JP2575415B2 - 結晶成長の監視方法 - Google Patents

結晶成長の監視方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、密封容器内で結晶を昇華法またはハロゲン
輸送法を用いて成長させる方法に関し、特にZnSe等の化
合物半導体の単結晶製造中に該単結晶の成長度合を監視
する方法に関する。
[従来の技術] 従来技術の一例とし、ZnSe単結晶の製造を例にとり説
明する。
従来方法の1つとして気相を介するヨウ素輸送法が知
られている。石英製のアンプルに原料であるZnSe粉末、
ヨウ素、種結晶を入れ真空に排気した後封入を行なう、
石英管の例を第3図に示す。そのようなアンプルを第3
図に示すような温度傾斜をもつ電気炉中に静置しておく
か、もしくは一定速度で低温側へ移動させる。
原料とヨウ素は石英アンプル中で次のような反応を起
こす。
ZnSe(s)+I2(g)→ZnI2(g)+1/2Se2(g) (1) ZnI2(g)+1/2Se2(g)→ZnSe(s)+I2(g) (2) 高温部で(1)式の反応が起こり、低温部へ対流もし
くは拡散により輸送される。低温部においては熱力学的
に決まる平滑定数が高温部のそれより弱干小さくなるた
め、(2)に示す方向に反応が進みZnSeが析出し、単結
晶が得られる。成長速度は、低温部と高温部との温度差
及びアンプルの形状等により左右される。成長速度が早
すぎると多結晶化してしまう。また遅すぎると単結晶と
なっても十分な大きさのものを得るためには非常な時間
がかかる。適当な成長速度を得ることが重要である。
[発明が解決しようとする問題点] 成長速度は最も重要なファクターであるが、従来の方
法では成長後に成長結晶の重量、あるいは大きさからそ
の速度を算出するしかなかった。また、成長速度は結晶
の成長とともに変化する。これは成長にともなう成長前
面の温度差の変化、成長面の面積変化等に起因してい
る。したがって成長後に算出した成長速度はオーバーオ
ールの値となってしまう結晶成長時における結晶成長速
度を観測できない欠点があった。
この発明は上記のような従来のものの欠点を除去する
ためになされたもので、封入管中での結晶成長速度をそ
の場で、経時的に測定することができる装置を提供する
ことである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は前記問題点を解決するためになされたもので
あって、密封容器内の種結晶を昇華法またはハロゲン輸
送法を用いて成長させる際に、該結晶の成長を監視する
方法であって、該種結晶の重心と結晶成長用原料の重心
とを異なる鉛直線上に設け、結晶成長による物質移動を
密封容器の重心移動として検知している。
[実 施 例] 第1図に本実施例において使用した単結晶成長装置の
概略を示す。該単結晶成長装置は炉心管(12)が設けら
れた電気炉(11)中にアンプル(13)が白金等の細線
(22),(23)によって上方より吊り下げられている。
アンプル(13)は例えば石英等の材質によって作成さ
れ、内部には成長用種結晶および該結晶成長原料および
ヨウ素が封入されている。成長用種結晶はアンプルの1
端に固定され、成長原料は他端に充填される。該アンプ
ルの種結晶端(14)に接続された細線(22)は電気炉
(11)の上方に設けられた天秤(21)に吊り下げられ、
又該アンプルの原料端(15)に接続された細線(23)
は、固定棒(24)に吊り下げられる。細線(22),(2
3)の長さは、種結晶端(14)が原料端(15)の水平位
置よりも上方となり、アンプル外側が2〜3゜以上傾く
ように調整されている。前記アンプルとして通常用いら
れるアンプル形状の物を用い、細線(22)および細線
(23)の固定位置が同一鉛直線上にないために、該アン
プル(13)中の種結晶の重心と該アンプル中の成長原料
の重心とは異なる鉛直線上に存在する様になっている。
結晶成長原料として多結晶ZnSeを、又種結晶としてZn
Se単結晶をアンプル中に封入し電気炉(11)の下方を高
温に又電気炉(11)の上方を低温に加熱した。
このような構造になっているから、その効果としては
以下のようなことが可能となる。アンプル(13)は、原
料端(15)が細線(23)を通じて固定されているため、
原料端(15)を支点として回転力が働く。その力は、天
秤(21)に表示される。原料部から輸送されたZnSeは前
述したように平滑定数のずれより種結晶部に成長が起こ
る。その結果として種結晶端(14)に働く回転力が変化
しその変化は細線(22)の張力の変化となる。この張力
変化は重量変化として反映する。したがってその張力の
変化を天秤により測定することにより種結晶端(14)の
重量変化つまり結晶の成長量がわかり成長速度を算出す
ることが可能となる。
なお上記実施例では縦型炉を用いた構成としたが第2
図に示すように横型炉においても用いることができる。
また化学輸送法に限らず、昇華法等にも十分活用でき
る。さらに溶液内でアンプルのような溶器を用いる方法
にも当然応用が可能である。
又、本実施例においては、密封容器の重心移動を電子
天秤等を用いて電気的に監視しているが、該密封容器の
重心移動を光学的およびその他の手段によって、外部か
ら監視することも可能である。
以上のように、この発明によれば、封入管内の結晶成
長速度を連続的に測定することができる。したがって成
長速度の変化に伴なって最適条件の温度分布を作り出し
ていく等のことが可能となり、単結晶の均一性が向上す
る。また、結晶中のボイド、双晶等の欠陥と成長速度を
関係づけることにより、その成因あるいは成因条件等を
明らかにすることができる可能性がある。
また結晶成長時には、認定条件が悪い場合など、まっ
たく成長しないことがしばしばあるが、このことはアン
プルを炉外に出さないかぎりわからない。本発明を用い
れば、明白に知ることができ、製造上の歩留りの向上に
大きく役立つ。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例において使用した単結晶製造装置の概
略を示す断面図、第2図は同別実施例を示す概略断面
図、第3図は従来の単結晶製造装置の概略を示す断面図
である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密封容器内の種結晶を昇華法またはハロゲ
    ン輸送法を用いて成長させる際に、該結晶の成長を監視
    する方法であって、該種結晶の重心と結晶成長用原料の
    重心とを異なる鉛直線上に設け、結晶成長による物質移
    動を密封容器の重心移動として検知することを特徴とす
    る結晶成長の監視方法。
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