Reinforced Plastic)の積層構造で構成されている。主桁と翼周方向に隣接する外皮は、繊維を長手方向に対して任意の角度傾けた多方向のFRP積層で構成され、主桁と外皮を追加の多方向のFRP積層で覆うことで、主桁と外皮の間で曲げ荷重や捩り荷重を滑らかに伝達させている。
上述した特許文献1の分割ブレードでは、根元側(又は先端側)から延伸した主桁を先端側(又は根元側)に設けた溝に嵌め込み接着剤で固定しているため、嵌め込み結合部において主桁と外皮の積層が不連続となる。従って、応力の集中によって、主桁と外皮の接着部が破損する可能性がある。
また、接着部の保護を目的として、結合部をフェアリングで覆う場合、周囲の翼形状に対してフェアリングが凸形状となるため、この凸形状により、フェアリング近傍で空気の流れが乱れ、ブレードの発電性能が低下する可能性がある。更に、建設現場で分割ブレードを結合する場合には、組立コストの削減が望まれる。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ブレードの分割部の結合を容易に行え、所望の強度信頼性と発電性能が得られる風車ブレード及び風力発電システムを提供することにある。
本発明の風車ブレードは、上記目的を達成するために、風を受けて回転するロータを構成する少なくとも1枚のブレードから成る風車用ブレードであって、前記ブレードは長手方向に少なくとも2つに分割されていると共に、分割された前記ブレードの根元側と先端側の間に中間翼が配置され、前記ブレードの根元側及び先端側は前記中間翼と結合するウェブを有し、かつ、前記中間翼は前記ブレードの根元側及び先端側と結合するガイドを有し、分割された前記ブレードの根元側と先端側及び前記中間翼は、前記ウェブと前記ガイドを介して長手方向に直列に結合されていることを特徴とする。
また、本発明の風力発電システムは、上記目的を達成するために、タワーと、該タワーの上部に、水平面内で回転駆動できるように設置されたナセルと、該ナセルに接続され、少なくとも1枚の風車ブレード及びハブで構成されたロータとを備えた風力発電システムであって、前記風車ブレードは、上記構成の風車ブレードであることを特徴とする。
本発明によれば、ブレードの分割部の結合を容易に行え、結合後も所望の強度信頼性と発電性能が得られる風車ブレード及び風力発電システムを得ることができる。
以下、図示した実施例に基づいて本発明の風車ブレード及び風力発電システムを説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用する。
図1に、本発明の風力発電システムの外観構成を示す。
図1に示すように、風車1は、タワー2と、水平面内で回転駆動できるようにタワー2の上部に設置されたナセル3と、ナセル3に接続され、3枚のブレード4a、4b、4c及びハブ5で構成されるロータ6とにより概略構成されている。ロータ6は、図示しない主軸を介してナセル3に回転可能に支持されている。
なお、ブレード4a、4b、4cの枚数は例示的であり、それ以外の枚数も取り得ることは言うまでもない。
図2に、本発明の風車ブレードの実施例1の1枚のブレード4aを示す。
図2に示すように、ブレード4aは、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11b、及びブレードの根元側11aとブレードの先端側11bの間に設置された中間翼12により構成されている。ブレードの根元側11aとブレードの先端側11b及び中間翼12は、長手方向に結合部13で直列に結合されている。
なお、ブレード4aの分割数と中間翼12の個数は例示的であり、それ以外の数も取り得る。例えば、ブレード4aを3分割した場合には、中間翼12の数は2つとしてもよい。
図3(a)に図2のA−A線に沿ったブレードの根元側11aの断面構造を、図3(b)に図2のB−B線に沿った中間翼12の断面構造をそれぞれ示す。
該図に示すように、ブレードの根元側11aは、負圧側の主桁16及び外皮(シェル)18と、正圧側の主桁17及びシェル19と、前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bと、を含んで構成される。
負圧側の主桁16と正圧側の主桁17は、多くの場合、繊維を長手方向に一方向に配向したFRPの積層によって形成されている。一般的には、ブレード4a、4b、4cに用いられるFRPの繊維にはガラス繊維や炭素繊維が使用され、母材樹脂には、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が使用されている。
一方、負圧側のシェル18及び正圧側のシェル19と、前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bは、ポリ塩化ビニルなどの発泡樹脂材やバルサなどの木材を、繊維を1方向以上に配向したFRPの表皮で挟んだサンドイッチ材で形成されている。
本実施例では、FRPの組成にガラス繊維とエポキシ樹脂、負圧側のシェル18及び正圧側のシェル19の芯材にバルサ、前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bの芯材にポリ塩化ビニルを想定している。ただし、下記実施例は、FRPや芯材の材料組成に限定されるものではない。
また、前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bの本数は例示的であり、それ以外の本数も取り得る。例えば、長さ50mを超えるようなブレード4aでは、後縁側15近傍に追加の補強ウェブが配置されることもある。
ブレードの先端側11bの断面構造は、各部の寸法は異なるものの、ブレードの根元側11aの構造と略同じである。
一方、中間翼12は、ブレードの根元側11aの前縁側14のウェブ20aと後縁側15のウェブ20bにあたる部位(前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bと結合される部位)が中空となっており、前縁側14のウェブ用ガイド21a及び後縁側15のウェブ用ガイド21bを有する構成になっている。
また、本実施例では、中間翼12は主桁を有しておらず、外形状は外皮(シェル)のみで構成されている。ただし、中間翼12は、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bと同じように、主桁に該当する長手方向の剛性を補強する部材を有していてもよい。また、後縁側15近傍に補強ウェブがある場合は、それに対応するウェブ用ガイドを設けることもできる。
本実施例では、中間翼12の構成材料として、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11bと同じFRPを想定している。
図4(a)に、本実施例の風車ブレードにおける分割ブレードと中間翼12の結合前の状態を示し、図4(b)に、本実施例の風車ブレードにおける分割ブレードと中間翼12が結合された状態を示す。
該図に示すように、本実施例の風車ブレードでは、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11bの前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bが、結合部13の外側に延伸した構成となっている。また、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11bの前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bにおける結合部13の外側に延伸した部分の長さは、中間翼12の幅(H)以下となっている。
そして、前縁側14のウェブ20aは中間翼12の前縁側14のウェブ用ガイド21aに、後縁側15のウェブ20bは中間翼12の後縁側15のウェブ用ガイド21bにそれぞれ収納され、接着剤によって固定されている。即ち、中間翼12の前縁側14のウェブ用ガイド21a及び後縁側15のウェブ用ガイド21bは、それぞれ2枚の板状部材で中空に形成され、このそれぞれの中空部分に、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11bの前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bが収納され、接着剤によって固定されている。
このように、本実施例の風車ブレードでは、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11b及び中間翼12は、結合部13を介して長手方向に直列に接着結合されている。
また、本実施例の風車ブレードでは、前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bが結合部の外側に延伸し、中間翼の前縁側14のウェブ用ガイド21a及び後縁側15のウェブ用ガイド21bに嵌め込む構成となっている。そのため、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11b及び中間翼12の位置合わせが容易にできる。
従って、風車1の建設現場において、分割ブレードの組立コストを削減できる。また、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11b及び中間翼12の結合に接着剤を用いるため、結合部13の質量増加を抑制できる。接着剤として、ブレード4aの構成材料のFRPの母材樹脂と同一系統の樹脂を使用することで、接着強度を高められる。
また、中間翼12の表面形状は、結合部13に隣接するブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bの外形状と滑らかに接続する形状、即ち、中間翼12の表面形状が、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bの外形状と段差のない状態で接続する形状にすることで、ブレード4aに所望の空力性能を持たせることができる。
また、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11b及び中間翼12の外形状を滑らかに接続することで、ブレード4aにおける予期しない凸部を無くすことができるため,結合部13の存在によるブレード4aの空力性能の低下を抑制できる。これにより、所望の発電性能をブレード4aに与えることができる。
また、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bは、翼周方向(図4(a)のR方向)に積層が連続であるため、主桁や外皮に作用する曲げ荷重や捩り荷重を滑らかに伝達できる。
図5(a)に、本実施例の風車ブレードにおける分割ブレードと中間翼12が結合部された状態を示し、図5(b)に、図5(a)のC−C線に沿った断面を示し、図5(c)に、図5(b)のD部の断面を示す、図5(d)に、図5(b)のE部の断面をそれぞれ示す。
図5(c)に示すように、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bの前縁側14のウェブ20a又は後縁側15のウェブ20bの端部を嵌め合い継手にすることで、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bの前縁側14のウェブ20a又は後縁側15のウェブ20b同士の接着をより強固にできる。
また、図5(d)に示すように、中間翼12の板厚を、ブレードの根元側11a又はブレードの先端側11bに対して変化させることで、結合部13に所望の剛性を与えることができる。
例えば、中間翼12を金属や炭素繊維強化樹脂のような、ブレードの根元側11a又はブレードの先端側11bの材料よりも高剛性の材料で構成する場合、結合部13において剛性が不連続となり、応力が集中する要因となり得る。
この対策として、中間翼12の板厚をブレードの根元側11a又はブレードの先端側11bの板厚より薄くすることで、結合部13において剛性を連続分布させることができる。また、結合部13における主桁又は外皮同士の接着にスカーフ継手などを用いることで、接着部の強度を高められる。
更に、本実施例では、ブレード4aで強度的に弱い部分を分割部に選定することもできる。例えば、ブレード4aの一断面の座屈強度が低い場合、その断面を結合部に選定し、中間翼12をブレードの根元側11a又はブレードの先端側11bよりも座屈強度の高い材料で構成する。そして、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11b及び中間翼12を結合することで、ブレード4aの座屈強度を向上できる。
以上説明したように、本実施例の構成により、ブレード4aの強度信頼性を確保できる。
また、本実施例では、中間翼12をFRPで構成したが、中間翼12はそれ以外の構成材料も取り得る。中間翼12をブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bと同じFRPで構成する場合、接着剤にFRPの母材樹脂と同一系統の樹脂を用いることで、結合部13における接着強度を高められる。また、中間翼12をブレード4aと同様の方法で形成することができ、材料コストや製造コストを低減できる。
中間翼12を炭素繊維強化樹脂で構成する場合には、中間翼12をより軽量化でき、ブレード4aの質量を低減できる。
また、中間翼12を金属で構成する場合には、中間翼12を精度よく加工できるため、結合部13の嵌め合い精度を高められる。これにより、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11b及び中間翼12の間の余分な空隙(ガタ)を無くすことができ,接着強度を高められる。
また、中間翼12を金属で構成する場合、中間翼12と図示しないブレード4aの内部に配置されるダウンコンダクタを導電性ケーブルで結ぶことで、ブレード4aの耐雷性能を向上できる。
中間翼12は、3D(3次元)プリンタで製造することもできる。この場合、中間翼12の寸法精度を高めることができる。
これにより、前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bと、前縁側14のウェブ用ガイド21a及び後縁側15のウェブ用ガイド21bの嵌め合い部において、余分なガタつきをなくすために施す研削量を削減できる。また、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11b及び中間翼12の結合精度を高めることができ、ブレード4aの強度信頼性を向上できる。
図6に、本実施例の風車ブレードにおける分割ブレードと中間翼12の結合部、具体的には、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bの前縁側14のウェブ20a又は後縁側15のウェブ20b同士の接着部を示す。
該図に示す本実施例では、中間翼12に少なくとも2つの孔(樹脂注入孔22aと樹脂吸引孔20b)を開け、前縁側14のウェブ用ガイド21a又は後縁側15のウェブ用ガイド21bに樹脂が流動できる溝を設ける。そして、樹脂注入孔22aから樹脂を注入し、樹脂吸引孔20bから真空引きして樹脂を硬化することで、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bの前縁側14のウェブ20a又は後縁側15のウェブ20b同士の接着強度を向上できる。その際、金属製の中間翼12に熱源を接続して外部から熱供給することで、樹脂の硬化を均一にでき、接着強度をより向上できる。
なお、図6に示す例では、中間翼12に樹脂の流動経路を設ける必要があるため、構造が複雑化するが、このような場合には、中間翼12を3Dプリンタで製造すると、なお好適である。
以上説明した本実施例の風車ブレードによれば、ブレード4aの分割部の結合を容易に行え、結合後も所望の強度信頼性と発電性能が得られる。
図7に、本発明の風車ブレードの実施例2を示す。
該図に示す本実施例の風車ブレードは、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11bの前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bは、結合部13の外側に延伸していない。一方、中間翼12の前縁側14のウェブ用ガイド21a及び後縁側15のウェブ用ガイド21bが、結合部13の外側にそれぞれ延伸した構成となっている。
そして、中間翼12の前縁側14のウェブ用ガイド21a及び後縁側15のウェブ用ガイド21bが、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11bの対応する前縁側14のウェブ20a及び後縁側15のウェブ20bを挟みこみ、接着剤で固定することで、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11b及び中間翼12を結合している。
このような本実施例の風車ブレードは、上述した実施例1の効果に加え、既に稼働しているブレード4aの補修に好適である。例えば、ブレード4aの一部が、現地で補修できない程度に破損した場合、ブレード4aを新品のブレードと交換せねばならない。その際、ブレードを新たに製造する必要があり、なおかつ現地まで輸送しなければならない。従って、製造コストと輸送コストが発生する。
そこで、本実施例の風車ブレードは、ブレードを新品に交換することなく、ブレード4aの破損部を除去し、その間を中間翼12で結合するようにしたものである。
まず、ブレード4aの破損部を除去するため、ブレード4aを複数に分割する。例えば、ブレード4aの破損部が一箇所であれば、該当する破損部を除去するため、ブレード4aを2分割する。そして、結合部13側に延伸した前縁側14のウェブ用ガイド21a及び後縁側15のウェブ用ガイド21bを有する中間翼12を用いて、分割したブレード4aを結合する。
これにより、新品のブレードを用意する必要が無いため、製造コストと輸送コストを削減できる。
また、ブレード4aの破損部は、構造的に弱くなっている可能性がある。そのような場合は、中間翼12の板厚や構成材料を吟味することで、ブレード4aの補修だけでなく該当部の強化を施すことができる。
図8(a)及び図8(b)に、本発明の風車ブレードの実施例3を示す。
該図に示す本実施例の風車ブレードは、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bと中間翼12の結合部13の剛性と強度をより強固なものにするため、その結合部13の表面をFRPで追加積層(オーバーラミネーション23)するものである。
具体的には、本実施例では、中間翼12の外形状が、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bよりも小さく成形されており、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bの結合部13の端面には、外形状にテーパが設けられた構成となっている。即ち、図8(b)に示すように、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11bの表面から中間翼12に向って細くなるように傾斜している。
そして、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bと中間翼12の結合部13を覆うようにFRPのオーバーラミネーション23を施し、樹脂を硬化することにより、結合部13を繊維で連続的に接続している。
このような本実施例の風車ブレードは、上述した実施例1の効果に加え、ブレードの根元側11a及びブレードの先端側11bと中間翼12の結合部13の剛性と強度を向上できるため、分割されたブレード4aの強度信頼性を更に高めることができる。
また、ブレードの根元側11aとブレードの先端側11b及び中間翼12の外形状に整合するようにオーバーラミネーション23の積層数を調整することで、結合部13の外形状を調整できる。
これにより、ブレード4aの外形状に予期しない凹凸が無くなるため、ブレード4aに所望の発電性能を付与できるし、オーバーラミネーション23の積層数を調整することで、ブレード4aに所望の剛性と強度を与えることができる。
図9(a)及び図9(b)に、本発明の風車ブレードの実施例4を示す。
近年の風車1では、受風して変形した状態においてブレード4a、4b、4cが最大発電性能を有するように、ブレード4a、4b、4cを風上側に予め湾曲(力を加えることなしに予め湾曲、例えば、図9(a)では、ブレードの先端側11bがブレードの軸線より上方に曲がっていること)させておくことがある。
また、ブレード4a、4b、4cをタワー2の風上側に配置するアップウィンド風車の場合、上述した予湾曲によって、ブレード4a、4b、4cとタワー2の距離が拡がるため、ブレード4a、4b、4cとタワー2の衝突の可能性を低減できる。即ち、ブレード4aの予湾曲によって、風力発電システムの発電性能と強度信頼性を向上できる。
しかし、予湾曲したブレードの製造では、高精度で加工した鋳型が必要となる。そのため、ブレードの製造コストが増加する。
このような問題を解決するのが、以下に説明する実施例4の風車ブレードである。
図9(a)及び図9(b)に示す本実施例のブレード4aは、少なくとも2つに分割され、予湾曲をもたないように製造される。そして、図9(a)に示すように、中間翼12で結合することで、ブレード4aが予湾曲する構成(図9(a)に示すブレードの先端側11bがブレードの軸線より上方に曲がっている構成)となっている。
図9(b)に、本実施例を実現する分割ブレードと結合される中間翼12の長手方向の断面を示す。
図9(b)に示すように、本実施例では、中間翼12の内部に楔状の領域24、即ち、中間翼12の風が当たる面の長さ(L1)より反対側の面の長さ(L2)の方が長い楔状の領域24を設け、この楔状の領域24にブレード根元側11aとブレードの先端側11bの前縁側14のウェブ20a又は後縁側15のウェブ20bを挿入することで、ブレード4aに予湾曲が与えられる。
このような本実施例の風車ブレードは、上述した実施例1の効果に加え、ブレード4aは予湾曲をもたないブレードと同じ鋳型で成形できるため、ブレード4aの製造コストを削減できる。また、中間翼12の楔状の角度を変更することで、任意の大きさの予湾曲を実現できる。更に、中間翼12の外形状を滑らかな曲率をもった形状にすることで、ブレード4aの予湾曲の曲率を連続的にすることができ、ブレード4aの発電性能を向上できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
1…風車、2…タワー、3…ナセル、4a、4b、4c…ブレード、5…ハブ、6…ロータ、11a…ブレードの根元側、11b…ブレードの先端側、12…中間翼、13…結合部、14…前縁側、15…後縁側、16…負圧側の主桁、17…正圧側の主桁、18…負圧側の外皮(シェル)、19…正圧側の外皮(シェル)、20a…前縁側のウェブ、20b…後縁側のウェブ、21a…前縁側のウェブ用ガイド、21b…後縁側のウェブ用ガイド、22a…樹脂注入孔、22b…樹脂吸引孔、23…オーバーラミネーション、24…中間翼内部の楔状の領域。
Claims (14)
- 風を受けて回転するロータを構成する少なくとも1枚のブレードから成る風車ブレードであって、
前記ブレードは長手方向に少なくとも2つに分割されていると共に、分割された前記ブレードの根元側と先端側の間に中間翼が配置され、
前記ブレードの根元側及び先端側は前記中間翼と結合するウェブを有し、かつ、前記中間翼は前記ブレードの根元側及び先端側と結合するガイドを有し、
分割された前記ブレードの根元側と先端側及び前記中間翼は、前記ウェブと前記ガイドを介して長手方向に直列に結合されていることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項1に記載の風車ブレードであって、
前記ブレードの根元側及び先端側の前記ウェブは、前記中間翼との結合部の外側に延伸し、このウェブの延伸した部分が前記中間翼の前記ガイドと結合していることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項2に記載の風車ブレードであって、
前記ブレードの根元側と先端側の前記中間翼との結合部の外側に延伸している前記ウェブの延伸した部分の長さは、前記中間翼の幅以下であることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項3に記載の風車ブレードであって、
前記ブレードの根元側と先端側の前記ウェブは、前記中間翼の前記ガイドにそれぞれ収納され、接着剤によって固定されていることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項4に記載の風車ブレードであって、
前記中間翼の前記ガイドは中空に形成され、前記中空部分に、前記ブレードの根元側と先端側の前記ウェブが収納されていることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項5に記載の風車ブレードであって、
前記中間翼は、前記ブレードの根元側及び先端側の前記ウェブと結合される部位が中空に形成され、この中間翼の前記中空部に前記ガイドが設置されていることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項6に記載の風車ブレードであって、
前記中間翼の表面形状は、前記ブレードの根元側と先端側の外形状と段差のない滑らかな形状であることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項7に記載の風車ブレードであって、
前記中間翼は、金属又は炭素繊維強化樹脂で構成されることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項1に記載の風車ブレードであって、
前記中間翼の前記ガイドは、前記ブレードの根元側及び先端側との結合部の外側に延伸し、このガイドの延伸した部分が前記ブレードの根元側及び先端側の前記ウェブと結合していることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項9に記載の風車ブレードであって、
前記ガイドの延伸した部分は、前記ブレードの根元側と先端側のそれぞれの前記ウェブを挟みこみ、接着剤によって固定されていることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の風車ブレードであって、
前記中間翼は、3次元プリンタで製造されていることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の風車ブレードであって、
前記ブレードと前記中間翼の結合部は、繊維強化樹脂でオ−バーラミネーションが施されていることを特徴とする風車ブレード。 - 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の風車ブレードであって、
前記中間翼の内部に楔状の領域を設け、この楔状の領域に、前記ブレードの根元側の前記ウェブ又は前記ブレードの先端側の前記ウェブを挿入することで、前記ブレードに予湾曲が与えられることを特徴とする風車ブレード。 - タワーと、該タワーの上部に、水平面内で回転駆動できるように設置されたナセルと、該ナセルに接続され、少なくとも1枚の風車ブレード及びハブで構成されたロータとを備えた風力発電システムであって、
前記風車ブレードは、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の風車ブレードであることを特徴とする風力発電システム。
Priority Applications (1)
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JP2019078355A JP2020176538A (ja) | 2019-04-17 | 2019-04-17 | 風車ブレード及び風力発電システム |
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Cited By (1)
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US20220268254A1 (en) * | 2021-02-24 | 2022-08-25 | Lm Wind Power A/S | Method of assembling a wind turbine blade |
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2019
- 2019-04-17 JP JP2019078355A patent/JP2020176538A/ja active Pending
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