JP2575390B2 - コンタクトレンズ保存液の調製方法 - Google Patents

コンタクトレンズ保存液の調製方法

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JP2575390B2
JP2575390B2 JP62120937A JP12093787A JP2575390B2 JP 2575390 B2 JP2575390 B2 JP 2575390B2 JP 62120937 A JP62120937 A JP 62120937A JP 12093787 A JP12093787 A JP 12093787A JP 2575390 B2 JP2575390 B2 JP 2575390B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、コンタクトレンズ保存液の調製方法に係
り、特に水道水や地下水等の、家庭で容易に入手し得る
水を用いて、コンタクトレンズ、なかでもソフトコンタ
クトレンズの安全な洗浄・保存液を調製する方法に関す
るものである。
(従来の技術とその問題点) 従来から、コンタクトレンズの保存やその洗浄等に
は、市販の保存液は用いられているが、そのようなメー
カーで調製された保存液を使用することは著しく高価と
なり、また保存液の残存量に常に気をつけて、その量が
少なくなれば、薬局等から買い求めて、かかる保存液が
欠乏しないようにする必要がある等、面倒な問題があっ
た。また、保存液自体ではないが、等張化剤や金属封鎖
剤等を含有する保存液調製用製剤も市販されており、こ
のような製剤を市販の精製水に溶解することにより、コ
ンタクトレンズの装用者が家庭等でも保存液を自由に調
製し得るようにしたものも考えられているが、これとて
も、精製水を薬局で買い求める必要があり、その購入の
不便さは依然として内在しているのであり、また費用も
かかる等の問題があった。
このために、特開昭60−61720号公報には、等張化
剤、金属封鎖剤、残留塩素除去剤等を含有する製剤を用
いて、目的とするソフトコンタクトレンズ保存液を調製
するようにすることによって、保存液媒体として市販の
精製水に限られることなく、家庭の水道水等でも、保存
液を調製することが出来るようにした技術が、明らかに
されている。
しかしながら、この新たな保存液調製用製剤には、従
来の製剤とは異なり、残留塩素除去剤が添加されている
ところから、水道水中の塩素を除去することは出来るの
であるが、水道水を始め、各種の水にしばしば含まれる
鉄さび、コロイド状の鉄心、マンガン等は除去出来ず、
それ故に保存液の調製に使用出来る水がかなり限定され
ることとなり、また金属封鎖剤が多量に用いられている
ために、目の安全上も問題があり、更には使用される水
の汚染によって、調製液中に微生物が増殖する問題も解
決されてはいないのである。
そこで、本発明者らは、先に、特願昭61−300616号と
して、コンタクトレンズ保存液媒体となる水に、少なく
とも金属封鎖剤を加えて処理する工程と、少なくとも0.
4μm以上の粒子を実質的に阻止する微孔径を有する多
孔径を有する多孔質膜を用いて、前記処理された水を濾
過する工程とを含むことを特徴とするコンタクトレンズ
保存液の調製方法を明らかにしたが、かかる方法に従っ
て、金属イオンを含む硬度の高い水を用いてコンタクト
レンズ保存液を調製する場合にあっては、金属封鎖剤の
必要量が増加するという問題が生じ、通常用いられてい
る保存液調製用製剤をそのまま使用することが困難とな
ることが明らかとなったのである。
(発明の効果) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為
されたものであって、その目的とするところは、従来か
ら用いられている保存液調製用製剤と同様の製剤をその
まま用いつつ、水道水や地下水等を保存液媒体として使
用しても安全な洗浄・保存液を簡便に調製することの出
来る方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、保存液調製用媒体として
鉄さびを多量に含有する赤水も使用可能であり、更に飲
料水として不敵な水に至るまで、広範囲の水が使用可能
であって、しかも無菌または無菌に近い状態で、簡単に
洗浄・保存液を供給し得ることを提供することにある。
(解決手段) そして、本発明は、上記の如き目的を達成するため
に、コンタクトレンズ保存液を調製するに際して、
(a)コンタクトレンズ保存液媒体を与える、金属イオ
ンを含む水に、少なくとも、平均粒子径が100μm以下
のイオン交換体微粒子および金属封鎖剤を加えて、かか
る水を処理する工程と、(b)少なくとも1μm以上の
粒子を実質的に阻止する微孔径を有する多孔質膜を用い
て、前記処理された水を濾過する工程とを含むように、
構成したのである。
なお、本発明の一つの実施形態によれば、前記多孔質
膜は、ポリオレフィン多孔質中空糸膜であり、そしてイ
オン交換体はゼオライトであり、また前記金属封鎖剤
は、エチレンジアミン四酢酸(以下、EDTAと略称する)
の塩或いはクエン酸及び/又はその塩である。
また、本発明の好ましい実施態様によれば、前記濾過
工程は、濾過液体出口を有し、挟圧可能で、挟圧から開
放されさ時原形に復し得る弾力性材料からなる容器と、
該容器内に収納された、少なくとも1μm以上の粒子を
実質的に阻止する微孔径を有する多孔質中空糸膜束とを
含み、且つ該中空糸膜の外面と内面のうち一方のみが濾
過液体出口と連通する空間に面するように構成された液
体濾過装置を用いて、該装置の前記容器内に収容せしめ
た前記処理水を、該容器の挟圧により前記中空糸膜を通
過せしめ、該容器の濾過液体出口から取り出すことによ
って、実施されることとなる。
(構成の具体的な説明・作用) このように、本発明にあっては、先ずコンタクトレン
ズ保存液媒体を与える水、例えば水道水や地下水等に対
して、少なくともイオン交換体微粒子および金属封鎖剤
を加えて、かかる水を処理する工程が実施れることとな
るが、かかるイオン交換体は、一般には、多量の塩化ナ
トリウム存在下ではカルシウム等の金属イオンを交換す
ることが困難とされているものの、本発明者らの研究の
結果、驚くべきことに、微粒子イオン交換体と少量の金
属封鎖剤との共存により、金属イオンを含む硬度の高い
水の処理が可能となることが判明し、本発明が完成され
たのである。要するに、本発明の重要な点は、微粒子状
のイオン交換体を用いることにあり、そしてこのイオン
交換体微粒子は多孔質膜により分離されて、保存液に微
粒子が残存することは全くないのである。
ところで、この本発明において重要な意義を有するイ
オン交換体微粒子としては、ゼイライト、または微粒化
した陽イオン交換樹脂等が好適に用いられることとな
る。なお、かかるイオン交換体のうち、ゼオライトとし
ては、合成ゼオライトが純度の点で特に望ましい。例え
ばNa2O・Al2O3・2SiO2・4.5H2Oの化学組成からなるもの
が用いられる。また、本発明において用いられるイオン
交換体は、一般に、100μmを越えない程度の平均粒子
径を有するものであり、好ましくは10μm以下、特に1
〜3μmの粒子径のものが好適に用いられる。
なお、この平均粒子径が100μmを越えるようになる
と、金属イオンの交換効率が低下し、本発明の目的を有
利に達成することが困難となり、また余りにも粒径が小
さくなると、多孔質膜を透過する虞が生じ、更に取り扱
いが面倒となる。特に、このようなイオン交換体微粒子
は、一般に粒度分布を有するものであるが、その最小粒
子が多孔質膜を透過しないようにする必要があることは
言うまでもないところである。但し、平均粒子径100μ
m以下の微粒子を顆粒状に成形(造粒)したものは、顆
粒の粒子径が100μm以上であっても、使用可能であ
る。
また、かかるイオン交換体と共に用いられる金属封鎖
剤は、一般に、混合物たる製剤形態において水に添加さ
れ、溶解せしめられるものであって、そしてそのような
製剤には、従来の如き等張化剤等の保存液調製用添加剤
がそのまま配合され得るものである。
ところで、この本発明に従って添加される金属封鎖剤
は、保存液媒体となる水中に溶存する金属イオンを封鎖
するためのものであって、公知の化合物が何れも使用可
能であり、例えばエチレンジアミン四酢酸塩(EDTA
塩)、ニトリロ三酢酸塩(NTA塩)や、6メタリン酸ナ
トリウム、四重合リン酸化ナトリウム、三重合リン酸ナ
トリウム等の縮合リン酸塩、またクレン酸及びそのナト
リウム、アンモニウムの如き塩等を挙げることが出来
る。なお、かかる金属封鎖剤の添加量は、対象となる水
の水質により異なるが、本発明においてはイオン交換体
微粒子の共存による作用のため、少量で充分であり、一
般に、0.005〜0.1重量%程度が望ましい。また、金属封
鎖剤の種類別の好ましい添加量としては、例えばEDTA塩
やNTA塩では0.01〜0.04重量%程度、縮合リン酸塩では
0.01〜0.08重量%程度が好ましい。また、クエン酸やク
エン酸塩の場合は、0.01〜0.1重量%程度が好ましい
が、pH緩衝効果を目的とする場合には、0.6重量%程度
まで添加しても何等差支えない。
また、かかる金属封鎖剤と共に、通常、添加される等
張化剤としては、一般に塩化ナトリウムが好適に用いら
れるものであり、更にそのような等張化剤や、イオン交
換体微粒子および金属封鎖剤を添加しても、なおpH緩衝
能力が不足する場合にあっては、それら添加剤の他に、
適当なpH緩衝材等を追加しても何等差支えない。なお、
このpH緩衝剤としては、クエン酸係などの上記金属封鎖
剤係の緩衝系を用いても良いし、またホウ酸緩衝系、酢
酸緩衝系等を加えても、何等差支えない。
そして、このように、少なくともイオン交換体微粒子
および少量の金属封鎖剤を加えて処理された水は、次い
で、多孔質膜による濾過に付され、これによって、かか
る水からイオン交換体微粒子およびコロイド粒子や微生
物が除去せしめられることとなる。この意味において、
かかる多孔質膜は、少なくとも1μm以上の粒子を実質
的に阻止する微孔径を有するものである必要があり、そ
の微孔径が1μmよりも大きくなると、阻止すべきイオ
ン交換体微粒子、コロイド粒子や微生物が一部透過する
ようになり、本発明の目的を充分に達成することが出来
なくなるのである。また、好適には、少なくとも0.4μ
m以上の粒子を実質的に阻止する多孔膜を用いることが
イオン交換体微粒子の阻止性及び微生物の阻止性等の点
から推奨される。なお、かかる多孔質膜の微孔径の大き
さを知るための試験においては、標準粒子としてポリス
チレン標準粒子(米国:ダウケミカル社製)が好適に用
いられ、特に0.2〜0.3μmの標準粒子の通過を阻止する
ものが、本発明において好適に用いられることとなる。
ところで、かかる多孔質膜は、ポリオレフィン、ポリ
ビニルアルコール、ポリスルフォン、ポリアクリロニト
リル、セルロースアセテート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリアミド等の高分子材料を用いて、公知の手法に
従って製造されるものであって、その膜厚方向に貫通す
る多数の微細孔を有する多孔質な親水性の膜である。な
お、膜の材質がポリオレフィン等の疎水性の場合には、
公知のように親水化剤による膜の表面処理等によって、
膜の全部または一部が親水化されることとなる。この親
水化剤としては、例えばプロピレングリコースモノスア
セテート等のような、水に難溶性の界面活性剤が好適に
用いられる。
また、かかる多孔質膜の形態としては、大きな濾過面
積が容易に得られて、装置のコンパクト化が可能な点
で、中空糸形態の多孔質膜が、本発明にあっては、好適
に用いられることとなる。そして、そのような多孔質膜
としての中空糸の製造には、公知の適宜の手法が採用さ
れ、例えばポリオレフィン多孔質中空糸については、ミ
クロ相分離法によるものや、混合成形後に可溶成分を溶
出して多孔質化したものも使用可能であるが、延伸法に
より多孔質化した中空糸はスリット状の細孔を有し、細
菌の阻止の高い透水性が両立可能であるため、本発明に
おいては好ましく使用される。なお、かかる中空糸の寸
法については特に限定はないが、通常、内径:50〜2000
μm、膜厚:10〜200μmの範囲内で選択されることとな
る。
そして、かくの如き多孔質膜を用いて、前記処理され
た水を濾過するに際しては、一般的な膜濾過手法の内れ
もが適用され得て、以て目的とする濾過装置が行なれる
こととなるが、特に本発明にあっては、次のような簡易
液体濾過装置(浄化装置)を用いて濾過を行なうのが望
ましい。
すなわち、先ず、第1図に示される装置において、10
はポット状の容器本体であり、その上部には所定大きさ
の開口部12が設けられ、その開口部12を通じて所定の水
性液体14、換言すれば本発明に従ってイオン交換体微粒
子及び少量の金属封鎖剤等が加えられて処理された保存
媒体となる水が、容器本体10内に収容せしめられるよう
になっている。そして、この容器本体10は、手指等によ
り挟圧可能で、且つそのような挟圧から開放された時
に、容易に原形に復し得る弾性部材から構成され、一般
に適当な樹脂材料、例えばポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の弾性を有す
る各種の高分子材料を用いて形成されたものである。な
お、かかる容器本体10の形状としては、用途に応じて任
意に決定されることとなるが、一般に、ポット状乃至は
壜状等の、下部が閉塞された有底筒形状を為す構造のも
のが用いられる。
そして、容器本体10の上部開口部12を形成する円筒状
の取付部16には、樹脂成形品であるキャップ18が螺合、
嵌合等の構造において取り付けられ、かかる開口部12を
閉塞している。
より具体的には、第2図に示されているように、キャ
ップ18は、その中央部において外方に突出する先細円筒
状の液体流出部20を有し、そしてこの液体流出部20の先
端に、所定大きさの、好ましく内径が3mm以下とされた
流出口22が設けられている一方、キャップ18の内側に一
体的に形成されたリング状の液漏れ防止片24の存在によ
って、かかるキャップ18が容器体10の取付部16に装着さ
れた時に、かかる取付部16を液密に保持し得るようにな
っている。
また、かかるキャップ18の内側には、前記液漏れ防止
片24の内周部に嵌合された状態において、中空糸モジュ
ール26が取り付けられて、キャップ18と一体的に構成さ
れている。この中空糸モジュール26は、多数体の中空糸
28をループ状(U字状)に束ね、端部をポリウレタン樹
脂等の適当な接着剤により接着、固定せしめて中空糸保
持部30としたものであり、この保持部30において、キャ
ップ18の液漏れ防止片24に嵌着せしめられて、固定或い
は着脱可能に取り付られているのである。そして、かか
る中空糸保持30のキャップ18に対する取付けによって、
該キャップ18の液体流出部20内側に、その液体流出口22
に通ずる連通空間32が形成されているのであり、またこ
の連通空間32に対して、各中空糸28の端部開口34がそれ
ぞれ開口せしめられている。
なお、かかる中空糸モジュール26を構成する多数本の
中空糸28は、それぞれ、本発明に従う少なくとも1μm
以上の粒子を実質的に阻止する微孔径を有する多孔質構
造のものであって、ここでは、疎水性部分と親水性部分
とが共存する形態の中空糸によって構成されている。
そして、このような構造の濾過装置において、その容
器本体10の側部を挟圧することにより、かかる容器本体
10内に収容された液体14は、中空糸モジュール26を構成
する多孔質中空糸膜(28)により濾過され、以て目的と
するコンタクトレンズ保存液が得られることとなるが、
そのような保存液は、キャップ18内に設けた連通空間32
を通じて流出口22に至り、そしてかかる流出口22から、
外部に取り出されることとなるのある。一方、このよう
な挟圧による濾過操作の後にかかる、挟圧が解除される
と、容器本体10の弾性復元作用によって、容器本体10内
は減圧となるため、外気(大気)が流出口22から連通空
間32を通って中空糸モジュール26の各中空糸28内に導か
れ、そして各中空糸28の疎水性部分を通じて容器本体10
内に流入することにより、容器本体10内は常圧に回復す
る一方、容器本体10は原形に復することとなる。
なお、このような構造の濾過装置は、特願昭60−2665
79号の明細書及び図面に詳細に明らかにされており、本
発明では、そこに開示されている構造が何れも採用され
得るものである。
また、第3図に示される装置にあっては、中空糸モジ
ュール26を構成する多孔質中空糸が全て親水性部分から
構成されており、容器本体10内の液体14は、そのような
多孔質中空糸28を通じて濾過されることにより、目的と
するコンタクトレンズ用保存がキャップ18の流出口22か
取り出されるようになっているのである。そして、その
ような濾過操作後における容器本体10内への空気の流入
は、かかる容器本体10の上部肩部に設けられた貫通孔36
を覆蓋するように仕切る疎水性多質膜38を通じて行われ
るようになっているのである。なお、このような構造の
濾過装置は、実願昭60−182732号公報の明細書及び図面
に詳細に明らかにされており、本発明では、そこで開示
さている構造を何れも採用することができる。
さらに、第4図及び第5図に示される濾過装置にあっ
ては、第3図の疎水性多孔質膜38に相当する弁体40が、
容器本体10の肩部やキャップ18の下部裾部に設けられて
いる。この弁体40は、容器本体10への外部の空気の流入
は許容するが、かかる容器本体10内からの液体の流出は
阻止し得るような構造とされ、空気入口としての機能を
為すようになっている。なお、このような弁体40を備え
た濾過装置の構造にあっても、本願出願人の先の出願に
係る実願昭61−139211号記載の明細書及び図面に詳細に
明らかにされており、そこで開示されている構造のもの
が何れも本発明に有利に用いられることとなる。
そして、このような本発明に従う膜濾過手法の採用に
よって、従来の金属封鎖剤では除去不能であった鉄さ
び、コロイド状の鉄、マンガン等の完全除去が可能とな
ったのであり、このため保存液調製用媒体として、どの
ような水を用いても、レンズの着色の問題を全く顧慮す
る必要がなくなったのである。
また、本発明に従う膜濾過によれば、驚くべきこと
に、残留塩素が大幅に低下せしめられ、実質的に無害の
状態となるところから、保存液調製用媒体である水に対
して残留塩素除去剤をわざわざ添加する必要もなくなる
のである。更に、金属封鎖剤やpH緩衝剤としてクエン酸
若しくはその塩を用いると、そのような化合物は残留塩
素の低下にも作用し、そしてそのような化合物の添加さ
れた水を膜濾過することによって、残留塩素は更に完全
に除去されることとなって、それに基因する問題も悉く
解消され得るのである。
そして、かくの如き本発明に従う膜濾過によれば、処
理水中に微生物が存在しても、かかる微生物は除去され
ることとなり、濾過液である洗浄・保存液は無菌または
無菌に近い状態で供給されることとなるところから、そ
の安全性が極めて高められ得るのである。
なお、上記のように、多孔質膜濾過のみでも、得られ
る保存液中に存在する残留塩素量は低下せしめられるこ
ととなるが、更にこの効果を完全なものとするために
は、塩素に対する還元作用を有する物質或いは触媒を、
かかる多孔質膜に固定化せしめても、何等差し支えな
い。そのような多孔質膜に固定化される物質としは、例
えばアスコルビン酸ステアレート、白金黒、マンガン、
コバルト等が用いられることとなる。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明がそのよ
うな実施例の記載によって、何等の制約をも受けるもの
でないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上
記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
実施例1 名古屋市水道水に塩化カルシウムを添加して、硬度:1
20mg/lの水に調製し、次いでこの水の100mlを、第4図
に示される濾過装置の容器本体10内に収容し、これにED
TA・3Na・3H2O:0.03g、NaCl:0.9g、ゼオライト微粒子
〔東洋曹達(株)製トヨビルダー:Na2O・Al2O3・2Si
O2〕:0.2gからなる製剤(混合物)を添加して、その処
理を行なった。なお、ここで用いられゼオライト微粒子
の粒子径は1.5μmであった。
次いで、かかる容器本体10の挟圧により、その内部に
収容された処理水道水(14)を中空糸モジュール26の多
孔質中空糸28を通じて濾過し、その流出口22から、目的
とするコンタクトレンズ用保存液を取り出した。
かくして得られた保存液は透明であり、また、かかる
保存液中からはゼオライト微粒子は全く検出されなかっ
た。
また、上記において硬度:120mg/lに調製された名古屋
市水道水(A)、精製水(B)、A液に上記の製剤(但
し、ゼオライトは顆粒形態のものを使用〕を加えたもの
(C)、及びA液に上記の製材〔但し、ゼオライトは粉
体形態のものを使用〕を加えたもの(D)の各濾過試験
液の各5mlに、それぞれ0.1%EBT試験液[エタノール:
トリエタノールアミン=1:1の混液にEBT(エリオクロム
ブラックT)試薬を0.1%の濃度となるように加えて調
製したもの]を5滴ずつ加えた。そして、得られた液に
ついて、分光光度計により吸収曲線を測定し、その結果
を、第6図に示した。
また、比較のために、硬度:120mg/lに調製された名古
屋市水道水(A′)、精製水(B′)、及びA′液に10
0mlにEDTA・3Na・3H2O:0.03gとNaClg:9gを添加した
(C′)を用いて、上記と同様の測定を行ない、その結
果を第7図に示した。
かかる第6図から明らかなように、A液においては、
EBTとCa2+の錯体形成による500nm付近の吸収が認められ
るが、空試験のB液には認めらない。また、第7図にお
けるC′の溶液にゼオライトの顆粉及び粉体を各0.2gず
つ添加したC液及びD液には、550nm付近の吸収は認め
られない。従って、ゼオライト(イオン交換体)粒子を
添加することにより、硬度:120mg/lの水道水中のCa2+
充分に不活性化させ得ることが判明した。
また、第7図に示されるように、第6図におけるA液
と及びB液同様に、A′液では、EBTとCa2+の錯体形成
による吸収(550nm付近)が認められるが、空試験であ
るB′液には認められない。そして、C′液では、550n
m付近に吸収が認められるため、0.03gのEDTA・3Na・3H2
Oでは、硬度:120mg/lの水道水100ml中のCa2+を充分不活
性化し得ないことが、明らかとなった。
実施例2 実施例1と同様の濾過装置を用い、その容器体体10内
に、硬度:120mg/lに調製された水道水:100mlを入れ、こ
れに、EDTA・3Na・3H2O:0.03g、NaCl:0.72g、H3BO3:0.3
9g、Na2O7・10H2O:0.031g、微粒状ゼオライト〔東洋曹
達(株)製トヨビルダー〕:0.2gからなる製剤を添加
し、溶解せしめた、次いで、かかる容器本体10の側部を
挟圧することにより、中空糸モジュール26を介して濾過
を行ない、目的とするコンタクトレンズ用保存液を取り
出した。
かくして得られた保存液(濾過水)からは、ゼオライ
トは全く検出されず、水道水中の金属イオンを充分に不
活性化せしめ得ることが判った。
実施例3 名古屋市の水道水に塩化カルシウムを添加して、硬
度:120mg/lに調製し、この水の100mlを実施例1と同様
な濾過装置の容器本体10内に収容し、これに、処方Iと
して、EDTA・3Na・3H2O:0.03g、NaCl:0.9g、アンバーラ
イトIRP−88〔米国:ローム&ハウス社製陽イオン交換
樹脂〕の微粒化物(平均粒子径:45μm):0.2gからなる
製剤を添加、溶解として処理を行った。また処方IIとし
て、EDTA・3Na・3H2O:0.03g、NaCl:0.9g、アンバーライ
トIRC−718(米国:ローム&ハウス社製陽イオン交換樹
脂〕の微粒化物(平均粒子径:35μm):0.2gを溶解せし
めた。次いで、かかる処方I及びIIの製剤がそれぞれ溶
解せしめれた各液を、前記容器本体10の側部の挟圧によ
り、中空糸モジュール26を介して濾過を行なったとこ
ろ、この得られた各濾液中からは陽イオン交換樹脂の微
粒子は全く検出されず、硬度:120mg/lに調製した水道水
中のカルシウム等の金属イオンを充分に不活性化してい
ることが判明した。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従うコンタ
クトレンズ用保存液の調製手法によれば、以下の如き各
種の効果が奏され得るのである。
1)水道水や地下水等、如何なる水でも使用可能とな
り、鉄さび等の多い水でも、全く問題なく使用すること
が出来る。また、金属封鎖剤と残留塩素除去剤を併用す
る従来の方法に比べてレンズや目に対してより安全であ
り、且つ適用出来る範囲が広くなる。
2)コンタクトレンズに対する着色に最も影響する鉄、
マンガン等は、コロイドとして多くが濾過により除去さ
れるものであるところから、金属封鎖剤を過剰に用いる
必要がない。なお、金属封鎖剤は、大量に用いると角膜
に対して有害である。
3)イオン交換体微粒子を用いることにより、金属イオ
ンを含む硬度の高い水の場合でも、金属封鎖剤を多量に
用いる必要がなく、従って通常用いられている保存液調
製用製剤がそのまま使用可能となる。
4)溶液中の微生物が殆ど完全に除去され得るところか
ら、目に安全である。
5)残留塩素除去剤の添加が不要となるところから、従
来の市販の保存液調製用製剤も、使用可能となる。
6)装置は簡単で、取い扱いも、従来の容器と変わら
ず、経済的にも有利である。
7)手近な水がそのまま利用出来、しかも安全性が高い
ので、極めて便利となる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第3図、第4図及び第5図は、それぞれ本発明
において好適に用いられ得る簡易濾過装置のそれぞれ異
なる一例を示す縦断面図であり、第2図は第1図におけ
る濾過装置の要部拡大断面図であり、更に、第6図及び
第7図は、それぞれ、実施例1において求められた吸収
曲線を示すグラフである。 10:容器本体、14:処理液 18:キヤップ、22……流出口 26……中空糸モジュール 28:多孔質中空糸、32:連通空間 38:疎水性多孔膜、40:弁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神田 聖子 名古屋市西区則武新町2丁目11番33号 トーメー産業株式会社内 (72)発明者 井上 通生 名古屋市東区砂田橋4丁目1番60号 三 菱レイヨン株式会社内 (72)発明者 田中 久雄 名古屋市東区砂田橋4丁目1番60号 三 菱レイヨン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−260214(JP,A) 特開 昭58−209714(JP,A) 特開 昭59−150514(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンタクトレンズ保存液媒体を与える、金
    属イオンを含む水に、少なくとも、平均粒子径が100μ
    m以下のイオン交換体微粒子および少量の金属封鎖剤を
    加えて、かかる水を処理する工程と、 少なくとも1μm以上の粒子を実質的に阻止する微孔径
    を有する多孔質膜を用いて、前記処理された水を濾過す
    る工程とを、 含むことを特徴とするコンタクトレンズ保存液の調製方
    法。
  2. 【請求項2】前記多孔質膜が、ポリオレフィン多孔質中
    空糸膜である特許請求の範囲第1項記載のコンタクトレ
    ンズ保存液の調製方法。
  3. 【請求項3】前記濾過工程が、濾過液体出口を有し、挟
    圧可能で、挟圧から開放された時原形に復し得る弾力性
    材料からなる容器と、該容器内に収納された、少なくと
    も1μm以上の粒子の実質的に阻止する微孔径を有する
    多孔質中空糸膜束とを含み、且つ該中空糸膜の外面と内
    面のうち一方のみが濾過液体出口と連通する空間に面す
    るように構成された液体濾過装置を用いて、該装置の前
    記容器内に収容せしめた前記処理水を、該容器の挟圧に
    より前記中空糸膜を通過せしめ、該容器の濾過液体出口
    から取り出すことによって、実施される特許請求の範囲
    第1項又は第2項記載のコンタクトレンズ保存液の調製
    方法。
  4. 【請求項4】前記イオン交換体微粒子が、ゼオライトで
    ある特許請求の範囲第1項乃至第3項の何れかに記載の
    コンタクトレンズ保存液の調製方法。
  5. 【請求項5】前記イオン交換体微粒子が、陽イオン交換
    樹脂の微粒子である特許請求の範囲第1項乃至第3項の
    何れかに記載のコンタクトレンズ保存液の調製方法。
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JPS58209714A (ja) * 1982-06-01 1983-12-06 Hoya Corp ソフトコンタクトレンズ用保存剤
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JPS61260214A (ja) * 1985-05-15 1986-11-18 Toray Ind Inc コンタクトレンズ用洗浄剤及び洗浄方法

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