JP2582249B2 - 内装材の絞形成方法及びその装置 - Google Patents

内装材の絞形成方法及びその装置

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JP2582249B2
JP2582249B2 JP61193919A JP19391986A JP2582249B2 JP 2582249 B2 JP2582249 B2 JP 2582249B2 JP 61193919 A JP61193919 A JP 61193919A JP 19391986 A JP19391986 A JP 19391986A JP 2582249 B2 JP2582249 B2 JP 2582249B2
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好正 岡田
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は絞形成方法及びその装置に係り、特に凹凸の
ある自動車等の内装材を成形するに際し、深い絞の形成
が可能な内装材の絞形成方法及びその装置に関する。
【従来の技術】
従来、第4図で示すような内装材、例えば表皮材43と
クッション材44と基材40を積層したドアライニングDを
成形するときには、第4図(A)で示すように、雄型
(下型)41に予め所定形状に成形された基材40を載置
し、雌型(上型)42と雄型41の間で、表皮材43とクッシ
ョン材44を積層した表皮部材をクランプし加熱させ型締
めして、矢線で示すように雄雌型内の空気を抜いて真空
成形する。このとき、雌型42の型面42aに形成された型
絞の、製品であるドアライニングD等への反転性は、真
空圧程度では良好に形成することができないため、雄雌
型締圧が絞反転の主たる要因となっている。 従って、第4図(B)における型絞面42aのXで示さ
れる部分は、上下の型締圧がドアライニングDに面直に
かかるため、絞の反転性が良好であるが、型絞面Yで示
されるような、上下型の締力に対して面直でない部分
は、型絞面に対してドアライニングDに面直の力が加わ
らないため、絞の表皮材43への反転性が良くない。具体
的にいえばドアライニングDにおいては、アームレスト
部、アッパー部、後壁の絞反転が薄くなる。 このように型締力に対して面直でない部分は絞反転性
が悪いために、予め絞の反転性が悪いことを前提に、表
皮材の型絞を所定より深く形成する技術がある。
【発明が解決しようとする問題点】
上述した、予め型絞を深く形成する技術では、表皮材
と接する型面における絞が、反転性の薄いことを前提と
したものであり、細かい絞や微妙な形状が要求される絞
等、例えば皮調に表皮材を形成する場合に、反転性が悪
いため、深い皮調とすることが困難であり、絞を表皮材
全体に均一に形成することが困難であるという問題は解
決されない。その上、予め、絞の反転性が悪いことを前
提に、表皮材の型絞を所定より深く形成することは製品
のバラツキ等の不都合を生じさせることとなる。
【問題点を解決するための手段】
本発明は、上述の問題を解決したドアライニング、サ
イドライニングで代表される内装材の絞形成方法及びそ
の装置の提供を技術的課題とする。 そして絞形成方法としては、雄型と雌型の間に少なく
とも基材を有する表皮材を介在させ型締めし、上型又は
下型のいずれか一方の型面に形成された型絞を表皮材に
反転させる方法において、前記型締めによる圧力以外の
手段を用いて前記型絞の絞反転が薄い部分あるいは型絞
の反転性の悪い箇所に圧力を加えて成る構成とする。 より具体的には、実施例で示されるように、型締めに
よる圧力以外の手段としては、型絞面を有さない型側か
ら空気圧を用いて型絞面側に内装材を押圧することであ
る。さらに型絞面を有さない型側に形成された駒を押圧
することによって型絞面に内装材を押圧することであ
る。 雄雌型の一方の型には空気排出装置と連通した多数の小
孔を有する型絞面を形成し、他方の型には閉じ型と前記
型絞面を押圧するための押し型と圧縮空気供給手段とを
設け、前記雄雌型の間に表皮材及びクッション材を介在
させ型締めして、前記空気排出装置を稼働させて一方の
型に形成された小孔によってキャビティ内の空気を排出
すると共に、他方の型から圧縮空気供給手段により圧縮
空気を供給して表皮材表面に型絞を反転させる。次に、
表皮材との接合面に接着剤を塗布しておいた基材を押し
型に載置し、この押し型を押圧する。このようにして押
し型に載置された基材と前記表皮材及びクッション材を
接合して内装材に絞を形成する。 さらに絞形成装置としては、雄雌型(上下)を型締め
して成形し型絞を表皮材に反転させる内装材の絞形成装
置において、一方の型に形成された空気排出装置と連通
した多数の小孔を有する型絞面と、他方の型に形成され
た型絞面の少なくとも前記上下型の型締め圧方向と異な
る型面部分に圧力を加える手段とを備えた構成とする。 より具体的には、実施例で示されるように、型絞面を
有さない型に形成された中空パイプから圧縮空気による
圧力である。さらには型絞面を有さない型の型面に形成
された押圧手段を備えた駒による。
【作用】
本発明の作用を第1図に示す実施例に基づいて説明す
る。 予め所定形状に成形され且つ空気穴を明けられた基材
7を雄型3に載置し、雄型3と雌型2の間に、予め加熱
したポリ塩化ビニル等から成る表皮材9とポリプロピレ
ンフォーム等から成るクッション材8を積層した表皮部
材12を介在させて型の左右にあるシートクランプ10によ
って挟持した後、型締めする。 そして雌型2側からは図示しない空気排出装置を稼動
させ、型に形成された小孔によってキャビティ内の空気
を排出すると共に、雄型3からは図示しない空気供給装
置を稼動させて小孔から圧縮空気を送る。これによっ
て、予め加熱された表皮部材12は雄型面と密着状態にさ
れ、同時に雄型3と型締力で表皮部材12と基材7は接合
される。 さらに雄型3の圧縮空気の供給時に、型絞の反転性の
悪い箇所に形成された中空パイプ4の開口部4aから送り
込まれる圧縮空気によって、型締めで面直に圧力が加わ
らない箇所に空気圧をかけ、型絞の反転性を良好にす
る。このとき型絞面に対し、面直にかける圧力は表皮
材、クッション材に支障のない力で、例えば2kg/cm2
度が好ましい。中空パイプと連続する空気供給装置は管
体6と連通して形成しているが、別の装置と接続するこ
とができる。 また圧力をかける箇所を設定することによって、所望
の箇所に金型に形成された深い絞を良好に反転させるこ
とが可能となる。 このように型絞の反転性を向上させ、深い皮調その他
要望に応じた絞を形成することができる。 またドアライニング、サイドライニング等の内装材全
面に型絞を均一にあるいは部分的に強調させて反転させ
ることができる。
【実施例】
以下、各発明の各一実施例を図面に基づき説明する。
尚、当然のことであるが、以下の説明例に記載し又は図
示している構成部品、その他の部材、配置は本発明を限
定する趣旨ではなく、単なる説明例である。 第1図は本発明方法及び装置の一実施例を示し、第1
図(A)は本発明装置の概略説明断面図、第1図(B)
は内装材としてのドアライニング、第1図(C)は第1
図(B)のI−I線による断面図である。 図において、符号1は絞形成装置であり、絞形成装置
1は、雌型(本例では上型)2と雄型(本例では下型)
3とから構成されている。 雌型(キャビティ)2は所定形状(本例ではドアライ
ニング形状)に形成されており、該雌型2の型面に形成
された絞(図示せず)と、雌型2から空気を排出するた
め型面に設けられた多数の空気抜きのための小孔(図示
せず)と、該小孔と連通した管体11とから成り、該管体
11は図示しない空気排出装置(真空装置)に接続されて
いる。 雄型3は前記雌型2と係合するコアであり、型面に
は、雌型2と同様に多数の小孔(図示せず)が形成され
ており、さらに型締めしたときに型締め方向に面直とな
らない型面(第1図(A)では左右方向の面)3a,3a,・
・、本例におけるドアライニングDの場合には凹凸で、
型締め方向に面直でない方向であるアームレスト部、ア
ッパー部、後壁の絞反転が薄い部分、型絞の反転性の悪
い箇所3a,3a,・・に中空パイプ4の開口部4aが形成され
ている。該中空パイプ4は、雄型3内に形成された空洞
部5に連通されており、該空洞部5は管体6と接続さ
れ、図示しない圧縮空気供給装置に接続されている。 第2図は他の実施例を示し、第2図(A)は本発明方
法に用いられる装置の概略説明断面図、第2図(B)は
第2図(A)の装置の部分拡大断面図である。以下の実
施例において、上記第1図で示される実施例と同一材
料、部材、装置、配置等については、同一符号を付して
その説明を省略する。 第2図において、雄型21の型面21a、特に型締のとき
に締圧の弱い部分に駒22を形成し、該駒22の型面22aで
はない部分の下端部は傾斜面22bに形成され、該傾斜面2
2bには、ロッド24が当接されており、該ロッド24は油圧
等の液圧または空気圧等を用いたシリンダー23と連結さ
れている。該ロッド24の先端は、駒の傾斜面と整合する
ように斜めに形成されている。また駒22の内部には雄型
21と係合したガイドピン25が形成されており、該ガイド
ピン25は平行移動が可能に形成されている。 本例における駒は符号22で示される他に、締圧の弱い
部分に圧力を加えるために駒26、27の3つを形成してい
る。 駒22については、型締と同時に雄型21のシリンダー23
が作動してF1の圧力を加える。圧力F1はロッド24の先端
が傾斜面を形成していること、駒22がガイドピン25によ
って平行移動が許容されるようにされていることによっ
て、駒にはF2の圧力が加わるように構成されている。 また駒26と27については、ガイドピン28を形成するこ
とによって、互いの駒が平行移動可能に形成してある。
尚、符号29はシリンダー符号30a,30bはロッドである。 次に本例における作用を説明する。 予め所定形状に成形され且つ穴明けされた基材7を雄
型のコアに載置し、雄型と雌型の間に、予め加熱したPV
Cから成る表皮材とPPフォームから成るクッション材8
を積層した表皮部材12を介在させて型の左右にあるシー
トクランプ10によって挟持した後、雄雌型を型締めす
る。 そして雌型2側からはキャビティ内の空気を排出する
と共に、雄型からは圧縮空気を送る。これによって、予
め加熱された表皮部材12は型面と密着状態にされ、同時
に雄型の型締力で表皮部材12と基材7は接合される。 さらに雄型の圧縮空気の供給時に、型絞の反転性の悪
い箇所に形成された中空パイプ4の開口部4aから送り込
まれる圧縮空気によって、型締めで面直に圧力が加わら
ない箇所に空気圧をかけ、型絞の反転性を良好にする。
このとき型絞面に対し、面直にかける圧力は表皮材、ク
ッション材に支障のない力で、例えば2Kg/cm2程度が好
ましい。 駒に加わる圧力F2の大きさは、他の型面である平面部
にかかる圧力と同等にする。このようにすることによっ
て絞反転が均一にできる。 駒の平行移動量としては、クッション材8を押し潰し
ながら、表皮材9の表面を型絞面に押しつけるため、駒
の移動量としては若干でよい。 また雌型のキャビティの大きさは、ドアライニング等
製品の外観寸法から、表皮材の厚さ、基材の厚さ、クッ
ション材のクッション性や厚さ等を考慮して所定の間隔
にする。 第3図は他の方法に用いられる装置を示す概略説明断
面図である。本発明では、表皮材とクッション材を雌型
で予め成形して型絞を反転させておいて、その後で基材
を接合させたものである。 図において、符号31は本発明方法の一実施例に用いら
れる絞形成装置であり、絞形成装置31は、雌型(本例で
は上型)32と雄型(本例では下型)33とから構成されて
いる。 雌型(キャビティ)32は所定形状(本例ではドアライ
ニングD)に形成されており、該雌型32の型面に形成さ
れた絞(図示せず)と、雌型32から空気を排出するため
型面に設けられた多数の空気抜きのための小孔(図示せ
ず)と、該小孔と連通した管体32aから成り、該管体32a
は図示しない空気排出装置(真空装置)に接続されてい
る。 雄型33は圧縮空気の供給のための閉じ型33aと、該閉
じ型33aの他に押し型33bが形成されている。雄型33の閉
じ型33aの所定部分には、圧縮空気を送り込むための孔3
3c,33cが形成されており、該孔33cは図示しない圧縮空
気供給装置に連結されている。また閉じ型33aには、押
し型33bが設けられており、該押し型33bは、シリンダー
34及びロッド35によって可動できるようになっている。
そして押し型33bの型面が前記雌型32と整合するように
形成されている。 次に、本例方法による作用を説明する。 本例方法によれば、前記雄雌型の間に、予め加熱され
た表皮材36a及びクッション材36bから成る表皮部材36を
介在させ、型締めする。次に図示しない圧縮空気供給装
置を稼働させ、孔33cから圧縮空気を供給すると共に、
図示しない空気排出装置を稼働させ、管体32aを介して
雌型32側から空気を抜く。このようにして表皮材36aの
表面に型絞を反転させる。このとき型絞面に対し、面直
にかける圧力は表皮材、クッション材に支障のない力
で、例えば2Kg/cm2程度が好ましい。 このように圧縮空気の供給による成形で型絞を表皮材
36aに反転させた後で、押し型33bに、基材37を載置す
る。基材37の表皮部材36との接合面には、接着剤等を塗
布しておく。そして押し型33bを押圧して、該押し型33b
に載置された基材37と表皮部材36を接合する。 このように構成することによって、雄型に多数の空気
孔を形成することがなくなり金型の製作を容易にすると
共に、型絞の反転性が良好な方法を提供することができ
る。
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているために次のよう
な効果がある。型絞の反転性を向上させ、深い皮調その
他要望に応じた絞を形成することができる。またドアラ
イニング、サイドライニング等の内装材全面に型絞を均
一にあるいは部分的に強調させて反転させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法及び装置の一実施例を示し、第1図
(A)は本発明方法に用いられる装置の概略説明断面
図、第1図(B)は内装材としてのドアライニング、第
1図(C)は第1図(B)のI−I線による断面図、第
2図は他の実施例を示し、第2図(A)は本発明方法に
用いられる装置の概略説明断面図、第2図(B)は、第
2図(A)の装置の部分拡大断面図、第3図は他の方法
の装置を示す概略説明断面図、第4図(A)、(B)は
従来例を示すものである。 1……絞形成装置、2,32……雌型(上型)、 3,21,33……雄型(下型)、 3a……絞反転性の悪い箇所、 4……中空パイプ、5……空胴部、 6,11……管体、7……基材、 9……表皮材、12……表皮部材、 22,26,27……駒、 25,28……ガイドピン、 23,29,34……シリンダー、 24,30a,30b……ロッド、 D……内装材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21D 24/00 B21D 24/00 H

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雄型と雌型の間に少なくとも基材を有する
    表皮材を介在させ型締めし、雄型又は雌型のいずれか一
    方の型面に形成された型絞を表皮材に反転させる方法に
    おいて、前記型締めによる圧力以外の手段を用いて前記
    型絞の絞反転が薄い部分あるいは型絞の反転性の悪い箇
    所に圧力を加えたことを特徴とする内装材の絞形成方
    法。
  2. 【請求項2】前記型締めによる圧力以外の手段は、型絞
    面を有さない型から加えられた空気圧であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の内装材の絞形成方
    法。
  3. 【請求項3】前記型締めによる圧力以外の手段は、型絞
    面を有さない型に形成された押圧手段を有する駒によっ
    てなされることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の内装材の絞形成方法。
  4. 【請求項4】雄雌型の一方の型には空気排出装置と連通
    した多数の小孔を有する型絞面を形成し、他方の型には
    閉じ型と前記型絞面を押圧するための押し型と圧縮空気
    供給手段とを設け、前記雄雌型の間に表皮材及びクッシ
    ョン材を介在させ型締めして、前記空気排出装置を稼働
    させて一方の型に形成された小孔によってキャビティ内
    の空気を排出すると共に、他方の型から圧縮空気供給手
    段により圧縮空気を供給して表皮材表面に型絞を反転さ
    せた後、表皮材との接合面に接着剤を塗布しておいた基
    材を押し型に載置し、該押し型を押圧して該押し型に載
    置された基材と前記表皮材及びクッション材を接合して
    なる内装材の絞形成方法。
  5. 【請求項5】雄雌型を型締めして成形し型絞を表皮材に
    反転させる内装材の絞形成装置において、一方の型に形
    成された空気排出装置と連通した多数の小孔を有する型
    絞面と、他方の型に形成された型絞面の少なくとも前記
    上下型の型締め圧方向と異なる型面部分に圧力を加える
    手段とを備えてなることを特徴とする内装材の絞形成装
    置。
  6. 【請求項6】前記圧力を加える手段は、型絞面を有さな
    い型に形成された中空パイプから圧縮空気による圧力で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第5項記載の内装
    材の絞形成装置。
  7. 【請求項7】前記圧力を加える手段は、型絞面を有さな
    い型の型面に形成された押圧手段を備えた駒であること
    を特徴とする特許請求の範囲第5項記載の内装材の絞形
    成装置。
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