JP2579725B2 - 印字装置 - Google Patents

印字装置

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JP2579725B2
JP2579725B2 JP32102592A JP32102592A JP2579725B2 JP 2579725 B2 JP2579725 B2 JP 2579725B2 JP 32102592 A JP32102592 A JP 32102592A JP 32102592 A JP32102592 A JP 32102592A JP 2579725 B2 JP2579725 B2 JP 2579725B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱可逆性記録材料を
用いた繰り返しデータの書き替えが可能なカードに印字
する印字装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パチンコ業界や鉄道分野等におけ
るプリペイドカードには、リライトカードと呼ばれる高
分子と低分子を複合させたタイプの熱可逆性記録材料を
用い、データの書き替えを繰り返し可能にしたカードが
利用されつつある。
【0003】この熱可逆性記録材料は、所定の温度にま
で加熱すると透明状態と白濁状態とが可逆的に変化し、
常温でもその二形態がそのまま維持されるという特異な
性質を持っており、このような性質を利用することによ
ってカード等の印字媒体上の印字内容を、熱を使用して
何度も書き替えることができる。
【0004】このようなカード等への印字は、サーマル
ヘッドを備えた印字装置によって行うことができ、それ
によって印字したカードは所期の目的に添って回収し、
その印字内容を変更することによってリサイクルできる
ため、これまでの使い捨てタイプのプリペイドカードに
取って代わろうとしている。
【0005】さらに、このようなリライトカードには、
カードの中間層にアルミ薄板等の層を加え、その層が熱
可逆性記録材料の透明部の下地色となることによって白
濁部とのコントラスト比を増し、バーコードへも応用可
能にしたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなリライトカードの場合には、印字内容が何度も
書き替えられて再利用されるため、リサイクルの回数が
増す度に次第に白濁部の密度が低下(透明部が白濁しな
くなって残るようになってくる)し、白さの度合いが落
ちてきて本来白濁部であるところに透明部が残り、その
部分に下地色が見えてくるようになるので、下地色との
コントラスト比が低下してくる。
【0007】このようになると、印字内容が文字や数字
等の人間の目で視認できれば良しとするような使い方の
場合には、下地色として黒を用いればコントラスト比が
大幅に落ちてもあまり問題となることはないが、印字内
容がバーコード等の電子光学的技術により認識するシン
ボルを含む場合である時には、前述した様にアルミ薄板
等を用いても白濁部の白さの度合いが低下することによ
ってコントラスト比が落ちると、それをバーコードリー
ダ等の読取器で読取判断できなくなったり、読み取るこ
とができたときでも誤読してしまう恐れがあるため、バ
ーコード等を使用しているシステム全体が機能しなくな
って非常に大きな問題となる。
【0008】また、この種のリライトカードは、通常の
用紙へ印字する場合に比べてサーマルヘッドによる傷つ
きによって印字(白濁)ムラや、リサイクルによって生
じるバーコード部への外部キズ等により、不良が出やす
いといった問題点もあった。
【0009】この発明は上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、熱可逆性記録材料を用いた繰り返しデータ
の書き替えが可能なカードに印字する印字装置におい
て、カードに繰り返し行なう印字回数が増えることによ
って劣化していく白濁部とそれ以外の透明部下地色部分
とのコントラスト比の低下を適確に判断してカードの寿
命を判断することができ、印字した印字内容を電子光学
を用いた読取器で確実に読み取れるカードを発行できる
ようにすることを目的とする。
【0010】また、熱可逆性記録材料が可逆性の寿命に
達する前であっても、カード上のバーコード等のシンボ
ルに傷が付いたり、ドット抜けやボイド・スポットが発
生することによって不良となったカードを見逃さずに不
良カードとして確実に判別することができるようにした
り、カードを上記材料の可逆性の寿命の限界まで無駄な
く再利用できるようにすることも目的とする。
【0011】さらに、不良カードをオペレータが一目で
視認できるようにすることによって正規のカードと仕分
けできるようにしたり、不良カードが出た場合でも、そ
の不良カードへの印字内容をジョブ終了後にオペレータ
が新たなカードに再度印字し直さなくて済むようにする
ことも目的とする。
【0012】また、不良カードが出た場合には、その原
因がカードの熱可逆性記録材料の寿命によるものか、そ
れとも寿命前でありながらバーコード等の部分の傷等に
よるものであるかを識別できるようにすることも目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、上述したような印字装置において、カー
ドに所定の印字エネルギを与えて熱可逆性記録材料を白
濁させて印字する印字手段と、カードの使用初期の状態
又は使用限界の状態における白濁状態を表わす基準白濁
部の反射率を検出する基準白濁部検出手段と、印字手段
によって印字された印字白濁部の反射率を検出する印字
白濁部検出手段と、その印字白濁部検出手段と基準白濁
部検出手段による各検出結果に基づいてカードの熱可逆
性記録材料の熱可逆性の寿命を判別する熱可逆性寿命判
別手段とを設けたものである。
【0014】また、上記印字装置において、カードに印
字されたバーコード等の印字内容を検証する検証手段
と、その検証手段の検証結果と熱可逆性寿命判別手段の
判別結果とに基づいてカードの寿命を決定するカード寿
命決定手段とを設けるとよい。
【0015】さらに、上記印字装置において、熱可逆性
寿命判別手段によって寿命がきているカードと判別され
た時、印字手段によって次のカードに同じ印字内容を再
印字させる再印字制御手段と、その寿命がきているカー
ドに無効指標を印刷等により形成する無効指標形成手段
とを設けると、効果的である。
【0016】また、上記印字装置において、検証手段に
よって印字内容に欠陥がある不良カードが検出された
時、印字手段によって次のカードに同じ印字内容を再印
字させる再印字制御手段と、その不良カードに無効指標
を印刷等により形成する無効指標形成手段と、熱可逆性
寿命判別手段の判別結果に基づいて無効指標を変更する
無効指標変更制御手段とを設けると、効果的である。
【0017】
【作用】このように構成した印字装置によれば、リサイ
クルされて印字内容が繰り返し変えられることによって
印字白濁部の白濁度合いが次第に低下したカードを、印
字白濁部検出手段が印字白濁部の反射率を検出し、その
反射率を基準白濁部の反射率と比較して、その差が所定
の値になった時に熱可逆性記録材料が熱可逆性の寿命に
達したと判断するので、カードの使用限界を的確に判断
できる。
【0018】また、カードの印字内容を検証する検証手
段とカード寿命決定手段とを設ければ、熱可逆性記録材
料が熱可逆性の寿命に達していないカードであるため
に、印字部のバーコード部分に傷等の欠陥があるような
不良カードでありながら正規のカードとして発行されて
しまう場合に、検証手段がその傷による印字内容の欠陥
を検証することによって不良カードとして判別するの
で、このような不良カードの発行を防止できる。
【0019】そして、この検証手段と熱可逆性寿命判別
手段との判別結果に基づいて、カードの寿命を決定する
ので、カードをその寿命の限界まで無駄なく再利用する
ことができる。さらに、再印字制御手段と無効指標形成
手段とを設ければ、寿命がきているカードには無効指標
が印刷等により形成されるので無効なカードを一目で視
認でき、その無効となったカードに印字された印字内容
は次のカードに同じ内容のものが印字されるので、無効
カードに印字された印字内容を最後にもう一度データを
入力することによって印字し直す必要がないので手間が
省ける。
【0020】また、無効指標変更制御手段を設ければ、
無効としたカードが、カードの熱可逆性記録材料の熱可
逆性の寿命による要因のものであるか、カード上のバー
コード等の部分の傷等による寿命以外の要因によるもの
であるかによって、異なる無効指標をカード上に形成す
ることができるので、カードの不良原因を要因別に容易
に識別することができる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図1はこの発明の一実施例を示す印字
装置の概略構成図、図2は同じくその平面図である。
【0022】この印字装置は、所定の加熱条件によって
白濁状態と透明状態が可逆的に変化する詳細な説明を後
述する熱可逆性記録材料を用いた単葉のリライトカード
(以下単に「カード」と称す)Cに、印字手段であるサ
ーマルヘッド3によって所定の印字エネルギを与えて印
字温度まで加熱することによって白濁させて印字を行な
う。
【0023】そのカードCは、カセットケース1内に堆
積状態に収納されることによって給送され、そのカセッ
トケース1とサーマルヘッド3との間の搬送路21に
は、搬送上流側より、上下方向に互いに圧接するリバー
スローラ7とフィードローラ6、搬送経路21を搬送さ
れるカードCを検出するカード検知センサ2、搬送ロー
ラ対8,9をそれぞれ配設している。なお、搬送ローラ
対8,9は、搬送経路21の長さ及び使用するカードC
の搬送方向の長さに応じて、その配設間隔と個数を適宜
決定する。
【0024】サーマルヘッド3は、印字部がプラテン4
に印字に適した所定の加圧力で接している。そして、そ
の搬送下流側に、カードCの熱可逆性記録材料の熱可逆
性の寿命を判別するために使用する反射型フォトセンサ
である寿命検出センサ11A,11B(図2参照)と、
その下流側にカードCに印字されたバーコード等の印字
内容を検証する検証手段としての検証器12と、さらに
その下流側に発行不可と判断したカードに無効指標を印
刷等により形成する無効指標形成手段であるボイドスタ
ンパ14をそれぞれ設けている。
【0025】そして、その下流側に、印字が終了したカ
ードCを収納する排紙トレー(図示せず)を設けてい
る。カード検知センサ2は、搬送路21を搬送されるカ
ードCを検知可能なものであれば、反射型フォトセン
サ,透過型フォトセンサ等の光学的センサであっても、
マイクロスイッチ等の機械的センサであってもよい。
【0026】図2に示す寿命検出センサ(以下単に「セ
ンサ」と称す)11Aは、詳しい説明は後述するが、カ
ードCに予め印刷等により形成されている使用初期の状
態(使用限界の状態とすることもできる)における白濁
状態を表わす基準白濁部の反射率を検出する基準白濁部
検出手段のセンサとして機能し、同様なセンサ11Bは
サーマルヘッド3(図1)によって印字された白濁部の反
射率を検出する印字白濁部検出手段のセンサである。
【0027】この印字装置によるカードCのカセットケ
ース1からの給送は、そのカセットケース1の送出側の
下面を開放した部分に配設されている送出ローラ5を図
1の矢示A方向に回転させることによって行ない、その
回転によってカセットケース1内に収納されているカー
ドCが下側から順に図で左方側へ送り出されていく。
【0028】その送り出されたカードCは、フィードロ
ーラ6によって更に図で左方へ搬送されると共に、その
際に矢示B方向に回転力が付与されているリバースロー
ラ7により、最下位に位置するもの以外の余分なカード
Cが給送方向と逆のカセットケース1側に戻されること
により1枚ずつ分離される。
【0029】その分離給送機構を構成するリバースロー
ラ7は、フィードローラ6に対向して上側に配置されて
おり、所定の負荷まではサーマルヘッド3へ向かう正方
向とは逆の矢示B方向に回転するように駆動系からの回
転力が図示しないクラッチ(トルクリミッタ)を介して
伝達されていて、フィードローラ6との間に2枚以上の
カードCが挾まれたときに、そのリバースローラ7に接
する側のカードCをカセットケース1側に戻す。
【0030】また、フィードローラ6との間にカードC
が1枚であるときにはフィードローラ6の回転力がその
カードを介してリバースローラ7に伝達され、クラッチ
が空転することによってそれがフィードローラ6に追従
回転してカードCをサーマルヘッド3のある印字部へ向
けて搬送する。
【0031】その1枚に分離されて送り出されたカード
Cは、サーマルヘッド3とプラテン4との間へ向けて搬
送経路21を搬送され、サーマルヘッド3に達するとそ
こで所定の印字が行なわれた後に、図示しない排紙トレ
ーに排出されてスタックされる。
【0032】次に、この印字装置に使用するカードCの
一例を、図3を参照して詳しく説明する。カードCは、
その一例を図3に示すように、リライトカードと呼ばれ
る高分子と低分子を複合させたタイプの熱可逆性記録材
料を用いた印字内容の書き替えが繰り返し可能な印字媒
体であり、サーマルヘッド3によって加熱される側の面
に保護層25を形成し、その下側に上述した高分子と低
分子を複合させた熱可逆性記録材料からなる記録層26
を形成し、さらにその下側に黒紙等による光反射層2
7、白ポリエステルフィルム(白PET)28、印刷され
る部分となるプリプリント部29、カードの台紙部31
の各層を順次重ねて積層状態に形成している。
【0033】その記録層26は、印字前の常温では透明
状態にあり、このカードCの場合にはその下に位置する
光反射層27が黒色であるため、着色された印刷部以外
の全ての部分はその光反射層27が見えるため全体が黒
色に見える。そして、カードCを、保護層25側からサ
ーマルヘッド3(図1)によって、例えば105℃以上
の印字温度(書込温度)に加熱すると、記録層26の加
熱された部分だけが透明状態と白濁状態の中間状態に変
化し、それを常温に冷却すると白濁状態に変化する。
【0034】したがって、例えば図4にカードCの外観
を示すように、バーコード32や金額表示部33以外の
部分を加熱することにより全体を白濁させると、そのバ
ーコード32と金額表示部33だけが透明状態のまま残
るので、それらの部分が下地の黒色になって視認できる
ようになる。
【0035】なお、このカードCには、その他に会社名
やマーク等を予め印刷等により着色した印刷部34,3
5を設けている。この印刷部34,35は、カードC全
体が上記の白濁する印字温度にまで加熱されて白濁状態
になっても、外部から十分視認できる。また、16は基
準白濁部であり、このカードCの熱可逆性記録材料の劣
化度合い(寿命)を判別するための基準にするために、
カードCの一側縁に沿って帯状に設けられているが、そ
の詳細は後述する。
【0036】そして、このリライトカードタイプのカー
ドCは、上記の印字温度にまで加熱されてその後常温に
戻すと白濁状態になるが、そこに再び元の透明状態に戻
すための消去温度(例えば76℃〜96℃)を加えない
限り透明状態に戻ることはない。そこで、このカードC
に消去温度を加えると、それまでの白濁状態から透明状
態に変化するが、その透明状態はその後で常温に戻して
もそのまま維持される。
【0037】このように、この熱可逆性記録材料を用い
たリライトカードタイプのカードCは、常温に冷却する
工程が必要であるが、印字温度を加えると記録層26が
透明から白濁状態に、また消去温度を加えると逆に白濁
状態から透明な状態へ変化を繰り返す。したがって、図
1において、フィードローラ6からサーマルヘッド3ま
での搬送経路中にカードCを上記の消去温度にまで加熱
する消去用ヒータを設けてそれを加熱すれば、カードC
を印字部に達する前に印刷部34,35(図4)を除く
全ての印字内容を消去できる。
【0038】なお、その消去用ヒータを設けなくても、
回収したカードCを別の恒温槽等の加熱手段により消去
温度まで加熱すれば、それらを一度にまとめて消去する
ことができる。また、カードCは、情報を磁気で保持す
るカードである場合には、図3に示した光反射層27と
白ポリエステルフィルム28との間に磁気層を設けたり
する。
【0039】このように、カードCは、情報(印字内
容)の書き込みが繰り返し変更可能に構成されていて、
表面の保護層25側からの加熱によって情報の書き込み
が可能であるため、図1の印字装置を使用して印字する
場合には、カードCを保護層25を上向きにしてサーマ
ルヘッド3に対向する姿勢で装置に挿入する表裏の関係
が必要であると共に、その装置のサーマルヘッド3に対
する挿入方向も、図4に示した印刷部34,35がバー
コード32や金額表示部と正規の位置関係になるよう
に、それを一定の方向にする必要がある。
【0040】ところで、このようなリサイクルが可能な
タイプのカードの場合には、上述したように印字内容の
書き込みが繰り返し変更可能であるが、カードに印字さ
れる印字内容は、印字(書き込み)/消去の繰り返し回
数の増加による熱可逆性記録材料の熱可逆性の低下や、
リサイクルによって生じるカードの汚れや傷付き等によ
って、徐々に悪化していくことは免れない。
【0041】したがって、所定の期間使用されて回収し
たカードをリサイクル使用する場合には、印字内容を変
えて再印字したカード上の印字内容を人が視認できなか
ったり、印字内容がバーコード等のシンボルである場合
には、それを電子光学的技術を用いた読取器で判読する
ことができない不良カード(印字内容に欠陥がある)が
発行されてしまう恐れがある。
【0042】すなわち、上述したような熱可逆性記録材
料を利用したリライトカードタイプのカードの場合に
は、その特性により印字内容を何度も書き替えて再利用
すると次第に透明部が白濁しなくなって残るようになっ
て白濁部の密度が低下し、白さの度合いが落ちてきて本
来白濁部であるところに透明部が残るようになって、そ
の部分に下地色が見えてくるようになるため、下地色と
のコントラスト比が低下してくるようになる。
【0043】そこで、この白濁部の劣化状態を実際に測
定した光学濃度O.D.(OpticalDensity)で比較して
みると、使用初期状態では O.D.=0.55程度である
のに対し、寿命がきた状態ではO.D.=0.60程度で
あり、その差は0.05と非常に僅かである。
【0044】そのため、この実施例に使用するカードに
は図4に示したカードCのように基準白濁部16を設け
て、上記光学濃度の僅かな違いを判別できるようにして
いるが、説明を判り易くするために先ず図5に示す例に
よって説明する。
【0045】この図5に示すカードC′は、図3で説明
したカードCの保護層25側(加熱側)の面の一端側に
基準白濁部16を一定の幅でカードの搬送方向の全長に
亘って印刷により形成している。また、カードの搬送方
向に対する幅方向の中央部分にはバーコード38を多段
に連続的に形成できるようにバーコード形成領域を設
け、その両側にクワイエットゾーン17,18をそれぞ
れカードの搬送方向の全長に亘って設けている。
【0046】その基準白濁部16は、カードC′の使用
初期の状態における熱可逆性記録材料の白濁状態と同等
の反射率の状態を常時表わすように形成される。そし
て、基準白濁部は、サーマルヘッドとプラテンの間に挾
持されない(サーマルヘッドとの擦れにより傷がつくた
め)ところにあるのが望ましい。また、クワイエットゾ
ーン17,18は、熱可逆性記録材料を印字温度に加熱
したときに白濁する部分(これを印字白濁部と称す)で
ある。
【0047】そして、この実施例の印字装置では、図5
に示すように2個の反射型フォトセンサであるセンサ1
1A,11Bのうちセンサ11Aを、カードC′の基準
白濁部16をセンス経路とする位置に、センサ11Bを
クワイエットゾーン17をセンス経路とする位置にそれ
ぞれ配置し、この2個のセンサ11A,11Bによって
検出されるカードC′の基準白濁部16とクワイエット
ゾーン(印字白濁部)17の各反射率に応じた検出電圧
の僅かな差を、差動増幅器(減算回路)20で増幅し、
その出力をコンパレータ19で所定のしきい値電圧と比
較して熱可逆性寿命判別手段の出力信号である寿命判別
信号Vout を得るようにしている。
【0048】ところで、図4に示したカードCを使用す
る場合も、基準白濁部16と印字白濁部の光学濃度(そ
れによる反射率)の差によって熱可逆性記録材料の寿命
を判別することができる。しかし、図5に示したカード
C′のクワイエットゾーン17,18のように、カード
の搬送方向の全長に亘って印字白濁部の反射率を検出す
るためのセンス経路を設けることができない。
【0049】そのため、この場合にはカードC上の印字
白濁部としてふさわしい場所を選定し、その選定した印
字白濁部のX座標上にセンサ11Bを配設し、カードC
の基準点Pba(搬送方向のカード先端)からのY座標を
指定して印字白濁部のセンスポイントPseとし、カード
CをそのセンスポイントPseがセンサ11Bによるセン
ス位置に達した時にそれを停止させるようにカードの搬
送系を制御して、印字白濁部の反射率を検出すればよ
い。
【0050】この場合に、センサ11BをX座標方向に
任意の位置に移動・固定できるように構成しておけば、
カード上の異なる位置にバーコード等のシンボルがある
カードであっても、そのカードの印字白濁部に対応した
位置にセンサ11Bを移動させてそれを検出することが
できる。なお、カードC上のセンスポイントPseをセン
サ11Bのセンスポイントに確実に停止させるには、カ
ードCを搬送するプラテン4や他の搬送系を駆動するモ
ータにステッピングモータを使用すれば、それを容易に
行なうことができる。
【0051】そこで、この実施例では、図1の搬送路2
1を搬送されるカードCの先端をカード検知センサ2で
検知することができ、そのカード検知センサ2とサーマ
ルヘッド3の印字位置との間の距離、及びその印字位置
とセンサ11Bとの間の距離は予めわかっているので、
プラテン4等を駆動するモータに例えばステッピングモ
ータを使用することにより、カード検知センサ2がカー
ドCの先端を検知してから何ステップ目が印字位置及び
センサ11Bのセンスポイントに相当するかがわかるの
で、そのステップ数を制御することによってセンサ11
Bのセンス位置にセンスポイントが一致するようにカー
ドCを停止させる。
【0052】すなわち、図4のセンスポイントPseのY
座標を指定すれば、図1のカード検知センサ2がカード
Cの先端を検知したら、そこからサーマルヘッド3の印
字位置までの間の距離に対応するステップ数だけ搬送系
のステッピングモータを回転させてカードCを搬送し、
そこで所定の印字を行なうと共に、そこからセンサ11
Bまでさらに所定のステップ数で搬送し、最後に上記Y
座標の位置に対応するステップ数だけモータを回転させ
れば、カードCをセンスポイントPseがセンサ11Bの
センス位置と一致する位置に確実に停止させることがで
きる。
【0053】また、本実施例における基準白濁部は、一
定の幅でカードの搬送方向の全長に亘って形成するよう
にしたが、カード上にそれだけのスペースがとれない場
合には、前述した印字白濁部の反射率を検出するセンサ
11Bと同様に、基準白濁部のセンサ11AをX座標方
向に任意の位置に移動・固定できるように構成し、印字
白濁部をセンスするためにカードCを停止させた時、セ
ンサ11Aでセンス可能なセンスポイントに所定の大き
さの基準白濁部印刷(この場合、この部分は印字禁止領
域とする)を施したようなカードであれば本発明の適用
は可能である。なお、図4及び図5で説明した基準白濁
部は、サーマルヘッドによって熱可逆性記録材料が加熱
されて白濁することにより形成される印字白濁部と同じ
面側(図3で上面側)に設けるとよい。
【0054】これは、カードCがたわんだり波打ってい
た場合には、基準白濁部とセンサ11Aとの間の距離
と、印字白濁部とセンサ11Bとの間の距離とが異なっ
てしまうが、その基準白濁部と印字白濁部とを同じ面側
にすれば、それらを同一の条件(同一距離)で反射率を
比較することができるので、センサ間における補正の必
要がなくなるためである。
【0055】また、センサ11A,11Bに使用する反
射型フォトセンサの光学素子は、周囲温度による特性の
変化がリニアでないため、2個使用するような場合は出
力電圧を補正するにしても難しいので、カードの同一面
側を検知することによって、できるだけ温度条件を揃え
た方が高い精度の検知ができるということもある。
【0056】さらに、印字白濁部側に印刷による基準白
濁部があれば、その基準白濁部と印字白濁部とを目視に
よって比較することもできるため、その差によってカー
ドの寿命を人間の目によってもある程度判断できるとい
う利点もある。なお、基準白濁部は、上記実施例のよう
にカードの使用初期の状態における白濁状態を表わすよ
うにする他に、そのカードの使用限界の状態における白
濁状態を常時表わす基準白濁部とすることもできる。
【0057】この場合、前述した白濁部の光学濃度O.
D.は、カードとしての使用限界状態でのO.D.に相当
する値、例えば 0.59(実験値による)とする。この
ように、基準白濁部をカードの使用限界における白濁状
態に合わせて形成し、それを印字白濁部側に印刷により
設ければ、それらを目視で比較することによってカード
の寿命を人間の目によってもある程度判断することがで
き、より効果的である。
【0058】さらに、この基準白濁部をカード上に設け
ずに、装置内に基準白濁部となる小片を設置すると共
に、そこに1個のセンサ(図1のセンサ11A,11B
と同様なセンサ)を配設するようにしてもよい。
【0059】図6は、この発明の実施例における基準白
濁部検出手段と印字白濁部検出手段と熱可逆性寿命判別
手段の具体的な回路例を示す電気回路図である。基準白
濁部検出回路22は、センサ11Aによって前述した基
準白濁部16の反射率を検出し、印字白濁部検出回路2
3は、センサ11Bによって印字白濁部(図5のクワイ
エットゾーン17等)の反射率を検出する。
【0060】すなわち、基準白濁部検出回路22は、電
圧Vccにより抵抗Raを介してセンサ11Aの発光ダイ
オード等の発光素子LED1に通電して発光させ、その
基準白濁部からの反射光を受光するフォトトランジスタ
等の受光素子PT1を、電源とアース間に可変抵抗VR
1及び抵抗Rbと直列に接続し、受光素子PT1にその
受光量に応じて流れる電流によってa点に生じる電圧を
検出電圧V1 として出力する。
【0061】一方、印字白濁部検出回路23は、電圧V
ccにより抵抗Rcを介してセンサ11Bの発光素子LE
D2に通電して発光させ、その印字白濁部からの反射光
を受光する受光素子PT2を、電源とアース間に可変抵
抗VR2及び抵抗Rdと直列に接続し、受光素子PT2
にその受光量に応じて流れる電流によってb点に生じる
電圧を検出電圧V2 として出力する。この両回路22,
23において、可変抵抗VR1,VR2 は2個のセンサ1
1A,11Bによる検出電圧の特性を揃えるための可変
抵抗である。
【0062】熱可逆性寿命判別回路24は、オペアンプ
OP及びそれに接続された抵抗R1〜R4からなる差動
増幅器20と、電源とアース間に直列に接続された抵抗
Reと可変抵抗VR3によるしきい値電圧発生回路と、
コンパレータ19とによって構成されている。そして、
抵抗R1〜R4の抵抗値をR1〜R4とし、R1=R3,R
2=R4とすると、差動増幅器20の増幅率は、R2/R1
(但し、R2>R1)である。
【0063】この差動増幅器20の抵抗R1側に基準白
濁部検出回路22からの検出電圧V1 を、抵抗R3側に
印字白濁部検出回路23からの検出電圧V2 をそれぞれ
入力すると、その出力電圧V3 は数1に示すようにな
る。 すなわち、この差動増幅器20は、基準白濁部と
印字白濁部の各反射率に応じて入力される検出電圧V1
とV2の差を増幅率R2/R1で増幅して出力する。
【0064】
【数1】V3=(R2/R1)(V2−V1)
【0065】コンパレータ19は、その差動増幅器20
の出力電圧V3 を非反転入力端子に入力し、電源電圧V
ccを抵抗Reと可変抵抗VR3で分圧して発生されるし
きい値電圧Vref を反転入力端子に入力する。そして、
V3 ≦Vref の間は出力信号Vout をローレベル“L”
にしているが、V3 >Vref になると、出力信号 Vou
t を反転してハイレベル“H”にする。
【0066】そこで、このしきい値電圧Vref を、印字
白濁部の光学濃度O.D.が前述したカードとしての使用
限界状態での値(例えば 0.59)になった時に差動増
幅器20から出力される電圧V3 に対応する電圧に、可
変抵抗VR3の調整により設定しておけば、このコンパ
レータ19によって2値化された出力信号が“H”にな
ることは、熱可逆性記録材料が寿命になったことを示す
ことになる。したがって、この出力信号Vout を寿命判
別信号として出力する。
【0067】図7の(a)〜(c)は図6の回路における
各部の電圧波形及び出力信号を示す図である。センサ1
1A,11Bとそのセンサによるカードの検出面(基準
白濁部及び印字白濁部)との間の距離は、カードのたわ
みや周囲温度の変動により変化するが、図7の(a)に
示すように、センサ11Aにより基準白濁部検出回路2
2が出力する検出電圧V1 とセンサ11Bにより印字白
濁部検出回路23が出力する検出電圧V2 は、いずれも
それらの変動に応じて変化するので、図7の(b)に示す
ように差動増幅器20(図6)から出力される電圧V3 に
はその変化が現われない。
【0068】そして、検出電圧V1 とV2 に予め設定し
た差が生じると、それが大きく増幅されて電圧V3 が大
きくなり、それがしきい値Vref を超えると、図7の
(c)に示すようにコンパレータ19の出力すなわち寿
命判別信号Vout がハイレベル“H”になる。それを後
述するメイン制御部に入力する。
【0069】ところで、この実施例による印字装置は、
カードにバーコード等のシンボルがある場合であって
も、そのカードに印字されたシンボルの印字内容を確実
に読み取ることができるカードを発行することができる
ようになっている。そして、それには、図1で説明した
検証器12が重要な役割を果たしている。
【0070】この実施例におけるその検証器12は、印
字内容にバーコードを含む場合に、そのバーコードを読
み取ることができるか否かを判断すると共に、それが正
しく印字されているか否かの検証を行うものである。
【0071】すなわち、印字用のカードやサーマルヘッ
ド3は消耗品であり、それらが寿命を過ぎていた場合や
寿命前であっても、カードのバーコード等のシンボルの
部分に傷等により欠陥があった場合には、印字した後の
バーコードをバーコードリーダで読み取ることができな
い不良カードを生む恐れがあるので、それを検証して不
良カードを発行しないようにする。
【0072】その検証器12は、図8に示すように、例
えばLEDアレイ37からバーコード38等のシンボル
に向けて照射した光を反射板39で反射させ、その反射
光をレンズ51を介してCCDラインイメージセンサ5
2(以下単にCCD52と云う)で受光し、そのCCD
52の光電変換により各画素毎のアナログ信号をデータ
処理部53に送出する。
【0073】そのデータ処理部53は、その入力した情
報を数値化し、それを後述するバーコード検証制御部
(図13)に送出する。その制御部は、その信号をデコ
ードして入力データ(印字すべきデータ)との照合を行
い、その入力したデータが確実にデータを読み取り可能
な欠陥のない正常な印字内容であるか否かを判断する。
その結果が正常であれば、バーコード38を後にバーコ
ードリーダで読み取ることができるので、カードをその
まま排紙トレーに送る。
【0074】また、検証結果で判読できないバーコード
として認識した場合には、所定のタイミングで図1に示
すボイドスタンパ14を作動させて、カードC上に無効
指標である無効マークを押印して形成し、それを排紙ト
レーに送る。
【0075】この判読できないバーコードとして認識さ
れるのは、ドット抜け、ボイド・スポット、カード上の
傷等がある場合や、白濁部の密度が低下することによっ
て生じるカードの下地色とのコントラスト比の低下等の
要因が考えられる。なお、このコントラスト比は、PC
S値(Print Contrast Signal)で表わすことがで
き、Rs をバーコードのバーとバーの間のスペース(白
濁部)の反射率とし、RB をバーの部分の反射率とした
ときに、数2で表わされる。
【0076】
【数2】 PCS値={(Rs−RB)/Rs}×100 (%)
【0077】ところで、このような熱可逆性記録材料を
用いたリサイクルが可能なカードの熱可逆性の寿命は、
当然のことながらバラツキがある。そこで、このような
材料が熱可逆性の寿命に達したか否かを判別する際に
は、そのバラツキを考慮して寿命の判別基準位置を手前
側(寿命が短くなる側)に設定する必要がある。
【0078】しかしながら、このようにすると、カード
が寿命に達したと判別されても、カードによってはまだ
十分にバーコードリーダ等の読取器でバーコード等のシ
ンボルを判読できる印字内容を有している場合がある。
【0079】そこで、この印字装置では、図6に示した
回路による熱可逆性寿命判別手段の判別によってカード
の熱可逆性記録材料の熱可逆性の寿命がきていると判断
(図7の(c)のVout で出力信号が「H」が出力され
る)されても、検証器12の検証結果で印字内容に欠陥
を検出しなかった場合には、カードとしてまだ使用でき
るものとして発行する。
【0080】また、この印字装置は、カードの熱可逆性
記録材料が熱可逆性の寿命がきていると判断され、検証
器12による検証結果も欠陥有により不良カードを検証
した場合には、数2の式によるPCS値が落ちて印字内
容を判読できない状態にあって、カードとして本当の寿
命時期がきたと判断し、これをもってカードの寿命を決
定して、それを報知するカード寿命決定手段(図13の
メイン制御部40が機能する)を有する。
【0081】このように、この印字装置は、カードの熱
可逆性記録材料の熱可逆性の寿命を判別する熱可逆性寿
命判別手段と、カード上のバーコード等の印字内容に欠
陥があるか否かを検証する検証器12の検証結果とを照
らし合わせてカードの最終的な寿命を判断するので、無
駄のないカードの寿命判断ができる。
【0082】このようにすることによって、カードの寿
命に対するマージンが利用されることになり、ユーザの
使用上のメリットがでる。なお、検証器12は、図9に
示すようにペン型スキャナ54を搭載したキャリッジ5
5を、図示しない駆動モータを作動させることによりガ
イドシャフト56に沿って移動させ、バーコード38を
読み取るものであってもよい。
【0083】ところで、この印字装置は、上述したよう
なセンサ11A,11Bからの信号を基にしてカードの
熱可逆性記録材料の熱可逆性の寿命を判断する熱可逆性
寿命判別手段によって、その材料が寿命に達していると
決定された時、その寿命がきているカードに図11に示
すような無効指標43を印刷により形成する無効指標形
成手段であるボイドスタンパ14を設けている。
【0084】そのボイドスタンパ14は、図10にその
一例を示すように、インキ自動供給式のスタンパ57を
カードC上に接近・離間可能に支持し、その上部を揺動
部材58の一端に枢着したものである。その揺動部材5
8は、略中央58aを中心として揺動自在であり、スタ
ンパ57側の一端にスプリング59を装置の固定部との
間に装着して、そのスプリング59によって通常の状態
でスタンパ57をカードCから離す方向に揺動付勢して
いる。
【0085】また、揺動部材58の他端側には、ソレノ
イド61を取り付けて、それを動作(ON)させた時に
揺動部材58が矢示E方向に揺動することによってスタ
ンパ57が下降し、カードCの上面にスタンプする。
【0086】なお、このボイドスタンパ14の代りに、
図12に示すように上記のスタンプする位置に対応させ
てヒータ60を設け、そのヒータ60を中央の支点部6
2aが揺動可能に支持される揺動部材62の一端に取付
けると共に、その揺動部材62の他端側にソレノイド6
3の可動軸63aを枢着し、ソレノイド63をオン状態
にしたときに揺動部材62が矢示F方向に揺動してヒー
タ60がカードCの下面に接触し、それを消去温度まで
加熱することによって印字白濁部を消去(加熱部を透明
状態にする)するようにしたり、逆にヒータ60で印字
温度まで加熱することによって(カード全体が熱可逆性
記録材料の透明状態の面積が多いような場合に有効であ
る)白濁させることにより視認できるような無効指標を
形成するようにしてもよい。
【0087】そのソレノイド63をオフ状態にすると、
ヒータ60は揺動部材62の一端に装置の固定部との間
に取り付けられているスプリング64の付勢力によっ
て、図12に示す待避位置まで戻る。また、ヒータ60
に対応させて押え板65を支点部65aを中心として揺
動可能に設け、それによってカードCをヒータ60で加
熱する際に、上から押え付けてカードCのヒータ60へ
の密着性を良くする。
【0088】なお、ヒータ60のカードCとの接触面の
形状を、例えば真円にするとカードCは搬送されながら
ヒータ60によって加熱されるようになるので、白濁部
が消去されて透明になる部分の形状(無効指標とな
る)、または印字温度の加熱により白濁した部分の形状
は搬送方向に長い長円形となる。このように、無効指標
をヒータ60を用いて形成するようにした場合、その不
良カードをもう一度全消去して再印字してみることがす
ぐにできるので、再利用が可能かどうかを確認したい時
は好都合である。また、このボイドスタンパ14は、図
8で説明した検証器12が、印字内容に欠陥がある不良
カードを検証した時にも動作(押印)する。
【0089】次に、カードの印字内容に応じた無効指標
の設定の仕方について説明する。まず最初に、印字内容
がバーコード等のシンボルではなく、文字,数字等の人
間の目で視認できればよいものである場合について説明
する。
【0090】この場合には、人間が見て印字内容を判断
すればよいわけであるから、目視によってカードの寿命
時期を判断すればよいのであるが、人間がその都度判断
しているのでは面倒であると共に、あまり効率的とはい
えない。そこで、このような場合には、この実施例によ
る印字装置が有効となる。
【0091】すなわち、人間の目で視認できる使用限界
と思える白濁状態を、図5で説明した基準白濁部16と
して設定すれば、それよりもカード上の印字白濁部(文
字,数字以外の白濁部分)の白濁密度が低下した場合に
は、それが僅かな量であってもその微差を検出してカー
ドとして寿命がきたと判別し、そこに図10及び12で
説明したような無効指標を形成して、それを明瞭に仕分
けすることができる。
【0092】また、印字内容にバーコード等のシンボル
を含む場合には、検証手段によるバーコード等のシンボ
ルの検証結果がNGであれば、それはバーコードリーダ
等で読み取れない印字内容であるため、無効指標をカー
ド上に形成すればよい。しかしながら、検証結果がNG
である場合には、その要因は大きく分けて次の2つの場
合がある。
【0093】(1)ドット抜けやボイド・スポットが生
じたり、カード上のシンボル位置に傷等があって印字内
容を認識できなかった場合。 (2)印字白濁部のPCS値(コントラスト比を示す
値)が低下して判読ができなかった場合。
【0094】そこで、この印字装置では、前述したよう
にバーコード等のシンボルにおける欠陥の有無を検証す
る検証手段と、カードの熱可逆性記録材料の熱可逆性の
寿命を判断する熱可逆性寿命判別手段とを設けているた
め、検証手段の検証結果がNGの場合には、その要因が
(1)と(2)のいずれであるかを容易に判別して、そ
れぞれの要因に応じて異なる無効指標をカード上に印刷
等により形成するため、カードを要因別にオペレータが
容易に見分けることができる。
【0095】すなわち、いま検証手段からの検証結果が
NGを判別したが、熱可逆性寿命判別手段はOKの判別
結果を出した場合には、上記(1)の要因である可能性
が高い。また、検証手段と熱可逆性判別手段が共にNG
の判別結果を出した場合には、上記(2)の要因である
可能性が高い。
【0096】したがって、例えば前者の場合にはカード
上に付す無効指標を1個にし、後者の場合には無効指標
を2個にするようにして、前者と後者の場合で無効指標
を異ならせるように制御する無効指標変更制御手段(図
13のメイン制御部40が機能する)を設ければ、NG
の判別結果が出されたカードを要因別に容易に分けるこ
とができる。表1に、熱可逆性寿命判別手段と検証手段
の判別結果の組合せによるカードの状態を示す。
【0097】表1のように、熱可逆性寿命判別手段がN
Gの判別をし、検証手段がOKの判別をした場合には、
カード自体はバーコードリーダ等の読取器で判読不可に
なる寿命に近いが、現状においてはまだ読取器で判読が
可能であるためカードとして使用できる。
【0098】
【表1】
【0099】また、熱可逆性寿命判別手段と検証手段が
共にNGの判別結果を出した場合には、カードの白濁部
が所定のPCS値を得ることができなくなった本当の寿
命限界に達したと判断できる。なお、カード上に形成す
る基準白濁部の白濁度は、バーコード等のシンボルがあ
る場合と無い場合では差をつける必要がある。
【0100】すなわち、バーコード等のシンボルが無い
場合には、外部から人間が視認できればよいので、白濁
部と透明部下地色とのコントラスト比がかなり落ちても
使用可能であるため、バーコード等のシンボルがある場
合に比べて白濁部がかなり落ちても問題ない。
【0101】したがって、基準白濁部の白濁度は、使用
するカードの内容に合わせて適宜決定すればよい。さら
に、この印字装置は、検証手段によって印字内容に欠陥
がある不良カードが検出された時、サーマルヘッド3に
よって次のカードにその不良となった印字内容と同じ印
字内容を再印字する再印字制御手段(図13のメイン制
御部40が機能する)を有する。
【0102】したがって、一連のジョブが終了してから
不良カードと判別されたカードに印字すべき印字内容
を、再度新たなカードに印字し直すといった煩わしい作
業をしなくて済むため、手間が省ける。
【0103】そして、その不良カードが予め設定した枚
数だけ連続して出た場合には、サーマルヘッド3の破損
あるいは何らかのトラブルが発生したり、さらには寿命
に達したカードが多数枚存在して新しいカードとの交換
時期が来たものと認識して、異常を報知するオペレータ
コールを発すると共に印字装置の全ての動作を停止させ
る。
【0104】したがって、大量の不良カードを発行して
しまうのを未然に防ぐことができる。なお、上記した次
のカードへ同じ印字内容を再印字するのは、熱可逆性寿
命判別手段によりカードに熱可逆性の寿命がきていると
判別された時に行なうようにしてもよい。
【0105】図13は、印字装置のこの発明に関係する
部分のみの制御系を示すブロック図である。サーマルヘ
ッド3は、印字制御部41によってメイン制御部40か
ら出力される印字内容をカードに印字するように、図示
しないサーマルヘッドドライバを介して駆動制御され
る。
【0106】センサ11Aによる基準白濁部検出回路2
2及びセンサ11Bによる印字白濁部検出回路23から
それぞれ出力される基準白濁部と印字白濁部の各反射率
に応じた検出電圧V1,V2 が、差動増幅器20に入力さ
れ、その差が増幅されて出力電圧V3 がコンパレータ1
9に入力される。そして、その電圧V3 が所定のしきい
値電圧Vref との比較により2値化された寿命判別信号
Vout がメイン制御部40に入力される。メイン制御部
40は、その寿命判別信号Vout のレベルによってカー
ドの熱可逆性記録材料が寿命になっているか否かを判断
する。
【0107】バーコード検証制御部44は、検証器12
のCCD52(図8)から出力されてデータ処理部53
を介した画像信号が入力され、それをメイン制御部40
からの情報を基にして欠陥のない印字内容であるか否か
の検証を行い、欠陥のある印字内容である場合には、図
示しないボイドスタンパドライバを介してボイドスタン
パ14を作動(ヒータをONにして、白濁部を消去する
ようにしたり、逆に印字白濁部を設けるようにしてもよ
い)させてカード上に無効指標を押印(形成)する。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
次に記載する効果を奏する。請求項1の印字装置によれ
ば、熱可逆性記録材料を用いた繰り返しデータの書き替
えが可能なカードに印字を繰り返し行なっても、印字白
濁部の白濁度合いが低下すれば、それを印字白濁部と基
準白濁部の反射率との比較から、その差が所定の値にな
った時に熱可逆性記録材料が熱可逆性の寿命に達したと
判断するので、それによってカードの寿命時期を的確に
判断できる。
【0109】請求項2の印字装置によれば、熱可逆性寿
命判別手段による熱可逆性記録材料の熱可逆性の寿命の
判別結果と検証手段によるバーコード等の印字内容の検
証結果の両方からカードの寿命を決定するので、カード
を熱可逆性記録材料の熱可逆性が保たれる限界まで無駄
なく再利用することができる。また、バーコード等の部
分に傷等の欠陥があるような場合には、それを検証手段
が検証して不良カードとするので、その発行を防止でき
る。
【0110】請求項3の印字装置によれば、寿命がきて
いるカードには無効指標が印刷等により形成されるので
無効なカードを一目で視認でき、その無効となったカー
ドに印字された印字内容は次のカードに同じ内容のもの
が印字されるので、無効カードに印字された印字内容を
最後にもう一度データを入力することによって印字し直
す必要がないので手間が省ける。
【0111】請求項4の印字装置によれば、不良カード
として判別されたカードが、カードの熱可逆性記録材料
の熱可逆性の寿命による要因のものであるか、カードの
バーコード等の上の傷等による寿命以外の要因によるも
のであるかによって、異なる無効指標をカード上に形成
することができるので、カードの不良原因を要因別に容
易に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す印字装置の概略構成
図である。
【図2】同じくその印字装置の平面図である。
【図3】同じくその印字装置に使用するカードCの一例
を示す断面図である。
【図4】同じくそのカードCの外観斜視図である。
【図5】基準白濁部とクワイエットゾーンを形成したカ
ードC′とそれらの部分の反射率から熱可逆性記録材料
の寿命を判別する手段を示す斜視図である。
【図6】図5の熱可逆性記録材料の寿命を判別する手段
の回路例を示す電気回路図である。
【図7】図6の電気回路における各部の電圧波形及び出
力信号を示す図である。
【図8】図1の印字装置に設けられている検証器の一例
を示す斜視図である。
【図9】同じくその検証器の異なる例を示す斜視図であ
る。
【図10】図1の印字装置に設けられているボイドスタ
ンパの一例を示す概略図である。
【図11】同じくそのボイドスタンパによって印刷され
る無効指標の一例を示す平面図である。
【図12】ヒータを用いたボイドスタンパの例を示す概
略図である。
【図13】図1の印字装置の制御系のこの発明に関係す
る部分のみを示すブロック図である。
【符号の説明】
3 サーマルヘッド(印字手段) 11A,11B 寿命検出センサ(白濁部検出手段) 12 検証器(検証手段) 14 ボイドスタンパ
(無効指標形成手段) 16 基準白濁部 17,18 クワイエットゾーン(印字白濁部) 19コンパレータ 20 差動増幅器 26 記録層(熱可逆性記録材料) 40 メイン制
御部 C,C′ リライトカード

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の加熱条件によって白濁状態と透明
    状態が可逆的に変化する熱可逆性記録材料を用いたカー
    ドに印字する印字装置において、 前記カードに所定の印字エネルギを与えて前記熱可逆性
    記録材料を白濁させて印字する印字手段と、前記カード
    の使用初期の状態又は使用限界の状態における白濁状態
    を表わす基準白濁部の反射率を検出する基準白濁部検出
    手段と、前記印字手段によって印字された印字白濁部の
    反射率を検出する印字白濁部検出手段と、該印字白濁部
    検出手段と前記基準白濁部検出手段による各検出結果に
    基づいて前記カードの熱可逆性記録材料の熱可逆性の寿
    命を判別する熱可逆性寿命判別手段とを設けたことを特
    徴とする印字装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印字装置において、前記
    カードに印字されたバーコード等の印字内容を検証する
    検証手段と、該検証手段の検証結果と前記熱可逆性寿命
    判別手段の判別結果とに基づいて前記カードの寿命を決
    定するカード寿命決定手段とを設けたことを特徴とする
    印字装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の印字装置において、前記
    熱可逆性寿命判別手段によって寿命がきているカードと
    判別された時、前記印字手段によって次のカードに同じ
    印字内容を再印字させる再印字制御手段と、その寿命が
    きているカードに無効指標を印刷等により形成する無効
    指標形成手段とを設けたことを特徴とする印字装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の印字装置において、前記
    検証手段によって印字内容に欠陥がある不良カードが検
    出された時、前記印字手段によって次のカードに同じ印
    字内容を再印字させる再印字制御手段と、その不良カー
    ドに無効指標を印刷等により形成する無効指標形成手段
    と、前記熱可逆性寿命判別手段の判別結果に基づいて前
    記無効指標を変更する無効指標変更制御手段とを設けた
    ことを特徴とする印字装置。
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