JP2585146B2 - 光ファイバケーブル及びスロットロッド - Google Patents

光ファイバケーブル及びスロットロッド

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JP2585146B2 JP2335761A JP33576190A JP2585146B2 JP 2585146 B2 JP2585146 B2 JP 2585146B2 JP 2335761 A JP2335761 A JP 2335761A JP 33576190 A JP33576190 A JP 33576190A JP 2585146 B2 JP2585146 B2 JP 2585146B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光ファイバケーブル及びそれに用いられる
スロットロッドに関する。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕
一般に、光ファイバケーブルの敷設工事における分
岐、接続作業を容易ならしめるため、スロットロッドの
表面にS−Z形に複数本の反転撚溝を形成してこれに光
ファイバを収納した光ファイバケーブルが使用される。
ところで従来のこの種の光ファイバケーブルは、第1
図(II)に示すように、±180゜の反転撚角で構成され
ていた。即ち、第1図(II)には、従来のスロットロッ
ド31と、その表面に凹設された複数本のS−Z形の反転
撚溝32…の内の1本を代表的に図示している。この反転
撚溝32内には光ファイバ33が収納されるから、簡略図で
描かれた同図では、反転撚溝32とその中の光ファイバ33
とは一致した1本の線で図示してある。同図で明らかな
ように、±180゜の反転撚角となっているため、反転撚
溝の反転箇所A1,B1,A2…を順次結んだ仮想線34は、直線
となり、かつ、スロットロッドの中心線と平行となる。
このような従来のスロットロッドを用いた光ファイバ
ケーブルを、ドラムに巻き付けた際、反転箇所A1,B1,A2
…はある一定方向ばかりに位置することとなる。例えば
第4図に於て、半径Rのドラム35に巻き付けた際に、
(例えばスロットロッド31の反転撚溝32…が8本とし
て、)第1図(II)の反転箇所A1が外周側の番号の位
置に来たとすれば、同一反転撚溝32(及びその中の光フ
ァイバ33)の他の反転箇所B1,A2…も同一の番号の位
置に来る。このように各々の光ファイバ33と反転撚溝32
について観察すると、反転箇所は第4図の同一番号の位
置に来る。
S−Z形反転撚りの場合、反転撚ピッチP内に於て撚
込み角度が変化するため、第1図(II)に示した1本の
光ファイバ33について観察すれば、スロットロッド31を
どの方向に弯曲させるか−つまり反転箇所A1,B1,A2…が
第4図の番号に来るように弯曲させるか、番号や
等に来るように弯曲させるか−によって、光ファイバ33
の歪量が相違し、光ファイバ33に加わる応力も異なる。
具体的には、第4図中の番号乃至に常に反転箇所
A1,B1,A2…が来る光ファイバ33の歪量が、他の番号〜
のものに比較して、大きく、内部応力も大で、光ファ
イバの伝送損失に悪影響を与える。
従って、上述のような従来のスロットロッドを用いた
光ファイバケーブルでは、ドラム巻き状態での長期保管
において、光ファイバの強度劣化、及び信頼性劣化が生
じる。他方、ドラム巻き状態とすることによって、光フ
ァイバの伝送損失劣化が生じる。(光ファイバの伝送損
失については短時間においても発生する。) 本発明の目的は、ドラム巻き状態においても良好な光
ファイバの伝送損失が得られるようにする点、及び、ド
ラム巻き状態においても溝間の歪み状態を同等とする
点、そして歪み量は従来より充分小さくなり、長期保管
においても高い信頼性が得られるようにする点にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る光ファイバケーブルは、少なくとも1本
以上の反転撚溝を有するスロットロッドの該反転撚溝内
に光ファイバを収納した光ファイバケーブルに於て、各
々の上記反転撚溝の反転箇所を一つ飛ばしで結んだ、上
記スロットロッドの表面に沿った、最短連結仮想線が、
緩やかな螺旋形状を描くように、上記反転撚溝の形状を
設定した。
また、本発明のスロットロッドは、表面に少なくとも
1本以上の反転撚溝を凹設すると共に、各々の該反転撚
溝の反転箇所を一つ飛ばしで結んだ、該表面に沿った、
最短連結仮想線が、緩やかな螺旋形状を描くように、上
記反転撚溝の形状を設定した。
〔作 用〕 スロットロッドの1本の反転撚溝及びその中の光ファ
イバに関しては、その反転箇所が、右又は左のいずれか
一方向に、順次回転して位置ずれしてゆく。従って、こ
のようなスロットロッドを用いた光ファイバケーブルを
ドラム等に多数回巻き付けた際、第4図の外周側の番号
の位置に反転箇所が来る反転撚溝(光ファイバ)は、
順次交代する。言い換えれば、1本の反転撚溝(光ファ
イバ)について観察すると、反転箇所が順次表れる第4
図中の番号…位置が、一方向に回転して変化してゆ
く。
従って、複数本の反転撚溝について、第4図中の番号
…位置に反転箇所が表れる確率が均等化し、全ての
光ファイバの歪量、内部応力が同等となる。そのため、
ドラム巻き状態においても良好な光ファイバ伝送損失が
得られる。そして歪量は従来よりも充分小さくなり、長
期間保管しても高い信頼性が得られることとなる。
〔実施例〕
以下、図示の実施例に基づき本発明を説明する。
第2図に光ファイバケーブル10の一例を断面図にて示
す。1は例えば、プラスチック製であって8本の反転撚
溝2…を有するスロットロッドである。第2図と第3図
のように、このスロットロッドの各反転撚溝2内に光フ
ァイバ3…を複数本収納する。この光ファイバ3は、例
えば2芯テープ形光ファイバとして、各反転撚溝2に8
本入れた場合を示す。
スロットロッド1は中心にテンションメンバ5を有
し、該スロットロッド1の外側に押え巻き6及びシース
7にて被覆する。
しかして、第1図(I)に於て、スロットロッド1を
簡略図にて示し、特に複数本の前記反転撚溝2…の内の
1本のみを代表して例示し、S−Z形に所定反転撚ピッ
チPにて反転するように凹設される反転撚溝2の反転箇
所A1,B1,A2…を一つ飛ばしで結ぶ仮想線を考える。即
ち、一つ飛ばしの反転箇所A1とA2とを、スロットロッド
1の表面1aに沿って最短距離にて結ぶ最短連結仮想線4
が、緩やかな−例えば、10m〜100mの長い捩りピッチの
−螺旋(スパイラル)の形状を描くように、反転撚溝2
の形状を決定する。
従って、光ファイバケーブル10(第2図参照)として
は、このような反転撚溝2…内に光ファイバ3…を、収
納するから、当然に、光ファイバ3も同様に、S−Z反
転箇所を一つ飛ばしに結んだ最短連結仮想線4が、緩や
かな螺旋形状を描く。
この仮想線4の捩りピッチを10m〜100mに設定した理
由は、10m未満だと光ファイバ3を(分岐工事等に於
て)光ファイバケーブル10の反転撚溝2から引出しにく
くなるためであり、100mを越えれば、第1図(II)に示
した既述の従来のものと同様の問題点を有することとな
る。そして、望ましくは、この仮想線4の捩りピッチ
を、20m〜50mにするのが良い。
なお第1図中に図示省略したが、図外右方の次の反転
箇所と、反転箇所B1とを結ぶ最短連結仮想線も、同一の
捩りピッチの螺旋を描く。
次に、本発明の実施品と従来品との伝送損失比較試験
を行った。
(I)本発明の実施品(第1図(I)参照): 第2図と第3図に示すようにスロットロッド1に8本
の反転撚溝2…を有し、反転撚溝2の各寸法は、溝底幅
C=2mm,溝開口幅E=4mm,溝深さF=2.5mmとし、ま
た、光ファイバ3は2芯テープ形のものとして各反転撚
溝2内に8本ずつ収納する。このテープ形光ファイバ3
の幅Gを0.7mm,厚さHを0.4mmとした。第1図(I)に
示す反転撚溝2の反転撚ピッチPを230mmとし、反転撚
角度を±約150゜とした。スロットロッド1の外径寸法
Dを16mmφとすると共に、第2図のシース7の外径を21
mmφとする。そして、反転撚溝2の反転箇所を一つ飛ば
しで結ぶ最短連結仮想線4の軌跡は、撚ピッチ35mの大
きなラセン状態を描くように設定する。
(II)従来品(第1図(II)参照): 光ファイバケーブルの横断面形状と寸法は本発明の実
施品と同じとすると共に、スロットロッド内の光ファイ
バも全く同一とする。そして、第1図(II)に示すよう
に、反転撚角を±180゜として、仮想線34が直線とし
て、光ファイバケーブルの中心線と平行となるように反
転撚溝の形状を設定した。反転撚ピッチPは230mmとす
る。また、外径寸法Dとシース外径は本発明実施品と同
じとする。
このような本発明の実施品と、従来品の夫々を、条長
1000mとしてドラム径1000mm−即ち第4図に於て、ドラ
ム半径Rが500mm−に巻き付けて、伝送損失を全ての光
ファイバ(128芯)について測定した。
測定結果を第1表と第2表に示す。なお、各反転撚溝
内には16芯の光ファイバが入っているが、その内の光伝
送損失の最小値(MIN)と最大値(MAX)、及び、16芯の
平均値(AVE)を示す。
0.4dB/kmを越す場合を不良品と判断した。第1表と第
2表から、本発明実施品では不良品は存在せず、かつ、
いずれの反転撚溝内の光ファイバも略均一な小さな伝送
損失を示す。これに対し、第2表では、反転撚溝の番号
〜は第4図と対応させて示し、ドラム巻き付け状態
の外周側に反転箇所A1,B1,B2…が対応した反転撚溝
内の光ファイバの伝送損失が大きく、不良本数も最大
(11芯/16芯)発生した。
なお、本発明は図示の実施例に限定されず設計変更自
由なことは勿論であって、例えば、光ファイバ3…とし
ては単芯丸形でも良く、また、3芯以上のテープ形とし
ても良い。さらに、S−Z反転撚角は±180゜未満であ
れば自由に選択できる。また、第2図に示した光ファイ
バユニットを複数本集合してケーブルとするも好まし
い。また、1本のスロットロッド1に1本の反転撚溝2
のみを形成しても自由である。
〔発明の効果〕
本発明は上述の構成により次のような著大な効果を奏
する。即ち、ドラム等に巻き付けた状態で、各反転撚溝
2…内の光ファイバ3…の歪量が均一化され、いずれの
反転撚溝2…内の光ファイバ3…にも過大な歪や内部応
力を与えることがない。従って、ドラム巻き状態におい
ても良好な光ファイバの伝送損失が得られる。
さらに、ドラム巻き状態においても溝間の歪み状態は
同等となるため、歪み量は従来より充分小さくなり、長
期保管においても高い信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明と従来例を比較説明するための簡略平面
図、第2図は横断面図、第3図は寸法関係説明用断面
図、第4図は本発明及び従来例の作用説明のための要部
断面図である。 1……スロットロッド、1a……表面、2……反転撚溝、
4……仮想線、A1,A2……反転箇所。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1本以上の反転撚溝を有するス
    ロットロッドの該反転撚溝内に光ファイバを収納した光
    ファイバケーブルに於て、各々の上記反転撚溝の反転箇
    所を一つ飛ばしで結んだ、上記スロットロッドの表面に
    沿った、最短連結仮想線が、緩やかな螺旋形状を描くよ
    うに、上記反転撚溝の形状を設定したことを特徴とする
    光ファイバケーブル。
  2. 【請求項2】表面に少なくとも1本以上の反転撚溝を凹
    設すると共に、各々の該反転撚溝の反転箇所を一つ飛ば
    しで結んだ、該表面に沿った、最短連結仮想線が、緩や
    かな螺旋形状を描くように、上記反転撚溝を形状を設定
    したことを特徴とするスロットロッド。
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