JP2571135Y2 - スピーカ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、スピーカのボイスコイルに用いられるボ
ビンのボイスコイルの上部の余白を短くするか、あるい
はなくするようにして、スピーカの性能を向上するよう
にしたスピーカに関する。 〔従来の技術〕 第３図は従来のこの種のスピーカの構造を示す断面図
である。この第３図において、ポールヨーク８上にマグ
ネット７を配置し、このマグネット７上にトッププレー
ト6aが取り付けられている。 このトッププレート6aの内周面とポールヨーク８と一
体となったポール8aの外周面との間に、ボビン３に巻装
されたボイスコイル4aが挿入されている。 また、トッププレート6a上にパッキン５が配設されて
おり、このパッキン５よりエッジ２を介して振動板1aが
取り付けられている。 この振動板1a,エッジ2,ボビン３、ボイスコイル4a,パ
ッキン５は振動系アッセンブリとして、別治工具で組み
立てられ、パッキン５とトッププレート6aで段差などの
手段で位置決めされ、ボイスコイル4aがトッププレート
6aとポールヨーク８でなされる磁気ギャップ内の適当な
位置に収められる。 次に、動作について説明する。 ボイスコイル4aに生じる駆動力がボビン３を介して振
動板1aに伝達される。これにより、振動板1aから音波が
発生する。 〔考案が解決しようとする問題点〕 しかし、ボビン３がコンプライアンスをもつため、高
域が伝わり難いとともに、ボビン３と振動板1aが共振を
生じるなどの欠点がある。 この欠点をなくするためには、ボイスコイル4aの上部
のボビン３を短くする必要があるが、パッキン５がある
ため、それは非常に困難である。 したがって、このパッキン５をなくして、トッププレ
ート6aに直接エッジを貼る方法も考えられるが、これは
製作上難しく、実用的でない。 さらに、ボイスコイル4aを長くする方法もあるが、ボ
イスコイル4aを長くすると、ボイスコイル4aが磁気ギャ
ップを外れる部分が多くなり、磁束を有効に使えない。 この考案は、上記従来の欠点を除去するためになされ
たもので、製作が容易で、ボイスコイルの上部のボビン
を短くするか、あるいはなくすることができ、高性能の
スピーカを提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 この考案のスピーカは、強磁性体で形成されトッププ
レートの一部を兼ねるパッキンを設けたものである。 〔作用〕 この考案のスピーカは、パッキンがボイスコイルに対
向し、ボイスコイルが磁気ギャップから外れることがな
くなるとともに、パッキンのボイスコイルとの対向面が
トッププレートの対向面の一部となって、ボビンのボイ
スコイルの上部の余白の短縮を可能とする。 〔実施例〕 以下、この考案のスピーカの実施例について図面に基
づき説明する。 第１図はその一実施例の構成を示す断面図である。こ
の第１図において、第３図と同一部分には同一符号を付
して述べる。 この第１図において、振動板1bはボイスコイル4bに直
接接着されるように、外周部につば部が設けられてい
る。この振動板1bとボイスコイル4bとを直接接着するに
際し、ボイスコイル4bの上部に極短いボビンを有する場
合には、適宜振動板1bの外周形状は変えても差し支えな
い。エッジ２は振動板1bとパッキン９間に接続されてい
る。 一方、ポール8aと一体となったポールヨーク８上には
マグネット７が第３図と同様に取り付けられており、こ
のマグネット７上にトッププレート6bが取り付けられて
いるが、トッププレート6bの上面とパッキン９の上面と
が面一となるように、トッププレート6bの上面に、パッ
キン９の厚さ分だけの段差が形成されている。 さらに、このトッププレート6bの内周面とパッキン９
のポール8aと対向する内周面とが同一内周面となるよう
に、内径寸法が同一になっている。パッキン９は強磁性
体で形成され、しかも、パッキン９の内周面がボイスコ
イル4bに対向している。 このような構成をなすこの考案のスピーカを製作する
場合には、別治具を用いて、振動板1b,エッジ2,ボイス
コイル4b,パッキン９を従来例の場合と同様の方法で、
振動系アッセンブリとして組み立てる。 その後に、マグネット７に着磁を行う前に、パッキン
９とトッププレート6bを従来例と同様の手段で位置決め
して組み立てる。ボイスコイル4bはトッププレート6bと
ポールヨーク８のポール8aで形成される磁気ギャップ内
の適当な位置に収められる。 このように、従来例と同様の方法でこの考案のスピー
カを製作することができる。 なお、上記実施例において、トッププレート6bの外周
部をマグネット７の外周とし、その部分を用いてスピー
カシステムに取り付けた場合、通常振動板前面にフラン
ジなどでなされるテーパ状のくぼみの全くないスピーカ
を製作することができる。 このくぼみは空間共振を生じ、性能上の悪化を生じる
ので、この考案のスピーカはその点でも高性能のスピー
カを提供できるものである。 また、この場合、第２図のようなトッププレート6bを
構成することができる。この場合、アルミニウム，樹脂
などで形成されたフレーム10をトッププレート6bの上面
の段差部に取り付けるとともに、このフレーム10をキャ
ビネット11に固定する。 〔考案の効果〕 以上のようにこの考案のスピーカによれば、振動系を
支えるエッジを振動板とボイスコイルを巻回したボビン
との間に設け、エッジが強磁性体で形成されたパッキン
に直接あるいは紙やフィルムなどを介して接着され、パ
ッキンをトッププレート上に取り付け、このパッキンの
内周面と前記トッププレートの内周面を同一にしてボイ
スコイルに対向させたので、ボイスコイルの上部のボビ
ンをなくするか、極めて短くすることができる。 したがって、従来ボイスコイルの上部より生じていた
高域の伝送特性の悪化、ボビンと振動板などとの共振を
なくすることができ、高性能のスピーカを得ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの考案のスピーカの一実施例の構成を示す断
面図、第２図はこの考案のスピーカの他の実施例のトッ
ププレートの部分の断面図、第３図は従来のスピーカの
断面図である。 1b……振動板 ２……エッジ 4b……ボイスコイル 6b……トッププレート ７……マグネット ８……ポールヨーク 8a……ポール ９……パッキン

Claims (1)

1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 １．振動系を支えるエッジを振動板とボイスコイルを巻
   回したボビンとの間に設け、該エッジが強磁性体で形成
   されたパッキンに直接あるいは紙やフィルムなどを介し
   て接着され、前記パッキンをトッププレート上に取り付
   け、このパッキンの内周面と前記トッププレートの内周
   面を同一にして前記ボイスコイルに対向させてなること
   を特徴とするスピーカ。