JP2554344Y2 - バックホーにおけるコントロールボックス構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、バックホーにおけるコ
ントロールボックス構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、バックホーの運転者用座席の側方
に設けるコントロールボックスを、座席に対して固定状
に装着されているものが存在する。また、同コントロー
ルボックスは、運転者の昇降通路側に突出状に設けられ
ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記運転者
用座席の側方に設けるコントロールボックスが、固定状
に装着されているために、同コントロールボックスの前
部が運転者の昇降時の邪魔になると共に、同コントロー
ルボックスに設ける手元操作レバーに運転者の身体が触
れて掘削部が誤作動して危険があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本考案は、運転
部に座席を配設するとともに、同座席の側方に手元レバ
ーを有するコントロールボックスを設けたバックホーに
おいて、コントロールボックスを前方側を上下方向に向
けて回動自在に構成するとともに、同コントロールボッ
クスの前部であって、かつ、コントロールボックスの回
動中心から可及的に離れた位置に、コントロールボック
スの回動をロックするロック用レバーと上下操作用ノブ
とを近接して設けたことを特徴とするバックホーにおけ
るコントロールボックス構造を提供するものである。

【０００５】

【実施例】本発明の実施例を図面にもとづき詳説すれ
ば、図１の全体側面図において、Ａは動力作業機として
のバックホーを示し、クローラ走行装置１を有する走行
フレーム２の略中央に旋回基台３を立設し、同基台３の
上方に旋回フレーム４を左右旋回自在に載設し、同フレ
ーム４の後部に原動機部５、同中央部には運転部６を配
設し、同フレーム４の前端にブラケット７を突設して、
掘削作業部Ｂの基端を連設している。

【０００６】かかる掘削作業部Ｂは、ブラケット７に左
右回動自在にブーム支持体８を枢支させ、同支持体８に
主ブーム９、アーム10、及び、バケット11の順でそれぞ
れ上下回動自在に連設し、それぞれの間に主ブーム、ア
ーム、バケット作動用の油圧アクチュエータ12,13,14を
介設している。

【０００７】また、旋回基台３と旋回フレーム４との間
には、機体旋回用の油圧モーター15が介設されている。

【０００８】そして、掘削作業時には、上記の油圧アク
チュエータ12,13,14及び油圧モーター15を作動させるも
のであり、これらの油圧アクチュエータの作動制御は、
運転部６の内部に設けた手元操作レバー16,17 の操作に
よりパイロット作動型の油圧制御弁を介して行われる。

【０００９】運転部６は、図２に示すように、左側面に
ドア18を有すキャビン19の内部に、後方に座席20を設け
ると共に座席20の前方には左右走行レバー21a,21b を立
設している。また、同座席20の左右側には、側面視で座
席20の後端より前方に向けて左側のコントロールボック
ス22と右側の操作パネル23を延設して位置させており、
24及び25は左右に設ける肘掛けである。

【００１０】また、コントロールボックス22と操作パネ
ル23の前方には上記の手元操作レバー16,17 を設けてい
る。26は右側操作パネル23の前端に設けるメータボック
スである。

【００１１】また、27は原動機部５内に設けるエンジン
で、主作動用油圧ポンプ28を直結状に連結している。

【００１２】図３において、30は運転者用座席20を前後
方向に移動固定自在に支持するシートマウントで、同シ
ートマウント30の左右両側に、前側シートブラケット31
と後側シートブラケット32を固着している。

【００１３】33は前記コントロールボックス22を構成す
るＦＲＰ製のカバーで、内部には鋼板製の内側ブラケッ
ト34を設けて一体形成されている。35は後側シートブラ
ケット32に嵌るカラーで内側ブラケット34に固着されて
おり、コントロールボックス22全体は後側シートブラケ
ット32を中心に前側面22-2が上方に回動できる構成とな
っている。36は固定ボルト、37はカバー33と内側ブラケ
ット34を連結する固定ボルトである。

【００１４】また、38はコントロールボックス22を、前
側シートブラケット31にロックするロック機構であって
ロック用レバー39を設けている。40はロック用レバー39
に設ける鈎部で、前記前側シートブラケット31に係合自
在となっている。41はロック用レバー39の基部に取付け
た引張りスプリングである。なお、ロック用レバー39
は、コントロールボックス22の前側に突設されている。

【００１５】また、42は、コントロールボックス22を上
方に押圧付勢する押圧機構で、ロック用レバー39を解除
することにより、同コントロールボックス22は、後側シ
ートブラケット32を中心に前方側を回動自在としてい
る。22-1はコントロールボックス22の内側に設ける円弧
状の切欠溝である。

【００１６】43はストッパーシャフトでリターンスプリ
ング44を嵌装している。そして、同ストッパーシャフト
43は、前端を前側シートブラケット31に装着されている
と共に、後部は回動プレート45に摺動可能に支持されて
いる。46は回動プレート45を支持する支点ピン、47はス
トッパーシャフト43の後端に螺着するスライド体、48は
固定用止めナットである。

【００１７】49はパイロット弁を入切り操作するリミッ
トスイッチ、50はアクセルレバーである。また、51はコ
ントロールボックス22の前側面22-2に設ける上下操作用
ノブで、ロック用レバー39の上側に接近した位置に設け
られている。52はロック用レバー39を嵌める切欠き孔で
Ｌ字形に形成されている。また、Ｃは運転者が座席20側
に行くための昇降通路である。

【００１８】本考案の実施例は、上記のように構成され
ており、運転者が昇降通路Ｃを通って座席20側に入る場
合、又は座席20より降りる場合は、コントロールボック
ス22に突設する上下操作用ノブ51とロック用レバー39を
握りながら、同ロック用レバー39を上方に作動させる。
そして、ロック機構38を解除し、同コントロールボック
ス22の前部を上方に回動させて運転者の昇降を容易にす
るものである。

【００１９】次に、運転者が座席20上に着座すると、上
下操作用ノブ51を握って下向きに押圧するとコントロー
ルボックス22はロック用レバー39により前側シートブラ
ケット31に固定されるものであるる。

【００２０】以上の如く、上記実施例によれば、前方側
が上方へ回動できるコントロールボックス22の前部に、
同コントロールボックス22の回動をロックするロック用
レバー39と上下操作用ノブ51を接近して設けたものであ
るから、コントロールボックス22を上方へ回動させる場
合は、上下操作用ノブ51とロック用レバー39を同時に握
って操作することができ、したがって、コントロールボ
ックスの開閉操作が確実にできるものである。また、コ
ントロールボックス22の前部にロック用レバー39と上下
操作用ノブ51を設けているために、誤操作が防止できて
安全性が向上するものである。

【００２１】

【考案の効果】本考案によれば、コントロールボックス
を前方側を上下方向に向けて回動自在に構成するととも
に、同コントロールボックスの前部にロックレバーと上
下操作用ノブとを設けているため、座席の外部側からで
もロックレバー及び上下操作用ノブを操作でき、運転者
が昇降通路を通って座席に入る場合や座席より降りる場
合に、ロックレバー及び上下操作用ノブを操作してコン
トロールボックスの前方側を上方に向けて回動させるこ
とにより、昇降通路を広くすることができ、運転者の昇
降を容易なものとすることができる。しかも、手元操作
レバーを操作する際に誤ってロックレバー及び上下操作
用ノブに触れてしまうことがなく、誤操作を未然に防止
することができる。また、ロックレバーと上下操作用ノ
ブとをコントロールボックスの回動中心から可及的に離
れた位置に近接させて設けているため、コントロールボ
ックスの回動操作に要する操作力を可及的に軽減できる
とともに、回動操作のための一連の操作を確実かつ円滑
に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を装備するバックホーの全体側面図。

【図２】同運転部の斜視図。

【図３】本考案要部の一部断面側面図。

【図４】同平面図。

【図５】同正面図。

【符号の説明】

６ 運転部 16 手元操作レバー 20 座席 22 コントロールボックス 39 ロック用レバー 51 上下操作用ノブ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 運転部６に座席20を配設するとともに、
   同座席20の側方に手元レバー16を有するコントロールボ
   ックス22を設けたバックホーにおいて、 コントロールボックス22を前方側を上下方向に向けて回
   動自在に構成するとともに、同コントロールボックス22
   の前部であって、かつ、コントロールボックス22の回動
   中心から可及的に離れた位置に、コントロールボックス
   22の回動をロックするロック用レバー39と上下操作用ノ
   ブ51とを近接して設けたことを特徴とするバックホーに
   おけるコントロールボックス構造。