JP2572378Y2 - マスタシリンダ用リザーバ - Google Patents
マスタシリンダ用リザーバInfo
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- JP2572378Y2 JP2572378Y2 JP1992060630U JP6063092U JP2572378Y2 JP 2572378 Y2 JP2572378 Y2 JP 2572378Y2 JP 1992060630 U JP1992060630 U JP 1992060630U JP 6063092 U JP6063092 U JP 6063092U JP 2572378 Y2 JP2572378 Y2 JP 2572378Y2
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- Japan
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- reservoir
- slit
- seal member
- cap
- reservoir chamber
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- Fluid-Driven Valves (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、マスタシリンダ用リザ
ーバに関するもので、詳しくはリザーバ内に設置される
弾性シール部材の改良に関するものである。
ーバに関するもので、詳しくはリザーバ内に設置される
弾性シール部材の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種マスタシリンダには、作
動液を貯蔵するリザーバが取付けられており、当該リザ
ーバはタンク本体およびキャップからなるリザーバタン
クを備えている。このリザーバタンクの内部には、タン
ク本体とキャップとの間に介装する高価なダイヤフラム
が設置されており、当該ダイヤフラムにてその内部をリ
ザーバ室と大気室とに画成するとともに、リザーバ室内
への湿気と異物の侵入を防止し、さらにリザーバ室を常
にほぼ大気圧に保持するようにしている。
動液を貯蔵するリザーバが取付けられており、当該リザ
ーバはタンク本体およびキャップからなるリザーバタン
クを備えている。このリザーバタンクの内部には、タン
ク本体とキャップとの間に介装する高価なダイヤフラム
が設置されており、当該ダイヤフラムにてその内部をリ
ザーバ室と大気室とに画成するとともに、リザーバ室内
への湿気と異物の侵入を防止し、さらにリザーバ室を常
にほぼ大気圧に保持するようにしている。
【0003】しかして、このようなマスタシリンダ用リ
ザーバにおいては、リザーバタンク内の作動液の液面が
低下すると、リザーバ室は拡大され、それに伴って該リ
ザーバ室は負圧になるが、ダイヤフラムが直ちに下方へ
変形・変位して、リザーバ室の容積を減少せしめ、これ
によってリザーバ室の圧力をほぼ大気圧に保持してい
る。また、リザーバタンクの温度が上昇すると、リザー
バ室の空気が膨張し、それによって該リザーバ室の圧力
が高くなるが、ダイヤフラムが直ちに上方へ変形・変位
して、リザーバ室の容積を拡大するため、リザーバ室の
圧力はほぼ大気圧に保持される。
ザーバにおいては、リザーバタンク内の作動液の液面が
低下すると、リザーバ室は拡大され、それに伴って該リ
ザーバ室は負圧になるが、ダイヤフラムが直ちに下方へ
変形・変位して、リザーバ室の容積を減少せしめ、これ
によってリザーバ室の圧力をほぼ大気圧に保持してい
る。また、リザーバタンクの温度が上昇すると、リザー
バ室の空気が膨張し、それによって該リザーバ室の圧力
が高くなるが、ダイヤフラムが直ちに上方へ変形・変位
して、リザーバ室の容積を拡大するため、リザーバ室の
圧力はほぼ大気圧に保持される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来のマスタシリンダ用リザーバでは、ダイヤフラムをリ
ザーバ室の圧力変化の全範囲に対して応動させようとす
るには、変形・変位量の相当大きなダイヤフラムと、該
ダイヤフラムの変形・変位量を許容し得る大きさのリザ
ーバタンクが必要になる。そこで、ダイヤフラムの中央
にはスリットが形成され、当該箇所に閉止弁を構成して
いる。しかして、ダイヤフラムが上限または下限に達し
た後、さらにリザーバ室の圧力が増大または減少する場
合には、上記閉止弁を開成させてリザーバ室から空気を
大気室へ逃がすか、あるいはリザーバ室に大気室から空
気を取入れてリザーバ室をほぼ大気圧に維持させるよう
にし、もってリザーバタンクの小型化を図ったマスタシ
リンダ用リザーバが提供されている(例えば、実開昭5
4ー42881号公報)。このようなマスタシリンダ用
リザーバでは、ダイヤフラムが上限または下限に達した
後、さらにリザーバ室の圧力が増大または減少する場合
には、図14に示す如く、ダイヤフラムaのスリット形
成部が撓んでスリットbが開けられる。
来のマスタシリンダ用リザーバでは、ダイヤフラムをリ
ザーバ室の圧力変化の全範囲に対して応動させようとす
るには、変形・変位量の相当大きなダイヤフラムと、該
ダイヤフラムの変形・変位量を許容し得る大きさのリザ
ーバタンクが必要になる。そこで、ダイヤフラムの中央
にはスリットが形成され、当該箇所に閉止弁を構成して
いる。しかして、ダイヤフラムが上限または下限に達し
た後、さらにリザーバ室の圧力が増大または減少する場
合には、上記閉止弁を開成させてリザーバ室から空気を
大気室へ逃がすか、あるいはリザーバ室に大気室から空
気を取入れてリザーバ室をほぼ大気圧に維持させるよう
にし、もってリザーバタンクの小型化を図ったマスタシ
リンダ用リザーバが提供されている(例えば、実開昭5
4ー42881号公報)。このようなマスタシリンダ用
リザーバでは、ダイヤフラムが上限または下限に達した
後、さらにリザーバ室の圧力が増大または減少する場合
には、図14に示す如く、ダイヤフラムaのスリット形
成部が撓んでスリットbが開けられる。
【0005】しかし、上記ダイヤフラムaにあっては、
図からも明らかなように、突出側外面でスリットbは開
くものの、内面側は接した状態が維持されるため、空気
の流通が十分に行われない場合が起こる。その結果、上
記リザーバ室をほぼ大気圧にすることができないという
不都合を生じるおそれがあった。
図からも明らかなように、突出側外面でスリットbは開
くものの、内面側は接した状態が維持されるため、空気
の流通が十分に行われない場合が起こる。その結果、上
記リザーバ室をほぼ大気圧にすることができないという
不都合を生じるおそれがあった。
【0006】本考案はこのような実状に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、リザーバタンクの小型化が
図れ、しかもリザーバ室の圧力を常にほぼ大気圧に維持
することができる上、安価に製造することが可能なマス
タシリンダ用リザーバを提供することにある。
ものであって、その目的は、リザーバタンクの小型化が
図れ、しかもリザーバ室の圧力を常にほぼ大気圧に維持
することができる上、安価に製造することが可能なマス
タシリンダ用リザーバを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の有する課
題を解決するために、本考案では、一端開口のタンク本
体と、該タンク本体の開口を閉塞するキャップとによっ
てリザーバタンクを構成し、このリザーバタンク内を弾
力性を有するシール部材にてリザーバ室と大気室とに画
成するとともに、前記シール部材の中央にスリットを設
け、前記リザーバ室の圧力の増減に伴い、前記シール部
材が上下動してスリットを開成することにより前記リザ
ーバ室を大気圧に維持するようにしたマスタシリンダ用
リザーバにおいて、前記シール部材の表面には前記スリ
ットに沿い該シール部材の表面に対し垂直な仮想平面に
関し非対称配置にて突起部を設け、前記シール部材の組
付状態で、前記突起部を前記キャップの下面に当接させ
ることにより、前記スリットを境界にした前記シール部
材の両側部分を前記仮想平面に関し互いに非面対称に変
形させて、前記スリットが開く直前位置に該シール部材
を固定している。
題を解決するために、本考案では、一端開口のタンク本
体と、該タンク本体の開口を閉塞するキャップとによっ
てリザーバタンクを構成し、このリザーバタンク内を弾
力性を有するシール部材にてリザーバ室と大気室とに画
成するとともに、前記シール部材の中央にスリットを設
け、前記リザーバ室の圧力の増減に伴い、前記シール部
材が上下動してスリットを開成することにより前記リザ
ーバ室を大気圧に維持するようにしたマスタシリンダ用
リザーバにおいて、前記シール部材の表面には前記スリ
ットに沿い該シール部材の表面に対し垂直な仮想平面に
関し非対称配置にて突起部を設け、前記シール部材の組
付状態で、前記突起部を前記キャップの下面に当接させ
ることにより、前記スリットを境界にした前記シール部
材の両側部分を前記仮想平面に関し互いに非面対称に変
形させて、前記スリットが開く直前位置に該シール部材
を固定している。
【0008】本考案に係るマスタシリンダ用リザーバで
は、シール部材の表面にはスリットに沿い該シール部材
の表面に対し垂直な仮想平面に関し非対称配置にて突起
部を設け、該シール部材の組付状態で、突起部をキャッ
プの下面に当接させることで、スリットを境界にしたシ
ール部材の両側部分を前記仮想平面に関し互いに非面対
称に変形させて、スリットが開く直前位置に該シール部
材を固定しているため、当該スリットが安定した低圧力
で迅速かつ確実に開くことになる。
は、シール部材の表面にはスリットに沿い該シール部材
の表面に対し垂直な仮想平面に関し非対称配置にて突起
部を設け、該シール部材の組付状態で、突起部をキャッ
プの下面に当接させることで、スリットを境界にしたシ
ール部材の両側部分を前記仮想平面に関し互いに非面対
称に変形させて、スリットが開く直前位置に該シール部
材を固定しているため、当該スリットが安定した低圧力
で迅速かつ確実に開くことになる。
【0009】
【実施例】以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
に説明する。
【0010】図1〜図6は本考案に係るマスタシリンダ
用リザーバの第1実施例を示し、図1はその断面図、図
2はそのリザーバで採用されているシール部材の組付前
の状態を示す断面図、図3は上記シール部材の組付後の
状態を示す断面図である。また、図4は組付後と組付前
のシール部材を左右両側で合わせた状態を示す断面図、
図5はシール部材の斜視図、図6はシール部材を組付け
た状態のスリットを示す斜視図である。
用リザーバの第1実施例を示し、図1はその断面図、図
2はそのリザーバで採用されているシール部材の組付前
の状態を示す断面図、図3は上記シール部材の組付後の
状態を示す断面図である。また、図4は組付後と組付前
のシール部材を左右両側で合わせた状態を示す断面図、
図5はシール部材の斜視図、図6はシール部材を組付け
た状態のスリットを示す斜視図である。
【0011】図において1は、複数のピストン2,2と
圧力室3,3とがシリンダの軸方向に沿って直列に並ん
で配設されるタンデムマスタシリンダであり、このマス
タシリンダ1はほぼ円筒状に形成されたシリンダ本体4
を有している。そして、このシリンダ本体4の上部側に
は、各圧力室3,3に作動液を供給するためのリザーバ
5が取付けられており、該リザーバ5の下部は、シリン
ダの軸方向に間隔を置いて設けられた作動液供給口6,
6に嵌着されている。
圧力室3,3とがシリンダの軸方向に沿って直列に並ん
で配設されるタンデムマスタシリンダであり、このマス
タシリンダ1はほぼ円筒状に形成されたシリンダ本体4
を有している。そして、このシリンダ本体4の上部側に
は、各圧力室3,3に作動液を供給するためのリザーバ
5が取付けられており、該リザーバ5の下部は、シリン
ダの軸方向に間隔を置いて設けられた作動液供給口6,
6に嵌着されている。
【0012】上記リザーバ5は、外郭を成すリザーバタ
ンク7を備えている。このリザーバタンク7は、内部に
作動液を収容する上端開口のタンク本体8と、該タンク
本体8の開口を閉塞するキャップ9とによって構成され
ている。そして、このリザーバ5では、ゴム、プラスチ
ック等の弾力性を有するシール部材10がボディキャッ
プ9aとキャップ9との間に挟持されており、当該シー
ル部材10によって、リザーバタンク7内がリザーバ室
11と大気室12とに画成されている。なお、キャップ
9は、ネジ込み(又は回転ロック)によってタンク本体
8の上端に取付けられている。
ンク7を備えている。このリザーバタンク7は、内部に
作動液を収容する上端開口のタンク本体8と、該タンク
本体8の開口を閉塞するキャップ9とによって構成され
ている。そして、このリザーバ5では、ゴム、プラスチ
ック等の弾力性を有するシール部材10がボディキャッ
プ9aとキャップ9との間に挟持されており、当該シー
ル部材10によって、リザーバタンク7内がリザーバ室
11と大気室12とに画成されている。なお、キャップ
9は、ネジ込み(又は回転ロック)によってタンク本体
8の上端に取付けられている。
【0013】このリザーバ室11はリザーバタンク7の
下側に配設され、その内部には、タンク本体8内に形成
したガイド13によって上下方向に案内されるフロート
14が移動可能に配設されている。また、大気室12は
リザーバタンク7の上側に配設され、ボディキャップ9
a内の上端部に形成された溝9bと、ボディキャップ9
aの外周面およびキャップ9の内周面間に形成される環
状の間隙15とを介して外部(大気)に開放されてい
る。
下側に配設され、その内部には、タンク本体8内に形成
したガイド13によって上下方向に案内されるフロート
14が移動可能に配設されている。また、大気室12は
リザーバタンク7の上側に配設され、ボディキャップ9
a内の上端部に形成された溝9bと、ボディキャップ9
aの外周面およびキャップ9の内周面間に形成される環
状の間隙15とを介して外部(大気)に開放されてい
る。
【0014】上記シール部材10は、図1〜図3に示す
如く、外周縁に位置しかつ上下方向へ延びる肉厚の取付
部10aと、該取付部10aに囲まれた平面状の底部1
0bとから構成されており、この底部10bの中央には
閉止弁としての機能を有するスリット16が設けられて
いる。取付部10aは、リザーバ室11の負圧時にスリ
ット16の周辺部分が必要以上に動かないように固定す
るとともに、該スリット16を適切な変形量に保ってお
くため、ボディキャップ9aの内壁上部に嵌合されてい
る。また、底部10bの上面には、図2および図5に示
す如く、上方へやや湾曲突出するリブ10cが配設され
ており、このリブ10cはスリット16を囲むC字状に
形成されている。そして、リブ10cの不連続部10d
と対向する取付部10aの上面には、径方向へ延びる通
気溝10eが形成されており、これら不連続部10dお
よび通気溝10eによって通気路が確保されるようにな
っている。
如く、外周縁に位置しかつ上下方向へ延びる肉厚の取付
部10aと、該取付部10aに囲まれた平面状の底部1
0bとから構成されており、この底部10bの中央には
閉止弁としての機能を有するスリット16が設けられて
いる。取付部10aは、リザーバ室11の負圧時にスリ
ット16の周辺部分が必要以上に動かないように固定す
るとともに、該スリット16を適切な変形量に保ってお
くため、ボディキャップ9aの内壁上部に嵌合されてい
る。また、底部10bの上面には、図2および図5に示
す如く、上方へやや湾曲突出するリブ10cが配設され
ており、このリブ10cはスリット16を囲むC字状に
形成されている。そして、リブ10cの不連続部10d
と対向する取付部10aの上面には、径方向へ延びる通
気溝10eが形成されており、これら不連続部10dお
よび通気溝10eによって通気路が確保されるようにな
っている。
【0015】一方、上記リブ10eの上面には、ロッド
状に形成された2つの突起17,17が周方向に間隔を
置いて一体的に立設されている。すなわち、これら突起
17,17はスリット16の中心を通り、該スリット1
6の切込方向に対して所定の角度(例えば、45度)を
もった線上に形成されている。また突起17は、図2に
示すシール部材10の組付前の状態で、スリット16に
沿いシール部材10の表面に対し垂直な仮想平面に関し
非対称配置にて該シール部材10の表面に設けられ、取
付部10aよりも上方へ突出するような高さ位置に形成
され、図3に示すシール部材10の組付後の状態では、
取付部10aと共にキャップ9の下面に当接するように
設定配置されている。しかして、シール部材10の組付
状態においては、底部10bには突起17の弾撥力によ
りスリット16を捩る方向の力が作用することになり、
これによって当該シール部材10は、図6に示すよう
に、スリット16を境界にした両側部分16a,16b
が変形前の該スリット16を含む垂直な前記仮想平面に
関し互いに非面対称に該スリット16が開く直前位置に
捩り変形され、厚み方向へずれて線接触したままで固定
されるように構成されている。
状に形成された2つの突起17,17が周方向に間隔を
置いて一体的に立設されている。すなわち、これら突起
17,17はスリット16の中心を通り、該スリット1
6の切込方向に対して所定の角度(例えば、45度)を
もった線上に形成されている。また突起17は、図2に
示すシール部材10の組付前の状態で、スリット16に
沿いシール部材10の表面に対し垂直な仮想平面に関し
非対称配置にて該シール部材10の表面に設けられ、取
付部10aよりも上方へ突出するような高さ位置に形成
され、図3に示すシール部材10の組付後の状態では、
取付部10aと共にキャップ9の下面に当接するように
設定配置されている。しかして、シール部材10の組付
状態においては、底部10bには突起17の弾撥力によ
りスリット16を捩る方向の力が作用することになり、
これによって当該シール部材10は、図6に示すよう
に、スリット16を境界にした両側部分16a,16b
が変形前の該スリット16を含む垂直な前記仮想平面に
関し互いに非面対称に該スリット16が開く直前位置に
捩り変形され、厚み方向へずれて線接触したままで固定
されるように構成されている。
【0016】このように構成されたマスタシリンダ用リ
ザーバ5では、リザーバ室11内の圧力がほぼ大気圧に
維持されていると、シール部材10のスリット16は、
図6に示すように、厚み方向にズレを生じる開く直前位
置で閉成されている。そして、リザーバ室11の圧力が
上昇すると、シール部材10の底部10bにはキャップ
9の下面に当接させた突起17を介してスリット16を
捩る方向に力が作用しているため、当該スリット16は
図6に示す捩られた状態から開成される。これに伴っ
て、リザーバ室11と大気室12とは開成したスリット
16を介して連通し、当該リザーバ室11はほぼ大気圧
になる。
ザーバ5では、リザーバ室11内の圧力がほぼ大気圧に
維持されていると、シール部材10のスリット16は、
図6に示すように、厚み方向にズレを生じる開く直前位
置で閉成されている。そして、リザーバ室11の圧力が
上昇すると、シール部材10の底部10bにはキャップ
9の下面に当接させた突起17を介してスリット16を
捩る方向に力が作用しているため、当該スリット16は
図6に示す捩られた状態から開成される。これに伴っ
て、リザーバ室11と大気室12とは開成したスリット
16を介して連通し、当該リザーバ室11はほぼ大気圧
になる。
【0017】また、リザーバ室11が減圧し、シール部
材10が下方へ変形しようとすると、上記したと同様
に、シール部材10の底部10bにはスリット16を捩
る方向に力が作用しているため、当該スリット16は図
6に示す捩られた状態から開成される。この結果、リザ
ーバ室11と大気室12とは、開成したスリット16を
介して連通し、当該リザーバ室11はほぼ大気圧にな
る。
材10が下方へ変形しようとすると、上記したと同様
に、シール部材10の底部10bにはスリット16を捩
る方向に力が作用しているため、当該スリット16は図
6に示す捩られた状態から開成される。この結果、リザ
ーバ室11と大気室12とは、開成したスリット16を
介して連通し、当該リザーバ室11はほぼ大気圧にな
る。
【0018】本実施例においては、スリット16に対し
て所定の位置に配設した2つの突起17をキャップ9の
下面にそれぞれ当接させることにより、スリット16が
開く直前位置にシール部材10の底部10bを変形させ
て組付けているため、リザーバ室11の圧力の増減に伴
ってスリット16の開閉動作が迅速かつ確実に行われ、
作動液が通過しにくくなる一方で空気の通過が容易とな
り、応答性に優れた閉止弁が簡単な構造で得られる。
て所定の位置に配設した2つの突起17をキャップ9の
下面にそれぞれ当接させることにより、スリット16が
開く直前位置にシール部材10の底部10bを変形させ
て組付けているため、リザーバ室11の圧力の増減に伴
ってスリット16の開閉動作が迅速かつ確実に行われ、
作動液が通過しにくくなる一方で空気の通過が容易とな
り、応答性に優れた閉止弁が簡単な構造で得られる。
【0019】また、図7〜図9は本考案に係るマスタシ
リンダ用リザーバの第2実施例を示し、図7はそのリザ
ーバで採用されているシール部材の組付前の状態を示す
断面図、図8は上記シール部材の組付後の状態を示す断
面図、図9は上記シール部材の平面図である。
リンダ用リザーバの第2実施例を示し、図7はそのリザ
ーバで採用されているシール部材の組付前の状態を示す
断面図、図8は上記シール部材の組付後の状態を示す断
面図、図9は上記シール部材の平面図である。
【0020】図におけるシール部材10の取付部10a
は断面略長方形状に形成され、タンク本体8の上端面と
キャップ9の下面との間に挟持されるようになってい
る。このため、取付部10a内には、径方向に沿って配
置するリテーナ18が埋設されており、該リテーナ18
によって取付部10aの剛性が高められている。なお、
キャップ9の内壁面には大気と連通する通気溝19が設
けられており、この通気溝19によってキャップ9の内
壁とシール部材10の外周面との間に通気路が確保され
るようになっている。その他の構成および作用は上記第
1実施例とほぼ同様である。
は断面略長方形状に形成され、タンク本体8の上端面と
キャップ9の下面との間に挟持されるようになってい
る。このため、取付部10a内には、径方向に沿って配
置するリテーナ18が埋設されており、該リテーナ18
によって取付部10aの剛性が高められている。なお、
キャップ9の内壁面には大気と連通する通気溝19が設
けられており、この通気溝19によってキャップ9の内
壁とシール部材10の外周面との間に通気路が確保され
るようになっている。その他の構成および作用は上記第
1実施例とほぼ同様である。
【0021】本実施例においては、シール部材10の外
周縁に位置する取付部10aの剛性がリテーナ18によ
って高められているため、リザーバ室11の負圧時にス
リット16の周辺部分が必要以上に動かないようにより
一層確実に固定することが可能になり、スリット16の
開成動作に支障を生じることがない。
周縁に位置する取付部10aの剛性がリテーナ18によ
って高められているため、リザーバ室11の負圧時にス
リット16の周辺部分が必要以上に動かないようにより
一層確実に固定することが可能になり、スリット16の
開成動作に支障を生じることがない。
【0022】さらに、図10〜図13は本考案に係るマ
スタシリンダ用リザーバの第3実施例を示し、図10は
そのリザーバで採用されているシール部材の組付前の状
態を示す断面図、図11は上記シール部材の組付後の状
態を示す断面図、図12は上記シール部材の平面図、図
13は上記シール部材を組付けたときのスリットを拡大
して示す断面図である。
スタシリンダ用リザーバの第3実施例を示し、図10は
そのリザーバで採用されているシール部材の組付前の状
態を示す断面図、図11は上記シール部材の組付後の状
態を示す断面図、図12は上記シール部材の平面図、図
13は上記シール部材を組付けたときのスリットを拡大
して示す断面図である。
【0023】図におけるキャップ9の下面には、下方へ
延びる突片20が一体的に形成されている。そして、シ
ール部材10のリブ10cの上面には、シール部材10
の組付時にキャップ9の突片20と嵌合する2つの凹部
21が設けられており、該凹部21は2つの突起17の
中間位置に互いに対向して配設されている。また、突片
20は、図13に示すように凹部21に嵌合した状態
で、その下端面と凹部21の底面との間に隙間ができる
ような長さに形成されており、これによってシール部材
10の組付時に突起17が優先してキャップ9の下面に
当接するように構成されている。その他の構成および作
用は上記第1および第2実施例とほぼ同様である。
延びる突片20が一体的に形成されている。そして、シ
ール部材10のリブ10cの上面には、シール部材10
の組付時にキャップ9の突片20と嵌合する2つの凹部
21が設けられており、該凹部21は2つの突起17の
中間位置に互いに対向して配設されている。また、突片
20は、図13に示すように凹部21に嵌合した状態
で、その下端面と凹部21の底面との間に隙間ができる
ような長さに形成されており、これによってシール部材
10の組付時に突起17が優先してキャップ9の下面に
当接するように構成されている。その他の構成および作
用は上記第1および第2実施例とほぼ同様である。
【0024】本実施例においては、シール部材10の組
付時に、該シール部材10の凹部21とキャップ9の突
片20とを嵌合させることにより、スリット16の周辺
に位置する底部10bの剛性が高められるため、リザー
バタンク7内の作動液が減って液面が下がるときのリザ
ーバ室11の負圧によって、スリット16の周辺部分が
必要以上に下動しないように固定できるとともに、スリ
ット16を適切な量に変形させることが可能になる。
付時に、該シール部材10の凹部21とキャップ9の突
片20とを嵌合させることにより、スリット16の周辺
に位置する底部10bの剛性が高められるため、リザー
バタンク7内の作動液が減って液面が下がるときのリザ
ーバ室11の負圧によって、スリット16の周辺部分が
必要以上に下動しないように固定できるとともに、スリ
ット16を適切な量に変形させることが可能になる。
【0025】以上、本考案の実施例につき述べたが、本
考案は既述の実施例に限定されるものではなく、本考案
の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能で
ある。
考案は既述の実施例に限定されるものではなく、本考案
の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能で
ある。
【0026】例えば、既述の実施例では、シール部材1
0の底部10bの上面にC字状リブ10cを設けている
が、このリブ10cはスリット16を含むその周辺部分
がキャップ9の下面に密接しないようにしたり、その周
辺部分が必要以上に圧力にて変形することによりスリッ
ト16が開閉することのないようにすべく設けられたも
のであるが、これを防止できる構造であれば、リブ10
cが無くてもよい。
0の底部10bの上面にC字状リブ10cを設けている
が、このリブ10cはスリット16を含むその周辺部分
がキャップ9の下面に密接しないようにしたり、その周
辺部分が必要以上に圧力にて変形することによりスリッ
ト16が開閉することのないようにすべく設けられたも
のであるが、これを防止できる構造であれば、リブ10
cが無くてもよい。
【0027】また、上記実施例では、2つの突起17を
スリット16に対して点対称位置に配置しているが、そ
れらの形成位置はこれに限られず、しかも突起17は1
つでもよい。
スリット16に対して点対称位置に配置しているが、そ
れらの形成位置はこれに限られず、しかも突起17は1
つでもよい。
【0028】
【考案の効果】上述の如く、本考案に係るマスタシリン
ダ用リザーバは、スリットに沿いシール部材の表面に対
し垂直な仮想平面に関し非対称配置にて該シール部材の
表面に突起部を設け、該シール部材の組付状態で、突起
部をキャップの下面に当接させることにより、スリット
に沿う直線を境界にしたシール部材の両側部分を前記仮
想平面に関し互いに非面対称に変形させて、スリットが
開く直前位置に該シール部材を固定したので、シール部
材が内方から外方へ、外方から内方への両方向の逆止機
能を発揮し、リザーバ室の圧力の増減に対応してスリッ
トを低圧力で迅速かつ確実に開成させることができる。
したがって、本考案のリザーバでは、突起およびスリッ
トなどの簡単な構造で応答性の優れた閉止弁が得られ、
低コストで製造できるとともに、小型化しても常にリザ
ーバ室をほぼ大気圧に保つことができる。
ダ用リザーバは、スリットに沿いシール部材の表面に対
し垂直な仮想平面に関し非対称配置にて該シール部材の
表面に突起部を設け、該シール部材の組付状態で、突起
部をキャップの下面に当接させることにより、スリット
に沿う直線を境界にしたシール部材の両側部分を前記仮
想平面に関し互いに非面対称に変形させて、スリットが
開く直前位置に該シール部材を固定したので、シール部
材が内方から外方へ、外方から内方への両方向の逆止機
能を発揮し、リザーバ室の圧力の増減に対応してスリッ
トを低圧力で迅速かつ確実に開成させることができる。
したがって、本考案のリザーバでは、突起およびスリッ
トなどの簡単な構造で応答性の優れた閉止弁が得られ、
低コストで製造できるとともに、小型化しても常にリザ
ーバ室をほぼ大気圧に保つことができる。
【図1】本考案の第1実施例に係るマスタシリンダ用リ
ザーバを示す断面図である。
ザーバを示す断面図である。
【図2】上記リザーバで採用されているシール部材の組
付前の状態を示す断面図である。
付前の状態を示す断面図である。
【図3】上記シール部材の組付後の状態を示す断面図で
ある。
ある。
【図4】組付後と組付前のシール部材を左右両側で合わ
せた状態を示す断面図である。
せた状態を示す断面図である。
【図5】上記シール部材を示す斜視図である。
【図6】上記シール部材を組付けた状態のスリットを拡
大して示す斜視図である。
大して示す斜視図である。
【図7】本考案の第2実施例に係るマスタシリンダ用リ
ザーバで採用されているシール部材の組付前の状態を示
す断面図である。
ザーバで採用されているシール部材の組付前の状態を示
す断面図である。
【図8】上記シール部材の組付後の状態を示す断面図で
ある。
ある。
【図9】上記シール部材を示す平面図である。
【図10】本考案の第3実施例に係るマスタシリンダ用
リザーバで採用されているシール部材の組付前の状態を
示す断面図である。
リザーバで採用されているシール部材の組付前の状態を
示す断面図である。
【図11】上記シール部材の組付後の状態を示す断面図
である。
である。
【図12】上記シール部材を示す平面図である。
【図13】上記シール部材を組付けたときのスリットを
拡大して示す断面図である。
拡大して示す断面図である。
【図14】(a),(b)はそれぞれ従来のダイヤフラ
ムにおけるスリットの開成状態を示す部分断面図であ
る。
ムにおけるスリットの開成状態を示す部分断面図であ
る。
1 マスタシリンダ 4 シリンダ本体 5 リザーバ 7 リザーバタンク 8 タンク本体 9 キャップ 9a ボディキャップ 9b 溝 10 シール部材 10a 取付部 10b 底部 10c リブ 10d 不連続部 10e 通気溝 11 リザーバ室 12 大気室 13 ガイド 14 フロート 15 間隙 16 スリット16a,16b 両側部分 17 突起
Claims (1)
- 【請求項1】 一端開口のタンク本体と、該タンク本体
の開口を閉塞するキャップとによってリザーバタンクを
構成し、このリザーバタンク内を弾力性を有するシール
部材にてリザーバ室と大気室とに画成するとともに、前
記シール部材の中央にスリットを設け、前記リザーバ室
の圧力の増減に伴い、前記シール部材が上下動してスリ
ットを開成することにより前記リザーバ室を大気圧に維
持するようにしたマスタシリンダ用リザーバにおいて、
前記シール部材の表面には前記スリットに沿い該シール
部材の表面に対し垂直な仮想平面に関し非対称配置にて
突起部を設け、前記シール部材の組付状態で、前記突起
部を前記キャップの下面に当接させることにより、前記
スリットを境界にした前記シール部材の両側部分を前記
仮想平面に関し互いに非面対称に変形させて、前記スリ
ットが開く直前位置に該シール部材を固定したことを特
徴とするマスタシリンダ用リザーバ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992060630U JP2572378Y2 (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | マスタシリンダ用リザーバ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992060630U JP2572378Y2 (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | マスタシリンダ用リザーバ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0622138U JPH0622138U (ja) | 1994-03-22 |
JP2572378Y2 true JP2572378Y2 (ja) | 1998-05-20 |
Family
ID=13147824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992060630U Expired - Fee Related JP2572378Y2 (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | マスタシリンダ用リザーバ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2572378Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2832603B1 (en) * | 2012-03-30 | 2017-04-19 | Autoliv Nissin Brake Systems Japan Co., Ltd. | Body reservoir assembly |
JP6228778B2 (ja) * | 2013-07-31 | 2017-11-08 | オートリブ日信ブレーキシステムジャパン株式会社 | 車両用液圧マスタシリンダ |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4926047U (ja) * | 1972-06-08 | 1974-03-06 | ||
JPH0211058U (ja) * | 1988-07-07 | 1990-01-24 |
-
1992
- 1992-08-28 JP JP1992060630U patent/JP2572378Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0622138U (ja) | 1994-03-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |