JP5104206B2 - 2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの製造方法に関し、より詳細には、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドおよびビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを用いて、硫酸化およびその後の加水分解によって、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを得る方法に関する。
2−パーフルオロアルキルエチルアルコールは、撥水撥油剤、界面活性剤、離型剤、その他の有用な物質を製造するための中間体として用いられている。
2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの製造方法としては、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドを発煙硫酸で硫酸化して2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートとし、これを加水分解して2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを得る方法が一般に知られている(特許文献1および2を参照のこと)。
このような従来の製造方法は、特許文献1を参照して、順次遂行される2つの反応からなるものとして理解されている。第1の反応は、RfCHCHIで表わされる2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドを発煙硫酸と反応させて、RfCHCHOSOOHで表わされる2−パーフルオロアルキルエチルサルフェート(またはフルオロアルキル水素サルフェート)およびIを生成させる硫酸化反応である。第2の反応は、第1の反応で生成した2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを水性酸により加水分解して、RfCHCHOHで表わされる2−パーフルオロアルキルエチルアルコールおよび硫酸とする加水分解反応である。
特公昭40−19085号公報 特表平5−507269号公報 特許第3438905号公報
上記のような従来の製造方法では、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートやヨウ化物(2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイド、以下も同様とする)の副生が認められ、最終的に得られる反応混合物(最終混合物)中に存在して、目的物質である2−パーフルオロアルキルエチルアルコール(RfCHCHOH)の収率は80%程度に留まっている。副生物のうち主なものはビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートであり、最終混合物中のヨウ化物量はガスクロマトフィー分析で数重量%程度と少ない。より高い収率を得るためには、最終混合物中に認められる副生物の量、特にビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの量を減らす必要がある。
ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートは上記第1の反応(硫酸化反応)における副生物である。ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートは、加水分解により、目的物質である2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを生じることが知られているが(特許文献1を参照のこと)、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートの加水分解条件よりはるかに激しい酸性条件と時間とを要するため、上記第2の反応においてビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを加水分解して2−パーフルオロアルキルエチルアルコールとすることは困難である。またこの第2の反応の際、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートも加水分解するような過酷な条件とすると、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートと2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの副反応により、RfCHCHOCHCHRf’で表わされるエーテルの副生が認められる。
ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを単離した後、アルカリ性条件で加水分解することもできるが(特許文献1を参照のこと)、この反応の際、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの脱硫酸反応により、RfCH=CHで表わされるオレフィンの副生が認められる。
このように、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートが上記第1の反応(硫酸化反応)で副生した後、これを加水分解することにより、最終混合物中に認められるビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの量を減らす方策は、上記のエーテルまたはオレフィンといった副生物や反応時間の点で不利である。
また、上記第1の反応において、原料の2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対して発煙硫酸を大過剰に用いることにより、副生するビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの量を減らすこともできる。しかしながら、装置サイズや取扱う発煙硫酸量、中和および希釈により生じる廃水量などを考慮すると非効率的であり、工業的製造には適さない。
また、従来の製造方法の改良として、最終生成物中に認められるヨウ化物の量を減らすために、加水分解工程で酸化剤を添加することが提案されている(特許文献3を参照のこと)。しかしながら、この改良方法では、加水分解工程で酸化剤を添加することによりヨウ化物の副生を抑制しているものの必ずしも十分ではない。また、この改良方法では、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの副生については一切考慮されていない。上述したように、最終混合物中に認められるヨウ化物の量は、従来の製造方法でも数重量%程度と少ないため、この改良方法によっては、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの収率を効果的に高めることはできない。
本発明の主な目的は、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを高収率で製造することのできる方法を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、副生したビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを発煙硫酸との硫酸化反応に供することにより、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを最終的に高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、以下の式
RfCHCH
(式中、Rfは炭素数1〜10の直鎖状パーフルオロアルキル基である)で表わされる2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドを発煙硫酸と接触させ、これにより生じた以下の式
RfCHCHOSOOH
で表わされる2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートと、これにより副生した以下の式
RfCHCHOSOOCHCHRf
(式中、RfおよびRfは同じまたは異なる炭素数1〜10の直鎖状パーフルオロアルキル基である)で表わされるビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートとを含む第1硫酸化反応混合物を得る第1硫酸化工程、
第1硫酸化工程にて生じた2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを加水分解し、これにより生じた以下の式
RfCHCHOH
で表わされる2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを含む第1加水分解反応混合物を得る第1加水分解工程、
第1硫酸化工程にて生じたビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを発煙硫酸と接触させ、これにより生じた以下の式
RfCHCHOSOOH および RfCHCHOSOOH
で表わされる2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを含む第2硫酸化反応混合物を得る第2硫酸化工程、および
第2硫酸化工程にて生じた2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを加水分解して、これにより生じた以下の式
RfCHCHOH および RfCHCHOH
で表わされる2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを含む第2加水分解反応混合物を得る第2加水分解工程
を含んで成り、第1硫酸化工程と第2硫酸化工程および第1加水分解工程と第2加水分解工程はそれぞれ異なる工程である、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの製造方法が提供される。
尚、本発明において「反応混合物」とは反応を経て得られる混合物を意味し、反応生成物のみならず未反応原料をも含むものであり、例えば有機物と無機物とが混合した状態および有機相と無機相とに相分離した状態などの任意の状態であり得る。また、「反応混合物」を用いる場合は、全体をそのまま用いても、その一部分(例えば有機相のみ)を用いてもよい。
また、最終的に得られる2−パーフルオロアルキルエチルアルコールは、RfCHCHOH、RfCHCHOH、およびRfCHCHOHで表わされるものであるが、RfCHCHOHおよびRfCHCHOHはいずれもRfCHCHOHの式によって一般化されるものであることに留意されたい。
本発明の製造方法においては、第1硫酸化工程で副生したビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを、第2硫酸化工程で2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートとした上で、第2加水分解工程で2−パーフルオロアルキルエチルアルコールとしているので、最終的に得られる反応混合物中に存在するビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの量を減らすことができ、その分、目的物質である2−パーフルオロアルキルエチルアルコールをより多く得ることができる。ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートは従来の製造方法における主な副生物であることから、本発明の製造方法によれば、目的物質である2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの収率を効果的に高めることができる。
本発明はいかなる論理によっても拘束されるものではないが、第2硫酸化工程で反応が進行する理由は次のように考えられる。2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドの存在下では、三酸化硫黄は、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートから2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを生じる反応よりも、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドから2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを生じる反応に使用され易く、後者の反応が優先的に進行する。よって、第1硫酸化工程において2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドを原料に用いて硫酸化すると、後者の反応が優先的に進行し、前者の反応はあまり進行しないので、得られた第1硫酸化反応混合物中にはビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートが含まれる。しかしながら、本発明の製造方法のように、第1硫酸化工程とは別の第2硫酸化工程を設け、この第2硫酸化工程において2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドが比較的少量しか存在しない状態で硫酸化することによって、前者の反応が進行し、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートとすることができる。
本発明の製造方法における第1加水分解工程および第2加水分解工程は、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを直接加水分解して2−パーフルオロアルキルエチルアルコールとするのに必要な激しい酸性条件に比べて穏やかな条件で実施できる。よって、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートも加水分解するような過酷な条件とする場合に起こり得るエーテルの副生を回避することができる。
また、本発明の製造方法では、第1加水分解工程および第2加水分解工程をアルカリ性条件で実施する必要がないので、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの単離後にアルカリ性条件で加水分解する場合に起こり得るオレフィンの副生を回避することができる。
更に、本発明の製造方法では、第1硫酸化工程において副生するビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの量を従来よりも減らす必要がなく、従来より多くてもよいので、第1硫酸化工程における2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対する発煙硫酸、より詳細には三酸化硫黄の量は大過剰とする必要がなく、従来より少量であってもよい。例えば、第1硫酸化工程において、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対して3倍モル以下の三酸化硫黄を含む発煙硫酸を用いてよい。よって、本発明の製造方法は、装置サイズや取扱う発煙硫酸量、廃水量などの点で工業的製造に好都合である。
本発明の1つの態様では、第1加水分解工程において、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートおよびビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを含む第1硫酸化反応混合物を用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールおよびビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを含む第1加水分解反応混合物を得、
第2硫酸化工程において、該第1加水分解反応混合物を用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールおよび2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを含む第2硫酸化反応混合物を得、
第2加水分解工程において、該第2硫酸化反応混合物を用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを含む第2加水分解反応混合物を得ることにより、本発明の製造方法を実施できる。
この態様では、最終的に得られる反応混合物は第2加水分解反応混合物であり、第2加水分解反応混合物を分析することにより収率等が求められる。
本発明のもう1つの態様では、第1加水分解工程において、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートおよびビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを含む第1硫酸化反応混合物を用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールおよびビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを含む第1加水分解反応混合物を得、
該第1加水分解反応混合物から2−パーフルオロアルキルエチルアルコールのフラクションと、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートのフラクションとを分離し、
第2硫酸化工程において、分離したビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートのフラクションを用いて、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを含む第2硫酸化反応混合物を得、
第2加水分解工程において、該第2硫酸化反応混合物を用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを含む第2加水分解反応混合物を得ることにより、本発明の製造方法を実施できる。
この態様では、最終的に得られる反応混合物は、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールのフラクションと第2加水分解反応混合物とを合わせたものであり、これらを個別にまたは混合して分析することにより収率等が求められるであろう。
しかしながら、本発明はこれら態様に限定されない。例えば、第1硫酸化反応混合物から2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートのフラクションと、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートのフラクションとを分離し、
第1加水分解工程において、第1硫酸化反応混合物から分離した2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートのフラクションを用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを含む第1加水分解反応混合物を得、
第2硫酸化工程において、第1硫酸化反応混合物から分離したビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートのフラクションを用いて、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを含む第2硫酸化反応混合物を得、
第2加水分解工程において、該第2硫酸化反応混合物を用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを含む第2加水分解反応混合物を得ることにより、本発明の製造方法を実施することも考えられ得るであろう。
本発明によれば、第1硫酸化工程で副生したビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを、第2硫酸化工程で2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートとした上で、第2加水分解工程で2−パーフルオロアルキルエチルアルコールとすることにより、最終的に、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの収率を効果的に高めることができる。
本発明の1つの実施形態における2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの製造方法について、図1を参照しながら以下に説明する。
・第1硫酸化工程
まず、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドを発煙硫酸と接触させて硫酸化する。例えばオートクレーブ等の反応装置に発煙硫酸と2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドを順次供給し、適切な反応条件下で接触させて硫酸化反応を進行させる。
原料である2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドは、以下の式
RfCHCH
で表わされるものである。式中、Rfは炭素数1〜10の直鎖状パーフルオロアルキル基であり、より具体的にはRfはF(CF−(nは1〜10の整数)で表わされる。
この工程において硫酸化のために用いる発煙硫酸は、一般的に知られているように、濃硫酸と三酸化硫黄とを含んで成るものである。発煙硫酸には、任意の適切な三酸化硫黄濃度を有するものを使用してよく、入手性および取扱性などを考慮して適宜選択できる。
反応温度および圧力は、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドおよび発煙硫酸が液体状態にあるような温度および圧力であれば2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドの硫酸化反応が進行するが、例えば常圧下では約0〜90℃とし得る。反応時間は、特に限定されないが、例えば約1〜2時間とし得る。
この硫酸化反応によって、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートが生じ、これは以下の式
RfCHCHOSOOH
で表わされるものである。
また、この硫酸化の間に、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートが副生し、これは以下の式
RfCHCHOSOOCHCHRf
で表わされるものである。式中、RfおよびRfは同じまたは異なる炭素数1〜10の直鎖状パーフルオロアルキル基であり、より具体的にはRfおよびRfはそれぞれF(CF−および−(CFF(mおよびlは同一もしくは異なる1〜10の整数)で表わされる。
これにより、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートとビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートとを含む第1硫酸化反応混合物が得られる。この第1硫酸化反応混合物は、未反応の発煙硫酸などを更に含んで成り、通常、有機物と無機物とが混合した状態で得られるものである。
第1硫酸化反応混合物中に認められるビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの量は、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドおよび発煙硫酸の反応装置への供給順序や、供給割合によって異なり得る。従来の製造方法では、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの量をできるだけ少なくするため、反応装置にまず発煙硫酸を供給し、次いで2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドを供給することが好ましく、また、発煙硫酸を2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対して過剰に用いることが好ましいとされていた。しかしながら、本発明では、第1硫酸化工程において副生するビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの量を少なくする必要はないので、このような制約を受けない。
よって、この工程において、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドおよび発煙硫酸の反応装置への供給順序は特に限定されず、どちらを先に供給してもよい。
また、この工程に用いる2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドと発煙硫酸の量比は特に限定されないが、経済性および効率などを考慮すると、発煙硫酸中の三酸化硫黄が、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対して、例えば約0.1〜11倍モルとすることが好ましく、0.5〜7倍モルとすることが更に好ましい。しかしながら、発煙硫酸中の三酸化硫黄は、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対して、3倍モル以下であってよい。また発煙硫酸中の硫酸は、原料である2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対して、例えば約1〜50倍モルとすることが好ましく、約10〜40倍モルとすることが更に好ましい。
・第1加水分解工程
次に、先の第1硫酸化工程で得られた第1硫酸化反応混合物を用いて、第1硫酸化工程にて生じた2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを加水分解する。例えば反応装置内に予め供給した水または亜硫酸ナトリウム水溶液に、第1硫酸化反応混合物を、一般的には先の工程で得られた混合物全体をそのまま供給し、適切な反応条件下で接触させて加水分解反応を進行させる。温度制御可能な反応装置を用いる場合には、水または亜硫酸ナトリウム水溶液と第1硫酸化反応混合物との供給順序を逆にしてもよい。
加水分解のために用いる水の量は、この工程における2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートの加水分解反応での消費と、第1硫酸化工程に用いた発煙硫酸の未反応の三酸化硫黄を硫酸とするのに十分な量であればよい。この工程においては、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを加水分解できればよいので、水相を激しい酸性条件としたり、アルカリ性条件とする必要はない。
反応温度および圧力は、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートが加水分解した際に2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの水和ゲルが形成されないような温度および圧力とすることが好ましく、例えば常圧下では約80℃以上とすることが好ましい。但し、水和ゲルの形成を回避することは必須ではなく、形成されたアルコール水和ゲルは加熱(例えば常圧下では約80℃以上の加熱)により2−パーフルオロアルキルエチルアルコールとすることができる。反応時間は、特に限定されないが、例えば約0.5〜2時間とし得る。
この加水分解反応によって、目的物質である2−パーフルオロアルキルエチルアルコールが生じ、これは以下の式
RfCHCHOH
で表わされるものである。
また、この加水分解反応の間、第1硫酸化反応混合物中に含まれていたビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートは、実質的にそのまま維持される。このような加水分解反応は穏やかな反応条件で実施できるので、ヨウ化物やエーテルなどの副生物は殆ど生成しない。
これにより、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールおよび2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを含む第1加水分解反応混合物が得られる。この第1加水分解反応混合物は、未反応の水などを更に含んで成り、通常、有機物と無機物とが混合した状態で得られるものである。この第1加水分解反応混合物を有機相と水相とに相分離させて、有機相を分取して使用することが好ましい。
・第2硫酸化工程
次に、先の第1加水分解工程で得られた第1加水分解反応混合物を用いて、第1硫酸化工程にて生じたビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを発煙硫酸と接触させて硫酸化する。例えばオートクレーブ等の反応装置に発煙硫酸と第1加水分解反応混合物(より詳細には上記で分取した有機相)を順次供給し、適切な反応条件下で接触させて硫酸化反応を進行させる。発煙硫酸と第1加水分解反応混合物(より詳細には有機相)の反応装置への供給順序は特に限定されず、どちらを先に供給してもよい。
この工程において硫酸化のために用いる発煙硫酸は、第1硫酸化工程と同様、任意の適切な三酸化硫黄濃度を有するものを使用してよく、入手性および取扱性などを考慮して適宜選択できる。
反応温度および圧力は、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの硫酸化反応が進行するように、例えば常圧下では約50〜80℃とする必要がある。反応時間は、特に限定されず、また温度などの条件にもよるが、例えば約1〜2時間とし得る。
また、この工程におけるビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートに対する発煙硫酸の量比は特に限定されないが、経済性および効率などを考慮すると、発煙硫酸中の三酸化硫黄が、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートに対して、例えば約0.1〜11倍モルとすることが好ましく、約0.5〜7倍モルとすることが更に好ましい。また発煙硫酸中の硫酸は、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートに対して、例えば約1〜50倍モルとすることが好ましく、約10〜40倍モルとすることが更に好ましい。
この硫酸化反応によって、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートが生じ、これは以下の式
RfCHCHOSOOH および RfCHCHOSOOH
で表わされるものであり、これらの式は以下の式
RfCHCHOSOOH
より一般化され得る。
また、この硫酸化反応の間、第1加水分解反応混合物中に含まれていた2−パーフルオロアルキルエチルアルコールは、実質的にそのまま維持される。
尚、この工程で用いた第1加水分解反応混合物は、未反応の2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドを含み得るが、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドは少量であるので、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの硫酸化が効率的に進行する。
これにより、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールおよび2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを含む第2硫酸化反応混合物が得られる。この第2硫酸化反応混合物は、未反応の発煙硫酸などを更に含んで成り、通常、有機物と無機物とが混合した状態で得られるものである。
・第2加水分解工程
次に、先の第2硫酸化工程で得られた第2硫酸化反応混合物を用いて、第2硫酸化工程にて生じた2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを加水分解する。この工程における操作方法や反応条件は、特に説明のない限り、第1加水分解工程について上述したものと同様とし得る。
この加水分解反応によって、目的物質である2−パーフルオロアルキルエチルアルコールが生じ、これは以下の式
RfCHCHOH および RfCHCHOH
で表わされるものであり、これらの式は以下の式
RfCHCHOH
により一般化され得る。
また、この加水分解反応の間、第2硫酸化反応混合物中にもともと含まれていた2−パーフルオロアルキルエチルアルコールは、実質的にそのまま維持される。
これにより、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを含む第2加水分解反応混合物が得られる。この第2加水分解反応混合物は、未反応の水などを更に含んで成り、通常、有機物と無機物とが混合した状態で得られるものである。この第2加水分解反応混合物を有機相と水相とに相分離させて、有機相を分取することにより、目的物質である2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを回収することができる。
以上、本発明の1つの実施形態における2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの製造方法(図1)について説明してきたが、本発明は他の形態で実施することが可能である。
本発明のもう1つの実施形態では、図2を参照して、第1加水分解工程を経て得られた、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールおよび2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを含む第1加水分解反応混合物を、例えば有機相と無機相(水相)とに相分離して有機相を分取し、この有機相を精留操作に付して、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールのフラクションと2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを分離し、後者のフラクションを第2硫酸化工程および第2加水分解工程に付す。この実施形態では、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールは、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールのフラクションおよび第2加水分解反応混合物として回収することができる。尚、この実施形態における各工程でのその他の操作方法や反応条件は、図1を参照して上述した先の実施形態のものと同様とし得る。
また、図示するものではないが、第2加水分解反応混合物中にビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートが存在しており、収率を更に向上させることが望まれる場合には、第2加水分解工程の後に、第2硫酸化工程および第2加水分解工程と同様の工程を更に繰り返して実施してもよい。
本発明の効果を確認するため以下の実験を行った。
(実験1)
・硫酸化工程
500mlの四ツ口フラスコに三酸化硫黄濃度20重量%の発煙硫酸35.13gと水1.32gを供給し、三酸化硫黄濃度3.3重量%の発煙硫酸36.45gを調製した。フラスコ内を30℃に保って攪拌しながらC13I 14.49gを40分かけて滴下し、その後更に1時間攪拌を継続した。
・加水分解工程
その後、上記のフラスコを氷浴で冷却しながら1.5重量%亜硫酸ナトリウム水溶液160.71gを1時間かけて滴下し、続いて80℃に加熱して1時間維持した。その後、静置して有機相と無機相とに相分離し、下相の有機相10.39gを分取した。分取した有機相を分析したところ、下表の通りであった。尚、分析はガスクロマトグラフィーにより行い、下記の実験も同様とした。
Figure 0005104206
(実験2)
・硫酸化工程
200mlの四ツ口フラスコに三酸化硫黄濃度20重量%の発煙硫酸108.10gを供給し、室温下で温度制御せずに攪拌しながらCI 11.57gを40分かけて滴下し、その後更に1時間攪拌を継続した。
・加水分解工程
500mlの四ツ口フラスコに1.5重量%亜硫酸ナトリウム水溶液231.91gを供給し、先の硫酸化工程で得た反応物全体(有機物および無機物の双方を含む)を室温下で温度制御せずに1時間かけて滴下し、続いて80℃に加熱して1時間維持した。その後、静置して有機相7.34gを分取した。分取した有機相を分析したところ、下表の通りであった。
Figure 0005104206
(実験3)
・硫酸化工程
精製した(C13O)SO 0.91gを100mlの四ツ口フラスコに供給し、三酸化硫黄濃度20重量%の発煙硫酸10.88gを室温下で温度制御せずに攪拌しながら20分間かけて滴下し、続いて80℃に加熱して1時間攪拌を継続した。
・加水分解工程
100mlの四ツ口フラスコに水20.10gを供給し、先の硫酸化工程で得た反応物全体(有機物および無機物の双方を含む)を室温下で温度制御せずに30分間かけて滴下し、続いて80℃に加熱して1時間維持した。その後、静置して有機相0.51gを分取した。分取した有機相を分析したところ、下表の通りであった。
Figure 0005104206
(実験4)
・硫酸化工程
200mlの四ツ口フラスコに三酸化硫黄濃度20重量%の発煙硫酸59.68gを供給し、C13OHと(C13O)SOとの混合物12.25g((C13O)SO 22.78重量%、残部はC13OH)を室温下で温度制御せずに攪拌しながら40分間かけて滴下し、続いて80℃に加熱して1時間攪拌を継続した。
・加水分解工程
500mlの四ツ口フラスコに水150.41gを供給し、先の硫酸化工程で得た反応物全体(有機物および無機物の双方を含む)を室温下で温度制御せずに1時間かけて滴下し、続いて80℃に加熱して1時間維持した。その後、静置して有機相10.82gを分取した。分取した有機相を分析したところ、下表の通りであった。
Figure 0005104206
(実験5)
・硫酸化工程
200mlの四ツ口フラスコに三酸化硫黄濃度20重量%の発煙硫酸21.61gを供給し、C13OH、C13Iおよび(C13O)SOの混合物10.20g(C13OH 33.71重量%、C13I 52.85重量%、(C13O)SO 13.44重量%)を室温下で温度制御せずに攪拌しながら40分間かけて滴下し、続いて80℃に加熱して1時間攪拌を継続した。
・加水分解工程
200mlの四ツ口フラスコに1.5重量%亜硫酸ナトリウム水溶液48.33gを供給し、先の硫酸化工程で得た反応物全体(有機物および無機物の双方を含む)を室温下で温度制御せずに1時間かけて滴下し、続いて80℃に加熱して1時間維持した。その後、静置して有機相7.55gを分取した。分取した有機相を分析したところ、下表の通りであった。
Figure 0005104206
上記実験1〜5の分析結果のうち、実験1、2および5の2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイド(RfCHCHI:実験1および5ではC13I、実験2ではCI)の転化率は、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートから2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイド(ヨウ化物)に戻る反応や、新たなビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェート生成反応があり得るため、みかけ上の値である。
実験1および2は第1硫酸化工程および第1加水分解工程を実施したものであり、実験3〜5は第2硫酸化工程および第2加水分解工程を実施したものである。
実験3より、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを硫酸化反応に供し、続いて加水分解を行うことにより、目的物質である2−パーフルオロアルキルエチルアルコールが高純度で得られることが確認された。これより、実験1および2のような第1硫酸化工程および第1加水分解工程のみを実施した場合に比べて、その後、実験3のような第2硫酸化工程および第2加水分解工程を更に実施することによって、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールをより高収率で得ることが可能であると理解される。
実験4より、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを目的物質である2−パーフルオロアルキルエチルアルコールと一緒に用いても、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを単独で用いた実験3と同程度に高いビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェート転化率および2−パーフルオロアルキルエチルアルコール純度を達成できること、および収率低下の原因となる副生成物の生成や反応阻害の生じないことが確認された。よって、第2硫酸化工程においてビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを目的物質である2−パーフルオロアルキルエチルアルコールと一緒に用いても、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールをより高収率で得ることが可能であると理解される。
一方、実験5より、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを、目的物質である2−パーフルオロアルキルエチルアルコールに加えて、原料である2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドと一緒に用いると、実験3および4と同じ反応温度および反応時間であっても、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェート転化率が低いことが確認された。これより、第1硫酸化工程において反応温度を上げたり反応時間を長くしたりしてビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの転化促進を試みるよりも、第1硫酸化工程で生じたビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを、続く第1加水分解工程の後に、第2硫酸化反応工程および第2加水分解工程に供して2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを得るほうが、収率を効果的に改善できることが理解される。
尚、実験4および5における2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの収率は、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートに由来するものだけでなく、他のもの(実験4では2−パーフルオロアルキルエチルアルコール、実験5では2−パーフルオロアルキルエチルアルコールおよび2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイド)による分も含めて全体について算出しているので、見かけ上高くなっていることに留意されたい。よって、実験3〜5を比較する場合は、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの収率ではなく、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの転化率に着目すべきである。
(補足実験)
2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対する発煙硫酸中の三酸化硫黄のモル比を種々に変化させ、このモル比が及ぼす影響について調べた。
・硫酸化工程
200mlの四ツ口フラスコに三酸化硫黄濃度20重量%の発煙硫酸を所定量で供給し、室温下で温度制御せずに攪拌しながらC13I 14.2g(0.03モル)を40分かけて滴下し、その後更に1時間攪拌を継続した。発煙硫酸の量は、その中に含まれる三酸化硫黄の量がC13Iに対して、3、5、7、9、11倍モルとなるようにした。
・加水分解工程
500mlの四ツ口フラスコに1.5重量%亜硫酸ナトリウム水溶液225gを供給し、先の硫酸化工程で得た反応物全体(有機物および無機物の双方を含む)を室温下で温度制御せずに約1時間かけて滴下し、続いて80℃に加熱して1時間維持した。その後、静置して下相の有機相を分取した。
以上のようにしてC13I(2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイド)に対する三酸化硫黄のモル比を変化させて得られた各有機相を分析して、C13OH(2−パーフルオロアルキルエチルアルコール)と(C13O)SO(ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェート)の量(重量%)を測定した。結果を図3に示す。
図3を参照して、SO(三酸化硫黄)/2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドのモル比4付近を境に、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの割合が著しく減少し、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの割合が増加することが理解される。従来の製造方法では、最終混合物中に認められるビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートをできるだけ少なくするために、唯一の硫酸化工程において、発煙硫酸、より詳細には三酸化硫黄を2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対して過剰に、例えば7〜11倍モルで使用する必要があった。これに対して本発明の製造方法においては、第1硫酸化工程において副生したビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートは第2硫酸化工程において2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートとしており、更に第2加水分解工程で2−パーフルオロアルキルエチルアルコールとすることができるため、第1加水分解工程におけるビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートの副生を抑制する必要がない。よって、本発明の製造方法では、第1硫酸化工程において、三酸化硫黄を2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対して7倍モル以下で使用でき、例えば3倍モル以下とすることが可能であり、更には化学量論比である1.5倍モル以下としても、最終的には十分に高い収率を達成することができる。
本発明の1つの実施形態における2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの製造方法を説明するフローチャートである。 本発明のもう1つの実施形態における2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの製造方法を説明するフローチャートである。 2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対する発煙硫酸中の三酸化硫黄のモル比が及ぼす影響を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 以下の式
    RfCHCH
    (式中、Rfは炭素数1〜10の直鎖状パーフルオロアルキル基である)で表わされる2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドを発煙硫酸と接触させ、これにより生じた以下の式
    RfCHCHOSOOH
    で表わされる2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートと、これにより副生した以下の式
    RfCHCHOSOOCHCHRf
    (式中、RfおよびRf同じ炭素数1〜10の直鎖状パーフルオロアルキル基である)で表わされるビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートとを含む第1硫酸化反応混合物を得る第1硫酸化工程、
    第1硫酸化工程にて生じた2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを加水分解し、これにより生じた以下の式
    RfCHCHOH
    で表わされる2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを含む第1加水分解反応混合物を得る第1加水分解工程、
    第1硫酸化工程にて生じたビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを発煙硫酸と接触させ、これにより生じた以下の式
    RfCHCHOSOOH および RfCHCHOSOOH
    で表わされる2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを含む第2硫酸化反応混合物を得る第2硫酸化工程、および
    第2硫酸化工程にて生じた2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを加水分解して、これにより生じた以下の式
    RfCHCHOH および RfCHCHOH
    で表わされる2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを含む第2加水分解反応混合物を得る第2加水分解工程
    を含んで成り、第1硫酸化工程と第2硫酸化工程および第1加水分解工程と第2加水分解工程はそれぞれ異なる工程である、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールの製造方法。
  2. 第1加水分解工程において、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートおよびビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを含む第1硫酸化反応混合物を用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールおよびビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを含む第1加水分解反応混合物を得、
    第2硫酸化工程において、該第1加水分解反応混合物を用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールおよび2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを含む第2硫酸化反応混合物を得、
    第2加水分解工程において、該第2硫酸化反応混合物を用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを含む第2加水分解反応混合物を得る、請求項1に記載の製造方法。
  3. 第1加水分解工程において、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートおよびビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを含む第1硫酸化反応混合物を用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールおよびビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートを含む第1加水分解反応混合物を得、
    該第1加水分解反応混合物から2−パーフルオロアルキルエチルアルコールのフラクションと、ビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートのフラクションとを分離し、
    第2硫酸化工程において、分離したビス(2−パーフルオロアルキルエチル)サルフェートのフラクションを用いて、2−パーフルオロアルキルエチルサルフェートを含む第2硫酸化反応混合物を得、
    第2加水分解工程において、該第2硫酸化反応混合物を用いて、2−パーフルオロアルキルエチルアルコールを含む第2加水分解反応混合物を得る、請求項1に記載の製造方法。
  4. 第1硫酸化工程において、2−パーフルオロアルキルエチルアイオダイドに対して3倍モル以下の三酸化硫黄を含む発煙硫酸を用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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