JP2572385B2 - 建設機械の可動式レバ−スタンド装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、建設機械の運転室内に設置された可動式レ
バースタンド装置に関する。

B.従来の技術 第４図に基づいて、従来のレバースタンド装置を説明
する。

運転室１の床に固定設置されたレバースタンド２の前
側上部にはアクチュエータ駆動用操作レバー３が立設さ
れ、レバースタンド２の前部および操作レバー３が乗降
口４側に突出している。

C.発明が解決しようとする問題点 したがって、操作者の乗り降りに支障をきたすおそれ
がある。また、エンジンをかけたままで操作者が乗り降
りする際、身体の一部が操作レバー３に接触して作動位
置に切換わると、建設機械が不所望に動き出すおそれが
ある。

本発明の目的は、レバースタンドを前後方にスライド
可能とするとともに、操作レバーの不所望の操作による
建設機械の作動を禁止して上述の問題点を解決した建設
機械の可動式レバースタンド装置を提供することにあ
る。

D.問題点を解決するための手段 第１図および第３図により説明すると、本発明は、レ
バースタンド２にアクチュエータ駆動用操作レバー３が
立設され、流体源22と接続されたパイロットバルブ21を
アクチュエータ駆動用操作レバー３で操作することによ
りアクチュエータを制御する建設機械に用いる可動式レ
バースタンド装置に適用される。そして、上記問題点
は、レバースタンド２を運転室１（第４図）の乗降空間
に突出する前方位置と該乗降空間から退避する後方位置
との間でスライド可能に保持する保持部材6,7と、レバ
ースタンド２が前方位置にスライドするのに応動して開
路し、後方位置にスライドするのに応動して閉路するロ
ック弁16とを備え、レバースタンド２が前方位置にある
ときにのみ操作レバー３の操作によりアクチュエータを
駆動可能とすることによって解決される。

E.作用 操作者が運転室１（第４図）から降りる際に、レバー
スタンド２を保持部材6,7により後方位置（退避位置）
までスライドさせる。これにより、レバースタンド２お
よびこれに立設されたアクチュエータ駆動用操作レバー
３の乗降口４への突出量が少ない状態となるので操作者
の乗り降りが楽になる。また、このとき、ロック弁16が
閉位置に切換わり、例えば流体源22とパイロットバルブ
21が遮断される。したがって、操作レバー３を操作して
もパイロットバルブ21は流体を出力せず、アクチュエー
タの駆動が防止され、安全性が向上する。

レバースタンド２を後方位置に固定したままで操作者
が運転室１に乗り込み、保持部材6,7によりレバースタ
ンド２を前方位置（突出位置）にスライドさせる。これ
によりロック弁16が開位置に切換わり、例えば流体源22
とパイロットバルブ21とが接続されるので、操作レバー
３を操作することによりアクチュエータが駆動される。

なお、ロック弁16をパイロットバルブ21の出力側に設
けてもよく、その設置位置はいずれでもよい。

F.実施例 第１図〜第４図に基づいて、本発明の一実施例を説明
する。

レバースタンドの内部構造を示す第１図およびその右
側面図である第２図において、運転室床面５上には車両
の前後方向にガイド部材６が延設され、レバースタンド
２の内部に設けられたスライダ７がこのガイド部材６上
で滑動可能に係合している。これにより、レバースタン
ド２は、実線で示す前方位置（突出位置）と一点鎖線で
示す後方位置（退避位置）との間で前後にスライド可能
となっている。ここで、ガイド部材６とスライダ７とで
保持部材を構成する。その一端がレバースタンド２上に
突出しているレバー８は、スタンド内部においてばね９
により下方に付勢されている。床面５に固設された係合
板10には、２つの係合孔10a,10bが穿設され、レバース
タンド２が突出位置および退避位置にあるときにレバー
８の他端が各係合孔10a,10bと係合可能である。なお、1
1はレバースタンド２の上面に設けられたスライド用ハ
ンドルである。

一方、軸X1を中心に回動可能に軸支されたレバー12の
一端にはフォーク12aが形成され、第２図に示すよう
に、レバースタンド２の側板2aから側方に立設されたピ
ン13がフォーク12aと係合している。レバー12の他端に
はリンク14の一端が連結され、このリンク14の他端がレ
バー15を介してロック弁16と接続されている。レバース
タンド２が突出位置にあると各レバー12,15は図示の実
線のようになりロック弁16が開位置に切換わり、退避位
置にあると図示一点鎖線のようになりロック弁16が閉位
置に切換わる。

第３図は、ロック弁16が設けられたアクチュエータ操
作用油圧回路を示している。

パイロットバルブ21は、アクチュエータ駆動用操作レ
バー３の操作によって作動し、図示しない油圧パイロッ
ト式方向切換弁を切換制御する。このパイロットバルブ
21と油圧ポンプ22との間にロック弁16が設けられ、ロッ
ク弁16が「ａ」位置（開位置）にあるときのみ、パイロ
ットバルブ21に圧油が供給される。

次に、この実施例の動作を説明する。

操作者が運転室１から降りる際に（第４図）、レバー
８を上方向に引き上げスライド用ハンドル11によりレバ
ースタンド２を後方位置（退避位置）へスライドさせた
後にレバー８を離すと、レバー８が係合孔10bと係合
し、レバースタンド２が後方位置で固定される。したが
って、外力が加わってもレバースタンド２は動かない。
この結果、レバースタンド２および操作レバー３が乗降
空間から退避した状態となる。また、レバースタンド２
を後方位置へスライドさせるのに連動してレバー12,リ
ンク14,レバー15を介してロック弁16が「ｂ」位置（閉
位置）に切換わり、パイロットバルブ21と油圧ポンプ22
とが遮断されるので、操作レバー３を操作してもパイロ
ットバルブ21は圧油を出力しない。したがって、油圧パ
イロット式方向切換弁は中立位置を保持し、油圧アクチ
ュエータの作動が防止される。

レバースタンド２を後方位置（退避位置）に固定した
まま操作者が運転室１に乗り込んだ後、レバー８を引き
上げてからスライド用ハンドル11を前方向に引いて、後
方位置にあるレバースタンド２を前方位置（突出位置）
までスライドさせる。この位置でレバー８を離すと、そ
の先端が係合孔10aと係合し、レバースタンド２が前方
位置で固定される。これにより、外力を加えてもレバー
スタンド２は動かない。レバースタンド２を前方位置へ
スライドさせるのに連動してレバー12が実線位置まで回
動し、リンク14およびレバー15を介してロック弁16が第
２図に示す「ａ」位置に切換わる。これによりパイロッ
トバルブ21と油圧ポンプ21とが接続されるので、アクチ
ュエータ操作用レバー３を操作することにより図示しな
い油圧アクチュエータが駆動される。

なお、パイロットバルブにより油圧ポンプの傾転角を
制御して走行モータを正逆転させるいわゆる閉回路式油
圧回路にも本発明を適用できる。また、ロック弁のかわ
りに電磁式方向切換弁を設け、レバースタンドを前方位
置に切換えたときにオンし、後方位置に切換えたときに
オフするスイッチにより、この電磁式方向切換弁を切換
えるようにしてもよい。さらに、ロック弁をパイロット
バルブの出力側に設けてもよい。

G.発明の効果 本発明によれば、レバースタンドを後方位置に退避さ
せることが可能なので、操作者の乗り降りが楽になる。
また、レバースタンドが後方位置にスライドするとパイ
ロットバルブが操作されてもアクチュエータが駆動しな
いようにしたので、乗り降りの際、操作者の身体の一部
が操作レバーに接触して操作レバーが作動位置に切換わ
っても建設機械が不所望な動作をするおそれがない。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図は本発明の一実施例を示し、第１図は
レバースタンド装置の正面図、第２図は一部を破断して
示す第１図の右側面図、第３図はアクチュエータ操作用
油圧回路図、第４図は運転室内のレバースタンドの位置
を示す図である。 2:レバースタンド 3:アクチュエータ駆動用操作レバー 6:ガイド部材、7:スライダ 8:レバー、10:係合板 11:スライド用ハンドル、16:ロック弁

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】レバースタンドにアクチュエータ駆動用操
   作レバーが立設され、流体源と接続されたパイロットバ
   ルブを前記アクチュエータ駆動用操作レバーで操作する
   ことによりアクチュエータを制御する建設機械に用いる
   可動式レバースタンド装置において、 前記レバースタンドを運転室の乗降空間に突出する前方
   位置と該乗降空間から退避する後方位置との間でスライ
   ド可能に保持する保持部材と、 前記レバースタンドが前方位置にスライドするのに応動
   して開路し、後方位置にスライドするのに応動して閉路
   するロック弁とを備え、 前記レバースタンドが前方位置にあるときにのみ前記操
   作レバーの操作により前記アクチュエータを駆動可能と
   したことを特徴とする建設機械の可動式レバースタンド
   装置。