JP2576275B2 - 天井走行車の昇降台 - Google Patents

天井走行車の昇降台

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は天井走行車の昇降台に関し、特に空スプール
と実スプールとを搬送する天井走行車の昇降台に関す
る。
(従来の技術) 工場内において、物品を工程から工程へと搬送するた
めに、天井から吊下げたレールに沿って走行する天井走
行車が利用されている。天井走行車にはステーションと
の間で物品の受け渡しをするために昇降する昇降台が備
えられており、昇降台には取り扱う物品に適した搬送装
置が設けられている。
例えば、スプールは通常、適当な把持装置により把持
して保持される。
(発明が解決しようとする課題) スプールを搬送する場合、工程から工程へと被加工品
を巻いた実スプールを搬送し、空スプールをもとの工程
へと戻さなければならない。把持装置は実スプールも空
スプールも把持することができるようになってはいる
が、搬送作業が能率的ではなかった。すなわち天井走行
車は実スプールを受取り、実スプールを渡し、空スプー
ルを受取り、空スプールを渡すという作業を繰り返す。
この作業においては受け渡しのためのステーションが4
か所必要であり、天井走行車はその間に4回走行・停止
を繰り返さなければならなかった。
本発明の目的は、実スプール及び空スプールの搬送を
効率よく行なうことのできる天井走行車の昇降台を提供
することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために本発明は、空スプールを収
納する平面を有し、出入口が上方または下方になるよう
に揺動して該平面が傾斜する空スプール用バケットと、
実スプールを把持する実スプール用把持装置と、空スプ
ール用バケットを揺動させるとともに実スプール用把持
装置を作動させるための1つの駆動装置を備えて天井走
行車の昇降台を構成した。
(作用効果) 本発明は上記の構成としたので、次のような作用効果
を奏する。
本発明に係る天井走行車の昇降台は、空スプール用バ
ケットと実スプール用把持装置を併せ持つ。天井走行車
は、実スプール受取り・空スプール渡しステーション
と、実スプール渡し・空スプール受取りステーションの
2か所に停止する。空スプール用バケットは駆動装置に
より揺動し、空スプールを収納する平面に、空スプール
が出入口より転動して収納し、または空スプールを収納
する平面から、空スプールが出入口から転動して出て行
く。同時に、実スプール用把持装置は、空スプールを収
納する時には実スプールを把持から解放し、空スプール
を渡す時には実スプールを把持する。なお、空スプール
用バケットは、空スプールが実スプールに比較して重量
がはるかに軽いので、堅牢に製造する必要がない。
よって本発明に係る天井走行車の昇降台によると、空
スプール用バケットと実スプール用把持装置をそれぞれ
別に備えたので、受け渡し作業を2か所で行なえば済
み、従って搬送能率を向上させることができる。また駆
動装置を共用したので、構成が簡単である。
(実施例) 以下図示の実施例について説明する。
第1、2図は本発明に係る天井走行車の昇降台の一実
施例を示す正面図及び側面図である。
各図において、1は天井走行車2から吊下げられ、ベ
ルト3により昇降する昇降台である。昇降台1には空ス
プール用バケット4、及び実スプール用把持装置5が備
えられている。
空スプール用バケット4は、上方及び第1図視左端が
開放されたバケットであり、左端が空スプールS1の出入
口となる。空スプール用バケット4の底面は平面であ
り、この平面上に空スプールS1が保持される。空スプー
ル用バケット4の下部両側にはシャフト6、7が取り付
けられており、シャフト6、7は軸受8、9によりそれ
ぞれ回動可能に昇降台1に取り付けられている。よって
空スプール用バケット4はシャフト6、7を中心にして
回動することができる。シャフト7の端部にはスプロケ
ット10が固定されている。スプロケット10にはチェーン
11が巻回されており、スプロケット12の回動に従ってス
プロケット10は回動する。
スプロケット12はクラッチ付きであり、シャフト13に
取り付けられている。シャフト13は減速機14を介してモ
ータ15により駆動される。
シャフト13の端部にはスプロケット16が固定されてお
り、チェーン17が巻回してある。チェーン17はスプロケ
ット18に掛け渡されている。スプロケット18はクラッチ
付きであり、ボールスクリュー19の一端に取り付けられ
ている。
ボールスクリュー19は昇降台1の下面に突設された軸
受20、21により回動可能に軸受されている。ボールスク
リュー19は、実ロール把持装置5に固定されたボールネ
ジ22、23に挿通されている。ボールスクリュー19には逆
ネジが切ってあるので、ボールスクリュー19を回動させ
ることにより実スプール把持装置5の先端の把持爪24、
24が相互に接近離反するように移動し、把持爪24、24に
より実スプールS2を把持したり解放したりすることがで
きる。25、26は軸受20、21の間に掛け渡されたシャフト
であり、実スプール把持装置5に備えられたリニアベア
リングに挿通されて、実スプール把持装置5が直線運動
するようにしている。
次に、実施例の作用について説明する。
まず、空スプールS1を受け渡し、実スプールS2を受け
取る際の作用について説明する。
天井走行車2が空スプールS2を搬送する時には、空ス
プール用バケット4は右に傾いた4aの状態にあって、出
入口側に転動しないようになっている。
天井走行車2がステーション上に到達して停止する
と、昇降台1が下降して第1図に示した位置に停止す
る。この状態においては把持爪24、24は離反しており、
その間に実スプールS2が位置している。
次にモータ15が作動し、空スプール用バケット4が4b
のように左に傾くとともに、把持爪24、24が接近する。
よって空スプールS1は空スプール用バケット4から出入
口を通ってスロープ27上を転動してステーションに渡さ
れる。同時に実スプールS2は把持爪24、24によって把持
される。
空スプールS1の受け渡し及び実スプールS2の受取り作
業が終了すると、再び昇降台1が上昇し、天井走行車2
が走行を開始する。
次に天井走行車2は空スプールS1受取り、実スプール
S2受け渡しのためのステーション上に停止する。
昇降台1を下降させ、図示のような位置に停止させ
る。このとき空スプール用バスケット4は4bに示す左に
傾いた姿勢にあり、実スプール用把持装置5は実スプー
ルS2を把持して、把持爪24、24が相互に接近した位置に
移動している。
この状態において、モータ15は先程とは逆に回動し、
従って空スプール用バケット4は4bから4aの姿勢へと揺
動する。また、把持爪24、24は相互に離反する方向へと
移動する。空スプールS1はスロープ28上を転動して出入
口から空スプール用バケット4に収納され、同時に把持
爪24、24は実スプールS2を解放する。
なお、これらの作業の際に、空スプール用バケット4
と実スプール用把持装置5との動作が同期しない場合も
あるが、スプロケット12及びスプロケット18に備えられ
たクラッチが適当な荷重が加わった時点で滑るので、破
損や作業ミス等は生じない。
このように、本実施例の昇降台によると、空スプール
S1及び実スプールS2の搬送装置を個別に設け、1つのス
テーションで受取りと受け渡しを行なうようにしたの
で、従来よりも天井走行車2の停止位置を減らすことが
でき、よって搬送能率が向上する。また駆動のためのモ
ータ15を共用したことにより構造が簡略である。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上
記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範
囲内において適宜変形実施可能であることは言うまでも
ない。
例えば、図示の実施例においては空ロールS1及び実ロ
ールS2を1個ずつ搬送するが、それぞれを複数個搬送で
きるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
第1、2図は本発明に係る天井走行車の昇降台の一実施
例を示す正面図及び側面図である。 1……昇降台、2……天井走行車、4……空スプール用
バケット、5……実スプール用把持装置、15……モー
タ、S1……空スプール、S2……実スプール。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空スプールを収納する平面を有し、出入口
    が上方または下方になるように揺動して該平面が傾斜す
    る空スプール用バケットと、実スプールを把持する実ス
    プール用把持装置と、空スプール用バケットを揺動させ
    るとともに実スプール用把持装置を作動させるための1
    つの駆動装置とを備えたことを特徴とする天井走行車の
    昇降台。
JP21958090A 1990-08-21 1990-08-21 天井走行車の昇降台 Expired - Fee Related JP2576275B2 (ja)

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