JP2575792B2 - プロピレン系重合体組成物 - Google Patents
プロピレン系重合体組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプライマーを使用しなくてもクロロプレン系
二液混合タイプの接着剤や塩素化ポリプロピレン系二液
混合タイプの接着剤との密着性がすぐれたプロピレン系
重合体組成物に関する。さらにくわしくは、プライマー
を使用しなくともクロロプレン系二液混合タイプの接着
剤や塩素化ポリプロピレン系二液混合タイプの接着剤と
の密着性がすぐれているばかりでなく、剛性、耐衝撃性
などの機械的特性が良好であるプロピレン系重合体組成
物に関する。
二液混合タイプの接着剤や塩素化ポリプロピレン系二液
混合タイプの接着剤との密着性がすぐれたプロピレン系
重合体組成物に関する。さらにくわしくは、プライマー
を使用しなくともクロロプレン系二液混合タイプの接着
剤や塩素化ポリプロピレン系二液混合タイプの接着剤と
の密着性がすぐれているばかりでなく、剛性、耐衝撃性
などの機械的特性が良好であるプロピレン系重合体組成
物に関する。
プロピレン系重合体は周知のごとく、成形性がすぐれ
ているのみならず、機械的特性、耐熱性、耐溶剤性、耐
油性および耐薬品性のごとき特性が良好であるため、広
く工業的に製造され、自動車、電気器具、電子機具など
の部品および日用品として多方面にわたって利用されて
いる。しかし、分子内に極性基を有さない(いわゆる非
極性)のみならず、ほとんどの有機溶剤に対する溶解性
が極端に低いため、種々の接着剤(接着材)との密着性
が非常に乏しい。これらのことから、種々の点について
問題がある。これらの問題について、一例として自動車
の内装材の一部であるドアライニングについて説明す
る。
ているのみならず、機械的特性、耐熱性、耐溶剤性、耐
油性および耐薬品性のごとき特性が良好であるため、広
く工業的に製造され、自動車、電気器具、電子機具など
の部品および日用品として多方面にわたって利用されて
いる。しかし、分子内に極性基を有さない(いわゆる非
極性)のみならず、ほとんどの有機溶剤に対する溶解性
が極端に低いため、種々の接着剤(接着材)との密着性
が非常に乏しい。これらのことから、種々の点について
問題がある。これらの問題について、一例として自動車
の内装材の一部であるドアライニングについて説明す
る。
ドアライニングは通常塩ビレザーが使われており、こ
の塩ビレザーにポリプロピレフォーム、ポリエチレンフ
ォーム、ポリウレタンフォームなどがラミネートされた
物が使用されているが、塩ビレーザーは、剛性が低いた
め、そのままでは使用できず、ライニング材としての剛
性を高めるために基材としてアクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン三元共重合樹脂(ABS樹脂)の成形品や
木粉などの充填剤を配合させたポリプロピレン樹脂のボ
ードと接着剤を介在させ、接着させて用いられる。
の塩ビレザーにポリプロピレフォーム、ポリエチレンフ
ォーム、ポリウレタンフォームなどがラミネートされた
物が使用されているが、塩ビレーザーは、剛性が低いた
め、そのままでは使用できず、ライニング材としての剛
性を高めるために基材としてアクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン三元共重合樹脂(ABS樹脂)の成形品や
木粉などの充填剤を配合させたポリプロピレン樹脂のボ
ードと接着剤を介在させ、接着させて用いられる。
しかしながら、近年、自動車の軽量化、コストダウン
志向の下で、ABS樹脂や充填剤含有ポリプロピレン樹脂
のかわりに、安価であり、かつ成形加工性が良好なポリ
プロピレン樹脂(プロピレン系重合体)が使われるよう
になってきている。
志向の下で、ABS樹脂や充填剤含有ポリプロピレン樹脂
のかわりに、安価であり、かつ成形加工性が良好なポリ
プロピレン樹脂(プロピレン系重合体)が使われるよう
になってきている。
ところで、前記のごとくプロピレン系重合体は分子内
に極性基を有さないために化学的に極めて不活性な高分
子物質であるため、塩ビレザーと接着するにあたり、あ
らかじめ成形物(ドアライナー基材)にプロピレン系重
合体と接着可能なプライマーを下塗りするか、あるいは
プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理などの
前処理を施してから接着材を塗布し、塩ビレザーを接着
させているのが現実である。そのために生産工程に時間
がかかり、コスト高となっている。
に極性基を有さないために化学的に極めて不活性な高分
子物質であるため、塩ビレザーと接着するにあたり、あ
らかじめ成形物(ドアライナー基材)にプロピレン系重
合体と接着可能なプライマーを下塗りするか、あるいは
プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理などの
前処理を施してから接着材を塗布し、塩ビレザーを接着
させているのが現実である。そのために生産工程に時間
がかかり、コスト高となっている。
そのほか自動車内装材、たとえばインストルメントパ
ネル、ピラー、天井材、アームレスト、その他のライニ
ング類を製造するさいにも、プロピレン系重合体を使用
し、塩ビレザーを接着するさいにも以上と同様な問題が
ある。
ネル、ピラー、天井材、アームレスト、その他のライニ
ング類を製造するさいにも、プロピレン系重合体を使用
し、塩ビレザーを接着するさいにも以上と同様な問題が
ある。
以上のことから、本発明の目的は煩雑な操作が必要で
ある前処理を必要とせず、接着材との密着性が良好であ
るばかりでなく、成形性もすぐれており、しかもプロピ
レン系重合体が有する機械的特性(たとえば、耐衝撃
性、剛性)についても同等であり、さらに成形物の外観
もすぐれているプロピレン系重合体組成物を得ることで
ある。
ある前処理を必要とせず、接着材との密着性が良好であ
るばかりでなく、成形性もすぐれており、しかもプロピ
レン系重合体が有する機械的特性(たとえば、耐衝撃
性、剛性)についても同等であり、さらに成形物の外観
もすぐれているプロピレン系重合体組成物を得ることで
ある。
本発明にしたがえば、前記課題は (A) メルトフローインデックス(JIS K7210にした
がい、条件が14で測定、以下「MFR(1)」と云う)が
0.01〜100g/10分である結晶性プロピレン系重合体、 (B) 酢酸ビニルの共重合割合が5.0〜50重量%であ
るエチレン−酢酸ビニル共重合体、 (C)(1)プロピレン系重合体100重量部に (2) 「分子中に少なくとも一個の不飽和結合を有
し、かつヒドロキシル基を含有する有機化合物」(以下
「ヒドロキシル系化合物」と云う)0.01〜10重量部 および (3)有機過酸化物0.01〜10重量部を処理させることに
よって得られる変性プロピレン系重合体(以下「変性プ
ロピレン系重合体」と云う) ならびに (D) 少なくともエチレンとα,β−不飽和モノカル
ボン酸、α,β−不飽和ジカルボン酸およびその無水物
からなる群からえらばれた少なくとも一種の極性基を有
するモノマーとからなるエチレン系共重合体、 あるいはこれらと (E) 充填剤 とからなる組成物であり、結晶性プロピレン系重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性プロピレン系重合
体およびエチレン系共重合体からなる高分子物質の合計
量中に占める組成割合は、エチレン−酢酸ビニル共重合
体が5.0〜30重量%であり、かつ変性プロピレン系重合
体が5.0〜40重量%であり、エチレン系共重合体は、100
重量部の充填剤に体して1.0〜50重量%であるが、モノ
カルボン酸、ジカルボン酸およびその無水物のモノマー
単位は合計量として0.017〜40重量部であり、かつ結晶
性プロピレン系重合体は少なくとも40重量%であり、か
つこれらの重合体中の酢酸ビニルに由来する単位は2.5
〜10重量%であり、しかも前記重合体の合計量100重量
部に対する充填剤の組成割合は0.01〜40重量部であるプ
ロピレン系重合体組成物、 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
がい、条件が14で測定、以下「MFR(1)」と云う)が
0.01〜100g/10分である結晶性プロピレン系重合体、 (B) 酢酸ビニルの共重合割合が5.0〜50重量%であ
るエチレン−酢酸ビニル共重合体、 (C)(1)プロピレン系重合体100重量部に (2) 「分子中に少なくとも一個の不飽和結合を有
し、かつヒドロキシル基を含有する有機化合物」(以下
「ヒドロキシル系化合物」と云う)0.01〜10重量部 および (3)有機過酸化物0.01〜10重量部を処理させることに
よって得られる変性プロピレン系重合体(以下「変性プ
ロピレン系重合体」と云う) ならびに (D) 少なくともエチレンとα,β−不飽和モノカル
ボン酸、α,β−不飽和ジカルボン酸およびその無水物
からなる群からえらばれた少なくとも一種の極性基を有
するモノマーとからなるエチレン系共重合体、 あるいはこれらと (E) 充填剤 とからなる組成物であり、結晶性プロピレン系重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性プロピレン系重合
体およびエチレン系共重合体からなる高分子物質の合計
量中に占める組成割合は、エチレン−酢酸ビニル共重合
体が5.0〜30重量%であり、かつ変性プロピレン系重合
体が5.0〜40重量%であり、エチレン系共重合体は、100
重量部の充填剤に体して1.0〜50重量%であるが、モノ
カルボン酸、ジカルボン酸およびその無水物のモノマー
単位は合計量として0.017〜40重量部であり、かつ結晶
性プロピレン系重合体は少なくとも40重量%であり、か
つこれらの重合体中の酢酸ビニルに由来する単位は2.5
〜10重量%であり、しかも前記重合体の合計量100重量
部に対する充填剤の組成割合は0.01〜40重量部であるプ
ロピレン系重合体組成物、 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A) 結晶性プロピレン系重合体 本発明において使用される結晶性プロピレン系重合体
はプロピレンを主成分とする重合体であり、プロピレン
単独重合体ならびにプロピレンとエチレンおよび/また
は他のα−オレフィンとのランダムおよびブロック共重
合体が好んで用いられる。ランダムおよびブロック共重
合体中のエチレンおよびα−オレフィンの共重合割合は
合計量として多くとも20重量%であり、15重量%以下が
好ましく、特に10重量%以下が好適である。また、他の
α−オレフィンとしては、炭素数が4〜12個のα−オレ
フィンが望ましく、とりわけ4〜8個のα−オレフィン
が好適である。好適なα−オレフィンとしては、ブテン
−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1およびヘキ
セン−1があげられる。
はプロピレンを主成分とする重合体であり、プロピレン
単独重合体ならびにプロピレンとエチレンおよび/また
は他のα−オレフィンとのランダムおよびブロック共重
合体が好んで用いられる。ランダムおよびブロック共重
合体中のエチレンおよびα−オレフィンの共重合割合は
合計量として多くとも20重量%であり、15重量%以下が
好ましく、特に10重量%以下が好適である。また、他の
α−オレフィンとしては、炭素数が4〜12個のα−オレ
フィンが望ましく、とりわけ4〜8個のα−オレフィン
が好適である。好適なα−オレフィンとしては、ブテン
−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1およびヘキ
セン−1があげられる。
該プロピレン系重合体のMFR(1)は0.01〜100g/10分
であり、0.01〜80g/10分のものが好ましく、特に0.1〜7
0g/10分のものが好適である。
であり、0.01〜80g/10分のものが好ましく、特に0.1〜7
0g/10分のものが好適である。
MFR(1)が0.01g/10分未満のプロピレン系重合体を
用いると、混練性がよくない。一方、100g/10分を超え
たプロピレン系重合体を使用すると、組成物の耐衝撃性
がよくない。
用いると、混練性がよくない。一方、100g/10分を超え
たプロピレン系重合体を使用すると、組成物の耐衝撃性
がよくない。
(B) エチレン−酢酸ビニル共重合体 さらに、本発明において用いられるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体中の酢酸ビニルの共重合割合は、5.0〜50
重量%であり、特に5.0〜40重量%が好ましい。酢酸ビ
ニルの共重合割合が5.0重量%未満のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を使用すれば、改質の効果が満足すべきも
のではないから望ましくない。一方、酢酸ビニルの共重
合割合が50重量%を超えたエチレン−酢酸ビニル共重合
体を使った場合、組成物の物性が低下するのみならず、
層剥離などが生じるため好ましくない。該エチレン−酢
酸ビニル共重合体のメルトフローインデックス(JIS K7
210にしたがい、条件が4で測定、以下「MFR(2)」と
云う)は、一般には0.1〜200g/10分であり、0.1〜150g/
10分が望ましく、とりわけ0.5〜100g/10分が好適であ
る。MFR(2)が0.01g/10分未満のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体を用いるならば、混練性がよくない。一方、
200g/10分を超えたエチレン−酢酸ビニル共重合体を使
うならば、組成物の機械的強度がよくない。
ニル共重合体中の酢酸ビニルの共重合割合は、5.0〜50
重量%であり、特に5.0〜40重量%が好ましい。酢酸ビ
ニルの共重合割合が5.0重量%未満のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を使用すれば、改質の効果が満足すべきも
のではないから望ましくない。一方、酢酸ビニルの共重
合割合が50重量%を超えたエチレン−酢酸ビニル共重合
体を使った場合、組成物の物性が低下するのみならず、
層剥離などが生じるため好ましくない。該エチレン−酢
酸ビニル共重合体のメルトフローインデックス(JIS K7
210にしたがい、条件が4で測定、以下「MFR(2)」と
云う)は、一般には0.1〜200g/10分であり、0.1〜150g/
10分が望ましく、とりわけ0.5〜100g/10分が好適であ
る。MFR(2)が0.01g/10分未満のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体を用いるならば、混練性がよくない。一方、
200g/10分を超えたエチレン−酢酸ビニル共重合体を使
うならば、組成物の機械的強度がよくない。
(C) 変性プロピレン系重合体 また、本発明において使用される変性プロピレン系重
合体は後記のプロピレン系重合体にヒドロキシル系化合
物および有機過酸化物を処理させることによって得られ
るものであり、その製造方法については特開昭58−1547
32号公報明細書に詳細に記載されている。
合体は後記のプロピレン系重合体にヒドロキシル系化合
物および有機過酸化物を処理させることによって得られ
るものであり、その製造方法については特開昭58−1547
32号公報明細書に詳細に記載されている。
(1) プロピレン系重合体 該プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合
体、エチレンとプロピレンとのブロック共重合体ならび
にプロピレンと炭素数が多くとも12個の他のα−オレフ
ィンとのブロック共重合体(α−オレフィンの共重合割
合は多くとも20重量%)があげられる。このプロピレン
系重合体のMFR(1)は成形性、得られる組成物の機械
的特性などの点から、通常0.01〜100g/10分であり、0.0
1〜50g/10分が好ましく、特に0.02〜50g/10分のものが
好適である。
体、エチレンとプロピレンとのブロック共重合体ならび
にプロピレンと炭素数が多くとも12個の他のα−オレフ
ィンとのブロック共重合体(α−オレフィンの共重合割
合は多くとも20重量%)があげられる。このプロピレン
系重合体のMFR(1)は成形性、得られる組成物の機械
的特性などの点から、通常0.01〜100g/10分であり、0.0
1〜50g/10分が好ましく、特に0.02〜50g/10分のものが
好適である。
(2) ヒドロキシル系化合物 また、ヒドロキシル系化合物は少なくとも一個の不飽
和結合(二重結合、三重結合)を有し、かつヒドロキシ
ル基を含有する化合物である。この代表的なものとして
は、二重結合を有するアルコール、三重結合を有するア
ルコール、一価または二価の不飽和カルボン酸と非置換
二価アルコールとのエステル、該不飽和カルボン酸と非
置換三価アルコールとのエステル、非置換四価アルコー
ルとのエステルおよび非置換五価以上アルコールとのエ
ステルがあげられる。
和結合(二重結合、三重結合)を有し、かつヒドロキシ
ル基を含有する化合物である。この代表的なものとして
は、二重結合を有するアルコール、三重結合を有するア
ルコール、一価または二価の不飽和カルボン酸と非置換
二価アルコールとのエステル、該不飽和カルボン酸と非
置換三価アルコールとのエステル、非置換四価アルコー
ルとのエステルおよび非置換五価以上アルコールとのエ
ステルがあげられる。
(3) 有機過酸化物 さらに、有機過酸化物は一般にラジカル重合における
開始剤および重合体の架橋剤として使わているものであ
り、1分間の半減期が100℃以上のものが好ましく、と
りわけ130℃以上のものが好適である。上記の温度が100
℃以下のものでは、その取り扱いが難しいばかりでな
く、使用した効果もあまり認められないから望ましくな
い。
開始剤および重合体の架橋剤として使わているものであ
り、1分間の半減期が100℃以上のものが好ましく、と
りわけ130℃以上のものが好適である。上記の温度が100
℃以下のものでは、その取り扱いが難しいばかりでな
く、使用した効果もあまり認められないから望ましくな
い。
(4) 混合割合 本発明の変性プロピレン系重合体を製造するにあた
り、100重量部のプロピレン系重合体に対するヒドロキ
シル系化合物の混合割合は0.01〜10重量部であり、0.02
〜10重量部が好ましく、特に0.02〜7.0重量部が好適で
ある。100重量部のプロピレン系重合体に対するヒドロ
キシル系化合物の混合割合が0.01重量部未満では、密着
性の改良効果が不十分である。一方、10重量部を超えて
使用したとしても、使用量に応じた密着性の改良効果が
認められず、むしろプロピレン系重合体が有する本来の
特性がそこなわれるために好ましくない。
り、100重量部のプロピレン系重合体に対するヒドロキ
シル系化合物の混合割合は0.01〜10重量部であり、0.02
〜10重量部が好ましく、特に0.02〜7.0重量部が好適で
ある。100重量部のプロピレン系重合体に対するヒドロ
キシル系化合物の混合割合が0.01重量部未満では、密着
性の改良効果が不十分である。一方、10重量部を超えて
使用したとしても、使用量に応じた密着性の改良効果が
認められず、むしろプロピレン系重合体が有する本来の
特性がそこなわれるために好ましくない。
また、100重量部のプロピレン系重合体に対する有機
過酸化物の混合割合は0.01〜10重量部であり、0.01〜7.
0重量部が望ましく、とりわけ0.02〜5.0重量部が好適で
ある。100重量部のプロピレン系重合体に対する有機過
酸化物の混合割合が0.01重量部以下では、密着性の改善
効果が低いばかりでなく、混合物の密着強度の耐久性も
低下する。一方、10重量部を超えると、該重合体が有す
る未来のすぐれた機械的特性が低下するため、いずれの
場合でも望ましくない。
過酸化物の混合割合は0.01〜10重量部であり、0.01〜7.
0重量部が望ましく、とりわけ0.02〜5.0重量部が好適で
ある。100重量部のプロピレン系重合体に対する有機過
酸化物の混合割合が0.01重量部以下では、密着性の改善
効果が低いばかりでなく、混合物の密着強度の耐久性も
低下する。一方、10重量部を超えると、該重合体が有す
る未来のすぐれた機械的特性が低下するため、いずれの
場合でも望ましくない。
(5) 変性プロピレン系重合体の製造方法 本発明の変性プロピレン系重合体を製造するには、以
上のプロピレン系重合体、ヒドロキシル系化合物および
有機過酸化物を以上の混合割合で処理(加熱)させるこ
とによって製造することができる。このさい、プロピレ
ン系重合体、ヒドロキシル系化合物および有機過酸化物
を混合させながら処理してもよいが、あらかじめこれら
をドライブレンドで混合するか、または比較的低温(ヒ
ドロキシル系化合物が反応しない温度)で混練し、得ら
れる混合物を後記のごとく加熱させることによって得ら
れる。
上のプロピレン系重合体、ヒドロキシル系化合物および
有機過酸化物を以上の混合割合で処理(加熱)させるこ
とによって製造することができる。このさい、プロピレ
ン系重合体、ヒドロキシル系化合物および有機過酸化物
を混合させながら処理してもよいが、あらかじめこれら
をドライブレンドで混合するか、または比較的低温(ヒ
ドロキシル系化合物が反応しない温度)で混練し、得ら
れる混合物を後記のごとく加熱させることによって得ら
れる。
処理を高い温度で実施すると、プロピレン系重合体が
劣化することがある。しかし、使用されるプロピレン系
重合体とヒドロキシル系化合物とがグラフト重合するた
めに用いられる有機過酸化物が分解する温度で実施しな
ければならない。以上のことから、使われる有機過酸化
物の種類によって異なるが、この処理は一般には180〜3
00℃(好ましくは、200〜280℃)において実施される。
劣化することがある。しかし、使用されるプロピレン系
重合体とヒドロキシル系化合物とがグラフト重合するた
めに用いられる有機過酸化物が分解する温度で実施しな
ければならない。以上のことから、使われる有機過酸化
物の種類によって異なるが、この処理は一般には180〜3
00℃(好ましくは、200〜280℃)において実施される。
前記ヒドロキシル系化合物および有機過酸化物の一般
式や代表例ならびに混合方法および処理方法などについ
ては特開昭58−154732号公報明細書に詳細に記載されて
いる。
式や代表例ならびに混合方法および処理方法などについ
ては特開昭58−154732号公報明細書に詳細に記載されて
いる。
(D) エチレン系共重合体 また、本発明において使われるエチレン系共重合体は
少なくともエチレンとα,β−不飽和モノカルボン酸、
α,β−不飽和ジカルボン酸およびその無水物からなる
群からえらばれた少なくとも一種のモノマーとからなる
共重合体である。該共重合体は下記の重合体があげられ
る。
少なくともエチレンとα,β−不飽和モノカルボン酸、
α,β−不飽和ジカルボン酸およびその無水物からなる
群からえらばれた少なくとも一種のモノマーとからなる
共重合体である。該共重合体は下記の重合体があげられ
る。
(1) エチレンとα,β−不飽和モノカルボン酸との
共重合体(以下「エチレン系共重合体(a)」と云う) および (2) エチレンとα,β−不飽和のジカルボン酸、そ
の無水物またはそのハーフエステルとの共重合体(以下
「エチレン系共重合体(b)」と云う) これらのエチレン系共重合体は150℃以下の温度で溶
融し、流動性を有するものが望ましい。
共重合体(以下「エチレン系共重合体(a)」と云う) および (2) エチレンとα,β−不飽和のジカルボン酸、そ
の無水物またはそのハーフエステルとの共重合体(以下
「エチレン系共重合体(b)」と云う) これらのエチレン系共重合体は150℃以下の温度で溶
融し、流動性を有するものが望ましい。
(1) エチレン系共重合体(a) エチレン系共重合体(a)は少なくともエチレンと
α,β−不飽和モノカルボン酸との共重合体であり、前
記の流動性の性質を確保するためには、極性基を有する
ラジカル重合性のコモノマー(以下「第三成分」と云
う)を共重合されたものが好ましい。
α,β−不飽和モノカルボン酸との共重合体であり、前
記の流動性の性質を確保するためには、極性基を有する
ラジカル重合性のコモノマー(以下「第三成分」と云
う)を共重合されたものが好ましい。
この第三成分をコモノマーとして共重合させることに
よって該エチレン系共重合体(a)中に共重合させた第
三成分に該当するモノマーに由来する単位を有する多元
共重合体が得られる(後記のエチレン系共重合体(b)
の場合も同様)。
よって該エチレン系共重合体(a)中に共重合させた第
三成分に該当するモノマーに由来する単位を有する多元
共重合体が得られる(後記のエチレン系共重合体(b)
の場合も同様)。
このエチレン系共重合体(a)の製造に用いることの
出来るα,β−不飽和モノカルボン酸の炭素数は一般に
は3〜20個であり、とりわけ3〜16個のものが望まし
い。代表例としてはアクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、モノアルキルマレート、モノアルキルフマレート
などがあげられる。
出来るα,β−不飽和モノカルボン酸の炭素数は一般に
は3〜20個であり、とりわけ3〜16個のものが望まし
い。代表例としてはアクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、モノアルキルマレート、モノアルキルフマレート
などがあげられる。
また、第三成分とは、極性基を含有するラジカル重合
性のビニル化合物であり、不飽和カルボン酸エステル、
ビニルエステルおよびアルコキシアルキルアクリレート
などが代表例としてあげられる。
性のビニル化合物であり、不飽和カルボン酸エステル、
ビニルエステルおよびアルコキシアルキルアクリレート
などが代表例としてあげられる。
不飽和カルボン酸エステルの炭素数は通常4〜40個で
あり、特に4〜20個のものが好ましい。代表例として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレートなどの熱安定性のよいものが好ましい。
あり、特に4〜20個のものが好ましい。代表例として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレートなどの熱安定性のよいものが好ましい。
さらに、アルコキシアルキルアクリレートの炭素数は
通常多くとも20個である。また、アルキル基の炭素数が
1〜8個(好適には、1〜4個)のものが好ましく、さ
らにアルコキシ基の炭素数が1〜8個(好適には、1〜
4個)のものが望ましい。好ましいアルコキシアルキル
アクリレートの代表例としては、メトキシエチルアクリ
レート、エトキシエチルアクリレートおよびブトキエチ
ルアクリレートがあげられる。また、ビニルエステルの
炭素数は一般には多くとも20個(好適には、4〜16個)
である。その代表例としては酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ビニルブチレート、ビニルピバレートなどがあ
げられる。
通常多くとも20個である。また、アルキル基の炭素数が
1〜8個(好適には、1〜4個)のものが好ましく、さ
らにアルコキシ基の炭素数が1〜8個(好適には、1〜
4個)のものが望ましい。好ましいアルコキシアルキル
アクリレートの代表例としては、メトキシエチルアクリ
レート、エトキシエチルアクリレートおよびブトキエチ
ルアクリレートがあげられる。また、ビニルエステルの
炭素数は一般には多くとも20個(好適には、4〜16個)
である。その代表例としては酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ビニルブチレート、ビニルピバレートなどがあ
げられる。
エチレン系共重合体(a)において、第三成分の量は
25モル%以下であることが好ましく、特に2〜20モル%
が好ましい。25モル%を超えても本発明の特徴は発現す
るが、25モル%を超える必要はなく、製造上および経済
上好ましくない。
25モル%以下であることが好ましく、特に2〜20モル%
が好ましい。25モル%を超えても本発明の特徴は発現す
るが、25モル%を超える必要はなく、製造上および経済
上好ましくない。
α,β−不飽和モノカルボン酸のエチレン系共重合体
(a)中の結合量は、0.5モル%以上、25モル%以下で
あることが望ましく、とりわけ1.0モル%〜15モル%が
好適である。
(a)中の結合量は、0.5モル%以上、25モル%以下で
あることが望ましく、とりわけ1.0モル%〜15モル%が
好適である。
該α,β−不飽和モノカルボン酸は組成物中に均一に
分散した充填剤と主成分である結晶性プロピレン系重合
体との界面の相溶性を向上する作用として働き、組成物
の剛性を向上さすためのものであり、過剰にある必要は
ない。多くなると吸水性が高くなり、成形加工時の発泡
や成形後の吸水などによる電気特性の低下などに悪い影
響をもたらすばかりでなく、安全性・分離・回収などの
製造上の問題や経済的にも不利となり好ましくない。一
方、0.5モル%未満では、接着性の点で問題はないが、
剛性の改良効果が不充分である。
分散した充填剤と主成分である結晶性プロピレン系重合
体との界面の相溶性を向上する作用として働き、組成物
の剛性を向上さすためのものであり、過剰にある必要は
ない。多くなると吸水性が高くなり、成形加工時の発泡
や成形後の吸水などによる電気特性の低下などに悪い影
響をもたらすばかりでなく、安全性・分離・回収などの
製造上の問題や経済的にも不利となり好ましくない。一
方、0.5モル%未満では、接着性の点で問題はないが、
剛性の改良効果が不充分である。
(2) エチレン系共重合体(b) また、本発明において使われるエチレン系共重合体
(b)とは結果としてエチレンとα,β−不飽和のジカ
ルボン酸またはその無水物またはそのモノエステルとの
共重合体(前記第三成分を含んでもよい)となっていれ
ばよい。すなわちエチレンとα,β−不飽和ジカルボン
酸またはその無水物あるいはこれらと前記第三成分を直
接共重合せしめたものである。
(b)とは結果としてエチレンとα,β−不飽和のジカ
ルボン酸またはその無水物またはそのモノエステルとの
共重合体(前記第三成分を含んでもよい)となっていれ
ばよい。すなわちエチレンとα,β−不飽和ジカルボン
酸またはその無水物あるいはこれらと前記第三成分を直
接共重合せしめたものである。
第三成分としてはエチレン系共重合体(a)と同じ種
類の化合物があげられる。
類の化合物があげられる。
該エチレン系共重合体(b)を直接共重合法で製造す
る場合には、α,β−不飽和ジカルボン酸またはその無
水物が共重合コモノマーとして選択される。
る場合には、α,β−不飽和ジカルボン酸またはその無
水物が共重合コモノマーとして選択される。
前記α,β−不飽和のジカルボン酸の炭素数は通常多
くとも20個であり、とりわけ4〜16個のものが好適であ
る。該ジカルボン酸の代表例としては、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸、3.6−エンドメチ
レン−1,2,3,6−テトラヒドロ−シス−フタル酸(ナデ
ィック酸 )があげられる。
くとも20個であり、とりわけ4〜16個のものが好適であ
る。該ジカルボン酸の代表例としては、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸、3.6−エンドメチ
レン−1,2,3,6−テトラヒドロ−シス−フタル酸(ナデ
ィック酸 )があげられる。
α,β−不飽和ジカルボン酸またはその無水物の該エ
チレン系共重合体(b)中の結合量は前記のエチレン系
共重合体(a)の場合と同様に0.5モル%以上、20モル
%以下であることが好ましい。さらに好ましくは1.0〜1
5モル%である。
チレン系共重合体(b)中の結合量は前記のエチレン系
共重合体(a)の場合と同様に0.5モル%以上、20モル
%以下であることが好ましい。さらに好ましくは1.0〜1
5モル%である。
これらのエチレン系共重合体(a)およびエチレン系
共重合体はいずれも50〜2500kg/cm3の高圧下で120〜260
℃の温度において連鎖移動剤(たとえば、有機過酸化
物)の存在下でエチレンと共重合するコモノマー(第三
成分も含む)を共重合させることによって製造すること
ができる。この共重合方法はよく知られている方法であ
る。
共重合体はいずれも50〜2500kg/cm3の高圧下で120〜260
℃の温度において連鎖移動剤(たとえば、有機過酸化
物)の存在下でエチレンと共重合するコモノマー(第三
成分も含む)を共重合させることによって製造すること
ができる。この共重合方法はよく知られている方法であ
る。
これらの割合はエチレン系共重合体(a)およびエチ
レン系共重合体(b)のMFR(2)は一般には0.01〜100
0g/10分であり、0.05〜500g/10分が望ましく、とりわけ
0.1〜500g/10分が好適である。MFR(2)が0.01g/10分
未満のエチレン系共重合体を用いると、本発明の混合物
を製造するさいに均一状に混合されることが難しいのみ
ならず、成形性もよくない。
レン系共重合体(b)のMFR(2)は一般には0.01〜100
0g/10分であり、0.05〜500g/10分が望ましく、とりわけ
0.1〜500g/10分が好適である。MFR(2)が0.01g/10分
未満のエチレン系共重合体を用いると、本発明の混合物
を製造するさいに均一状に混合されることが難しいのみ
ならず、成形性もよくない。
(2) 充 填 剤 また、本発明において用いられる充填剤は一般に合成
樹脂およびゴムの分野において広く使われているもので
ある。これらの充填剤のうち、無機充填剤としては、酸
素および水と反応しない無機化合物であり、混練時およ
び成形時において分解しないものが好んで用いられる。
該無機充填剤としては、アルミニウム、銅、鉄、鉛、ニ
ッケル、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、
ジルコニウム、モリブデン、ケイ素、アンチモン、チタ
ンなどの金属の酸化物、その水和物(水酸化物)、硫酸
塩、炭酸塩,ケイ酸塩のごとき化合物、これらの複塩な
らびにこれらの混合物に大別される。該無機充填剤の代
表例は特開昭59−8535号明細書に記載されている。これ
らの無機充填剤のうち、粉末状のものはその径が30μm
以下(好適には10μm以下)のものが好ましい。また繊
維状のものでは、径が1〜500μm(好適には1〜300μ
m)であり、長さが0.1〜6mm(好適には0.1〜5mm)のも
のが望ましい。さらに、平板状のものは径が30μm以下
(好適には10μm以下)のものが好ましい。これらの無
機充填剤のうち、特に平板状(フレーク状)のものおよ
び粉末状のものが好適である。好適な無機充填剤として
は、タルク、マイカ、シリカ、ガラス繊維、グラファイ
トなどがあげられる。
樹脂およびゴムの分野において広く使われているもので
ある。これらの充填剤のうち、無機充填剤としては、酸
素および水と反応しない無機化合物であり、混練時およ
び成形時において分解しないものが好んで用いられる。
該無機充填剤としては、アルミニウム、銅、鉄、鉛、ニ
ッケル、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、
ジルコニウム、モリブデン、ケイ素、アンチモン、チタ
ンなどの金属の酸化物、その水和物(水酸化物)、硫酸
塩、炭酸塩,ケイ酸塩のごとき化合物、これらの複塩な
らびにこれらの混合物に大別される。該無機充填剤の代
表例は特開昭59−8535号明細書に記載されている。これ
らの無機充填剤のうち、粉末状のものはその径が30μm
以下(好適には10μm以下)のものが好ましい。また繊
維状のものでは、径が1〜500μm(好適には1〜300μ
m)であり、長さが0.1〜6mm(好適には0.1〜5mm)のも
のが望ましい。さらに、平板状のものは径が30μm以下
(好適には10μm以下)のものが好ましい。これらの無
機充填剤のうち、特に平板状(フレーク状)のものおよ
び粉末状のものが好適である。好適な無機充填剤として
は、タルク、マイカ、シリカ、ガラス繊維、グラファイ
トなどがあげられる。
また、有機充填剤としては、木粉、有機繊維、わら、
もみがら、ピーナッツのからなどがあげられる。
もみがら、ピーナッツのからなどがあげられる。
木粉は通常12メッシュパスのものであり、特に45メッ
シュパス以下の平均粒径を有するものが好ましい。な
お、この木粉の木の種類は特に限定されるものではな
い。
シュパス以下の平均粒径を有するものが好ましい。な
お、この木粉の木の種類は特に限定されるものではな
い。
また有機繊維は、羊毛などの動物繊維、綿、ジュー
ト、パルプなどの植物繊維や一般に使われているビニロ
ン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊
維などの合成繊維である。該有機繊維の長さおよび平均
径は最終的に得られるポリプロピレン組成物の用途、混
合条件などによって異なるから、一概に規定することが
できないが、一般的には平均径の範囲が3〜500μm、
平均の長さが0.1〜6mmであるものが適当である。
ト、パルプなどの植物繊維や一般に使われているビニロ
ン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊
維などの合成繊維である。該有機繊維の長さおよび平均
径は最終的に得られるポリプロピレン組成物の用途、混
合条件などによって異なるから、一概に規定することが
できないが、一般的には平均径の範囲が3〜500μm、
平均の長さが0.1〜6mmであるものが適当である。
そのほか、わらについては混合性の点から、有機繊維
と同様な平均径および長さを有するように裁断されて使
用される。
と同様な平均径および長さを有するように裁断されて使
用される。
また、もみがら、ピーナッツのからは前記の木粉のよ
うに破砕されて用いられる。
うに破砕されて用いられる。
本発明のプロピレン径重合組成物を製造するには、以
上の結晶性プロピレン系重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、変性プロピレン系重合体、エチレン系共重合
体あるいはこれらの重合体と充填剤を後記の組成割合で
均一に混合することができるけれども、これらの重合体
にさらに後記のエチレン系重合体および/またはエチレ
ン−プロピレン系ゴムを配合させてもよい。
上の結晶性プロピレン系重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、変性プロピレン系重合体、エチレン系共重合
体あるいはこれらの重合体と充填剤を後記の組成割合で
均一に混合することができるけれども、これらの重合体
にさらに後記のエチレン系重合体および/またはエチレ
ン−プロピレン系ゴムを配合させてもよい。
(F) エチレン系重合体 本発明において使用されるエチレン系重合体の密度は
0.900g/cm3以上であり、0.900〜0.970g/cm3のものが好
ましく、特に0.910〜0.970g/cm3のものが好適である。
0.900g/cm3以上であり、0.900〜0.970g/cm3のものが好
ましく、特に0.910〜0.970g/cm3のものが好適である。
該エチレン系重合体としては、エチレン単独重合体、
エチレンとα−オレフィンとのランダムまたはブロック
共重合体があげられる。α−オレフィンとしては一般に
は炭素数が3〜12個(好適には、3〜8個)のものが好
ましい。該α−オレフィンの代表例としては、プロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1および4
−メチルペンテン−1があげられる。このα−オレフィ
ンの共重合割合は、一般には多くとも20重量%であり、
とりわけ10重量%以下のものが望ましい。
エチレンとα−オレフィンとのランダムまたはブロック
共重合体があげられる。α−オレフィンとしては一般に
は炭素数が3〜12個(好適には、3〜8個)のものが好
ましい。該α−オレフィンの代表例としては、プロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1および4
−メチルペンテン−1があげられる。このα−オレフィ
ンの共重合割合は、一般には多くとも20重量%であり、
とりわけ10重量%以下のものが望ましい。
該エチレン系重合体のMFR(2)は少なくとも0.1g/10
分であり、0.1〜50g/10分のものが望ましく、とりわけ
0.5〜50g/10分のものが好適である。MFR(2)が0.1g/1
0分未満のものを用いるならば、分散性が悪く、均一の
組成物を得ることが難しく、かりに均一な組成物が得ら
れたとしても、接着性の改良がわずかであり、成形物の
外観がよくない。
分であり、0.1〜50g/10分のものが望ましく、とりわけ
0.5〜50g/10分のものが好適である。MFR(2)が0.1g/1
0分未満のものを用いるならば、分散性が悪く、均一の
組成物を得ることが難しく、かりに均一な組成物が得ら
れたとしても、接着性の改良がわずかであり、成形物の
外観がよくない。
(G) エチレン−プロピレン系ゴム さらに、本発明において用いられるエチレン−プロピ
レン系ゴムはエチレンとプロピレンとを共重合すること
によって得られるエチレン−プロピレン共重合ゴムなら
びにエチレンとプロピレンとを主成分とし、1,4−ペン
タジエン、1,5−ヘキサジエンおよび3,3−ジメチル−1,
5−ヘキサジエンのごとき二個の二重結合が末端に含有
する直鎖もしくは分岐鎖のジオレフィン、1,4−ヘキサ
ジエンおよび6−メチル−1,5ヘプタジエンのごとき二
重結合を一つだけ末端に含む直鎖もしくは分岐鎖ジオレ
フィンまたはビシクロ〔2,2,1〕−ヘプテン−2および
その誘導体のごとき環状ジエン炭化水素のような単量体
の少量(一般には、10重量%以下)を共重合させること
によって得られる多元共重合ゴムである。これらの共重
合ゴムおよび多元共重合ゴムのエチレンモノマー単位:
プロピレンモノマー単位の重量比は通常20:80ないし70:
30のものが好ましく、とりわけ20:80ないし60:40のもの
が好適である。これらエチレン−プロピレン系ゴムはエ
チレンとプロピレンまたはエチレン、プロピレンおよび
前記単量体とを共重合または多元共重合によって製造さ
れるものである。
レン系ゴムはエチレンとプロピレンとを共重合すること
によって得られるエチレン−プロピレン共重合ゴムなら
びにエチレンとプロピレンとを主成分とし、1,4−ペン
タジエン、1,5−ヘキサジエンおよび3,3−ジメチル−1,
5−ヘキサジエンのごとき二個の二重結合が末端に含有
する直鎖もしくは分岐鎖のジオレフィン、1,4−ヘキサ
ジエンおよび6−メチル−1,5ヘプタジエンのごとき二
重結合を一つだけ末端に含む直鎖もしくは分岐鎖ジオレ
フィンまたはビシクロ〔2,2,1〕−ヘプテン−2および
その誘導体のごとき環状ジエン炭化水素のような単量体
の少量(一般には、10重量%以下)を共重合させること
によって得られる多元共重合ゴムである。これらの共重
合ゴムおよび多元共重合ゴムのエチレンモノマー単位:
プロピレンモノマー単位の重量比は通常20:80ないし70:
30のものが好ましく、とりわけ20:80ないし60:40のもの
が好適である。これらエチレン−プロピレン系ゴムはエ
チレンとプロピレンまたはエチレン、プロピレンおよび
前記単量体とを共重合または多元共重合によって製造さ
れるものである。
本発明のエチレン−プロピレン系ゴムのムーニー粘度
(ML1+4,(100℃))は10〜140であり、15〜120のもの
が望ましく、とりわけ30〜110のものが好適である。ム
ーニー粘度が10未満のエチレン−プロピレン系ゴムを使
用すれば、成形性は向上するが、耐衝撃改良効果が低い
ばかりでなく、成形物のゲートカットするさいなどに層
剥離が発生する場合もあり、トラブルの原因となること
がある。一方、140を超えたものを用いると、混練時の
分散が困難になるのみならず、たとえ均一な組成物が得
られたとしても、成形物の表面にフローマーク、ウエル
ドラインなどの目立ちが激しくなり、外観の良好な成形
物が得られない。
(ML1+4,(100℃))は10〜140であり、15〜120のもの
が望ましく、とりわけ30〜110のものが好適である。ム
ーニー粘度が10未満のエチレン−プロピレン系ゴムを使
用すれば、成形性は向上するが、耐衝撃改良効果が低い
ばかりでなく、成形物のゲートカットするさいなどに層
剥離が発生する場合もあり、トラブルの原因となること
がある。一方、140を超えたものを用いると、混練時の
分散が困難になるのみならず、たとえ均一な組成物が得
られたとしても、成形物の表面にフローマーク、ウエル
ドラインなどの目立ちが激しくなり、外観の良好な成形
物が得られない。
(H) 組 成 割 合 本発明の組成物において、結晶性プロピレン系重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性プロピレン系
重合体およびエチレン系共重合体またはこれらの重合体
(高分子物質)とエチレン系重合体および/またはエチ
レン−プロピレン系ゴムとからなる重合体の合計量中に
占める結晶性プロピレン系重合体の組成割合は少なくと
も40重量%であり、45重量%以上が好ましく、特に50重
量%以上が好適である。結晶性プロピレン系重合体の組
成割合が40重量%未満では、得られる組成物の機械的強
度がよくない。
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性プロピレン系
重合体およびエチレン系共重合体またはこれらの重合体
(高分子物質)とエチレン系重合体および/またはエチ
レン−プロピレン系ゴムとからなる重合体の合計量中に
占める結晶性プロピレン系重合体の組成割合は少なくと
も40重量%であり、45重量%以上が好ましく、特に50重
量%以上が好適である。結晶性プロピレン系重合体の組
成割合が40重量%未満では、得られる組成物の機械的強
度がよくない。
また、前記重合体の合計量中に占める変性プロピレン
系重合体の組成割合は5.0〜40重量%であり、5.0〜35重
量%が望ましく、とりわけ5.0〜30重量%が好適であ
る。変性プロピレン系重合体の組成割合が5.0重量%未
満では、密着性の改良効果が乏しい。一方、40重量%を
超えて配合すれば経済上問題となる。
系重合体の組成割合は5.0〜40重量%であり、5.0〜35重
量%が望ましく、とりわけ5.0〜30重量%が好適であ
る。変性プロピレン系重合体の組成割合が5.0重量%未
満では、密着性の改良効果が乏しい。一方、40重量%を
超えて配合すれば経済上問題となる。
さらに、前記共重合体の合計量中に占めるエチレン−
酢酸ビニル共重合体の組成割合は5.0〜30重量%であ
り、5.0〜25重量%が好ましく、特に10〜25重量%が好
適である。エチレン−酢酸ビニル共重合体の組成割合が
5.0重量%未満では、得られる組成物の接着剤との密着
性がよくない。一方、30重量%を超えらならば、機械的
強度(とりわけ剛性)がよくない。
酢酸ビニル共重合体の組成割合は5.0〜30重量%であ
り、5.0〜25重量%が好ましく、特に10〜25重量%が好
適である。エチレン−酢酸ビニル共重合体の組成割合が
5.0重量%未満では、得られる組成物の接着剤との密着
性がよくない。一方、30重量%を超えらならば、機械的
強度(とりわけ剛性)がよくない。
また、エチレン系重合体の組成割合は、後記の充填剤
100重量部に対して10〜100重量部であり、10〜80重量部
が望ましく、とりわけ15〜75重量部が好適である。100
重量部に対してエチレン系共重合体の組成割合が10重量
部未満では、得られる組成物の剛性がよくない。
100重量部に対して10〜100重量部であり、10〜80重量部
が望ましく、とりわけ15〜75重量部が好適である。100
重量部に対してエチレン系共重合体の組成割合が10重量
部未満では、得られる組成物の剛性がよくない。
さらに、これらの重合体の合計量100重量部に対し、
エチレン系共重合体の極性基を有するモノマー割合は、
モノマー単位として、以上の理由で0.017〜40重量部で
あり、0.07〜20重量部が望ましい。
エチレン系共重合体の極性基を有するモノマー割合は、
モノマー単位として、以上の理由で0.017〜40重量部で
あり、0.07〜20重量部が望ましい。
さらに、エチレン−プロピレン系ゴムを配合する場
合、その組成割合は前記重合体の合計量に対して多くと
も20重量%であり、特に15重量%以下が好ましい。重合
体の合計量中に占めるエチレン−プロピレン系ゴムの組
成割合が20重量%を超えると、得られる組成物の耐衝撃
性は良好であるが、その他の機械的強度(たとえば、剛
性)がよくない。
合、その組成割合は前記重合体の合計量に対して多くと
も20重量%であり、特に15重量%以下が好ましい。重合
体の合計量中に占めるエチレン−プロピレン系ゴムの組
成割合が20重量%を超えると、得られる組成物の耐衝撃
性は良好であるが、その他の機械的強度(たとえば、剛
性)がよくない。
また、エチレン系共重合体を配合する場合、その組成
割合は前記重合体の合計量に対して多くとも20重合%で
あり、とりわけ18重量%以下が望ましい。重合体の合計
量中に占めるエチレン系重合体の組成割合が20重量%を
超えるならば、得られる組成物の接着性が低下する。
割合は前記重合体の合計量に対して多くとも20重合%で
あり、とりわけ18重量%以下が望ましい。重合体の合計
量中に占めるエチレン系重合体の組成割合が20重量%を
超えるならば、得られる組成物の接着性が低下する。
なお、エチレン系重合体とエチレン−プロピレン系ゴ
ムを併用する場合、前記重合体の合計量に対して多くと
も30重量%が好ましい。
ムを併用する場合、前記重合体の合計量に対して多くと
も30重量%が好ましい。
さらに、これらの重合体中の酢酸ビニルに由来する単
位の割合は2.5〜10重量%である。全組成の酢酸ビニル
に由来する単位の割合が2.5重量%未満では、得られる
組成物の密着性がよくない。一方、10重量%を超える
と、組成物の機械的強度(とりわけ、剛性)がよくな
い。
位の割合は2.5〜10重量%である。全組成の酢酸ビニル
に由来する単位の割合が2.5重量%未満では、得られる
組成物の密着性がよくない。一方、10重量%を超える
と、組成物の機械的強度(とりわけ、剛性)がよくな
い。
また、前記重合体の合計量100重量部に対する充填剤
の組成割合は多くとも40重量部であり、0.1〜40重量部
が望ましく、とりわけ0.5〜35重量部が好適である。重
合体の合計量100重量部に対して充填剤の組成割合が40
重量部を超えて配合すると、成形性が悪いばかりでな
く、接着性が低下し、しかも耐衝撃性がよくない。
の組成割合は多くとも40重量部であり、0.1〜40重量部
が望ましく、とりわけ0.5〜35重量部が好適である。重
合体の合計量100重量部に対して充填剤の組成割合が40
重量部を超えて配合すると、成形性が悪いばかりでな
く、接着性が低下し、しかも耐衝撃性がよくない。
(J) 組成物の製造 本発明の組成物を製造するには、前記結晶性プロピレ
ン系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性プロ
ピレン系重合体、エチレン系共重合体またはこれらの重
合体と充填剤あるいはこれらとエチレン系重合体および
/またはエチレン−プロピレン系ゴムを均一に配合すれ
ばよい。このさい、必要に応じて、オレフィン系重合体
に一般に使われている酸素、光または熱に対する安定
剤、難燃化剤、加工性改良剤、滑剤、帯電防止剤および
顔料のごとき添加剤を添加してもよいことはもちろんの
ことである。
ン系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性プロ
ピレン系重合体、エチレン系共重合体またはこれらの重
合体と充填剤あるいはこれらとエチレン系重合体および
/またはエチレン−プロピレン系ゴムを均一に配合すれ
ばよい。このさい、必要に応じて、オレフィン系重合体
に一般に使われている酸素、光または熱に対する安定
剤、難燃化剤、加工性改良剤、滑剤、帯電防止剤および
顔料のごとき添加剤を添加してもよいことはもちろんの
ことである。
該組成物を得るには、タンブラー、リボンブレンダー
およびヘンシェルミキサーのごとき混合機を使ってドラ
イブレンドしてもよく、またバッチ式混練り機(たとえ
ば、バンバリーミキサー)または連続式混練り機(たと
えば、押出機)を用いて混練りすることができるが、前
記したごとく連続式混合機を使用して連続的に混練りす
ることもできる。また、これらの方法を併用する(たと
えば、ドライブレンドした後、連続的に混練りする)こ
とによってさらに均一に混合することもできる。
およびヘンシェルミキサーのごとき混合機を使ってドラ
イブレンドしてもよく、またバッチ式混練り機(たとえ
ば、バンバリーミキサー)または連続式混練り機(たと
えば、押出機)を用いて混練りすることができるが、前
記したごとく連続式混合機を使用して連続的に混練りす
ることもできる。また、これらの方法を併用する(たと
えば、ドライブレンドした後、連続的に混練りする)こ
とによってさらに均一に混合することもできる。
(K) 成形方法 このようにして得られる組成物は通常ペレット状に成
形され、それぞれの熱可塑性樹脂の分野において一般に
行なわれている射出成形法、押出成形法などの成形方法
によって所望の成形物に製造される。
形され、それぞれの熱可塑性樹脂の分野において一般に
行なわれている射出成形法、押出成形法などの成形方法
によって所望の成形物に製造される。
前記の組成物を製造するさいに溶融混練する場合で
も、成形する場合でも、使われる重合体の融点よりも高
い温度であるが、熱分解しない温度である。これらのこ
とから、一般には180〜280℃(好適には、200〜260℃)
で実施される。
も、成形する場合でも、使われる重合体の融点よりも高
い温度であるが、熱分解しない温度である。これらのこ
とから、一般には180〜280℃(好適には、200〜260℃)
で実施される。
本発明の組成物において、前記変性プロピレン系重合
体中のグラフトしたヒドロキシル系化合物がプロピレン
系重合体またはその成形物の表面に極性基に富んだ化学
的に活性サイトを与え、かつ接着剤との相溶性が向上し
た結果、プライマーを使用しなくても接着性が向上する
と考えられる。さらに、エチレン系共重合体が組成物中
に均一に分散した充填剤と主成分である結晶性プロピレ
ン系重合体との界面の相溶性を向上する作用として働く
結果、組成物の剛性を向上さすという効果が得られると
考えられる。
体中のグラフトしたヒドロキシル系化合物がプロピレン
系重合体またはその成形物の表面に極性基に富んだ化学
的に活性サイトを与え、かつ接着剤との相溶性が向上し
た結果、プライマーを使用しなくても接着性が向上する
と考えられる。さらに、エチレン系共重合体が組成物中
に均一に分散した充填剤と主成分である結晶性プロピレ
ン系重合体との界面の相溶性を向上する作用として働く
結果、組成物の剛性を向上さすという効果が得られると
考えられる。
以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
る。
なお、実施例および比較例において、曲げ弾性率はAS
TM D790にしたがって測定し、アイゾット衝撃強度はAST
M D256にしたがって測定した。また、室温接着性は射出
成形によって作成した平板試験片(厚さ3mm、140×140m
m、シボ加工品)にクロロプレン系二液混合タイプ溶剤
型接着剤(日立化成ポリマー社製、商品名ハイポンXA32
2−10をスプレーし、100〜150g/m2になるように均一に
塗布し、80℃の温度にて5分間乾燥した後、あらかじめ
140℃にて3分間加熱した塩化ビニル樹脂(PVC)のシー
ト(プロピレン系樹脂のフォームプライマーコート品が
ラミネートしてあるもの)のプロピレン系樹脂のフォー
ム面と相互に貼り合わせ、加熱プレス機を使って(平板
試験片側を50℃、PVCシート側を150℃)圧力が1kg/cm2
で30秒間圧着した。ついで、恒温室(温度23℃、相対湿
度65%)中で48時間放置した。得られた試験片を25mm幅
に切断し、試験片の樹脂部よりPVCシートを強制的に剥
離させた後、残りの密着部を引張試験機を用いて200mm/
分の速度でPVCシートに対して逆方向(180度)に引張
り、剥離強度を測定することによって求めた。さらに、
耐熱接着性は前記のようにして圧着によって得られた試
験片を80℃に調整した恒温室に300時間放置し、80℃の
温度において前記と同様に引張り、剥離強度を測定する
ことによって求めた。
TM D790にしたがって測定し、アイゾット衝撃強度はAST
M D256にしたがって測定した。また、室温接着性は射出
成形によって作成した平板試験片(厚さ3mm、140×140m
m、シボ加工品)にクロロプレン系二液混合タイプ溶剤
型接着剤(日立化成ポリマー社製、商品名ハイポンXA32
2−10をスプレーし、100〜150g/m2になるように均一に
塗布し、80℃の温度にて5分間乾燥した後、あらかじめ
140℃にて3分間加熱した塩化ビニル樹脂(PVC)のシー
ト(プロピレン系樹脂のフォームプライマーコート品が
ラミネートしてあるもの)のプロピレン系樹脂のフォー
ム面と相互に貼り合わせ、加熱プレス機を使って(平板
試験片側を50℃、PVCシート側を150℃)圧力が1kg/cm2
で30秒間圧着した。ついで、恒温室(温度23℃、相対湿
度65%)中で48時間放置した。得られた試験片を25mm幅
に切断し、試験片の樹脂部よりPVCシートを強制的に剥
離させた後、残りの密着部を引張試験機を用いて200mm/
分の速度でPVCシートに対して逆方向(180度)に引張
り、剥離強度を測定することによって求めた。さらに、
耐熱接着性は前記のようにして圧着によって得られた試
験片を80℃に調整した恒温室に300時間放置し、80℃の
温度において前記と同様に引張り、剥離強度を測定する
ことによって求めた。
なお、実施例および比較例において使った結晶性プロ
ピレン系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性
プロピレン系重合体、エチレン系共重合体、充填剤、エ
チレン系重合体およびエチレン−プロピレン系ゴムの物
性および製造方法を下記に示す。
ピレン系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性
プロピレン系重合体、エチレン系共重合体、充填剤、エ
チレン系重合体およびエチレン−プロピレン系ゴムの物
性および製造方法を下記に示す。
[(A)結晶性プロピレン系重合体] 結晶性プロピレン系重合体として、MFR(1)が10g/1
0分であり、かつエチレンの共重合割合が15重量%であ
るエチレン−プロピレンブロック共重合体(以下「PP
(A)」と云う)、MFR(1)が8.0g/10分であるプロピ
レン単独重合体(以下「PP(B)」と云う)およびMFR
(1)が12g/10分であり、かつエチレンの共重合割合が
2.0重量%であるエチレン−プロピレンランダム共重合
体(以下「PP(C)」と云う)を使った。
0分であり、かつエチレンの共重合割合が15重量%であ
るエチレン−プロピレンブロック共重合体(以下「PP
(A)」と云う)、MFR(1)が8.0g/10分であるプロピ
レン単独重合体(以下「PP(B)」と云う)およびMFR
(1)が12g/10分であり、かつエチレンの共重合割合が
2.0重量%であるエチレン−プロピレンランダム共重合
体(以下「PP(C)」と云う)を使った。
[(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体] また、エチレン−酢酸ビニル共重合体として、MFR
(2)が30g/10分であり、かつ酢酸ビニルの共重合割合
が33重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以
下、「EVA(1)」と云う)およびMFR(2)が7.2g/10
分であり、かつ酢酸ビニルの共重合割合が4重量%であ
るエチレン−酢酸ビニル共重合体(「EVA(2)」と云
う)を用いた。
(2)が30g/10分であり、かつ酢酸ビニルの共重合割合
が33重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以
下、「EVA(1)」と云う)およびMFR(2)が7.2g/10
分であり、かつ酢酸ビニルの共重合割合が4重量%であ
るエチレン−酢酸ビニル共重合体(「EVA(2)」と云
う)を用いた。
[(C)変性プロピレン系重合体] さらに、変性プロピレン系重合体として、MFR(1)
が0.05g/10分であり、かつエチレンの共重合割合が18重
量%であるエチレン−プロピレンブロック共重合体100
重量部に4.0重量部の2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートおよび1.0重量部の2,2′−ビス(第三級−ブチルパ
ーオキシイソプロピル)ベンゼンをあらかじめヘンシェ
ルミキサーを使って5分間ドライブレンドを行なった。
得られた混合物をベント付押出機(径40mm、シリンダー
温度160〜200℃)を用いて混練しながらペレットを製造
したもの(以下「変性PP」と云う)を使用した。
が0.05g/10分であり、かつエチレンの共重合割合が18重
量%であるエチレン−プロピレンブロック共重合体100
重量部に4.0重量部の2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートおよび1.0重量部の2,2′−ビス(第三級−ブチルパ
ーオキシイソプロピル)ベンゼンをあらかじめヘンシェ
ルミキサーを使って5分間ドライブレンドを行なった。
得られた混合物をベント付押出機(径40mm、シリンダー
温度160〜200℃)を用いて混練しながらペレットを製造
したもの(以下「変性PP」と云う)を使用した。
[(D)エチレン系共重合体] また、エチレン系共重合体として、MFR(2)が300g/
10分であり、メタクリル酸の共重合割合が25重量%であ
るエチレン−メタクリル酸共重合体(以下「EAA」と云
う)およびMFR(2)が65g/10分であり、メチルメタク
リレートの共重合割合が20.4重量%であり、かつ無水マ
イレン酸の共重合割合が4.1重量%であるエチレン−メ
チルメタクリレート−無水マイレン酸三元共重合体(以
下「ET」と云う)を使った。
10分であり、メタクリル酸の共重合割合が25重量%であ
るエチレン−メタクリル酸共重合体(以下「EAA」と云
う)およびMFR(2)が65g/10分であり、メチルメタク
リレートの共重合割合が20.4重量%であり、かつ無水マ
イレン酸の共重合割合が4.1重量%であるエチレン−メ
チルメタクリレート−無水マイレン酸三元共重合体(以
下「ET」と云う)を使った。
[(E)充 填 剤] さらに、充填剤として、平均粒径が2.0μmであり、
かつアスペクト比が5.5であるタルク、平均粒径が7.0μ
mであり、かつアスペクト比が30であるマイカ、木粉
(45メッシュパス)およびもみがら(100メッシュパ
ス)を用いた。
かつアスペクト比が5.5であるタルク、平均粒径が7.0μ
mであり、かつアスペクト比が30であるマイカ、木粉
(45メッシュパス)およびもみがら(100メッシュパ
ス)を用いた。
[(F)エチレン系重合体] また、MFR(2)が1.0g/10分であり、かつ密度が0.95
0g/cm3である高密度ポリエチレン〔以下「PE(a)」と
云う〕およびMFR(2)が3.0g/10分であり、かつ密度が
0.920g/cm3である高圧法低密度ポリエチレン(以下「PE
(b)」と云う)を使用した。
0g/cm3である高密度ポリエチレン〔以下「PE(a)」と
云う〕およびMFR(2)が3.0g/10分であり、かつ密度が
0.920g/cm3である高圧法低密度ポリエチレン(以下「PE
(b)」と云う)を使用した。
[(G)エチレン−プロピレン系ゴム] さらに、エチレン−プロピレン系ゴムとして、ムーニ
ー粘度〔ML1+4(100℃)〕が60であり、かつプロピレン
の共重合割合が27重量%であるエチレン−プロピレン共
重合ゴム〔以下「EPR」と云う〕およびムーニー粘度〔M
L1+4(100℃)〕が36であり、かつプロピレンの共重合
割合が36重量%であり、しかもエチリデンノルボルネン
の共重合割合が6.0重量%であるエチレン−プロピレン
−エチリデンノルボルネン三元共重合ゴム(以下「EPD
M」と云う)を使った。
ー粘度〔ML1+4(100℃)〕が60であり、かつプロピレン
の共重合割合が27重量%であるエチレン−プロピレン共
重合ゴム〔以下「EPR」と云う〕およびムーニー粘度〔M
L1+4(100℃)〕が36であり、かつプロピレンの共重合
割合が36重量%であり、しかもエチリデンノルボルネン
の共重合割合が6.0重量%であるエチレン−プロピレン
−エチリデンノルボルネン三元共重合ゴム(以下「EPD
M」と云う)を使った。
実施例1〜10、比較例1〜9 第1表にそれぞれの配合量および種類が示されている
結晶性プロピレン系重合体(以下「PP」と云う)、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」と云う)、充
填剤、エチレン系重合体(以下「PE」と云う)およびエ
チレン−プロピレン系ゴム(以下「ゴム」と云う)なら
びに第1表に配合量が示されている変性プロピレン系重
合体(1)(以下「変性PP」と云う)およびエチレン系
共重合体(共重合体)をスーパーミキサーを使って5分
間混合した。得られた各混合物をベント付二軸押出機
(シリンダー温度180〜200℃、径30mm)を用いて混練さ
せながらペレット(組成物)を製造した。各ペレット5
をオンスの射出成形機を使用して平板ならびに曲げ弾性
率測定用試片およびアイゾット衝撃強度測定用試片を製
造した。得られた各試片のアイゾット衝撃強度(測定温
度23℃)および曲げ弾性率の測定ならびに室温接着性お
よび耐熱接着性の測定を行なった。それらの結果を第2
表に示す。
結晶性プロピレン系重合体(以下「PP」と云う)、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」と云う)、充
填剤、エチレン系重合体(以下「PE」と云う)およびエ
チレン−プロピレン系ゴム(以下「ゴム」と云う)なら
びに第1表に配合量が示されている変性プロピレン系重
合体(1)(以下「変性PP」と云う)およびエチレン系
共重合体(共重合体)をスーパーミキサーを使って5分
間混合した。得られた各混合物をベント付二軸押出機
(シリンダー温度180〜200℃、径30mm)を用いて混練さ
せながらペレット(組成物)を製造した。各ペレット5
をオンスの射出成形機を使用して平板ならびに曲げ弾性
率測定用試片およびアイゾット衝撃強度測定用試片を製
造した。得られた各試片のアイゾット衝撃強度(測定温
度23℃)および曲げ弾性率の測定ならびに室温接着性お
よび耐熱接着性の測定を行なった。それらの結果を第2
表に示す。
第2表の“室温接着性”および“耐熱接着性”の欄に
おいて、「材質破壊」とは、プロピレン系樹脂のフォー
ムが破壊したことを意味する。
おいて、「材質破壊」とは、プロピレン系樹脂のフォー
ムが破壊したことを意味する。
〔発明の効果〕 本発明のプロピレン系重合体組成物は下記のごとき効
果(特徴)を発揮する。
果(特徴)を発揮する。
(1)剛性(曲げ弾性率)および耐衝撃性のごとき機械
的強度がすぐれている。
的強度がすぐれている。
(2)加工性および成形性が良好である。
(3)成形品の外観がすぐれている。
(4)接着剤との接着性が良好であり、接着面の前処理
(プライマー塗布、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫
外線照射)工程を省略することができるのみならず、接
着トラブルを減少させることが期待され、かつ熱老化後
の接着性がすぐれている。
(プライマー塗布、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫
外線照射)工程を省略することができるのみならず、接
着トラブルを減少させることが期待され、かつ熱老化後
の接着性がすぐれている。
本発明のプロピレン系重合体組成物は以上のごとき効
果を発揮するために多方面にわたって利用することがで
きる。その代表例として、ドアライナー、インストルメ
ントパネル、各種ライニングのごとき自動車部品があげ
られる。
果を発揮するために多方面にわたって利用することがで
きる。その代表例として、ドアライナー、インストルメ
ントパネル、各種ライニングのごとき自動車部品があげ
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:26 101:08)
Claims (1)
- 【請求項1】(A) メルトフローインデックスが0.01
〜100g/10分である結晶性プロピレン系重合体、 (B) 酢酸ビニル共重合割合が5.0〜50重量%である
エチレン−酢酸ビニル共重合体、 (C)(1)プロピレン系重合体100重量部に (2)分子中に少なくとも一個の不飽和結合を有し、か
つヒドロキシル基を含有する有機化合物0.01〜10重量部 および (3)有機過酸化物0.01〜10重量部を処理させることに
よって得られる変性プロピレン系重合体、 ならびに (D) 少なくともエチレンとα,β−不飽和モノカル
ボン酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、およびその無水
物からなる群からえらばれた少なくとも一種の極性基を
有するモノマーとからなるエチレン系重合体、 あるいはこれらと (E) 充填剤 とからなる組成物であり、結晶性プロピレン系重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性プロピレン系重合
体およびエチレン系共重合体からなる高分子物質の合計
量中に占める組成割合は、エチレン−酢酸ビニル共重合
体が5.0〜30重量%であり、かつ変性プロピレン系重合
体が5.0〜40重量%であり、エチレン系共重合体は、100
重量部の充填剤に対して1.0〜50重量部であるが、モノ
カルボン酸、ジカルボン酸、ジカルボン酸およびその無
水物のモノマー単位は合計量として0.017〜40重量部で
あり、かつ結晶性プロピレン系重合体は少なくとも40重
量%であり、かつこれらの重合体中の酢酸ビニルに由来
する単位は2.5〜10重量%であり、しかも前記重合体の
合計量100重量部に対する充填剤の組成割合は0.01〜40
重量部であるプロピレン系重合体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8959688A JP2575792B2 (ja) | 1988-04-11 | 1988-04-11 | プロピレン系重合体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8959688A JP2575792B2 (ja) | 1988-04-11 | 1988-04-11 | プロピレン系重合体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01261442A JPH01261442A (ja) | 1989-10-18 |
JP2575792B2 true JP2575792B2 (ja) | 1997-01-29 |
Family
ID=13975155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8959688A Expired - Lifetime JP2575792B2 (ja) | 1988-04-11 | 1988-04-11 | プロピレン系重合体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2575792B2 (ja) |
-
1988
- 1988-04-11 JP JP8959688A patent/JP2575792B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01261442A (ja) | 1989-10-18 |
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