JP2013091252A - 炭素繊維強化樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

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博之 橘
Hiroyuki Sakanaka
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Abstract

【課題】炭素繊維のロスの発生を抑制した炭素繊維強化樹脂成形品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】炭素繊維がシート状基材に固定されて構成された内部構造材11と、該内部構造材を被覆するように設けられた樹脂被覆層12と、を備えた炭素繊維強化樹脂成形品10であり、内部構造材が炭素繊維とそれ以外の繊維との複合糸で形成され、成形型のキャビティに炭素繊維がシート状基材に固定されて構成された内部構造材を配置し、該キャビティ内に未固化樹脂材料を供給する成型工程を含む炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は炭素繊維強化樹脂成形品及びその製造方法に関する。
自動車や航空機では、軽量化及びそれに伴う低燃費化を目的として、炭素繊維強化樹脂を用いることが検討されており、一部実用化もされている。
特許文献1には、自動車のプロペラシャフトを炭素繊維強化樹脂で形成することが開示されている。
特許文献2には、航空機部品を炭素繊維強化樹脂で形成することが開示されている。
特開2011−2053号公報 特開2009−143540号公報
ところで、炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法として、炭素繊維をエポキシ樹脂等で固めた板状のプリプレグを用いて予備成形を行った後、それをオートクレーブ等に入れて樹脂を硬化させる方法、或いは、炭素繊維の織布等を所定形状に裁断して金型のキャビティ内に配置し、そこに未固化樹脂材料を供給して硬化させる方法等が挙げられる。
しかしながら、プリプレグを用いた予備成形や炭素繊維の織布等の裁断では、炭素繊維のロスが大きいという問題がある。
本発明の課題は、炭素繊維のロスの発生を抑制することである。
本発明の炭素繊維強化樹脂成形品は、炭素繊維がシート状基材に固定されて構成された内部構造材と、該内部構造材を被覆するように設けられた樹脂被覆層と、を備える。
本発明の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法は、成形型のキャビティに炭素繊維がシート状基材に固定されて構成された内部構造材を配置し、該キャビティ内に未固化樹脂材料を供給するものである。
本発明によれば、炭素繊維がシート状基材に固定されて構成された内部構造材を用いるので、プリプレグを用いた予備成形や炭素繊維の織布等の裁断おいて発生するような炭素繊維のロスはなく、従って、炭素繊維のロスの発生を抑制することができる。
実施形態に係る炭素繊維強化樹脂成形品の斜視図である。 実施形態に係る炭素繊維強化樹脂成形品の横断面図である。 (a)及び(b)は炭素繊維糸のシート状基材への固定態様を示す図である。 (a)〜(d)は炭素繊維糸の配設態様を示す図である。 (a)及び(b)は実施形態に係る炭素繊維強化樹脂成形品の変形例を示す斜視図である。 (a)及び(b)は実施形態に係る炭素繊維強化樹脂成形品の別の変形例を示す斜視図である。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び2は本実施形態に係るプレート状や円柱、円筒状の炭素繊維強化樹脂成形品10の一例を示す。かかる炭素繊維強化樹脂成形品10としては、例えば、自動車部品として使われる防振ゴムの部品やプーリー、コネクターやネジやナットなどの接合部品まで、軽量化が求められるあらゆる部品が挙げられる。
本実施形態に係る炭素繊維強化樹脂成形品10は、骨格をなすように中央に配された内部構造材11が樹脂被覆層12で被覆された構成を有する。なお、内部構造材11全体が樹脂被覆層12で被覆されている必要はなく、部分的に内部構造材11が露出していてもよい。
内部構造材11は、炭素繊維強化樹脂成形品10と同様の形状に形成されており、炭素繊維がシート状基材13に固定されて構成されている。
炭素繊維をエポキシ樹脂等で固めた板状のプリプレグを用いて予備成形を行った後、それをオートクレーブ等に入れて樹脂を硬化させる炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法や炭素繊維の織布等を所定形状に裁断して金型のキャビティ内に配置し、そこに未固化樹脂材料を供給して硬化させる炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法では炭素繊維の大きなロスが発生するが、本実施形態に係る炭素繊維強化樹脂成形品10では、上記のように炭素繊維がシート状基材13に固定された内部構造材11を用いているので、これらの場合に比較して、炭素繊維のロスの発生を著しく低減することができる。
ここで、炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)であってもよく、また、ピッチ系炭素繊維であってもよく、さらに、それらが混在したものであってもよい。炭素繊維にはシランカップリング剤等による表面処理が施されていることが望ましい。炭素繊維のフィラメント径は例えば4〜20μmである。
炭素繊維は、フィラメント糸としてシート状基材13に固定されていてもよく、また、紡績糸としてシート状基材13に固定されていてもよい。炭素繊維のフィラメント糸は、撚られていてもよく、また、無撚りであってもよい。炭素繊維のフィラメント糸或いは紡績糸には、炭素繊維により巻き縫いが施されていてもよい。炭素繊維のフィラメント糸或いは紡績糸の繊度は例えば50〜2000texである。
炭素繊維は、フィラメント糸又は紡績糸とそれ以外の繊維との複合糸としてシート状基材13に固定されていてもよい。炭素繊維以外の繊維としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、PBO繊維などの合成繊維、木綿や麻などの天然繊維、ガラス繊維、鋼線などの金属繊維等が挙げられる。これらのうち、成型時に溶融して樹脂被覆層12と相溶することにより一体性が高められるという観点から、成型温度で溶融する熱可塑性樹脂繊維が好ましい。複合糸は、炭素繊維のフィラメント糸又は紡績糸の繊維束内又は外に炭素繊維以外の繊維が縦添えされた構成であってもよく、また、炭素繊維のフィラメント糸又は紡績糸に炭素繊維以外の繊維により巻き縫いされた構成であってもよく、さらに、それらが組み合わされた構成であってもよい。炭素繊維のフィラメント糸或いは紡績糸の繊維束内又は外に炭素繊維以外の繊維が縦添えされた構成では、撚りが施されていてもよく、また、無撚りであってもよい。複合糸において、炭素繊維とそれ以外の繊維との割合は、前者が後者よりも多くてもよく、また、前者が後者よりも少なくてもよく、さらに、前者と後者とが同一であってもよい。炭素繊維以外の繊維の繊度は例えば50〜30000texである。なお、かかる複合糸については、特開2010−121250号公報に開示されている。
炭素繊維は、フィラメント糸或いは紡績糸が複数本集められて組紐状に構成された編糸としてシート状基材13に固定されていてもよい。
シート状基材13としては、例えば、ポリエチレン樹脂シート、ポリプロピレン樹脂シートなどの熱可塑性樹脂シート;ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、PBO繊維などの合成繊維で形成された織布や編物や不織布等が挙げられる。これらのうち、成型時に溶融して樹脂被覆層12と相溶することにより一体性が高められるという観点から、例えば、融点が130℃以下のポリエチレン樹脂シートなどの熱可塑性樹脂シートやポリエチレン繊維などの熱可塑性樹脂繊維で形成された織布や編物や不織布が好ましい。シート状基材13の厚さは例えば0.1〜10mmである。
内部構造材11は、図3(a)に示すように、炭素繊維のフィラメント糸、紡績糸、複合糸、或いは編糸(以下「炭素繊維糸T」という。)自体によりシート基材13が縫われ、炭素繊維によりシート状基材13に刺繍が施された構成であってもよい。また、内部構造材11は、図3(b)に示すように、炭素繊維糸Tがシート状基材13に細い炭素繊維糸等からなる縫付糸14により縫い付けられて刺繍が施された構成であってもよい。かかる内部構造材11は、具体的には、例えば、シート状基材13に炭素繊維糸Tを押さえ付けながら置いて並べ、それらを瞬時に縫付糸14で縫って炭素繊維糸Tをシート状基材13に位置固定して刺繍する方法で得ることができ、工業用のロックミシンを用いて作製することができる。これらの場合において、炭素繊維の折損を抑制する観点から、炭素繊維糸Tの折り返し間距離は1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましく、5mm以上であることがさらに好ましい。
炭素繊維糸Tの配設態様としては、特に限定されるものではなく、図4(a)に示すように、炭素繊維糸Tが一方向に配向するように設けられていてもよく、図4(b)に示すように、炭素繊維糸Tが放射状に延びるように設けられていてもよく、図4(c)に示すように、炭素繊維糸Tが中心から外向きに渦巻き状に設けられていてもよく、図4(d)に示すように、炭素繊維糸Tが中心から外向きに同心状に設けられていてもよい。
炭素繊維強化樹脂成形品10に含まれる炭素繊維の最大長さは、炭素繊維強化樹脂成形品10の高い補強効果が得られるという観点から1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましく、5mm以上であることがさらに好ましい。炭素繊維強化樹脂成形品10に含まれる内部構造材11を形成する炭素繊維の含有量は、炭素繊維強化樹脂成形品10の高い補強効果が得られるという観点から15〜95体積%であることが好ましく、25〜80体積%であることがより好ましく、30〜75体積%であることがさらに好ましい。
炭素繊維強化樹脂成形品10には、単一の内部構造材11が埋設されていてもよく、また、複数の内部構造材11が積層されて埋設されていてもよい。また、炭素繊維強化樹脂成形品10には、内部構造材11に加えて、金属補強材が埋設されていてもよい。
樹脂被覆層12は、マトリクス樹脂に樹脂配合剤が配合された樹脂組成物で形成されている。樹脂被覆層12の層厚さは例えば0.8〜1.5mmである。
樹脂被覆層12を形成する樹脂組成物のマトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよく、また、熱可塑性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。マトリクス樹脂は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。マトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂のみで構成されていてもよく、また、熱可塑性樹脂のみで構成されていてもよく、さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とがブレンドされたものであってもよい。マトリクス樹脂は、その他にゴム成分等を含んでいてもよい。
樹脂被覆層12は、マトリクス樹脂に炭素短繊維が配合された炭素短繊維補強樹脂組成物で形成されていてもよい。炭素短繊維は、ポリアクリロニトリル系炭素短繊維(PAN系炭素短繊維)であってもよく、また、ピッチ系炭素短繊維であってもよく、さらに、それらが混在したものであってもよい。炭素短繊維のマトリクス樹脂100質量部に対する配合量は例えば10〜40質量部である。樹脂被覆層12に含まれる炭素短繊維の長さは例えば平均で50〜150μmである。
樹脂被覆層12を形成する樹脂組成物には、その他、パラアラミド短繊維、グラファイト粉末等が配合されていてもよい。パラアラミド短繊維は、例えば、繊維長が1〜3mmであり、マトリクス樹脂100質量部に対する配合量が2〜5質量部である。グラファイト粉末は、例えば、粒径が5〜10μmであり、マトリクス樹脂100質量部に対する配合量が15〜20質量部である。
以上の構成の本実施形態に係る炭素繊維強化樹脂成形品10によれば、炭素繊維がシート状基材13に固定されて構成された内部構造材11を用いているので、上述した通り、プリプレグを用いた予備成形や炭素繊維の織布等の裁断おいて発生するような炭素繊維のロスはなく、従って、炭素繊維のロスの発生を抑制することができる。
また、プリプレグや炭素繊維の織布等を用いて製造される自動車部品や航空機部品等の大型で且つ単純な形状の炭素繊維強化樹脂成形品の場合、炭素繊維のロス率自体は高くならないが、小型で且つ複雑な形状の炭素繊維強化樹脂成形品の場合、炭素繊維のロス率自体が高く、しかもそれを大量に製造する場合には、炭素繊維のロス量もロス率の著しく高いものとなる。しかしながら、本実施形態に係る炭素繊維強化樹脂成形品10によれば、所望の形状に形成したシート状基材13に炭素繊維を固定して内部構造材11を構成するので、小型で且つ複雑な形状を有する場合に特に好適である。具体的には、炭素繊維強化樹脂成形品10の最大外径が300mm以下の場合に好適であり、100mm以下の場合により好適であり、50mm以下の場合にさらに好適である。
さらに、プリプレグを用いた予備成形や炭素繊維の織布等の裁断では、成形品に大きな孔が形成されている場合に特に炭素繊維のロスが大きくなる。しかしながら、本実施形態に係る炭素繊維強化樹脂成形品10によれば、炭素繊維のロスが低減されるので、炭素繊維強化樹脂成形品10に孔が形成されている場合に特に好適である。具体的には、炭素繊維強化樹脂成形品10に最大内径が15mm以上の孔が形成されている場合に好適であり、50mm以上の孔が形成されている場合により好適であり、100mm以上の孔が形成されている場合にさらに好適である。
また、金属補強材等を用いた場合に比べて軽量化が図られるが、具体的には、炭素繊維強化樹脂成形品10の密度が1.5〜2.2g/cm3まで軽量化されることが好ましく、1.5〜1.8g/cm3まで軽量化されることがより好ましく、1.4〜1.6g/cm3まで軽量化されることがさらに好ましい。
本実施形態に係る炭素繊維強化樹脂成形品10を製造する際は、樹脂成型機の金型のキャビティ内に内部構造材11を配置して型締めした後、キャビティ内に樹脂被覆層12を形成する未固化樹脂材料を供給する(成型工程)。
ここで、内部構造材11を形成する炭素繊維間への未固化樹脂材料の含浸を高める観点からは、未固化樹脂材料の粘度はより低いことが好ましく、この点については成型温度等の成型加工条件の設定により制御することができる。
また、この成型工程は、射出成形で行うことも可能であるが、上記と同様の理由から、低粘度の未固化樹脂材料を用いるRIM(Reaction Injection Molding)成形又はRTM(Resin Transfer Molding)成形で行うことが好ましい。さらに、炭素繊維強化樹脂成形品10内におけるボイドの発生を抑制することを考慮すれば、VaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)成形で行うことが好ましい。
また、内部構造材11が炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維との複合糸で形成されている場合には、熱により炭素繊維の周りの熱可塑性樹脂繊維が溶融して炭素繊維に含浸することから、このブロック成型工程はプレス成形でも行うことができる。
金型を冷却した後は、型開きして炭素繊維強化樹脂成形品10を取り出す。なお、マトリクス樹脂が熱硬化性樹脂の場合、その後、炭素繊維強化樹脂成形品10にアニール処理等することにより樹脂被覆層12を十分に硬化させてもよい。アニール温度は例えば190〜195℃であり、アニール時間は例えば2〜4時間である。
以上の本実施形態では、プレート状の炭素繊維強化樹脂成形品10としたが、特にこれに限定されるものではなく、図5(a)及び(b)に示すような中実又は中空の柱状のものであってもよい。中実柱状の炭素繊維強化樹脂成形品10の場合、シート状基材13を巻くことにより内部構造材11を構成することができる。また、内部構造材11を複数積層してもよい。中空柱状の炭素繊維強化樹脂成形品10の場合、シート状基材13の両側端をジョイントすることにより内部構造材11を構成することができる。かかる柱状の炭素繊維強化樹脂成形品10としては、例えば、窓枠、鋼管、等が挙げられる。
また、図6(a)及び(b)に示すような筒状のものであってもよい。筒状の炭素繊維強化樹脂成形品10の場合、シート状基材13の両側端をジョイントすることにより内部構造材11を構成することができる。筒状の炭素繊維強化樹脂成形品10は、一方の開口が封じられた有底のものであってもよい。
さらに、複雑な形状の炭素繊維強化樹脂成形品10として、例えば、B型、E型、H型、L型、O型、S型、T型、U型、X型、Y型、Z型などのアルファベット形状のものや円形や菱形のくり抜きが行われたものの他、その他の不定形のもの等が挙げられる。かかる炭素繊維強化樹脂成形品10としては、例えば、各種支持体、Oリング、等が挙げられる。
なお、本実施形態に係る炭素繊維強化樹脂成形品10による炭素繊維のロス低減効果は、内部構造材を炭素繊維糸で形成された三次元織物で構成しても得ることができる。
(炭素繊維強化樹脂成形品)
実施例1〜5及び比較例1のそれぞれについて、炭素繊維強化樹脂成形品の試験片を成型した。それぞれの構成は表1にも示す。
<実施例1>
JIS K7203に基づく曲げ試験で用いる試験片及びJIS K 7110に基づくアイゾット衝撃試験で用いる試験片のそれぞれの形状のシート状基材として200μmのポリエチレンシートを準備し、それに炭素繊維のフィラメント糸(7μ×3000本 200tex)により縫い目長さを2mmとして刺繍を施して内部構造材を構成した。なお、刺繍は、炭素繊維の紡績糸が試験片の長さ方向に延びるように行った。
各内部構造材を樹脂成型機の金型のキャビティ内に配置して型締めした後、RTM成形により、キャビティ内に粘度が15Pa・sの未固化樹脂材料(エポキシ樹脂)を供給して炭素繊維強化樹脂成形品の試験片を成型した。得られた試験片を実施例1とした。実施例1の試験片の炭素繊維の体積割合は32%であった。
<実施例2>
炭素繊維のフィラメント糸の代わりに、炭素繊維のフィラメント糸とポリプロピレン繊維のフィラメント糸とを1:1の割合で引き揃え、それらをポリプロピレン繊維により巻き縫いした複合糸(実施例1の炭素繊維のフィラメント糸と同一太さ)を用いたことを除いて実施例1と同様に曲げ試験用試験片及びアイゾット衝撃試験用試験片を成型し、それらの試験片を実施例2とした。実施例2の試験片の炭素繊維の体積割合は32%であった。
<実施例3>
複合糸による縫い目長さを4mmとした内部構造材を用いたことを除いて実施例2と同様に曲げ試験用試験片及びアイゾット衝撃試験用試験片を成型し、それらの試験片を実施例3とした。実施例3の試験片の炭素繊維の体積割合は32%であった。
<実施例4>
RIM成形により成型を行ったことを除いて実施例3と同様に曲げ試験用試験片及びアイゾット衝撃試験用試験片を成型し、それらの試験片を実施例4とした。実施例4の試験片の炭素繊維の体積割合は32%であった。
<実施例5>
シート状基材への複合糸の固定量を2倍としたことを除いて実施例3と同様に曲げ試験用試験片及びアイゾット衝撃試験用試験片を成型し、それらの試験片を実施例5とした。実施例5の試験片の炭素繊維の体積割合は64%であった。
<比較例1>
内部構造材を用いず、未固化樹脂材料として、マトリックス樹脂であるフェノール樹脂(フェノールアラルキル樹脂50質量%及びノボラックフェノール樹脂50質量%)100質量部に対し、PAN系炭素短繊維72.5質量部、グラファイト粉末17.5質量部、パラアラミド短繊維2.8質量部、及び硬化剤のヘキサミン15質量部を配合して混練したものを用いたことを除いて実施例1と同様に曲げ試験用試験片及びアイゾット衝撃試験用試験片を成型し、それらの試験片を比較例1とした。比較例1の試験片の炭素繊維の体積割合は31%であった。
Figure 2013091252
(試験評価方法)
<曲げ弾性率>
実施例1〜5及び比較例1のそれぞれについて、JIS K 7203に基づいて曲げ試験を実施した。そして、荷重−たわみ曲線から曲げ弾性率を求めた。なお、試行を4回(n=1〜4)行い、その平均値を求めた。
<アイゾット衝撃値>
実施例1〜5及び比較例1のそれぞれについて、JIS K 7110に基づいてアイゾット衝撃試験を実施した。そして、測定結果から求めた吸収エネルギーに基づいてアイゾット衝撃値を算出した。
(試験評価結果)
表2は試験結果を示す。
Figure 2013091252
曲げ弾性率は、実施例1が26375MPa(n1=18000MPa、n2=29000MPa、n3=26000MPa、n4=32500MPa)、実施例2が32675MPa(n1=31900MPa、n2=33200MPa、n3=32600MPa、n4=33000MPa)、実施例3が38675MPa(n1=38200MPa、n2=40500MPa、n3=37900MPa、n4=38100MPa)、実施例4が39000MPa(n1=39800MPa、n2=37600MPa、n3=40300MPa、n4=38300MPa)、実施例5が59750MPa(n1=59500MPa、n2=61000MPa、n3=58300MPa、n4=60200MPa)、及び比較例1が20900MPa(n1=21000MPa、n2=20700MPa、n3=21050MPa、n4=20850MPa)であった。
アイゾット衝撃値は、実施例1が28kJ/m2、実施例2が34kJ/m2、実施例3が48kJ/m2、実施例4が48kJ/m2、実施例5が59kJ/m2、及び比較例1が2.7kJ/m2であった。
本発明は炭素繊維強化樹脂成形品及びその製造方法について有用である。
T 炭素繊維糸
10 炭素繊維強化樹脂成形品
11 内部構造材
12 樹脂被覆層
13 シート状基材
14 縫付糸

Claims (9)

  1. 炭素繊維がシート状基材に固定されて構成された内部構造材と、該内部構造材を被覆するように設けられた樹脂被覆層と、を備えた炭素繊維強化樹脂成形品。
  2. 請求項1に記載された炭素繊維強化樹脂成形品において、
    上記内部構造材が炭素繊維とそれ以外の繊維との複合糸で形成されている炭素繊維強化樹脂成形品。
  3. 請求項1又は2に記載された炭素繊維強化樹脂成形品において、
    上記内部構造材が炭素繊維のフィラメント糸又は紡績糸で形成されている炭素繊維強化樹脂成形品。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された炭素繊維強化樹脂成形品において、
    上記内部構造材は、炭素繊維によりシート状基材に刺繍が施されて構成されている炭素繊維強化樹脂成形品。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された炭素繊維強化樹脂成形品において、
    炭素繊維の最大長さが1mm以上である炭素繊維強化樹脂成形品。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された炭素繊維強化樹脂成形品において、
    成形品に含まれる上記内部構造材を形成する炭素繊維の含有量が15〜95体積%である炭素繊維強化樹脂成形品。
  7. 成形型のキャビティに炭素繊維がシート状基材に固定されて構成された内部構造材を配置し、該キャビティ内に未固化樹脂材料を供給する成型工程を含む炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  8. 請求項7に記載された炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法において、
    上記成型工程をRIM成形、RTM成形、又はVaRTM成形で行う炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  9. 請求項7に記載された炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法において、
    内部構造材が炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維との複合糸で形成されており、
    上記ブロック成型工程をプレス成形で行う炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
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