JPS587110Y2 - トロコイド型オイルポンプ付回転斜板式圧縮機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、潤滑油供給手段としてトロコイド型オイル
ポンプを有する回転斜板式圧縮機に関し、トロコイド型
オイルポンプと駆動軸との嵌合構造を改良し、オイル供
給孔を形成する加工を容易にしたものである。

この種の回転斜板式圧縮機は、第１図に示すように、駆
動軸１に斜板２が傾斜して固装され、この斜板２の端部
付近でピストン３が軸支されており、駆動軸１の回転に
伴なって斜板２が回転し、この回転によりピストン３が
シリンダブロック４ａｔ４ｂに形成のシリンダボア５内
を往復動し、図示しない吸入及び吐出弁と協動してポン
プ作用が行なわれる。

シリンダブロック４ａ 、４ｂの左右両側には、バルブ
プレー）６ａ 、６ｂを挟んでフロントシリンダヘッド
７ａとリアシリンダヘッド７ｂとが固装されている。

駆動軸１をラジアル方向に軸支するラジアル軸受部８ａ
、８ｂ、スラスト方向に軸支するスラスト軸受部９ ａ
ｔ ９ ｂｓ駆動軸１とフロントシリンダヘッド７ａ
とをソールするソール部１０及びピストン５等への潤滑
油の供給は、トロコイド型オイルポンプ１１により行な
われる。

すなわち、トロコイド型オイルポンプ１１は駆動軸１の
端部において、駆動軸１と嵌合され、リアシリンダヘッ
ド７ｂに形成の吸入室１２と吐出室１３とが上下にくる
よう配されており、駆動軸１が回転すると、それに伴な
ってこのトロコイド型オイルポンプ１１が駆動され、プ
リンダブロック４ａ 、４ｂの下部に形成のオイル溜１
４に溜っている潤滑油をシリンダブロック４ｂに形成の
オイル吸入孔１５を介して吸入室１２に吸入する。

そして、この吸入された潤滑油が吐出室１３に吐出され
、さらに駆動軸１の端部から軸方向にソール部１０付近
まで穿設されたオイル供給孔１６を介して、ラジアル軸
受部８ａ、８ｂ、スラスト軸受部９ａ、９ｂ、シール部
１０等へ供給され、これら各部の潤滑を行なうのである
。

第２図において、トロコイド型オイルポンプ１１と駆動
軸１の詳細が示され、トロコイド型オイルポンプ１１は
、アウターギア１１ａの内歯内にインナーギア１１ｂが
偏心して収納され、インナーギア１１ｂの歯数はアウタ
ーギア１１ａの歯数よりも１つ少なく、このインナーギ
ア１１ｂに嵌合用孔１７が面取１７ａを有するよう形成
されている。

駆動軸１の端部には突出部１８が面取１８ａを有するよ
うに形成され、オイル供給孔１６はこの突出部１８の先
端から形成されている。

そして、駆動軸１の突出部１８がトロコイド型ポンプ１
１の嵌合用孔１７にそれぞれの面取１７ａ。

１８ａが噛み合うよう嵌合されている。

したがって、駆動軸１が回転すると、インナーギア１１
ｂが回転され、それと相対速度でアウターギア１１ａが
回転し、下方から潤滑油を吸上げ、上方に吐出するので
ある。

しかしながら、駆動軸１とトロコイド型オイルポンプ１
１のインナーギア１１ｂとの嵌合は、駆動軸１の突出部
１８とインナーギア１１ｂの嵌合用孔１Ｔとにより行な
われているので、突出部１８にはねじり応力がかかりそ
の応力に対応するよう機械的強さを必要とし、したがっ
てオイル供給孔１６との肉厚ａが前記応力に対するだけ
の厚さが必要であり、そのためオイル供給孔１６の口径
及び位置に厳しい制限が付されていたのである。

そのため、オイル供給孔１６の穿孔作業においては、そ
の口径及び位置を正確にして行なわなければならず、し
かも細く且つ長く穿孔しなければならないため、多大な
労力を必要としていたのである。

この考案は、上記の問題点を解消するため、トロコイド
型オイルポンプのインナーギアに突出部を設けると共に
、前記駆動軸の端部面に凹部を設け、この凹部にインナ
ーギアの突出部が嵌合するように構成したもので、オイ
ル供給孔の口径が大きくとれ、且つ穿孔位置の許容範囲
を大きくするようにして、オイル供給孔の穿孔作業の容
易化を図ろうとするものである。

次に、この考案の実施例を図面により説明する。

第３図、第４図において、トロコイド型オイルポンプ１
１は、アウターギア１１ａの内歯内にインナーギア１１
ｂが右側に偏心して収納されでいる。

インナーギア１１ｂの歯数はアウターギア１１ａのそれ
よりも１つ少なく、そのためインナーギア１１ｂが回転
するとアウターギア１１ａが相対速度で回転し、アウタ
ーギア１１ａとインナーギア１１ｂとの間の空間は、１
８００下部では回転と共に拡がり吸入行程であり、１８
００上部では回転と共に縮まり吐出行程となる。

突出部１９は、インナーギア１１ｂから一体に突出して
設けられ、側面には軸方向に面取１９ａが形成されてい
る。

孔２０は、突出部１９の先端からインナーギア１１ｂを
貫いて形成され、トロコイド型オイルポンプ１１から吐
出された背面側からの潤滑油を駆動軸１に形成のオイル
供給孔１６に送るためのものである。

駆動軸１の端部面には、凹部２１が形成され、この凹部
２１の側面軸方向に面取２１ａが形成されている。

この凹部２１と前記インナーギア１１ｂの突出部１９と
は、それぞれの面取１９ａ、２１ａとが噛み合うように
嵌合されるものである。

オイル供給孔１６は、駆動軸１の軸方向に凹部２１の底
面から始まり、前記したシール部付近まで穿孔されてい
る。

したがって、このオイル供給孔１６の穿孔作業において
、その位置は凹部２１内であれば良くその許容範囲は広
い。

また凹部２１の口径を限度として口径を大きくとること
ができ、しかも凹部２１が予じめあけられているので、
その穿孔作業は極めて容易となるのである。

尚、この実施例においては、突出部１９と凹部２１との
ラジアル方向の係合手段としてそれぞれに面取１９ａ、
２１ａを形成して行なわれているが、これに限定される
ことはなく、例えばそれぞれの断面形状を四角、六角等
にするなど種々の係合手段を用いることができることは
勿論である。

以上述べたように、この考案によれば、トロコイド型オ
イルポンプを有する回転斜板式圧縮機において、トロコ
イド型オイルポンプのインナーギアに突出部を設けると
共に、駆動軸の端部面に凹部を形成し、この凹部に前記
突出部が嵌合するようにしたので、オイル供給孔を駆動
軸に穿孔する作業において、そのオイル供給孔の口径及
び位置の許容範囲が広がり、容易に行なうことができ、
ひいては安価であるトロコイド型オイルポンプ付回転斜
板式圧縮機を提供することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトロコイド型オイルポンプ付回転斜板式
圧縮機を示す断面図、第２図は従来のトロコイド型オイ
ルポンプと駆動軸を示す斜視図、第３図、第４図はこの
考案に係るもので、第３図はトロコイド型オイルポンプ
と駆動軸を示す斜視図、第４図は駆動軸の正面図である
。 １・・・・・・駆動軸、２・・・・・・斜板、８ａ、８
ｂ・・・・・・ラジアル軸受部、９ａ 、９ｂ・・・・
・・スラスト軸受部、１１・・・・・・トロコイド型オ
イルポンプ、１１ａ・・・・・・アウターギア、１１ｂ
・・・・・・インナーギア、１６・・・・・・オイル供
給孔、１９・・・・・・突出部、１９ａ・・・・・・面
取、２１・・・・・・凹部、２１ａ・・・・・・面取。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 斜板を固装した駆動軸の端部にトロコイド型オイルポン
   プを設け、このトロコイド型オイルポンプが前記駆動軸
   の回転によりシリンダブロックの下部に形成のオイル溜
   りから潤滑油を吸上げ、前記駆動軸の端部から軸方向へ
   形成のオイル供給孔を介してラジアル軸受部、スラスト
   軸受部等へ潤滑油を供給するようにしたトロコイド型オ
   イルポンプ付回転斜板式圧縮機において、トロコイド型
   オイルポンプのインナーギアに突出部を設け、前記駆動
   軸の端部面に前記インナーギアの突出部が嵌入される凹
   部を形成すると共に、駆動軸からインナーギアに回転力
   を伝達するためにインナーギアの突出部及び駆動軸の凹
   部に保合手段を形成したことを特徴とするトロコイド型
   オイルポンプ付回転斜板式圧縮機。