JP2573626B2 - 土石流の緩衝構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、砂防ダムの袖部等の破壊を防ぐための土石
流の緩衝構造に関する。

〔従来の技術〕

従来例を図面を用いて説明する。

土石流の発生頻度の高い荒廃地に設置されている砂防
ダムは土石流の衝突によって損傷を受け易い環境にあ
る。特に、コンクリート製の砂防ダムの袖部は巨礫の衝
突によるクラックの発生や破壊の事例が多く、砂防ダム
の機能や耐久性が著しく低下する。

そこで、保護工法として砂防ダムの前面のコンクリ
ートの厚さを増したり高強度コンクリート層を設けて補
強する。コンクリート中に鉄筋や鉄骨を埋め込んで構
造物の剛性を増す。砂防ダムの前面に砂の層を形成
し、この砂のクッションによって衝撃力を緩和させる等
の工法がある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

一般に、巨礫がコンクリート構造物に衝突した場合、
その衝撃力は衝突箇所に集中的に作用することが確認さ
れている。

このため、上記、によると砂防ダム本体にクラッ
クが発生したり局部破壊がおこることになる。また、
では流水や雨により砂が流失し、さらに砂に礫が混入し
て砂が固く締まって機能が低下して保護工としての機能
を果たさなくなる問題がある。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本発明は、ゴムや合成樹脂等による弾性体勢の
円筒の緩衝体内部に緩衝物を詰めてその両側に保持板を
取り付け、この緩衝体を一方の保持板によって鉄板や合
成樹脂板によるユニット板の裏面に縦横所定間隔に固定
配置し、他方の保持板をボルト等によって構造物に固定
することによって構造物の所望箇所に緩衝体を介してユ
ニット板を固着することを特徴とする。

〔作用〕

以上の構成によると、ユニット板は構造物の必要箇所
に必要な広さにわたって連続して取り付けることがで
き、このユニット板により例えば構造物を巨礫による破
壊から守ことができることになり、しかも取り付け工事
が容易であると共に取り替え工事も容易であって施工お
よび補修工事が容易なものとなる。

〔実施例〕

以下に本発明の実施例を図面を用いて説明する。

第１図はユニット板の正面図、第２図は構造物にユニ
ット板を取り付けた状態の側断面図、第３図はユニット
板の取り付け状態の部分拡大断面図、第４図は緩衝体に
保持板を付けた状態の斜視図であり、図において、１は
鉄板や合成樹脂板によるユニット板であり、裏面に縦横
所定間隔に格子状に補強用のフランジ1aが設けてある。

２はゴム製円筒の緩衝体であり、両開口部に保持板３
を取り付けておく。この取り付け状態は例えば、保持板
３に形成した係止突起3aに緩衝体２の開口を嵌めて加
熱、加圧による加硫接着法等により一体となるように接
着固定する。

そして、保持板３に保持された緩衝体２内に砂や発泡
材等の緩衝物５を詰めておく。

このようにした緩衝体２を一方の保持板３によって上
記ユニット板１の裏面の格子内全部もしくは千鳥状のよ
うに所定の箇所に固着する。なお、この固着はボルトや
溶接等どのような手段でもよい。

また、必要に応じてユニット板１と保持板３との間に
緩衝物を詰めておく。

上記のように緩衝体２を取り付けたユニット板１は、
構造物４の袖部等の必要箇所に緩衝体２の他方の保持板
３を当ててその保持板３と構造物４とをボルト等によっ
て一体に固定するものであり、その構造物４の保護の必
要箇所の大きさに合わせてユニット板１を周囲のフラン
ジ1aを利用して互いに連結して所望の大きさにして構造
物４に固定することになる。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明した本発明によると、ゴムや合成樹脂
等による弾性体製の円筒の緩衝体内部に緩衝物を詰めて
その両側に保持板を取り付け、この緩衝体を一方の保持
板によって鉄板や合成樹脂板によるユニット板の裏面に
縦横所定間隔に固定配置し、他方の保持板をボルト等に
よって構造物に固定することによって構造物の所望箇所
に緩衝体を介してユニット板を固着したことにより、例
えば砂防ダムの袖部のように巨礫の衝突によって構造物
が破壊されるおそれのあるような箇所にユニット板を取
り付けることにより、構造物の破壊を防止することがで
きることになり、また、緩衝体の緩衝特性を変えること
により、同一の構造でその緩衝能力を変えることができ
ることになる。

また、巨礫は緩衝体には直接衝突することなくユニッ
ト板に衝突するために緩衝体が破壊することなくユニッ
ト板が損傷しても緩衝機能は維持することができるもの
である。

さらに、構造物への取り付けはボルトによって行える
ために、取り付け作業が容易であると共に交換作業も容
易となる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すユニット板の正面図、
第２図は構造物にユニット板を取り付けた状態の側断面
図、第３図はユニット板の取り付け状態の部分拡大断面
図、第４図は緩衝体に保持板を付けた状態の斜視図であ
る。 １…ユニット板 1a…フランジ ２…緩衝体 ３…保持板 ４…構造物 ５…緩衝物

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ゴムや合成樹脂等による弾性体製の円筒の
   緩衝体内部に緩衝物を詰めてその両側に保持板を取り付
   け、この緩衝体を一方の保持板によって鉄板や合成樹脂
   板によるユニット板の裏面に縦横所定間隔に固定配置
   し、他方の保持板をボルト等によって構造物に固定する
   ことによって構造物の所望箇所に緩衝体を介してユニッ
   ト板を固着することを特徴とする土石流の緩衝構造。