JP2586457B2 - 電動流体機械 - Google Patents
電動流体機械Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は冷凍機用圧縮機、気体圧縮機、排気ポンプ
などの電動流体機械に関するものである。
などの電動流体機械に関するものである。
従来の技術 第３図は従来例で、枠体部分を簡単な構造で、小径の
ものにし、電動機を直接密閉容器に固定して構成してい
る。この潤滑油ポンプは遠心式のものである。
ものにし、電動機を直接密閉容器に固定して構成してい
る。この潤滑油ポンプは遠心式のものである。
最近の冷凍用電動圧縮機のようにその回転速度を低速
から高速まで大幅に変化させるものや小径の駆動軸を用
いるものでは、遠心式のポンプでは必要な給油圧力が確
実に確保できない運転領域がある。
から高速まで大幅に変化させるものや小径の駆動軸を用
いるものでは、遠心式のポンプでは必要な給油圧力が確
実に確保できない運転領域がある。
以下第３図従来例を詳細に説明する。
密閉容器１の内部に電動機の固定子２と回転子３を配
設し、電動機の上方にスクロール式の圧縮機構４を配
し、その駆動軸のクランク軸５は回転子３に結合されて
いる。圧縮しようとする冷媒は吸入管６から密閉容器１
に入り、吸入口７から圧縮機構４に吸入される。８は固
定渦巻羽根部品で、９はその渦巻羽根、10はその鏡板で
ある。11は旋回渦巻羽根部品で、12、13はそれぞれその
渦巻羽根と鏡板である。渦巻羽根９と12は互に噛み合
い、外周から中心に向って移動しながらその容積を縮小
して圧縮作用をする圧縮室14を構成する。固定渦巻羽根
部品８の中心部の吐出口15から出た圧縮冷媒は圧縮機構
枠体部品16の吐出室17から圧縮機吐出管18に導かれる。
圧縮室14の圧力によって旋回渦巻羽根部品11から圧縮室
14の反対側に押しつけられる力は軸受部品19に固定した
スラスト軸受20で支承する。クランク軸５の第１主軸2
1、第２主軸22は軸受部品19に支承されている。第１主
軸21の内側に、主軸の中心から偏心して旋回駆動軸受23
を設け、この旋回駆動軸23に旋回渦巻羽根部品11の鏡板
13に設けた旋回駆動軸24を嵌合させる。スラスト軸受20
の外周に、旋回渦巻羽根部品11の自転を拘束するための
自転拘束部品25が配置されている。この自転拘束部品25
は、円形の環状体26の両面にキー27を設けた構造であ
る。
設し、電動機の上方にスクロール式の圧縮機構４を配
し、その駆動軸のクランク軸５は回転子３に結合されて
いる。圧縮しようとする冷媒は吸入管６から密閉容器１
に入り、吸入口７から圧縮機構４に吸入される。８は固
定渦巻羽根部品で、９はその渦巻羽根、10はその鏡板で
ある。11は旋回渦巻羽根部品で、12、13はそれぞれその
渦巻羽根と鏡板である。渦巻羽根９と12は互に噛み合
い、外周から中心に向って移動しながらその容積を縮小
して圧縮作用をする圧縮室14を構成する。固定渦巻羽根
部品８の中心部の吐出口15から出た圧縮冷媒は圧縮機構
枠体部品16の吐出室17から圧縮機吐出管18に導かれる。
圧縮室14の圧力によって旋回渦巻羽根部品11から圧縮室
14の反対側に押しつけられる力は軸受部品19に固定した
スラスト軸受20で支承する。クランク軸５の第１主軸2
1、第２主軸22は軸受部品19に支承されている。第１主
軸21の内側に、主軸の中心から偏心して旋回駆動軸受23
を設け、この旋回駆動軸23に旋回渦巻羽根部品11の鏡板
13に設けた旋回駆動軸24を嵌合させる。スラスト軸受20
の外周に、旋回渦巻羽根部品11の自転を拘束するための
自転拘束部品25が配置されている。この自転拘束部品25
は、円形の環状体26の両面にキー27を設けた構造であ
る。
密閉容器１の下部に潤滑油溜め28が設れられ、クラン
ク軸５先端には遠心式の油ポンプが配置され、その給油
口29がこの潤滑油溜め28の中に開口している。この潤滑
油溜め28から給油口29に入った潤滑油は遠心ポンプケー
ス30の中で回転の遠心力により給油圧力が発生し、クラ
ンク軸５に偏心して設けられた給油孔31から副軸受22の
給油溝32、貫通油孔33を経て旋回駆動軸23に設けた油溝
を通り、スラスト軸受20に設けた油溝35を経て、第一主
軸21に設けた油溝を通り、軸受部品19に設けた潤滑油排
出口36から排出される。
ク軸５先端には遠心式の油ポンプが配置され、その給油
口29がこの潤滑油溜め28の中に開口している。この潤滑
油溜め28から給油口29に入った潤滑油は遠心ポンプケー
ス30の中で回転の遠心力により給油圧力が発生し、クラ
ンク軸５に偏心して設けられた給油孔31から副軸受22の
給油溝32、貫通油孔33を経て旋回駆動軸23に設けた油溝
を通り、スラスト軸受20に設けた油溝35を経て、第一主
軸21に設けた油溝を通り、軸受部品19に設けた潤滑油排
出口36から排出される。
電動機の電力は密閉容器の胴部分である容器胴37の電
動機の固定子２の上方に設けた絶縁密封端子38を通じて
供給される。
動機の固定子２の上方に設けた絶縁密封端子38を通じて
供給される。
この圧縮機の組立は、固定子２を、絶縁密封端子38と
の干渉を避けて、この容器胴37の下方から挿入する。
の干渉を避けて、この容器胴37の下方から挿入する。
密閉型の縦型圧縮機の場合、その底部に潤滑油溜め28
を設け、クランク軸５端部が潤滑油面に挿入可能である
ため、上記の遠心式の油ポンプがもっとも、容易に構成
できる油ポンプである。遠心式ポンプケース30および偏
心して設けられた油連通孔31によって、潤滑油に給油圧
力が発生する。その潤滑油の圧力水頭hoは給油口29の半
径をr1とし軸22の油連通孔31と外方半径をr2としクラン
ク軸の回転角速度をωとし、重力の加速度をｇとすれ
ば、 ho＝（r2 2−r1 2）×ω2/2g となる。
を設け、クランク軸５端部が潤滑油面に挿入可能である
ため、上記の遠心式の油ポンプがもっとも、容易に構成
できる油ポンプである。遠心式ポンプケース30および偏
心して設けられた油連通孔31によって、潤滑油に給油圧
力が発生する。その潤滑油の圧力水頭hoは給油口29の半
径をr1とし軸22の油連通孔31と外方半径をr2としクラン
ク軸の回転角速度をωとし、重力の加速度をｇとすれ
ば、 ho＝（r2 2−r1 2）×ω2/2g となる。
発明が解決しようとする課題 上記の式で解るように、遠心式の油ポンプでは、クラ
ンク軸の回転速度が低いと給油圧力も低くなる。特に、
機構部が上方に、電動機を下方に配し、底部に溜めた潤
滑油を上部の機構部に持ち上げる為には大きな潤滑油の
圧力水頭が必要となり、回転数可変の電動機で駆動する
圧縮機では低い回転数で運転できる範囲が狭められてし
まうという課題があった。さらに、冷凍圧縮機の場合
は、運転条件が急変すると潤滑油に溶けていた気体が蒸
発し、遠心ポンプの給油圧力が低下し、機構部まで潤滑
油が到達できないという課題があった。
ンク軸の回転速度が低いと給油圧力も低くなる。特に、
機構部が上方に、電動機を下方に配し、底部に溜めた潤
滑油を上部の機構部に持ち上げる為には大きな潤滑油の
圧力水頭が必要となり、回転数可変の電動機で駆動する
圧縮機では低い回転数で運転できる範囲が狭められてし
まうという課題があった。さらに、冷凍圧縮機の場合
は、運転条件が急変すると潤滑油に溶けていた気体が蒸
発し、遠心ポンプの給油圧力が低下し、機構部まで潤滑
油が到達できないという課題があった。
この課題を解決するために、油ポンプの形式を遠心式
ポンプに変えて容積型ポンプに変える方法も考えられ
る。容積型のポンプとしては実開昭55−62881号公報、
特開昭59−60092号公報に示されるようなトロコイド型
のポンプが考えられるが、このタイプのポンプは一般に
トロコイドの内歯車をクランク軸で駆動し、外歯車との
間にできる空間の変化により、油を圧送するもので、固
定された枠体とその内部で回転するトロコイド対が必要
となる。このような形式のポンプを上で述べた従来の圧
縮機の取り付けようとする電動機の下部のクランク軸端
部に付近に固定部分がないため、ポンプの枠体を取り付
けるためにわざわざ密閉容器や電動機に固定するブラケ
ット等が必要となり、さらに、クランク軸でポンプを駆
動するにはポンプの中心と圧縮機構の軸受の中心を精密
に芯合わせすることが必要となる。特に電動機を密閉容
器に固定している場合は密閉容器が電動機の圧入等で変
形するため駆動軸とポンプ中心を合わせる芯合わせは非
常に困難な作業となる。本発明はこのような課題を解決
するためなされたもので、構造、取りつけ性が容易な容
積型の油ポンプを提供することにより、安価で、しかも
広い回転数で確実に摺動部分に潤滑油が供給できる信頼
性の高い流体機械を提供することにある。
ポンプに変えて容積型ポンプに変える方法も考えられ
る。容積型のポンプとしては実開昭55−62881号公報、
特開昭59−60092号公報に示されるようなトロコイド型
のポンプが考えられるが、このタイプのポンプは一般に
トロコイドの内歯車をクランク軸で駆動し、外歯車との
間にできる空間の変化により、油を圧送するもので、固
定された枠体とその内部で回転するトロコイド対が必要
となる。このような形式のポンプを上で述べた従来の圧
縮機の取り付けようとする電動機の下部のクランク軸端
部に付近に固定部分がないため、ポンプの枠体を取り付
けるためにわざわざ密閉容器や電動機に固定するブラケ
ット等が必要となり、さらに、クランク軸でポンプを駆
動するにはポンプの中心と圧縮機構の軸受の中心を精密
に芯合わせすることが必要となる。特に電動機を密閉容
器に固定している場合は密閉容器が電動機の圧入等で変
形するため駆動軸とポンプ中心を合わせる芯合わせは非
常に困難な作業となる。本発明はこのような課題を解決
するためなされたもので、構造、取りつけ性が容易な容
積型の油ポンプを提供することにより、安価で、しかも
広い回転数で確実に摺動部分に潤滑油が供給できる信頼
性の高い流体機械を提供することにある。
課題を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の技術的な手段
は、密閉容器の上方に当該流体機械の機構部を設け、下
方にこれを回転駆動する電動機を配設し、前記機構部の
駆動軸に前記電動機の回転子を結合し、前記電動機の下
方に前記機構部に供給する潤滑油を貯留する潤滑油溜め
を設け、前記駆動軸の下端に容積型の潤滑油ポンプを設
け、前記潤滑油ポンプのポンプ枠体を前記駆動軸の下端
に結合し、前記潤滑油ポンプの吐出口を前記駆動軸に設
けた給油孔に連通させ、前記ポンプ枠体の内部に容積型
の回転ポンプ本体を配設し、前記ポンプ本体にこの回転
を阻止するポンプ固定軸を係合し、前記ポンプ固定軸を
前記潤滑油溜めの中に延長すると共にその中心に潤滑油
吸入孔を設けて前記潤滑油溜と前記ポンプ枠体の吸い込
み側とを連通させ、前記ポンプ固定軸に係合してこのポ
ンプ固定軸の回転を阻止するポンプ軸回転阻止部材を前
記密閉容器または前記電動機の固定子に取り付けたもの
である。
は、密閉容器の上方に当該流体機械の機構部を設け、下
方にこれを回転駆動する電動機を配設し、前記機構部の
駆動軸に前記電動機の回転子を結合し、前記電動機の下
方に前記機構部に供給する潤滑油を貯留する潤滑油溜め
を設け、前記駆動軸の下端に容積型の潤滑油ポンプを設
け、前記潤滑油ポンプのポンプ枠体を前記駆動軸の下端
に結合し、前記潤滑油ポンプの吐出口を前記駆動軸に設
けた給油孔に連通させ、前記ポンプ枠体の内部に容積型
の回転ポンプ本体を配設し、前記ポンプ本体にこの回転
を阻止するポンプ固定軸を係合し、前記ポンプ固定軸を
前記潤滑油溜めの中に延長すると共にその中心に潤滑油
吸入孔を設けて前記潤滑油溜と前記ポンプ枠体の吸い込
み側とを連通させ、前記ポンプ固定軸に係合してこのポ
ンプ固定軸の回転を阻止するポンプ軸回転阻止部材を前
記密閉容器または前記電動機の固定子に取り付けたもの
である。
作用 上方に流体機械の機構部を設け、下方にこれを回転駆
動する電動機を配設し、前記機構部の駆動軸に前記電動
機の回転子を結合し、前記電動機に係合した駆動軸の下
端に容積型の潤滑油ポンプを設ける。この容積型の潤滑
油ポンプの特注により、低い回転数で運転しても、底部
のポンプから上部の機構部まで上がるのに十分なポンプ
の圧力水頭が得られる。さらに潤滑油に含まれる気体が
発泡しても、十分なポンプの圧力水頭が得られ上部の機
構部へ確実に潤滑油を供給できる。さらに、この容積型
油ポンプの構成を従来とは逆に、ポンプ枠体を駆動軸と
一緒に回転する構造とし、逆に回転ポンプ本体をポンプ
固定軸により、固定することにより、ポンプの枠体を取
り付けるためにわざわざ密閉容器や電動機に固定するブ
ラケット等を必要とせず、精密な芯合わせも必要としな
いので、構造、取りつけを容易にすることができる。
動する電動機を配設し、前記機構部の駆動軸に前記電動
機の回転子を結合し、前記電動機に係合した駆動軸の下
端に容積型の潤滑油ポンプを設ける。この容積型の潤滑
油ポンプの特注により、低い回転数で運転しても、底部
のポンプから上部の機構部まで上がるのに十分なポンプ
の圧力水頭が得られる。さらに潤滑油に含まれる気体が
発泡しても、十分なポンプの圧力水頭が得られ上部の機
構部へ確実に潤滑油を供給できる。さらに、この容積型
油ポンプの構成を従来とは逆に、ポンプ枠体を駆動軸と
一緒に回転する構造とし、逆に回転ポンプ本体をポンプ
固定軸により、固定することにより、ポンプの枠体を取
り付けるためにわざわざ密閉容器や電動機に固定するブ
ラケット等を必要とせず、精密な芯合わせも必要としな
いので、構造、取りつけを容易にすることができる。
実施例 第１図は本発明の一実施例で、第２図はこの実施例の
潤滑油ポンプ部分の詳細である。以下第３図と同じ部品
については同一の番号を付して説明を省略し、従来例と
異なる部分について説明する。
潤滑油ポンプ部分の詳細である。以下第３図と同じ部品
については同一の番号を付して説明を省略し、従来例と
異なる部分について説明する。
本実施例は前記第３図の従来例の遠心ポンプケース30
に代えて潤滑油ポンプ30aとして容積型回転式ポンプを
用いている。第２図により、本発明の容積型油ポンプの
構成を詳しく述べる。43は油ポンプ枠体で内部に、第２
図に示すような内歯車と外歯車からなるトロコイド歯車
対39を収納する部屋が規定量偏芯して設けられている。
油ポンプ枠体43の上部は開口し、駆動軸であるクランク
軸５が挿入され、挿入部分には側面からピン51が打たれ
油ポンプ枠体43はクランク軸５と一緒に回転するよう固
定されている。クランク軸５の下端には油吐出溝板42が
配され、トロコイド内歯車40とトロコイド外歯車41とか
らなるトロコイド歯車対39を油ポンプ枠体43との間に内
蔵している。油吐出溝板42にはトロコイドポンプの吐出
口である油吐出口44があり、この油吐出口44はクランク
軸５にあけられた給油孔31とつながっている。油ポンプ
枠体の下端も開口しており、ここにはポンプ固定軸45が
挿入されている。油ポンプ枠体43とポンプ固定軸45は相
対運動が可能で下端開口部は軸受構成46となっている。
ポンプ固定軸45の油ポンプ枠体43側の端部にはトロコイ
ド内歯車40が取付けられ、他端は潤滑油溜め28の中に挿
入されている。ポンプ固定軸45の中心には潤滑油吸入孔
47が設けられ、潤滑油溜め28とポンプ枠体の吸入側を結
ぶ吸入通路を構成されている。このポンプ固定軸45の下
端に切欠き溝48が設けられ、これに容器胴37の鏡板49に
固定したポンプ軸回転阻止部材50が挿入され、隙間をも
って係合させている。
に代えて潤滑油ポンプ30aとして容積型回転式ポンプを
用いている。第２図により、本発明の容積型油ポンプの
構成を詳しく述べる。43は油ポンプ枠体で内部に、第２
図に示すような内歯車と外歯車からなるトロコイド歯車
対39を収納する部屋が規定量偏芯して設けられている。
油ポンプ枠体43の上部は開口し、駆動軸であるクランク
軸５が挿入され、挿入部分には側面からピン51が打たれ
油ポンプ枠体43はクランク軸５と一緒に回転するよう固
定されている。クランク軸５の下端には油吐出溝板42が
配され、トロコイド内歯車40とトロコイド外歯車41とか
らなるトロコイド歯車対39を油ポンプ枠体43との間に内
蔵している。油吐出溝板42にはトロコイドポンプの吐出
口である油吐出口44があり、この油吐出口44はクランク
軸５にあけられた給油孔31とつながっている。油ポンプ
枠体の下端も開口しており、ここにはポンプ固定軸45が
挿入されている。油ポンプ枠体43とポンプ固定軸45は相
対運動が可能で下端開口部は軸受構成46となっている。
ポンプ固定軸45の油ポンプ枠体43側の端部にはトロコイ
ド内歯車40が取付けられ、他端は潤滑油溜め28の中に挿
入されている。ポンプ固定軸45の中心には潤滑油吸入孔
47が設けられ、潤滑油溜め28とポンプ枠体の吸入側を結
ぶ吸入通路を構成されている。このポンプ固定軸45の下
端に切欠き溝48が設けられ、これに容器胴37の鏡板49に
固定したポンプ軸回転阻止部材50が挿入され、隙間をも
って係合させている。
電動機の回転子３が回転すると駆動軸５が回転し、そ
の軸端に固定された油ポンプ枠体43も一緒に回転する。
一方、ポンプ固定軸45はポンプ軸回転阻止部材50を介し
て固定されているので、これに連結している油ポンプ枠
体43の中のトロコイドポンプの内歯車40も固定されて動
かない。このような状態で、偏芯したポンプ室に収納さ
れたトロコイド外歯車41は内歯車40に対して相対運動を
してポンプ作用を発揮する。そのポンプ作用により潤滑
油溜め28の潤滑油がポンプ固定軸45の中に開いた潤滑油
吸入孔47から吸い込まれ、油ポンプ本体の上部に開いた
油吐出口44からクランク軸５の給油孔31に吐き出され
る。トロコイドポンプは回転数が低い場合でも、高いポ
ンプ圧力水頭がとれるので吐き出された潤滑油は上部の
スクロール機構部に確実に到達できる。また、回転数が
変化して、圧縮機内部の圧力が急変し、潤滑油溜め28内
にとけ込んだ冷媒が発泡して、ポンプ内部に入り込んで
も、遠心式のポンプのように流体と密度にポンプ圧力水
頭が関係することはないので、潤滑油は上部のスクロー
ル機構部に確実に到達できる。
の軸端に固定された油ポンプ枠体43も一緒に回転する。
一方、ポンプ固定軸45はポンプ軸回転阻止部材50を介し
て固定されているので、これに連結している油ポンプ枠
体43の中のトロコイドポンプの内歯車40も固定されて動
かない。このような状態で、偏芯したポンプ室に収納さ
れたトロコイド外歯車41は内歯車40に対して相対運動を
してポンプ作用を発揮する。そのポンプ作用により潤滑
油溜め28の潤滑油がポンプ固定軸45の中に開いた潤滑油
吸入孔47から吸い込まれ、油ポンプ本体の上部に開いた
油吐出口44からクランク軸５の給油孔31に吐き出され
る。トロコイドポンプは回転数が低い場合でも、高いポ
ンプ圧力水頭がとれるので吐き出された潤滑油は上部の
スクロール機構部に確実に到達できる。また、回転数が
変化して、圧縮機内部の圧力が急変し、潤滑油溜め28内
にとけ込んだ冷媒が発泡して、ポンプ内部に入り込んで
も、遠心式のポンプのように流体と密度にポンプ圧力水
頭が関係することはないので、潤滑油は上部のスクロー
ル機構部に確実に到達できる。
次に、この油ポンプの組立方法を第１図及び第２図で
説明する。圧縮機構部４からでたクランク軸５に電動機
回転子３を焼きバメしたものに、第１図とは逆さまに置
き、電動機固定子２を焼きバメした密閉容器をかぶせ、
圧縮機構部４と密閉容器１を固定溶接する。次に、クラ
ンク軸５の先端にポンプ固定軸45とトロコイド歯車対3
9、油吐出板42を順次収納した油ポンプ枠体43をかぶ
せ、ピン51を打って油ポンプ枠体43をクランク軸５に固
定する。次に、Ｌ字型ポンプ軸回転阻止部材50を中央に
溶接固定した密閉容器の鏡板49を挿入し、容器を溶接す
る。この時、Ｌ字型ポンプ軸回転阻止部材50がポンプ固
定軸45の先端の切り欠き溝48に同時に挿入される。切り
欠き溝48とポンプ軸回転阻止部材50に隙間があるので、
挿入が容易である。この隙間によりポンプ固定軸45はク
ランク軸と自動調芯される。これにより、ポンプの枠体
を取り付けるためにわざわざ密閉容器や電動機に固定す
るブラケット等を必要とぜず、さらに、ポンプと駆動軸
の芯合わせの必要もない、簡単な油ポンプ構造で容積型
ポンプが構成でき、しかも組立取りつけが容易であり、
安価な電動流体機械を提供できる等の効果を持つ。
説明する。圧縮機構部４からでたクランク軸５に電動機
回転子３を焼きバメしたものに、第１図とは逆さまに置
き、電動機固定子２を焼きバメした密閉容器をかぶせ、
圧縮機構部４と密閉容器１を固定溶接する。次に、クラ
ンク軸５の先端にポンプ固定軸45とトロコイド歯車対3
9、油吐出板42を順次収納した油ポンプ枠体43をかぶ
せ、ピン51を打って油ポンプ枠体43をクランク軸５に固
定する。次に、Ｌ字型ポンプ軸回転阻止部材50を中央に
溶接固定した密閉容器の鏡板49を挿入し、容器を溶接す
る。この時、Ｌ字型ポンプ軸回転阻止部材50がポンプ固
定軸45の先端の切り欠き溝48に同時に挿入される。切り
欠き溝48とポンプ軸回転阻止部材50に隙間があるので、
挿入が容易である。この隙間によりポンプ固定軸45はク
ランク軸と自動調芯される。これにより、ポンプの枠体
を取り付けるためにわざわざ密閉容器や電動機に固定す
るブラケット等を必要とぜず、さらに、ポンプと駆動軸
の芯合わせの必要もない、簡単な油ポンプ構造で容積型
ポンプが構成でき、しかも組立取りつけが容易であり、
安価な電動流体機械を提供できる等の効果を持つ。
発明の効果 以上述べたように本発明は、上方にスクロール流体機
械の機構部を設け、下方にこれを回転数を可変して回転
駆動する電動機を配設し、前記電動機に係合した駆動軸
の下端に容積型の潤滑油ポンプを設けることにより、低
い回転速度で運転した場合や、潤滑油が発泡した場合に
おいても、底部のポンプから上部の機構部まで上がるの
に十分なポンプの圧力水頭が得られるので、上部の機構
部へ確実に潤滑油を供給でき、広い運転範囲で信頼性の
高い電動流体機械を提供できる。さらに、ポンプ枠体を
駆動軸と一緒に回転する構造とし、逆に回転ポンプ体を
ポンプ固定軸で固定することにより、ポンプの枠体を取
り付けるためにわざわざ密閉容器や電動機に固定するブ
ラケット等を必要とぜず、しかも芯合わせの必要がな
い、組み立てやすく安価な電動流体機械を提供できる等
の効果を持つ。
械の機構部を設け、下方にこれを回転数を可変して回転
駆動する電動機を配設し、前記電動機に係合した駆動軸
の下端に容積型の潤滑油ポンプを設けることにより、低
い回転速度で運転した場合や、潤滑油が発泡した場合に
おいても、底部のポンプから上部の機構部まで上がるの
に十分なポンプの圧力水頭が得られるので、上部の機構
部へ確実に潤滑油を供給でき、広い運転範囲で信頼性の
高い電動流体機械を提供できる。さらに、ポンプ枠体を
駆動軸と一緒に回転する構造とし、逆に回転ポンプ体を
ポンプ固定軸で固定することにより、ポンプの枠体を取
り付けるためにわざわざ密閉容器や電動機に固定するブ
ラケット等を必要とぜず、しかも芯合わせの必要がな
い、組み立てやすく安価な電動流体機械を提供できる等
の効果を持つ。
第１図は本発明の一実施例を示す電動流体機械の断面
図、第２図はその潤滑油ポンプ部分の断面図、第３図は
従来の電動流体機械の断面図である。 １……密閉容器、２……電動機の固定子、３……電動機
の回転子、４……圧縮機構、５……クランク軸、28……
油溜め、30a……潤滑油ポンプ、31……給油孔、39……
回転ポンプ本体、43……ポンプ枠体、45……ポンプ固定
軸、47……潤滑油吸入孔、50……ポンプ軸回転阻止部
材。
図、第２図はその潤滑油ポンプ部分の断面図、第３図は
従来の電動流体機械の断面図である。 １……密閉容器、２……電動機の固定子、３……電動機
の回転子、４……圧縮機構、５……クランク軸、28……
油溜め、30a……潤滑油ポンプ、31……給油孔、39……
回転ポンプ本体、43……ポンプ枠体、45……ポンプ固定
軸、47……潤滑油吸入孔、50……ポンプ軸回転阻止部
材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 唐土 宏 門真市大字門真1006番地 松下電器産業 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−40482（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−195391（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−224495（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−226294（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−60092（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−62881（ＪＰ，Ｕ)
Claims (2)
- 【請求項１】密閉容器の上方に当該流体機械の機構部を
設け、下方にこれを回転駆動する電動機を配設し、前記
機構部の駆動軸に前記電動機の回転子を結合し、前記電
動機の下方に前記機構部に供給する潤滑油を貯溜する潤
滑油溜めを設け、前記駆動軸の下端に容積型の潤滑油ポ
ンプを設け、前記潤滑油ポンプのポンプ枠体を前記駆動
軸の下端に結合し、前記潤滑油ポンプの吐出口を前記駆
動軸に設けた給油孔に連通させ、前記ポンプ枠体の内部
に容積型の回転ポンプ本体を配設し、前記ポンプ本体に
この回転を阻止するポンプ固定軸を係合し、前記ポンプ
固定軸を前記潤滑油溜めの中に延長すると共にその中心
に潤滑油吸入孔を設けて前記潤滑油溜と前記ポンプ枠体
の吸い込み側とを連通させ、前記ポンプ固定軸に係合し
てこのポンプ固定軸の回転を阻止するポンプ軸回転阻止
部材を前記密閉容器または前記電動機の固定子に取り付
けた電動流体機械。 - 【請求項２】当該流体機械がスクロール圧縮機である特
許請求の範囲第１項記載の電動流体機械。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61179079A JP2586457B2 (ja) | 1986-07-30 | 1986-07-30 | 電動流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61179079A JP2586457B2 (ja) | 1986-07-30 | 1986-07-30 | 電動流体機械 |
Related Child Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6593996A Division JP2653357B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 流体機械の油ポンプ |
| JP6594096A Division JPH08232866A (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | スクロール圧縮機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6336076A JPS6336076A (ja) | 1988-02-16 |
| JP2586457B2 true JP2586457B2 (ja) | 1997-02-26 |
Family
ID=16059715
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61179079A Expired - Lifetime JP2586457B2 (ja) | 1986-07-30 | 1986-07-30 | 電動流体機械 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2586457B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6390685A (ja) * | 1986-10-03 | 1988-04-21 | Daikin Ind Ltd | 圧縮機 |
Family Cites Families (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS587110Y2 (ja) * | 1978-10-26 | 1983-02-07 | 株式会社ボッシュオートモーティブ システム | トロコイド型オイルポンプ付回転斜板式圧縮機 |
| JPS5960092A (ja) * | 1982-09-30 | 1984-04-05 | Toshiba Corp | スクロ−ル・コンプレツサ |
| JPS59224495A (ja) * | 1983-06-03 | 1984-12-17 | Mitsubishi Electric Corp | スクロ−ル圧縮機 |
| JPS59226294A (ja) * | 1983-06-06 | 1984-12-19 | Hitachi Ltd | 圧縮機の給油装置 |
| JPS60195391A (ja) * | 1984-03-16 | 1985-10-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 回転式圧縮機の給油装置 |
| JPS6140482A (ja) * | 1984-07-31 | 1986-02-26 | Toshiba Corp | スクロ−ル型圧縮装置 |
-
1986
- 1986-07-30 JP JP61179079A patent/JP2586457B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6336076A (ja) | 1988-02-16 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |