JP2582396B2 - 1α,3β―ジヒロドキシステロイド―5―エン類の製造方法 - Google Patents

1α,3β―ジヒロドキシステロイド―5―エン類の製造方法

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JP2582396B2 JP63044582A JP4458288A JP2582396B2 JP 2582396 B2 JP2582396 B2 JP 2582396B2 JP 63044582 A JP63044582 A JP 63044582A JP 4458288 A JP4458288 A JP 4458288A JP 2582396 B2 JP2582396 B2 JP 2582396B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、1α−(OH)ビタミンD類の合成中間体で
ある次の部分構造 を有するステロイド類をアルカリ金属/液体アンモニア
で還元(バーチ還元)して次の部分構造 を有するステロイド類を合成する方法の改良に関する。
〔従来の技術〕
骨粗鬆症治療薬として既に用いられているものも含
め、多くの生理活性を持つ1α−(OH)ビタミンD類
は、天然に比較的多く存在するステロイド類であるコレ
ステロール、エルゴステロールなどから化学的に変換す
ることができる。既に報告されている中でも代表的な合
成法として、1)D.H.Barton,R.H.Hesse,M.M.Pechet,E.
Rizzardo,J.Am.Chem.Soc.,95,2748〜49(1980)、2)
H.E.Paaren,H.F.DeLuca,H.K.Schnoes,J.Org.Chem.45,32
53〜58(1980)、3)D.R.Andrews,D.H.Barton,K.P.Che
ng,J.P.Firet,R.H.Hesse,G.Johnson,M.M.Pechet,J.Org.
Chem.51,1633〜1637(1986)などがあげられる。
これら合成法は、それぞれ特徴のある合成法であるが
この中でもBartonの方法1)は次の反応工程図表1に示
されるとおり合成ルートが短かく、この方法は多くのス
テロイドの合成に利用されている。
この反応工程図表1は、イソエルゴステロンを出発原
料として1α−ヒドロキシビタミンD2を合成する過程を
示すものであるが、同様の反応工程を経るが但し出発原
料としてコレステロンを用いることにより1α−ヒドロ
キシビタミンD3をうることができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このルートの一番の問題点は鍵となる
アルカリ金属/液体アンモニア還元の収率が低いことで
ある。たとえば、1α,2α−エポキシ−4,6,22−エルゴ
スタトリエン−3−オンの本反応の結果は30%程度の収
率である(H.F.DuLuca,USP3,907,843参照)。
この合成は、一回の反応の際に数段階の合成工程が含
まれていることにより、反応を複雑にしている。すなわ
ち、反応は次の反応工程図表2 に示すとおり原料エポキシ体からLi/NH3の還元とNH4Cl
によるH+との間で、数段階の中間体を経て、ジオール体
へ変換するものと考えられる。このとき、過剰のLiと、
液体アンモニアと、共溶剤として用いたテトラヒドロフ
ランは、それぞれ分離し、静置したとき上層にTHF、下
層に液体アンモニアが、そしてその界面に金属リチウム
が浮遊している状況となつている。そしてこの反応系を
激しく撹拌することにより反応は進行することからこの
反応における収率の低さはこの反応が多相系の反応系に
おいて行なわれることに起因するものと推測しうるので
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、水−有機溶剤の二層系における反応に
おいて、相間移動触媒を使用することによつて反応を促
進しうる事実から、上記したバーチ反応における反応系
すなわち液体アンモニア−有機溶剤系においても相間移
動触媒の使用が有効である可能性に着目して研究した結
果、相間移動触媒のうちの特定のものが著しい反応促進
効果を有することを見出して本発明を完成したのであ
る。
すなわち、本発明は、1α−(OH)ビタミン類の合成
中間体である次の部分構造 を有するステロイド類を、プロトン供与体例えば塩化ア
ンモニウムの存在下に液体アンモニアおよび共溶媒とし
てのエーテル系溶媒中で、アルカリ金属を用いて還元し
て次の部分構造 を有するステロイド類を製造するに際して、アルカリ金
属の溶解度を向上させうる相間移動触媒を添加すること
を特徴とするものである。
上記したとおり、原料のエポキシ体から塩化アンモニ
ウムの存在下に、液体エンモニアおよび共溶媒としての
例えばテトラヒドロフラン(THF)中で金属リチウムを
用いて反応させる場合に、金属リチウムの溶解度を向上
させ、塩化アンモニウムとの反応を促進させる目的で相
間移動触媒として次の表1に示す種々のものを用いて反
応を行つた。
すなわち、液体アンモニア500ml中に金属リチウム11.
45gを加え、金属リチウムを液体アンモニア中に均一に
溶解させ、これに400mlのTHFを溶解した1α,2α−エポ
キシ−コレスタ−4,6−ジエン−3−オンまたは1α,2
α−エポキシ−エルゴスタ−4,6,22−トリエン−3−オ
ン8.81g(0.0216モル)の溶液を滴下して加え、相間移
動触媒2.0mlを加え反応混合物の温度を−55℃以下に保
つて反応させた。
このようにして次の表1に示される結果が得られた。
この表1に記載の結果からも明らかなように、リチウ
ムの溶解度を向上させうる相間移動触媒であるトリス
(ジオキサ−3,6−ヘプチル)アミンが生成物の収率の
増加に著しい効果のあることが分つた。
この方法で還元しうるステロイド類は、次の式 (式中、Aはステロイド類のA環、Bはステロイド類の
B環を表わす) で示される部分構造を有するものであつて、例えば1
α,2α−エポキシ−コレスタ−4,6−ジエン−3−オ
ン、1α,2α−エポキシ−エルゴスタ−4,6,22−トリエ
ン−3−オンが具体例として挙げられるが、その他1
α,2α−エポキシ−25−ヒドロキシコレスタ−4,6−ジ
エン−3−オン、1α,2α−エポキシ−25−ヒドロキシ
−エルゴスタ−4,6−ジエン−3−オン、あるいはそのO
Hをテトラヒドロピラニル基、トリチル基、シリル基な
どで保護した一連の化合物、さらには側鎖にフツ素を含
むような化合物などを還元して対応する還元体を得る反
応において用いうる。
この方法で用いられる共溶媒のエーテル系溶媒として
は、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、イソプロピルエーテル、ジグライムなどを挙げるこ
とができるが、テトラヒドロフランの使用が好ましい。
この方法で用いられるアルカリ金属としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウムが挙げられるがリチウムの使
用が好ましい。リチウムを用いる場合反応物に対して過
剰量で用いることが好ましい。
この方法で用いられるプロトン供与体としては種々の
ものを挙げることができ、例えば硫酸アンモニウム、硝
酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどが用いうる
が、好ましくは塩化アンモニウムがプロトン共与体とし
て本方法で有効である。
この方法はアンモニアの液化温度すなわち、−33℃以
下の温度で一般に行なわれうるが、−45℃以下の温度で
行なうことが副生成の生成を抑制する観点から望まし
い。
このようにして得られた反応生成物は既知の精製手段
例えば再結晶化、シリカゲルカラムクロマト法などによ
つて精製される。
次に本発明を実施例によつて詳細に説明する。
実施例 1 2.0容4つ口フラスコにシールしたメカニカルスタ
ーラーと温度計とアンモニアガス注入口と排出口をつけ
る。反応槽内にある空気をアルゴンガスで置換したの
ち、ドライアイス−アセトンで冷却し、液体アンモニア
を約500mlためる。次いで数センチに切つたリチウムワ
イヤーを10.0gに加え、30分間60℃で撹拌し、リチウム
を液体アンモニア中に均一に溶解させる。次に500mlのT
HFに溶かした1α,2α−エポキシ−4,6−コレスタジエ
ン−3−オン(10.0g,25.25mM)を約30分間かけて滴下
し、さらに相間移動触媒としてトリス(ジオキサ−3,6
−ペプチル)アミン(2.0ml)を加える。この溶液を−6
0℃以下で30分間撹拌したのち、無水のNH4Clを徐々に加
える(全部で97.0g,1.81MOL)。約3.0時間かけ、NH4Cl
を加えるがこの際反応槽内の温度を−55℃以下に保つよ
うに加える。反応槽内の反応液の色は、次第に藍色から
灰白色→白色と変化する。この後−60〜−50℃で3.0時
間撹拌後、冷却バスをはずし一晩撹拌する。反応液中に
水(500ml)を注意深く加え、有機層を除き、水層をIPE
抽出(200ml×2回)する。IPE層と最初の有機層を合わ
せ、水洗、飽和食塩水洗、乾燥(MgSO4)、濃縮し、粗
のジオールを得る。これを再結(MeOH)し、8.10g(79.
8%)の1α−ハイドロキシコレステロールを得る。
実施例 2 実施例1と同様にして、1α,2α−エポキシ−4,6,22
−エルゴスタトリエン−3−オン(8.81g,0.0216モ
ル)、リチウム(11.45g)、塩化アンモニウム(107g,
2.0M)から1α−ハイドロキシ−7,8−ジヒドロエルゴ
ステロール7.225g(80.8%)を得た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の式 (式中、Aはステロイド類のA環、Bはステロイド類の
    B環を表わす) で示される部分構造を有するステロイド類をプロトン供
    与体の存在下に液体アンモニア及び共溶媒としてのエー
    テル系溶媒中で、アルカリ金属を用いて還元して次の式 (式中、AおよびBは上述の意味を有する) で示される部分構造を有するステロイド類を製造するに
    際して、アルカリ金属の溶解度を向上させうる相間移動
    触媒を添加することを特徴とする上記ステロイド類の製
    造方法。
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