JP2580650Y2 - ワンウェイクラッチの保持器 - Google Patents

ワンウェイクラッチの保持器

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JP2580650Y2
JP2580650Y2 JP1992088431U JP8843192U JP2580650Y2 JP 2580650 Y2 JP2580650 Y2 JP 2580650Y2 JP 1992088431 U JP1992088431 U JP 1992088431U JP 8843192 U JP8843192 U JP 8843192U JP 2580650 Y2 JP2580650 Y2 JP 2580650Y2
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JP
Japan
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retainer
way clutch
cylindrical
pocket
cage
Prior art date
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JP1992088431U
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JPH0651571U (ja
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一由 針本
信吾 河野
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、ワンウェイクラッチ
のスプラグを保持する保持器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】外輪の円筒形内面と内輪の円筒形外面間
に径の異なる二つの保持器を組込み、各保持器の周方向
に多数のポケットを等間隔に形成し、径方向で対向する
ポケット内にスプラグを組込み、一対の保持器間に組込
んだリボンスプリングの弾性片によってスプラグの内・
外径側のカム面が前記円筒形内面と円筒形外面と係合す
る状態にスプラグを保持するようにしたワンウェイクラ
ッチは従来から知られている。
【0003】上記ワンウェイクラッチにおいては、外輪
と内輪のうち、駆動される側の駆動輪の動きをスプラグ
に確実に伝えるため、保持器と駆動輪との間に摩擦力付
与手段を設けて駆動輪の動きを保持器に伝えるようにし
ている。
【0004】摩擦力付与手段として、保持器にドラグク
リップを取付け、そのドラグクリップを駆動輪の円筒面
に摩擦接触させる方法が存在する。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、ドラグクリ
ップを用いるワンウェイクラッチにおいては、複数のド
ラグクリップを用いる必要があるため、コスト的に問題
がある。
【0006】また、ワンウェイクラッチにおいては、保
持器の動きによって多数のスプラグを同時に係合および
係合解除させる必要があるため保持器は真円度が要求さ
れ、保持器の製作に非常に手間がかかっていた。
【0007】この考案は上記の問題点を解決し、ドラグ
クリップの取付けを不要としてコストの低減を回り、保
持器の製作の容易化を図ることを技術的課題としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この考案においては、外輪の円筒形内面と内輪の
円筒形外面間に組込まれ、トルク伝達用スプラグを所定
状態に保持するワンウェイクラッチの保持器において、
幅の中心線に対して左右の形状が対称とされ、全体にわ
たって厚みが均一な弾性変形可能な帯板を円形に成形し
て突き合わせ端を溶接した環状体から成り、前記帯板に
はスプラグ保持用のポケットを長さ方向に等間隔に形成
し、隣接するポケット間に形成された柱部の中央に半径
方向に折れ曲がり外輪の円筒形内面又は内輪の円筒形外
面に摩擦係合するドラグ突起を形成し、上記ポケットの
周方向で対向する一対の側面にテーパ面を形成した構成
を採用したのである。
【0009】
【作用】上記の構成から成る保持器を外輪と内輪との間
に組込むと、ドラグ突起が外輪と内輪のうち、駆動され
る側の駆動輪と摩擦係合し、その摩擦力によって駆動輪
の動きが保持器に伝達される。
【0010】
【実施例】以下、この考案の実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0011】図1は、この考案に係る保持器を用いたワ
ンウェイクラッチを示し、外輪1と、内輪2と、径の異
なる二つの保持器A、Bと、スプラグ3およびリボンス
プリング4とから成る。
【0012】図2および図3は、上記ワンウェイクラッ
チの外側保持器Aの詳細を示す。この外側保持器Aは全
体にわたって均一厚みの弾性変形可能な環状体10から
成る。
【0013】環状体10は、両側に一対のフランジ11
を有し、周方向には多数のポケット12が等間隔に形成
され、隣接するポケット12間の柱部13の略中央に外
径方向に折れ曲がるドラグ突起14が設けられている。
ドラグ突起14は、図1に示すように、外輪1と内輪2
間に外側保持器Aを組込んだとき、外輪1の円筒形内面
1aと摩擦係合する。
【0014】また、環状体10にはポケット12の略中
央において突き合わせ端15を有し、その突き合わせ端
15は溶接により接合されている。
【0015】上記の構成から成る外側保持器Aの製作に
際しては、図4で示すように、両側に一対の折曲片21
を有し、幅方向中央に折曲部22を有する帯板20を冷
間圧延、引き抜き、あるいはローリング加工等により形
成し、所定長さの上記帯板20を円形に成形して両端を
突き合わせ、その突き合わせ端を溶接する。この場合、
帯板20にはその長さ方向に複数のポケットを等間隔に
形成しておく。
【0016】ここで、帯板20に形成されたポケットの
両側面が平行する平坦な側面であると、図5に示すよう
に、保持器を形成した状態において、ポケット12の周
方向で対向する一対の側面16は保持器の中心に向けて
傾斜し、そのポケット12内にスプラグ3を挿入する
と、スプラグ3と上記側面16とがスプラグ3の傾動時
に干渉するおそれがある。その干渉を避けるため、図1
に示すように、上記側面16の内径部を面押ししてテー
パ面17を形成しておく。
【0017】上記のような保持器の製造において、帯板
20が幅中心線に対して左右の形状が非対称であると、
両側部の曲げ剛性の相違によって突き合わせ端が一致す
るように円形に成形することはきわめて困難である。し
かし、この考案に係る外側保持器の製造では、図4
(イ)で示すように、幅中心線に対して左右の形状が対
称とされた帯板20を用いることができるため、その帯
板20をきわめて精度よく円形に成形することが可能で
あり、溶接保持器の製造を可能とすることができる。
【0018】なお、溶接保持器の製作に際しては、図4
(ロ)で示すように、幅方向中央部に折曲部22を有す
る帯板20を用いて形成してもよい。
【0019】図1に示すように、上記の構成から成る外
側保持器Aを外輪1と内輪2間に組込むと、ドラグ突起
14が外輪1の内筒形内面1aと摩擦係合する。このと
き、外側保持器Aの真円度が悪い場合、外側保持器Aは
弾性変形可能であるため、上記円筒形内面1aによって
外側保持器Aの真円度が矯正される。
【0020】このため、外側保持器Aは真円度は要求さ
れず、製造が容易である。
【0021】また、外側保持器Aの組込み状態におい
て、リボンスプリング4の弾性片4aはドラグ突起14
の内径側に形成された窪み18と対向する。
【0022】従来の保持器ではポケットの周方向で対向
する一方の側面に切欠部を形成してリボンスプリングの
弾性片と保持器の干渉を避けるようにしており、複雑な
形状のポケットを形成する必要があった。
【0023】しかし、この考案では、ドラグ突起14の
内径側の窪み18に弾性片4aが対向して弾性片4aと
保持器Aの干渉が避けられるため、ポケットとして四角
形の単純な形状を採ることができ、ポケット抜き加工が
容易である。
【0024】図1に示すワンウェイクラッチにおいて、
外輪1を同図の矢印方向に回転すると、ドラグ突起14
と円筒形内面1aの接触部の摩擦力によって外側保持器
Aも外輪1と共に回転し、スプラグ3が係合方向に傾い
て内外のカム面3a、3bが外輪1の円筒形内面1aお
よび内輪2の円筒形外面2aに係合し、外輪1の回転が
スプラグ3を介して内輪2に伝達される。
【0025】一方、外輪1が矢印と逆方向に回転する
と、外側保持器Aも共に回転し、スプラグ3は上記と逆
方向に傾いてカム面3a、3bが円筒形内面1aおよび
円筒形外面2aに対して非係合の状態とされる。このた
め、外輪1の回転は内輪2に伝達されない。
【0026】図1に示すワンウェイクラッチは、外輪1
を駆動輪とするクラッチであるため、外側保持器Aにド
ラグ突起14を設け、内側保持器Bについては内径面の
両端部にフランジ5を設けたものを示したが、内輪2を
駆動輪とする場合は、内側保持器Bにドラグ突起を設け
るようにする。この内側保持器Bも外側保持器Aと同様
の方法によって形成する。
【0027】
【考案の効果】以上のように、この考案に係る保持器に
おいては、柱部の略中央に半径方向に折れ曲がるドラグ
突起を形成し、そのドラグ突起と駆動輪の摩擦力によっ
て駆動輪の動きを保持器に伝えるようにしたので、ドラ
グクリップを不要とすることができ、コストの低減を図
ることができる。
【0028】また、保持器は、ポケットが打抜かれた帯
板を円形に折曲げて突き合わせ端を溶接したので製作が
容易であると共に、帯板は幅の中心線に対して左右対称
であり、かつ全体にわたって厚みが均一であるため、帯
板を円形に精度よく成形することができ、真円度の高い
保持器を得ることができる。
【0029】さらに、ポケットの周方向で対向する側面
にテーパ面を設けたことにより、ポケットに入れられた
スプラグが柱部に干渉するのを防止することができ、精
度の高いワンウェイクラッチを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係る保持器を用いたワンウェイクラ
ッチの断面図
【図2】同上保持器の一部分を示す斜視図
【図3】同上の断面図
【図4】(イ)、(ロ)は保持器の製作に用いられる帯
板の断面図
【図5】ポケットが形成された帯板を円形に折曲げた状
態の断面図
【符号の説明】
1 外輪 2 内輪 3 スプラグ 10 環状体 12 ポケット 13 柱部 14 ドラグ突起 15 突き合わせ端 16 側面 17 テーパ面

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪の円筒形内面と内輪の円筒形外面間
    に組込まれ、トルク伝達用スプラグを所定状態に保持す
    るワンウェイクラッチの保持器において、幅の中心線に
    対して左右の形状が対称とされ、全体にわたって厚みが
    均一な弾性変形可能な帯板を円形に成形して突き合わせ
    端を溶接した環状体から成り、前記帯板にはスプラグ保
    持用のポケットが長さ方向に等間隔に形成され、隣接す
    るポケット間に形成された柱部の中央に半径方向に折れ
    曲がり、外輪の円筒形内面又は内輪の円筒形外面に摩擦
    係合するドラグ突起が形成され、上記ポケットの周方向
    で対向する一対の側面にテーパ面が形成されていること
    を特徴とするワンウェイクラッチの保持器。
JP1992088431U 1992-12-24 1992-12-24 ワンウェイクラッチの保持器 Expired - Lifetime JP2580650Y2 (ja)

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JPH0651571U JPH0651571U (ja) 1994-07-15
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JP2003021173A (ja) * 2001-07-05 2003-01-24 Koyo Seiko Co Ltd 一方向クラッチ
JP2017053453A (ja) * 2015-09-10 2017-03-16 Ntn株式会社 スプラグ型ワンウェイクラッチ

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