JP2584654Y2 - 自動車の装飾用フィルム構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は自動車のボデー側面、特
にホイールアーチを有するボデー側面に貼付けるのに適
した装飾用フィルムの構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の装飾用フィルムとして、本出願
人はストライプフィルムを自動車に貼付けた後にストラ
イプフィルムから剥がされるアプリケーションフィルム
の先端がストライプフィルムの先端より延長され、この
延長部分の側縁端がストライプフィルムの側縁端の延長
線と略一致するように延長部分の幅が他部分より狭く形
成された自動車用ストライプテープを実用新案登録出願
した（実開昭６１−１４１４５）。ストライプフィルム
の裏面には粘着剤を介して離型紙が貼合わされる。

【０００３】この自動車用ストライプテープでは、先ず
キャブ用ストライプフィルムの裏面の離型紙を剥がし、
ストライプフィルムをキャブ側面に貼付けた後にアプリ
ケーションフィルムを剥がす。次にキャブ用ストライプ
フィルム後端の側縁端にリヤデッキ用ストライプフィル
ムのアプリケーションフィルムの延長部分の側縁端を一
致させた状態で、リヤデッキ用ストライプフィルムをリ
ヤデッキに貼付ける。この結果、必然的にリヤデッキ用
ストライプフィルムが位置合わせされたことになるの
で、極めて正確かつ容易にリヤデッキ用ストライプフィ
ルムの位置合わせができるようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上記自動車用
ストライプテープでは、リヤデッキ用ストライプフィル
ムはリヤデッキのホイールアーチの前端までしか示して
いないが、例えばホイールアーチの後方のリヤデッキま
でストライプフィルムを貼付けようとすると、別のスト
ライプフィルムを別の作業により貼付けなければなら
ず、ストライプフィルムの貼付け工数が増大する不具合
があった。また、この点を解消するために、リヤデッキ
の全長と略同一の長さを有する１枚のアプリケーション
フィルムに、ホイールアーチの前後に貼付けるためのス
トライプフィルムをそれぞれ所定の間隔をあけて貼合わ
せておけば、ホイールアーチの前後にストライプフィル
ムを同時に貼付けることができ、ストライプフィルムの
貼付け工数を削減できる。しかし、アプリケーションフ
ィルムの厚さはストライプフィルムの厚さと比較して小
さいため、貼付け時にアプリケーションフィルムがスト
ライプフィルムのない略中央で垂下がってしまい、スト
ライプフィルムの位置決めが難しくなって貼付け工数が
増大する恐れがある。

【０００５】本考案の目的は、装飾用フィルムの製造コ
ストを増大させずに、ボデー側面のホイールアーチの前
後にかけてストライプフィルムを貼付けるときの貼付け
作業性を向上できる自動車の装飾用フィルム構造を提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本考案の構成を、実施例に対応する図１及び図４を用
いて説明する。本考案は、自動車１０のボデー１１側面
に粘着剤１７を介して貼付けられるストライプフィルム
１３と、フィルム１３の裏面に粘着剤１７を介して貼合
わされた離型紙１８と、離型紙１８と略同一形状をなし
離型紙１８上でストライプフィルム１３が所定の形状に
カットされてストライプフィルム１３の不要部分１６が
離型紙１８から剥がされた状態で離型紙１８上に残った
ストライプフィルム１３の必要部分１４の表面を覆うた
めに貼合わされたアプリケーションフィルム１９とを備
えた自動車の装飾用フィルム１２構造の改良である。そ
の特徴ある構成は、ストライプフィルム１３の必要部分
１４が、ボデー１１側面にホイールアーチ１１ａの前後
にかけて貼付けられるように離型紙１８上に残されたフ
ロント及びリヤストライプフィルム１４ａ，１４ｂと、
フロント及びリヤストライプフィルム１４ａ，１４ｂ間
のホイールアーチ１１ａ内に位置するように離型紙１８
上に残されたダミーストライプフィルム１４ｃとを備
え、離型紙１８を剥がした状態でフロント及びリヤスト
ライプフィルム１４ａ，１４ｂのボデー１１側面への貼
付け時にダミーストライプフィルム１４ｃがアプリケー
ションフィルム１９を補強するように構成されたところ
にある。

【０００７】

【作用】ストライプフィルム１３を自動車１０のボデー
１１側面に貼付けるときには、離型紙１８を剥がしてス
トライプフィルム１３の必要部分１４の一端をボデー１
１の所定の貼付け位置に仮りに貼付け、必要部分１４の
他端を所定の貼付け位置まで引張る。このときフロント
及びリヤストライプフィルム１４ａ，１４ｂ間に位置す
るダミーストライプフィルム１４ｃによりフロント及び
リヤストライプフィルム１４ａ，１４ｂ間のアプリケー
ションフィルム１９の剛性が増大するので、アプリケー
ションフィルム１９は垂れ下がらない。

【０００８】

【実施例】次に本考案の一実施例を図面に基づいて詳し
く説明する。図１〜図５に示すように、ピックアップ型
トラック１０のリヤデッキ１１の外側面には意匠性を高
めるためにトラック１０の進行方向に延びるストライプ
フィルム１３が粘着剤１７を介して貼付けられる。リヤ
デッキ１１外側面の略中央には後輪１０ａの着脱を容易
にするための切欠きであるホイールアーチ１１ａが形成
される（図１及び図５）。ストライプフィルム１３は比
較的厚さの大きいベースフィルム１３ａと、このベース
フィルム１３ａの表面にスクリーン印刷により形成され
た印刷層１３ｂと、印刷層１３ｂの表面に塗布されこの
印刷層１３ｂを保護して印刷層１３ｂの耐候性を向上さ
せるクリア層１３ｃとを備える（図４）。図４では各部
位を厚さ方向に拡大して示している。

【０００９】ストライプフィルム１３の裏面には粘着剤
１７を介して比較的厚さの大きい離型紙１８が貼合わさ
れ、ストライプフィルム１３の表面には離型紙１８と略
同一形状をなしストライプフィルム１３の表面を保護す
る比較的厚さの小さい透明のアプリケーションフィルム
１９が貼合わされる（図４）。ストライプフィルム１３
はその表面にアプリケーションフィルム１９が貼合わさ
れる前に離型紙１８上で粘着剤１７とともに所定の形
状、即ち必要部分１４と不要部分１６とにカットされる
（図２）。ストライプフィルム１３の不要部分１６はア
プリケーションフィルム１９を貼合わせる前に離型紙１
８から剥がされ、離型紙１８上に残ったストライプフィ
ルム１３の必要部分１４の表面にアプリケーションフィ
ルム１９が貼合わされる（図３）。ストライプフィルム
１３の必要部分１４、粘着剤１７、離型紙１８及びアプ
リケーションフィルム１９により装飾用フィルム１２が
構成される（図４）。

【００１０】本実施例の特徴ある構成は、ストライプフ
ィルム１３の必要部分１４がフロントストライプフィル
ム１４ａとリヤストライプフィルム１４ｂとダミースト
ライプフィルム１４ｃとを備えたところにある（図１〜
図３）。フロントストライプフィルム１４ａはホイール
アーチ１１ａの前方のリヤデッキ１１に貼付けられるよ
うに離型紙１８上に残され、リヤストライプフィルム１
４ｂはホイールアーチ１１ａの後方のリヤデッキ１１に
貼付けられるように離型紙１８上に残され、かつフロン
ト及びリヤストライプフィルム１４ａ，１４ｂは一直線
状になるように残される（図１及び図５）。ダミースト
ライプフィルム１４ｃはフロント及びリヤストライプフ
ィルム１４ａ，１４ｂ間のホイールアーチ１１ａ内に位
置するように離型紙１８上で扁平の山形状にカットされ
て離型紙１８上に残される（図１〜図４）。またこの例
ではストライプフィルム１３の必要部分１４として、フ
ロント及びリヤストライプフィルム１４ａ，１４ｂの上
方かつホイールアーチ１１ａの上方のリヤデッキ１１の
外側面に貼付けられるアッパストライプフィルム１４ｄ
が離型紙１８上で帯状にカットされて離型紙１８上に残
される（図１〜図５）。

【００１１】このように構成されたストライプフィルム
１３をトラック１０のリヤデッキ１１の外側面に貼付け
るときには、装飾用フィルム１２の離型紙１８を剥がし
てストライプフィルム１３の必要部分１４の一端をリヤ
デッキ１１の所定の貼付け位置に仮りに貼付け、必要部
分１４の他端を所定の貼付け位置まで引張る。このとき
フロント及びリヤストライプフィルム１４ａ，１４ｂ間
には比較的大きな厚さを有するアッパストライプフィル
ム１４ｄに加えてダミーストライプフィルム１４ｃが位
置するので、フロント及びリヤストライプフィルム１４
ａ，１４ｂ間のアプリケーションフィルム１９がダミー
ストライプフィルム１４ｃにより補強され、アプリケー
ションフィルム１９の剛性が増大する。

【００１２】この結果、アプリケーションフィルム１９
が垂れ下がることはないので、フロント及びリヤストラ
イプフィルム１４ａ，１４ｂをリヤデッキ１１の外側面
の所定の貼付け位置にスムーズに貼付けることができ、
同時にアッパストライプフィルム１４ｄもリヤデッキ１
１の外側面の所定の貼付け位置に貼付けることができる
（図１）。フロントストライプフィルム１４ａ、リヤス
トライプフィルム１４ｂ及びアッパストライプフィルム
１４ｄをリヤデッキ１１の外側面に貼付けた後に、アプ
リケーションフィルム１９を剥がす。このときホイール
アーチ１１ａ内に位置するダミーストライプフィルム１
４ｃはどこにも貼付けられていないので、アプリケーシ
ョンフィルム１９とともに取り除かれる（図５）。

【００１３】なお、上記実施例では装飾用フィルムが貼
付けられる自動車のボデーとしてトラックのホイールア
ーチを有するリヤデッキを挙げたが、これは一例であっ
てホイールアーチを有するものであれば、トラックや乗
用車のフロントフェンダ又は乗用車のリヤフェンダでも
よい。また、上記実施例ではリヤデッキにフロント及び
リヤストライプフィルムの他にリヤデッキの全長にわた
って延びるアッパストライプフィルムを同時に貼付けた
が、アッパストライプフィルムがなくフロント及びリヤ
ストライプフィルムのみをリヤデッキに貼付けてもよ
い。更に、上記実施例ではフロント及びリヤストライプ
フィルムをリヤデッキの外側面にホイールアーチの前後
にかけて一直線状に貼付けたが、リヤデッキの外側面に
ホイールアーチの前後にかけて貼付けられれば、一直線
状でなくてもよい。

【００１４】

【考案の効果】以上述べたように、本考案によれば、自
動車のボデー側面にホイールアーチの前後にかけて貼付
けられるようにフロント及びリヤストライプフィルムを
離型紙上に残し、フロント及びリヤストライプフィルム
間のホイールアーチ内に位置するようにダミーストライ
プフィルムを離型紙上に残したので、離型紙を剥がして
ボデー側面にフロント及びリヤストライプフィルムをホ
イールアーチの前後にかけて貼付けるときに、ダミース
トライプフィルムによりアプリケーションフィルムが補
強され、アプリケーションフィルムが垂れ下がるのを防
止できる。この結果、フロント及びリヤストライプフィ
ルムの貼付け作業性を向上できる。またダミーストライ
プフィルムはストライプフィルムの不要部分を離型紙上
に残すことにより形成されるので、装飾用フィルムの製
造コストを押上げることはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例の装飾用フィルムのフロント及
びリヤストライプフィルムをトラックのリヤデッキに貼
付け、かつアプリケーションフィルムを剥がしていない
状態を示すトラックのリヤデッキの側面図。

【図２】離型紙上でストライプフィルムを必要部分と不
要部分にカットした状態を示す装飾用フィルムの正面
図。

【図３】ストライプフィルムの不要部分を剥がし、かつ
ストライプフィルムの必要部分の表面を覆ってアプリケ
ーションフィルムを貼合わせた状態を示す装飾用フィル
ムの正面図。

【図４】図３のＡ−Ａ線断面図。

【図５】フロント及びリヤストライプフィルムをトラッ
クのリヤデッキに貼付け、かつアプリケーションフィル
ムを剥がした状態を示すトラックの側面図。

【符号の説明】

１０ トラック（自動車） １１ リヤデッキ（ボデー） １１ａ ホイールアーチ １２ 装飾用フィルム １３ ストライプフィルム １４ ストライプフィルムの必要部分 １４ａ フロントストライプフィルム １４ｂ リヤストライプフィルム １４ｃ ダミーストライプフィルム １６ ストライプフィルムの不要部分 １７ 粘着剤 １８ 離型紙 １９ アプリケーションフィルム

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車(10)のボデー(11)側面に粘着剤(1
   7)を介して貼付けられるストライプフィルム(13)と、前
   記フィルム(13)の裏面に前記粘着剤(17)を介して貼合わ
   された離型紙(18)と、前記離型紙(18)と略同一形状をな
   し前記離型紙(18)上で前記ストライプフィルム(13)が所
   定の形状にカットされて前記ストライプフィルム(13)の
   不要部分(16)が前記離型紙(18)から剥がされた状態で前
   記離型紙(18)上に残った前記ストライプフィルム(13)の
   必要部分(14)の表面を覆うために貼合わされたアプリケ
   ーションフィルム(19)とを備えた自動車の装飾用フィル
   ム(12)構造において、 前記ストライプフィルム(13)の必要部分(14)は、 前記ボデー(11)側面にホイールアーチ(11a)の前後にか
   けて貼付けられるように前記離型紙(18)上に残されたフ
   ロント及びリヤストライプフィルム(14a,14b)と、 前記フロント及びリヤストライプフィルム(14a,14b)間
   の前記ホイールアーチ(11a)内に位置するように前記離
   型紙(18)上に残されたダミーストライプフィルム(14c)
   とを備え、 前記離型紙(18)を剥がした状態で前記フロント及びリヤ
   ストライプフィルム(14a,14b)の前記ボデー(11)側面へ
   の貼付け時に前記ダミーストライプフィルム(14c)が前
   記アプリケーションフィルム(19)を補強するように構成
   されたことを特徴とする自動車の装飾用フィルム構造。