JP2573005Y2 - 歯ブラシ用紙ケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、内挿した歯ブラシがケ
ース内で回転することを防止するとともに、ケース内で
の歯ブラシのガタつきを抑止した歯ブラシ用紙ケースに
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、歯ブラシを店頭で販売する時に使
用する外装用紙ケースは、図１に示す如く、歯ブラシ頭
部の植毛部分を側面から観察し易くするために、ケース
の透視窓内部に植毛部分の側面を位置させている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、前記歯ブラシ
用紙ケースにおいては、その運搬途上又は販売途上等で
衝撃が与えられ、内部の歯ブラシが回転して透視窓に図
１の如く、歯ブラシ頭部の側面が位置しないので、その
正面即ち植毛部分の端面が見える位置に回転したりして
植毛部分の側面の観察が困難となっている場合がある。
このような状態は消費者に植毛部分の特徴を訴えるのに
不都合があり、このため歯ブラシをケース内において、
その植毛部分が側面から観察しうる姿勢を維持できるよ
うにする工夫が行われている。

【０００４】そして、例えば実開平３−４５８２３号に
開示された歯ブラシ収納容器は、ケース下部から係止片
を連設し、該係止片をケース内部に折り曲げてその先端
を収納される歯ブラシの柄部分に当接係止させることに
より、歯ブラシがケース内で回転したり、ガタついたり
するのを抑止するようにしたものである。

【０００５】しかし、こうした従来の歯ブラシ収納容器
にあっては、係止片先端でのみ歯ブラシの柄部分に当接
係止させているだけであるので、歯ブラシがケース内で
回転するのを抑止するのに対してはある程度の効果を有
するものの、横方向の移動やガタつきを抑止するのが困
難であり、特に歯ブラシの長さがケース内の長さより短
い場合には、歯ブラシが横方向に移動して係止片先端に
よる歯ブラシの柄部分に当接係止が外れてしまうという
問題点がある。

【０００６】そこで、本考案は、歯ブラシがケース内で
回転したり、ガタついたりするのをより効果的に抑止し
て、ケース内で歯ブラシを強固に固定保持することがで
き、しかもある程度歯ブラシの長さがケース内の長さよ
り短い場合であっても、ケース内で歯ブラシを強固に固
定保持することができる歯ブラシ用紙ケースを提供しよ
うとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、歯ブラシ用紙ケースの下部開口における側板を延設
して押え板を形成し、この押え板をケース内部に位置す
るように折り曲げ、該押え板背面に先端部の所定面積を
残して補強板を添着し、該補強板端部に概略沿って折り
線を形成することにより押え板先端部を面状弾圧部とし
てなり、この面状弾圧部表面にて歯ブラシの柄部表面を
押さえて保持することを特徴とするものである。

【０００８】また、後述する効果により、折り線に沿っ
てミシン目を設けてなるものが好ましい。

【０００９】

【作用】以上の如く本考案の歯ブラシ用紙ケースによれ
ば、上部開口部を閉じてケースを角筒状に組み立てた
後、歯ブラシの植毛部を下部開口部から挿入しながら、
押え板先端部を折り線に沿って内側に折った押え板全体
を折り曲げてケース内に位置させ、下部開口部を閉じて
組み立てることにより、収納した歯ブラシの柄部表面を
面状弾圧部表面にて押さえて保持することができる。

【００１０】次に、折り線に沿ってミシン目を設けてな
るものを用いた場合には、ミシン目に沿って折り曲げる
ことにより、折り線を形成することができる。

【００１１】

【実施例】本考案の詳細を更に図示した実施例により説
明する。図１から図４に示したものは、本考案の第１実
施例の歯ブラシ用紙ケースＡである。

【００１２】歯ブラシ用紙ケースＡは、全体を展示棚等
に載置することにより又は特に図示しないが吊り下げる
ことにより、歯ブラシＢを販売のために展示するもので
ある。更に、歯ブラシ用紙ケースＡは、図２に示すよう
に右より順に組立用折り線１を介して側板２、透視窓３
を有する前板４、側板５、背板６、糊代板７を順に延設
し、それぞれの下端からは同様に組立用折り線１を介し
て押え板８、外底板９、折込板１０、内底板１１、補強
板１２を順に延設し、更に上端からは順に折込板１３、
内蓋板１４、折込板１５、外蓋板１６を順に延設したも
のである。

【００１３】この歯ブラシ用紙ケースＡは、紙等で形成
されているが、透視窓３の部分は透明シート等を貼着し
たものであり、そして組立用折り線１に沿って折り畳む
とともに、糊代板７表面に糊を付けて、側板２背面に貼
着することより図１の如く角筒状のケースに組み立てる
ことができるのである。また、歯ブラシＢは、図１に示
すように、長さを歯ブラシ用紙ケースＡの長さより短く
した小さなものであり、先端部に植毛部を設けたもので
ある。

【００１４】そして、補強板１２の長さより押え板８の
長さを短く設定することにより、押え板８背面に先端部
の所定面積を残して補強板１２を貼着して図３のように
組み立てることができ、該補強板１２端部に沿ってミシ
ン目１７を設けて折り線１８を形成することにより押え
板８先端部を面状弾圧部１９としたものであり、図３中
の矢印方向に押え板８全体を折り曲げてケースＡ内に位
置させ、押え板８先端部を折り線１８であるミシン目１
７に沿って内側に折ることにより、図１及び図４のよう
に収納した歯ブラシＢの柄部２０表面を面状弾圧部１９
表面にて面でテンションをかけた状態で押さえて保持す
るようにしている。

【００１５】尚、折り線１８としてのミシン目１７を設
ける位置は、図５中位置ｂに示すように補強板１２端部
に沿って設けるのが好ましいが、図５中位置ａである補
強板１２端部より外側に、又は図５中位置ｃである補強
板１２端部より内側に設けることも可能であり、また特
にミシン目１７を設けずに折り込みを入れて折り線１８
とすることもできる。更に、上述した歯ブラシ用紙ケー
スＡの補強板１２では、糊代板７下端から延設して一体
としたものであるが、押え板８又は補強板１２を別部材
として添着したものであってもよい。また、上述した歯
ブラシ用紙ケースＡでは、側板２の下端から押え板８を
延設しているが、前板４や背板６から延設することも可
能である。

【００１６】また、押え板８の途中まで補強板１２を添
着して二重構造とすることにより、先端部の面状弾圧部
１９の弾力性を増しているのであるが、少し応用をさせ
た他の構造のものも採用することができる。以下、詳細
に述べる。

【００１７】図６に示したものは、第２実施例の押え板
８であり、図４にて示した第１実施例の押え板８と略同
じ構造であるが、補強板８端部の中央から切込部２１を
設けたものである。この切込部２１を設けることによ
り、押え板８の弾力性を変えて、面状弾圧部１９のテン
ションをかけ易くするのである。

【００１８】図７に示したものは、第３実施例の押え板
８であり、図４にて示した第１実施例の押え板８と略同
じ構造であるが、補強板１２端部の中央から押え板８先
端に向けて押え突片２２を延設したものである。

【００１９】図８に示したものは、第４実施例の押え板
８であり、図６にて示した第２実施例の押え板８と略同
じ構造であるが、補強板１２先端を折り線１８より更に
延設したものである。

【００２０】図９に示したものは、第５実施例の押え板
８であり、図４にて示した第１実施例の押え板８と略同
じ構造であるが、補強板１２先端部の半分を切り欠いて
切込部２１を形成したものである。

【００２１】而して、第１実施例の歯ブラシ用紙ケース
Ａによれば、上部開口部を閉じてケースを角筒状に組み
立てた後、立起させた状態で歯ブラシＢの植毛部２３
を、下部開口部から挿入しながら、押え板８先端部を折
り線１８であるミシン目１７に沿って内側に折った押え
板８全体を図３に示すように矢印方向に折り曲げてケー
スＡ内に位置させて内部に歯ブラシＢを収納し、折込片
１０、外底板９、内底板１１を折り曲げて貼着して組み
立てることができ、図１及び図４のように歯ブラシＢの
植毛部２３を透視窓３に位置させて確認できる状態で、
収納した歯ブラシＢの柄部２０表面を面状弾圧部１９表
面にて押さえて保持することができる。また、第２実施
例から第５実施例の押え板８を用いた場合も同様であ
り、歯ブラシ用紙ケースＡ内で、歯ブラシＢの柄部２０
表面を面状弾圧部１９表面にて押さえて保持することが
できるのである。尚、図１で示したように折り線１８で
あるミシン目１７に沿って折り込むことより、面状弾圧
部１９表面全体で歯ブラシＢの柄部２０表面を押さえて
保持するのが好ましいのであるが、図１０にて示すよう
に特に、折り線１８としてミシン目１７を設けずに、面
状弾圧部１９表面の一部で歯ブラシＢの柄部２０表面を
押さえて保持した場合にも、同様な効果が得られるので
ある。

【００２２】このように本考案に係る実施例の歯ブラシ
用紙ケースＡによれば、自動機を用いて組み立てるのが
可能であり、図１及び図４に示すように押え板８の途中
まで補強板１２を貼着して二重構造とすることにより、
弾力性を有する面状弾圧部１９表面で、収納した歯ブラ
シＢの柄部２０表面を押さえて保持するので、歯ブラシ
Ｂがケース内で回転したり、ガタついたりすることなく
歯ブラシＢを強固に固定保持することができるのであ
る。また、面状弾圧部１９表面で収納した歯ブラシＢの
柄部２０表面を押さえて保持しているので、ケースＡの
長さより短い歯ブラシＢであり、図１中距離ｋぐらい歯
ブラシＢが移動しても、ケース内での回転やガタつきを
抑止することができるのである。

【００２３】

【考案の効果】本考案は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載する効果を奏する。請求項１の歯ブラシ
用紙ケースによれば、押え板の途中まで補強板を添着し
て二重構造とすることにより、弾力性を有する面状弾圧
部表面で収納した歯ブラシの柄部表面を押さえて保持す
るので、歯ブラシがケース内で回転したり、ガタついた
りすることなく歯ブラシを強固に固定保持することがで
きるのである。また、面状弾圧部表面で収納した歯ブラ
シの柄部表面を押さえて保持しているので、ケースの長
さより短い歯ブラシであり、ケース内で多少移動しても
面状弾圧部表面で支持できる範囲であれば、ケース内で
の回転やガタつきを抑止することができるのである。

【００２４】請求項２の歯ブラシ用紙ケースによれば、
折り線であるミシン目に沿って折り曲げることにより、
面状弾圧部表面で収納した歯ブラシの柄部表面を押さえ
て保持することかできるので、より強固に固定保持する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の歯ブラシ用紙ケースの一部断面状
態を示す正面図

【図２】同じく歯ブラシ用紙ケースの展開平面図

【図３】同じく歯ブラシ用紙ケースの下部を示す展開斜
視部

【図４】同じく押え板による歯ブラシ柄部の押圧状態を
示す斜視図

【図５】同じく押え板と補強板の位置関係を示す縦断面
図

【図６】第２実施例の歯ブラシ用紙ケースにおける押え
板を示す斜視図

【図７】第３実施例の歯ブラシ用紙ケースにおける押え
板を示す斜視図

【図８】第４実施例の歯ブラシ用紙ケースにおける押え
板を示す斜視図

【図９】第５実施例の歯ブラシ用紙ケースにおける押え
板を示す斜視図

【図１０】押え板による歯ブラシ柄部の押圧状態を示す
縦断面図

【符号の説明】

Ａ 歯ブラシ用紙ケース Ｂ 歯ブラシ １ 組立用折り線 ２ 側板 ３ 透視窓 ４ 前板 ５ 側板 ６ 背板 ７ 糊代板 ８ 押え板 ９ 外底板 １０ 折込板 １１ 内底板 １２ 補強板 １３ 折込板 １４ 内蓋板 １５ 折込板 １６ 外蓋板 １７ ミシン目 １８ 折り線 １９ 面状弾圧部 ２０ 柄部 ２１ 切欠部 ２２ 押え突片 ２３ 植毛部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 歯ブラシ用紙ケースの下部開口における
   側板を延設して押え板を形成し、この押え板をケース内
   部に位置するように折り曲げ、該押え板背面に先端部の
   所定面積を残して補強板を添着し、該補強板端部に概略
   沿って折り線を形成することにより押え板先端部を面状
   弾圧部としてなり、この面状弾圧部表面にて歯ブラシの
   柄部表面を押さえて保持することを特徴とする歯ブラシ
   用紙ケース。
2. 【請求項２】 折り線に沿ってミシン目を設けてなる請
   求項１記載の歯ブラシ用紙ケース。