JP2582767B2 - 水分散型感圧性接着剤組成物 - Google Patents

水分散型感圧性接着剤組成物

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JP2582767B2 JP62057260A JP5726087A JP2582767B2 JP 2582767 B2 JP2582767 B2 JP 2582767B2 JP 62057260 A JP62057260 A JP 62057260A JP 5726087 A JP5726087 A JP 5726087A JP 2582767 B2 JP2582767 B2 JP 2582767B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はアクリル系の水分散型感圧性接着剤組成物
に関する。
〔従来の技術〕
近年、アクリル系感圧性接着剤は、そのすぐれた接着
特性ないし耐久性から、従来の天然ゴム系、合成ゴム系
の感圧性接着剤に代わつて広く普及してきた。また、こ
の種の接着剤の中でも、最近では、有機溶剤を使用しな
い水分散型のものが省資源、環境衛生などの観点から、
研究開発されている。
このような水分散型の感圧性接着剤は、一般に乳化重
合法により調製されている。すなわち、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを必要に応じてアクリル酸、スチ
レン、酢酸ビニルなどの改質用単量体とともに水媒体中
で乳化重合させることにより調製されており、この方法
で得られる室温で粘着性を有するアクリル系重合体は、
溶液重合で得られる重合体に較べて比較的大きな分子量
を有するものとなるため、感圧性接着剤として比較的高
い凝集力が得られることが知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記の如き従来の水分散型感圧性接着
剤を高度の凝集力が要求される用途に適用する場合に
は、凝集力の面でなお満足できるものとはいえず、また
接着箇所が比較的高温下におかれる場合、凝集力が著し
く低下し、ほとんど使用に供しえなかつた。
そこで、凝集力を向上させるために、乳化重合後の重
合体エマルジヨンにメラミン化合物、エポキシ化合物、
金属塩などの外部架橋剤を配合するという改良手段が試
みられたが、配合すべき架橋剤の種類ないし使用量の選
択に煩わしさがあるうえに、一般に架橋が不均一となつ
て架橋の程度に較べて凝集力がそれほど大きくならず、
また仮に凝集力を大きくできたとしても、これに伴つて
接着力の低下がみられ、結局高接着力でかつ高凝集力を
有するような感圧性接着剤組成物を得ることは難しかつ
た。
さらにまた、上記の如き手段にて凝集力を大きくした
場合、接着力の低下とは別に接着剤としての耐反発性に
劣つたものとなるという問題もあつた。すなわち、たと
えば曲面を持つた被着体に金属板やプラスチツク板など
を屈曲状態で接着させる用途などにあつては、屈曲され
た金属板やプラスチツク板に復元力が働くため、この復
元力に抗しうるような耐反発性にすぐれたものであるこ
とが要求され、この耐反発性は接着力と凝集力とのバラ
ンス特性にて表されるものであるが、このような耐反発
性を高度に満足させることはできなかつたのである。
また、上記従来の水分散型感圧接着剤は、水分散系で
あるがゆえに温度変化などにより経日的に性状が変わ
り、重合体粒子の一部が沈降したり、またこれに伴つて
接着特性、特に接着力や耐反発性が悪くなるという保存
安定性の面での問題があつた。
したがつて、この発明は、外部架橋剤をあえて配合し
なくても高接着力と高凝集力とを発揮し、かつ耐反発性
にすぐれており、しかも保存安定性が良好であつて、保
存前はもちろん経日保存後においても接着力、凝集力お
よび耐反発性の調和が容易であるようなアクリル系の水
分散型感圧性接着剤組成物を提供することを目的として
いる。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検
討した結果、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量
体を一部成分として含むアクリル系の単量体混合物に多
価金属塩を特定量配合して重合原料とし、これを特定の
重合開始剤が含まれた水媒体中でラジカル重合させるこ
とによつて得られるアクリル系重合体の水分散液に、特
定の溶剤を含ませるようにしたときには、外部架橋剤を
あえて配合しなくても高接着力でかつ高凝集力を発揮
し、しかも耐反発性にすぐれ、そのうえ水分散液の機械
的安定性が良好で、また保存安定性にすぐれて、初期お
よび経日保存後の接着特性が良好な水分散型感圧性接着
剤組成物が得られるものであることを知り、この発明を
完成するに至つた。
すなわち、この発明は、アルキル基の炭素数が1〜14
個の(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたはこのエ
ステルとこれと共重合可能なビニル系単量体との混合物
からなる主単量体90〜99.5重量%とカルボキシル基含有
エチレン性不飽和単量体10〜0.5重量%とからなるその
コポリマーが感圧接着性を示すガラス転移点が250゜K以
下となりうる単量体混合物に、上記のカルボキシル基含
有エチレン性不飽和単量体のカルボキシル基1当量に対
して0.005〜0.5当量となる割合の多価金属塩を加えてな
る重合原料を、過硫酸塩が含まれた水媒体中でラジカル
重合させて得られるアクリル系重合体の水分散液に、25
℃での誘電率が80以上の溶剤を含ませてなることを特徴
とする水分散型感圧性接着剤組成物に係るものである。
このように、この発明においては、水媒体中でのラジ
カル重合に供するべき特定のアクリル系の単量体混合物
に多価金属塩を加え、これを重合原料として上記ラジカ
ル重合を行い、さらにこのようにして得られるアクリル
系重合体の水分散液に25℃での誘電率が80以上の溶剤を
含ませるようにしているから、この重合体水分散液より
なる接着剤組成物は、これに外部架橋剤をあえて配合し
なくても高凝集力を有するものとなり、特に高温下での
凝集力の大幅な低下がみられず、かつ外部架橋剤を配合
していた従来の接着剤組成物にみられた如き接着力や耐
反発性の低下をきたすことがない。
このような効果がいかなる理由で発現されるのかは必
ずしも明らかではないが、推測では、上記方法で得られ
る重合体粒子中には多価金属イオンの一部が内在し、こ
れが重合体分子内に含まれるカルボキシル基とのイオン
結合に関与する結果、重合体粒子自体が架橋構造化し、
また水の25℃での誘電率:78.5よりも高い誘電率を持つ
上記特定溶剤を用いることで金属イオンが溶媒和されや
すくなり、重合体分子中のカルボキシル基との結合生成
がより容易にかつ均一に進行するとともに、重合体粒子
間の融着が適度にかつ均一に進行する結果、より高い凝
集力が得られ、かつ接着力や耐反発性の保持に好結果が
得られるものと推定される。
また、この発明において、上記特定の溶剤は、アクリ
ル系重合体の水分散液中において重合体分子内のカルボ
キシル基やカルボキシル基と相互作用している多価金属
イオン部分に選択的に作用することによつて、重合体粒
子同志が経日的に凝集融着するのを防ぎ、水分散液の保
存安定性の向上にも大きく寄与するものと推定される。
このため、この発明によるアクリル系重合体の水分散液
は、経日保存後に重合体粒子の一部が沈降したり、接着
特性が変化するといつた問題が回避されたものとなる。
さらに、この発明において、重合体水分散液中に多価
金属イオンが存在すると、一般には重合体粒子の機械的
安定性が低下する傾向にあるが、上記特定の溶剤の使用
により、上述と同様の理由によつて十分な機械的安定性
が保たれるという利点も得られる。
そのうえ、この発明においては、上記の如き多価金属
塩を含ませたアクリル系の単量体混合物を水媒体中でラ
ジカル重合させるに際し、重合開始剤として特に過硫酸
塩を用いるようにしているから、この過硫酸塩の分解に
よつて生じるイオン性末端基によつて重合安定性と重合
後の水分散液の安定性に非常に良好な結果が得られ、か
つ重合後の水分散液が低チクソトロピー性となるという
特徴を有している。
したがつて、この方法にて得られるアクリル系重合体
の水分散液には凝集物がほとんど含まれず、この凝集物
に起因した接着特性の低下がみられず、また重合釜や攪
拌羽根に付着する凝集物が少ないためにこれを取り除く
ための作業性の問題を生じるおそれがない。しかもこの
水分散液は、固型分が50〜70重量%となる高固型分濃度
であつても低チクソトロピー性となるため、粘着付与剤
などの配合成分の均一混合が容易で、かつ基材へ塗布し
たのちの加熱乾燥を短時間で行えるという利点も得られ
る。
なお、この明細書において、(メタ)アクリル酸とあ
るはアクリル酸および/またはメタクリル酸を、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとあるはアクリル酸ア
ルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエ
ステルを、(メタ)アクリレートとあるはアクリレート
および/またはメタクリレートを、それぞれ意味する。
〔発明の構成・作用〕
この発明において用いられる単量体混合物は、アルキ
ル基の炭素数が1〜14個の(メタ)アクリル酸アルキル
エステルまたはこれと共重合可能なビニル系単量体との
混合物からなる主単量体に、カルボキシル基含有エチレ
ン性不飽和単量体を加えてなるものである。
主単量体を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルとしては、接着特性の観点から、上述のように、ア
ルキル基の炭素数が1〜14個のものが用いられ、特に好
適な例としては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノ
ニル、アクリル酸イソデシル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリルなどが挙げら
れる。
主単量体としては、上記の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを単独で用いてもよいし、このエステルとと
もにこれと共重合可能なビニル系単量体を併用してもよ
い。このビニル系単量体としては、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレンまたはその
誘導体などが挙げられる。これらビニル系単量体の使用
量としては、主単量体中50重量%以下であるのが望まし
い。
また、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体と
しては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸などが用いられるが、このう
ち特に好適なものはアクリル酸である。このカルボキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体は重合体粒子に架橋結
合を生じさせるために必要不可欠な成分である。
このような主単量体とカルボキシル基含有エチレン性
不飽和単量体とからなる単量体混合物は、そのコポリマ
ーが感圧接着性を示すようにガラス転移点が250゜K以下
となるような組成とされていることが必要である。この
ような組成とされていることにより、高凝集力であると
ともに、高接着力であり、また耐反発性の良好な感圧性
接着剤組成物の調製が可能となる。
なお、コポリマー(共重合体)のガラス転移点は、周
知のように、たとえば、各単量体のホモポリマー(単独
重合体)のガラス転移点を用いて、下記の式により算出
することができる。
Tg:コポリマーのガラス転移点 Tga:aモノマーのホモポリマーのガラス転移点 Tgb:bモノマーのホモポリマーのガラス転移点 Wa:aモノマーの重量分率 Wb:bモノマーの重量分率 また、上記単量体混合物における主単量体とカルボキ
シル基含有エチレン性不飽和単量体の混合割合は、主単
量体が90〜99.5重量%、カルボキシル基含有エチレン性
不飽和単量体が10〜0.5重量%となるようにすべきであ
る。後者の単量体が0.5重量%未満となると凝集力を改
善しにくく、また10重量%を超えてしまうと重合安定性
が損なわれて重合中に凝集物が多く生成するため、不適
当である。
この発明においてこのような単量体混合物に加える多
価金属塩としては、マグネシウム、アルミニウム、銅、
カルシウム、亜鉛、鉄の如き金属の酢酸塩、塩酸塩、硫
酸塩などの水溶性塩が好ましく用いられる。これら多価
金属塩の使用量は、カルボキシル基含有エチレン性不飽
和単量体のカルボキシル基1当量に対して0.005〜0.5当
量となるような割合にすべきである。0.005当量未満で
は所望の凝集力が得られず、また0.5当量を超えてしま
うと重合安定性が著しく悪くなる。
この発明においては、上記の単量体混合物と多価金属
塩を重合原料として、これを重合開始剤としての過硫酸
塩が含まれた水媒体中でラジカル重合させることによ
り、アクリル系重合体の水分散液を得る。重合の方法と
しては、過硫酸塩を添加し溶解させた水を60〜90℃の温
度に加温しておき、これに上記重合原料をそのままある
いは適当な乳化剤を用いて水に乳化させた状態にして所
定の滴下速度で滴下し、上記温度を保ちながら所定時間
反応させるようにすればよい。
ここで使用する過硫酸塩としては、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどがある。こ
の過硫酸塩は、重合開始剤としての働きを有して生成ポ
リマーの分子量に影響を与えるとともに、その分解によ
り生成するイオン性末端基が水媒体中での重合安定性お
よび重合後の水分散液の安定性に寄与するものである。
この過硫酸塩の使用量としては、前記単量体混合物100
重量部に対して通常0.1〜5重量部程度とすればよい。
このようにして得られるアクリル系重合体の水分散液
は、重合体粒子の濃度つまり固型分濃度が水分散液の安
定性、粘度特性などの観点から、一般に50〜70重量%の
範囲に設定されているのが望ましい。この発明において
は、このような高固型分濃度に調製できることにより、
塗布後の乾燥を短時間に行えるという利点が得られる。
この発明において、かかる水分散液に含ませる溶剤と
しては、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムア
ミド、ホルムアミド、炭酸エチレンの如き25℃での誘電
率が80以上の溶剤が用いられる。ここで、溶剤の25℃で
の誘電率が80未満、つまり水のそれと同じかそれ以下と
なれば、前記したようなこの発明の効果は得られない。
上記特定の溶剤の使用量としては、アクリル系重合体
100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10
重量部とするのがよい。この溶剤量が少なすぎてはこの
発明の効果が得られず、逆に多くなりすぎると基材へ塗
布後の乾燥で溶剤が完全に飛散せず、接着特性を損なう
おそれがあるため、いずれも不適当である。
なお、上記の溶剤は、アクリル系重合体の水分散液を
調製したのちに、これに攪拌しながら加えるのが一般的
であるが、上記重合体の水分散液を調製する際、つまり
前記重合を行う際に、重合時の安定性が阻害されない範
囲で加えるようにしても差し支えない。
この発明の水分散型感圧性接着剤組成物は、これ単独
で高接着力、高凝集力を発揮するが、これにさらに各種
の外部架橋剤、たとえばエポキシ化合物、メラミン化合
物、金属塩などを配合することにより、接着力や耐反発
性の低下をきたすことなく、凝集力をさらに改善するこ
とができる。このような効果が生じるのは、前記の特定
溶剤が重合体分子内に含まれるカルボキシル基部分と外
部架橋剤との架橋反応を均一に進める役割を果たすため
の推定される。かかる外部架橋剤の配合量としては、ア
クリル系重合体100重量部に対して通常5重量部以下と
するのがよい。
また、この発明の水分散型感圧性接着剤組成物には、
使用に際し必要に応じて着色剤、充てん剤、老化防止
剤、粘着付与剤など従来公知の添加剤を適宜配合するこ
とができる。その配合量は通常の量でよい。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば、外部架橋剤をあえ
て配合しなくても高接着力でかつ高凝集力を発揮し、特
に高温下での凝集力の大幅な低下がみられず、その上耐
反発性に非常にすぐれ、しかも水分散液の機械的安定性
が良好で、また保存安定性にすぐれて、初期および長期
保存後の接着特性が良好なアクリル系水分散型感圧性接
着剤組成物を提供することができる。
また、この接着剤組成物は、50〜70重量%程度の高固
型分濃度に調製でき、かつ低チクソトロピー性を有する
ため、基材などに塗布したのちの乾燥に長時間を要する
ことがなく、塗布面の平滑性も良好で接着面積の増大に
寄与させることができる。
したがつて、この発明のアクリル系の水分散型感圧性
接着剤組成物は、一般の感圧接着テープ、シート、ラベ
ル類などの用途のほか、耐反発性が特に要求される用途
に対しても非常に有用である。
〔実 施 例〕
以下に、この発明の実施例を記載して、より具体的に
説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部
を、%とあるのは重量%を、それぞれ意味する。また、
接着力、凝集力、耐反発性および機械的安定性は、下記
の方法にて測定したものである。
<接 着 力> 25μm厚のポリエステルフイルムの両面に感圧性接着
剤組成物を乾燥後の厚みが片面50μmとなるように塗布
し、100℃で3分間乾燥して、両面接着テープをつく、J
IS Z−1528により、180度引き剥がし接着力(g/20mm
幅)を測定した。
<凝 集 力> 接着力試験と同様の両面接着テープをつくり、これを
2枚のベークライト板に25mm×25mmの接着面積で貼り合
わせ、40℃および80℃で1Kgの荷重をかけて、ベークラ
イト板が落下するまでの時間(分)を測定した。
<耐反発性> 0.3mm厚のアルミニウム板の片面に感圧性接着剤組成
物を乾燥後の厚みが50μmとなるように塗布し、100℃
で3分間乾燥したのち、10mm×80mmの大きさに切断して
試験片をつくり、この試験片を50mm径のアルミニウム製
円柱に屈曲して貼りつけ、その後40℃で24時間保存した
ときに、試験片が円柱から浮き上がつた距離(mm)を測
定した。
<機械的安定性> 感圧性接着剤組成物をマーロン安定度試験機を用いて
荷重30Kgで30分間処理し、破壊され凝集した重合体粒子
の重量分率を測定した。
実施例1 温度計、攪拌機、窒素導入管および還流冷却管を備え
た反応器内に、過硫酸カリウム0.4部を溶解してなる蒸
留水60部を投入し、窒素気流下で80℃に加温したのち、
アクリル酸2−エチルヘキシル85%とアクリル酸エチル
14%とアクリル酸1%とからなる単量体混合物(コポリ
マーのガラス転移点208゜K)100部に硫酸第一鉄0.021部
(アクリル酸のカルボキシル基1当量に対して0.01当量
に相当する)を加えた重合原料を、3時間かけて連続的
に滴下して重合反応を行うことにより、固型分濃度が6
2.5%のアクリル系重合体の水分散液を調製した。
この水分散液に、アクリル系重合体100部に対して3
部のN−メチルホルムアミド(25℃での誘電率182.4)
を加え、均一に攪拌して、この発明に係る水分散型感圧
性接着剤組成物とした。
比較例1 単量体混合物に硫酸第一鉄を加えなかつた以外は、実
施例1と同様にしてアクリル系重合体の水分散液を得、
これにN−メチルホルムアミドを実施例1と同量加え
て、比較用の水分散型感圧性接着剤組成物とした。
比較例2 実施例1で得たアクリル系重合体の水分散液を、これ
にN−メチルホルムアミドを加えることなく、そのまま
比較用の水分散型感圧性接着剤組成物とした。
実施例2 単量体混合物として、アクリル酸ブチル87%と酢酸ビ
ニル10とアクリル酸3%とからなる混合物(コポリマー
のガラス転移点232゜K)100部を使用し、かつこれに加
える硫酸第一鉄の使用量を0.63部(アクリル酸のカルボ
キシル基1当量に対し0.1当量に相当する)とした以外
は、実施例1と同様にして、固型分濃度62.5%のアクリ
ル系重合体の水分散液を得、これに重合体100部に対し
て5部のN−メチルホルムアミドを加え、均一に攪拌し
て、この発明に係る水分散型感圧性接着剤組成物とし
た。
実施例3 単量体混合物として、アクリル酸2−エチルヘキシル
88%とメタクリル酸メチル10%とアクリル酸2%とから
なる混合物(コポリマーのガラス転移点220゜K)100部
を使用し、かつこれに加える硫酸第一鉄の使用量を0.21
部(アクリル酸のカルボキシル基1当量に対し0.05当量
に相当する)とした以外は、実施例1と同様にして固型
分濃度62.5%のアクリル系重合体の水分散液を得、これ
に重合体100部に対し1部のN−メチルホルムアミドを
加え、均一に攪拌して、この発明に係る水分散型感圧性
接着剤組成物とした。
実施例4 硫酸第一鉄の代わりに酢酸カルシウムを0.014部(ア
クリル酸のカルボキシル基1当量に対して0.01当量に相
当する)使用し、かつN−メチルホルムアミドの代わり
にN−メチルアセトアミド(32℃での誘電率:191.3)を
2部使用した以外は、実施例1と同様にしてこの発明に
係る水分散型感圧性接着剤組成物を得た。
実施例5 硫酸第一鉄の代わりに酢酸第一鉄を0.16部(アクリル
酸のカルボキシル基1当量に対して0.1当量に相当す
る)使用し、かつN−メチルホルムアミドの代わりにホ
ルムアミド(20℃での誘電率:110.0)を4部使用した以
外は、実施例1と同様にしてこの発明に係る水分散型感
圧性接着剤組成物を得た。
上記の実施例1〜5および比較例1〜2の各接着剤組
成物の接着力、凝集力、耐反発性および機械的安定性を
調べた結果は、下記の表に示されるとおりであつた。ま
た、各組成物を40℃で60日間保存したのち、各組成物の
性状を肉眼にて調べたところ、比較例2においてのみ重
合体粒子が一部沈降しているのが認められ、他はこのよ
うな沈降現象はみられなかつた。
以上の結果から明らかなように、この発明の水分散型
感圧性接着剤組成物は、高接着力でかつ高凝集力を有
し、耐反発性に非常にすぐれたものであり、さらに機械
的安定性、保存安定性とも良好であることがわかる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルキル基の炭素数が1〜14個の(メタ)
    アクリル酸アルキルエステルまたはこのエステルとこれ
    と共重合可能なビニル系単量体との混合物からなる主単
    量体90〜99.5重量%とカルボキシル基含有エチレン性不
    飽和単量体10〜0.5重量%とからなるコポリマーのガラ
    ス転移点が250゜K以下となりうる単量体混合物に、上記
    のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体のカルボ
    キシル基1当量に対して0.005〜0.5当量となる割合の多
    価金属塩を加えてなる重合原料を、過硫酸塩が含まれた
    水媒体中でラジカル重合させて得られるアクリル系重合
    体の水分散液に、25℃での誘電率が80以上の溶剤を含ま
    せてなることを特徴とする水分散型感圧性接着剤組成
    物。
  2. 【請求項2】過硫酸塩が単量体混合物100重量部に対し
    て0.1〜5重量部である特許請求の範囲第(1)項記載
    の水分散型感圧性接着剤組成物。
  3. 【請求項3】ラジカル重合温度が60〜90℃の範囲である
    特許請求の範囲第(1)項または第(2)項記載の水分
    散型感圧性接着剤組成物。
  4. 【請求項4】25℃での誘電率が80以上の溶剤をアクリル
    系重合体100重量部に対して0.1〜20重量部含ませてなる
    特許請求の範囲第(1)〜(3)項のいずれかに記載の
    水分散型感圧性接着剤組成物。
  5. 【請求項5】25℃での誘電率が80以上の溶剤がN−メチ
    ルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミ
    ドおよび炭酸エチレンの中から選ばれた少なくとも一種
    である特許請求の範囲第(1)〜(4)項のいずれかに
    記載の水分散型感圧性接着剤組成物。
  6. 【請求項6】固型分濃度が50〜70重量%の範囲である特
    許請求の範囲第(1)〜(5)項のいずれかに記載の水
    分散型感圧性接着剤組成物。
JP62057260A 1987-03-12 1987-03-12 水分散型感圧性接着剤組成物 Expired - Lifetime JP2582767B2 (ja)

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