JPS5936478B2 - 電磁型音響変換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は永久磁石の磁束により振動板を偏倚しておき、
コイルに交番電流を流し、その交番磁束により振動板を
振動させるようにしたブザー等の電磁型音響変換装置の
改良に関するもので、その目的とするところは磁気効率
を極めてよくし、例えば、ウォッチの中に収納できうる
ような超小型でしかも所定の音量を得ることができる電
磁型音響変換装置を提供するものである。

従来第１図に示すように円筒状有底ヨーク１の中心に棒
磁石２を突設し、その外周にコイル３を嵌挿し、ヨーク
１上面には振動板４の外周部を固定し、振動板４中心に
固定した鉄片５を棒磁石１の上面に対向するようにした
ブザーは公知であるが、コイル３による磁束は棒磁石２
の中を通ることになり、一般に磁石の透磁率はヨークの
透磁率に比較して極めて悪いのでコイル励磁による磁気
効率は極端に悪くなり小型ブザーには不適当であつた。

そのため第２図に示す如く円筒状有底ヨーク６の中心に
ヨークＴを突設し、その外周にコイル８を嵌挿し、更に
コイル８と円筒状有底ヨーク６の円筒部６ａとの間に磁
石９を環状に配設固定し、円筒状有底ヨーク６上面に振
動板１０の外周部を固定し、振動板１０中心に固定した
鉄片１１を中心のヨークＴ上端に対向するようにしたブ
ザーが考えられたが、磁石９から出る磁束の一部は円筒
状有底ヨーク６の円筒部６ａを通る閉磁路を形成し、こ
の磁束は鉄片１１に作用しないのでその分だけ磁気効率
が悪く、又磁石９がコイル８の外方に環状に配設されて
いるので磁石が大きくなり超小型ブザーの場合には起磁
力の大きいサマリユウムコバルト等の希土類磁石を使用
するため高価になるという欠点があつた。本発明はコイ
ルの中心に棒状磁石を配設し、更にコイルの内方、外方
の内部ヨーク、外部ヨークを配設することにより、磁石
になる磁束及びコイル励磁による磁束がそれぞれ、閉磁
路構成することにより、上記欠点を改良したものである
。

次に添附図面に示した本発明の各実施例について詳細に
説明する。第３図、第４図は第１の実施例で棒状磁石２
０を中心に筒形の内部ヨーク２１、外部ヨーク２２を底
部ヨーク２３で一体になし、内部ヨーク２１と外部ヨー
ク２２の間にコイル２４を嵌挿固定し、前記棒状磁石２
０は内部ヨーク２１とは空隙１９を有し配設され、更に
外部ヨーク２２上端に振動板２５の外周部を固定し、そ
の中心に固定した鉄片２６を棒状磁石２０上端および内
部ヨーク２１上端と所定のギャップで対向配設させてあ
る。鉄片２６の外径は内部ヨーク２１の外径と略等しい
か大きくしてある。次に作用について説明する。

棒状磁石２０上端よりの磁束の１つは鉄片２６を通り、
内部ヨーク２１、底部ヨーク２３を通る閉磁路となり、
他方は鉄片２６を通り、振動板２５、外部ヨーク２２、
底部ヨーク２３を通る閉磁路構成となり、それらは共に
鉄片２６と作用するため、振動板２５を永久磁石によつ
て効率よく偏倚する。そしてコイル２４が交番電流で励
磁されると、その磁束は内部ヨーク２１、鉄片２６、振
動板２５、外部ヨーク２２、底部ヨーク２３を通つて閉
磁路を構成し、鉄片２６が内部ヨーク２１と断続吸引さ
れて発音する。この場合鉄片２６の外周部は内部ヨーク
２１の直上に位置しているので洩漏磁束が極めて少く、
磁気効率を高くすることができる。第５図、第６図は第
２の実施例で第１の実施例の棒状磁石２０外周に非磁性
材ブツシユ２Ｔを嵌合固定し、この非磁性材ブツシユ２
Ｔを内部ヨーク２１内に嵌合固定することにより組立性
をよくするとともに内部ヨーク２１に対する棒状磁石２
０の位置決めを行わせしめている。

第Ｔ図、第８図は第３の実施例で、第２の実施例に於て
振動板２６とコイル２４上面との間にコイル用閉磁路板
２８を前記振動板２６と所定空隙を保ち、配設し、その
外周を外部ヨーク２２に固定し、鉄片２６より大径の中
心孔２８ａを形成するようにしたもので、コイルの励磁
による磁束は内部ヨーク２１，鉄片２６、コイル用閉磁
路板２８、外部ヨーク２２、底部ヨーク２３を通つて閉
磁路が構成され、磁気効率をより高めることができる。

特に、該実施例の如く閉磁路板２８を使用すれば振動板
２５は非磁性体にて形成しても閉磁路を形成することが
できるため何ら特性を損うことなく、振動板として非磁
性材を使用することもできる。第９図、第１０図は第４
の実施例で第２の実施例のブツシユ２Ｔ外周面と、内部
ヨーク２１内周面に螺子２Ｔａ，２１ａを形成し、両者
を螺合して棒状磁石２０上端と鉄片２６とのギヤツプ調
整を行うことができるようになつている。

第１１図、第１２図は第５の実施例で、第１の実施例の
内部ヨーク２１内周面に螺子２１ａを形成し、中心に棒
状磁石２０を突設した有底円筒状の可動ヨーク２９外周
面に螺子２９ａを形成して両者を螺合して、可動ヨーク
２９と棒状磁石２０上端と鉄片２６とのギヤツプを同時
に調整できるようにしてある。

第１３図、第１４図は第６の実施例で、第１の実施例の
コイル２４外周面と外部ヨーク２２内周面との間に間隙
部３０を形成し、その中に発振回路部材３１を取り付け
自励式となしたものである。

第９図、第１１図においては、非磁性体もしくは磁性体
に形成されたブツシユ外周部と内部ヨークとを螺合し、
該ネジによる調整にて、棒状磁石を上下動し、振動板に
対するギヤツプ調整できるよう構成したものであるが、
第１５図、第１６図に示す本発明の第７の実施例の如く
内部ヨーク２１外面と外部ヨーク２２と前記内部ヨーク
２１とを継ぐ底部ヨーク２３とを螺合し、該部のネジ調
整により、内部ヨーク２１及び棒状磁石２０を共に上下
動可能に構成し、振動板２５に対するギヤツプ調整を行
つてもよく、又、棒状磁石２０及び内部ヨーク２１を独
立して、上下動できるよう構成し、振動板２５に対する
ギヤツプ調整をおのおの行いうるよう構成してもよく、
任意である。又、第１１図においては有底筒状の磁性体
ブツシユ中に所定ギヤツプを有し、棒状磁石を吸着固定
させた例であるが、該実施例における棒状磁石２０の内
部ヨーク２９に対する位置決めも第５図及び第Ｔ図に示
す如く非磁性体によるブツシユを介し行うと製作し易い
。又、振動板を磁性体で構成した場合は磁気回路上、鉄
片は必ずしも必要ではなく任意であり、更に、内部ヨー
ク、外部ヨークの円筒状ではなくとも、プレス曲げ加工
にてベースより切起し、所定高さ、形状となるよう植立
させ形成してもよく、前記各実施例これらの種々の変形
及び組合せは何等本発明の要旨を変更するものではない
。以上、本発明によれば棒状磁石よりの磁束の１つは鉄
片を通り内部ヨーク、底部ヨークを通る閉磁路となり、
他方は鉄片、振動板、外部ヨーク、底部ヨークを通る閉
磁路となり、それら磁束は共に鉄片と作用するため、振
動板を磁石によつて効率よく偏倚でき、更にはコイル励
磁により発生する磁束が内部ヨーク、鉄片、振動板、外
部ヨーク、底部ヨークを通つて閉磁路を構成することに
より、磁気効率を高めることができ、磁石は棒状磁石を
１個中心に配設するだけでよいので磁石として希土類磁
石を使用しても、従来のものに比較して安価に構成製作
でき、更には、全体を外径８ｍｍ、厚さ２．５ｎ程度の
超小型としても、実用上何らさしつかえない音量を得る
ことができ、ウオツチの報知用ブザーとして適用しても
実用効果大である。

本実施例は発音装置として説明したがマイクロフオン等
にも使用することは勿論可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来装置の各比較例正断面図、第３図
、第４図は第１の実施例の正断面図、平面図、第５図、
第６図は第２の実施例の正断面図、平面図、第７図、第
８図は第３の実施例の正断面図、平面図、第９？、第１
０図は第４の実施例の正断面図、平面図、第１１図、第
１２図は第５の実施例の正断面図、平面図、第１３図、
第１４図は第６の実施例の正断面図、平面図、第１５図
、第１６図は第７の実施例の正断面図、平面図である。 ２０・・・・・・棒状磁石、２１・・・・・・内部ヨー
ク、２２・・・・・・外部ヨーク、２３・・・・・・底
部ヨーク、２４・・・・・・コイル、２５・・・・・・
振動板、２６・・・・・・鉄片、２７・・・・・・非磁
性材ブツシユ、２８・・・・・・閉磁路板、２８ａ・・
・・・・中心孔、２９・・・・・・可動ヨーク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 棒状磁石と同心にコイルを配設し、そのコイル内方
   及び外方に内部ヨーク及び外部ヨークを配設し、外部ヨ
   ーク下端及び内部ヨーク下端を底部ヨークで連結し、振
   動板を棒磁石上端及び内部ヨーク上端と所定のギャップ
   を有し対向配設してなる電磁型音響変換装置。