JPS59199B2 - ブザ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、交番磁界と直流磁界の相互作用により振動板
を振動させて振動音を発生するようにしたブザに関する
。

従来のこの種のブザとしては、第１図に示すものが知ら
れている。

すなわち従来のブザ＆Ａ鉄心１にコイル２を巻装して構
成した交流電磁石３を、円板状のヨーク４上に立設する
と共に、前記ヨーク４の外周縁に円筒状の永久磁石５を
磁気的に吸着せしめて立設し、さらにこの永久磁石５の
上端部に、リング状のスペーサ６を介して磁性金属振動
板７を装架吸着せしめる構造であつｚこの種のブザは、
永久磁石５によつて磁性金属振動板Ｔに直流磁気バイア
スをかけてあるから、電磁石３のコイル２に小電流を流
すだけで磁性金属振動板Ｔを振動させ得ること、コイル
２に流す励磁電流周波数を変えることにより振動板Ｔの
振動周波数を容易に希望値に調整することができること
、振動板Ｔが他の部材に衝突して振動音を発生するので
はなく、振動板７自体の振動にのみ依存して振動音を発
生する構成であるから、歪のない耳ざわりの良い振動音
が得られること等の長所がある。

しかし、このブザの必須の構成部分たる円筒状永久磁石
５、ヨーク３等は、全て重量のある磁性金属材料で製作
しなければならず、必然的にブザ全体の重量、形状、厚
みが大きくなつてしまう欠点がある。

特にこの種のブザは、ポケットベルや時計等の小型の機
器に組込んで使用するものであるから、可及的に軽量、
小型、薄形化しなければならないものであつて、従来の
ブザでは、この要請に十分には応えることができない。
また前述の構造であること、各構成部品は、それぞれ個
別的に機械加工して製作しなければならず、部品点数、
工数が増大し、コストが高くなる欠点もある。

さらに、振動板７自体の振動音だけでは音量が不充分な
ため、第１図に示すように、音響筐体８を別個に設ける
必要があり、全体の構造が大型になる欠点もある。

本発明は、この種のブザの前述する利点を確保しつつ、
著るしく軽量、薄形化し得、しかも製作の容易な、安価
なブザを提供することを目的とする。

本発明の別の目的は、音響筐体等の共鳴手段を設けるこ
となく、充分大きな振動音を発生し得る小形かつ薄形の
ブザを提供することである。上記の目的を達成するため
、本発明に係るブザは）周縁部を固定して互に対向させ
た２枚の弾性振動対の対向面上に、交流電磁石と永久磁
石とを取着し、前記交流電磁石と前記氷久磁石との相互
作用により前記２枚の弾性振動板を振動させることを特
徴とする。以下実施例たる添付図面を参照し本発明の内
容を説明する。

第２図は本発明に係るブザの正面断面図、第３図は同じ
くその底面図を示している。図において、９および１０
は弾性振動板であり、弾性に富む金属薄板を丸皿状に湾
曲成型すると共に、その周縁部に環状の鍔部１１，１２
を延設して 成してある。これらの弾性振動板９，１０
は、それぞれの凹部１３，１４を互に対向させながら前
記鍔部１１，１２を重ね合わせ、鍔部１１を鍔部１２に
対してカシメなどの方法により冠着させることにより、
周縁を一体的に固着してある。１５は鍔部１１の一部を
延長して形成した組立ピンであり、弾性振動板９のまわ
りに３等配してある（第３図）。

なお弾性振動板９，１０は磁性材料で構成することも、
非磁性材料で構成することも可能である。１６は円筒状
の磁心であり、弾性振動板１０の内面１０ａの軸心上に
、瞬間接着剤等を使用して取着してある。

１７は磁心１６に巻回されたコイルである。

該コイル１７に電流を流して励磁すると、コイル電流の
極性に従つて、前記磁心１６の軸方向の両端部にＮ極、
Ｓ極が形成され、電磁石となる。なおコイル１７のリー
ド線は振動の少ない振動板９，１０の周縁部を通して外
部へ導出してある。前記磁心１６およびコイル１７の先
端部と、前記弾性振動板９の内面９ａとの間には、空隙
Ｇ次設けてあり、弾性振動板９，１０が振動した場合、
磁心１６およびコイル１７と弾性振動板９の内面９ａと
が接触しないようにしてある。

１８は円柱状の永久磁石であり、一端を前記磁心１６の
内孔１６ａ内に往復動自在に嵌挿し、他端を、弾性振動
板９の内面９ａ上に、瞬間接着剤等を使用して取着して
ある。

永久磁石１８の先端部と弾性振動板１０の内面１０ａと
の間には、永久磁石１８が内孔１６ａ内で往復動しても
、その先端部が前記内面１０ａに接触することのない空
隙Ｇ２を設けてある。なお永久磁石１８はその軸心方向
両端部に磁極ＮおよびＳがくるように着磁してあり、そ
の磁力は前記電磁石１６，１７の生じる磁力より小さく
なるようにしてある。次に動作について詳説する。

第４図および第５図は、動作説明図を示している。電磁
石を構成するコイル１７に、第４図に示すような交流の
励磁電流１。

を流した直後の点Ａ１において、第５図に示すように、
磁心１６の先端部にＳ極、基底部にＮ極を生じたとする
と、磁心１６のＳ極、Ｎ極と永久磁石１８のＳ極、Ｎ極
との間に磁気反発力を生じる。この磁気反発力は、磁心
１６と永久磁石１８とを互に遠ざけるように作用するか
ら、弾性振動板９，１０が、その弾発力に抗して、強制
的に外側に膨出される。

この膨出動作は励磁電流の極性が反転する寸前の点Ａ２
まで継続し、点Ａ２において最大膨出量となる。点Ａ２
から点Ｂ１に移り励磁電流１。の極性が反転すると、磁
心１６に生じる磁極の極性が反転し、磁心１６のＮ極、
Ｓ極と、永久磁石１８のＳ極、Ｎ極との間に磁気的吸引
力が発生し、磁心１６のＮ極と永久磁石１８のＮ極との
間に永久磁石１８を磁心１６内に押し下げる磁気的反発
力が発生する。このため、弾性振動板９，１０自体の復
元力も加わつて、振動板９，１０が互に接近する方向に
振動し、励磁電流１。の極性が反転する寸前の点Ｂ２に
おいて元の位置に復帰する。励磁電流１。が点Ｂ，から
点Ａ，に移ると、再度同じ履歴が繰返される。このよう
にして弾性振動板９，１０が励磁電流１。の周波数に従
つて振動を繰返し、振動音を発生するものである。なお
半波整流された励磁電流１。をコイル１７に流して弾性
振動板９，１０を膨出させ、次の半波休止期間内に、弾
性振動板９，１０の復元力により元の位置に復帰させる
ことにより、同様の振動音を得ることも可能である。第
６図は本発明に係るブザの他の実施例を示している。

この実施例の特徴は、永久磁石１８′を円筒状に形成し
、コイル１７／および磁心１６′を前記永久磁石１８′
の内孔１８″ａ内に往復動自在に嵌挿させたことである
。その作用は、第２図および第３図に示した実施例と殆
ど同じである。第７図および第８図は、それぞれ、本発
明に係るブザの更に別の実施例を示している。これらの
実施例の特徴は、弾性振動板９′， １０′を磁性金属
材料で構成すると共に、該弾性振動板９′，１０′のい
ずれか一方に電磁石１６７′，１７７と永久磁石１８７
とを取着したことである。１９は磁性材料より成る重錘
であり弾性振動板９′の軸心上に取着してある。

これらの実施例においては、弾性振動板９′，１０′が
、永久磁石１８〃に対するヨークとして作用し、重錘１
９には永久磁石１８〃による磁極が形成される。この重
錘１９の磁極と電磁石の交番磁界との相互作用により弾
性振動板９′，１『が振動して振動音を発生する。以上
詳述する如く、本発明に係るブザは、周縁部を固定して
互に対向させた２枚の弾性振動板の対向面上に、電磁石
および永久磁石を取着し、前記電磁石と前記永久磁石と
の磁気的相互作用により前記２枚の弾性振動板を振動さ
せることを特徴とするから次のような効果がある。（１
）従来のブザのように厚みのあの円筒状磁石や、ヨーク
等を必要としないから、薄形のブザを得ることができる
。

（支） ２枚の弾性振動板を同時に振動させて振動音を
発生するものであるから、小型軽量でしかも薄形であり
ながら、大きな振動音を発するブザを得ることができる
。

（３）振動音が大きく共鳴用の音響筐体を省略すること
も可能であるから、より一層小型軽量化し、薄形化を達
成することができる。

（４）弾性振動板の対向面上に電磁石および永久磁石を
取着したから、部品点数を増加させることなく、弾性振
動板の中心付近の慣性を大きくして該弾性振動板全体を
平均的に振動させ、音圧レベルを大きくすると同時に良
質の振動音を発することができる。

（６）電磁石を構成するコイルの励磁電流周波数を変え
るだけで弾性振動板の振動周波数を変えることができる
から、振動音周波数すなわち音色調整がきわめて容易で
ある。

（６）薄形のブザとしては圧電ブザが知られているが、
圧電ブザは、圧電磁器振動子の振動に振動板を共振させ
て振動音を発する構成であるから、振動板が小径になる
程共振周波数が高くなり、金属性のキンキン音になつて
耳障りとなる欠点がある。

これに対し本発明に係るブザは、電磁石の励磁電流周波
数を低くすることで、弾性振動板の振動周波数を低下さ
せることができるから、弾性振動板の外径を小さく抑え
ながら、振動音周波数を低下させ、耳ざわりの良い振動
音を発する利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のブザの断面図、第２図は本発明に係るブ
ザの正面断面図、第３図は同じくその底面図、第４図は
コイルの励磁電流の波形図、第５図は動作説明図、第６
図乃至第８図は本発明に係る他の実施例における断面図
をそれぞれ示している９，１０・・・・・・弾性振動板
、１６・・・・・・磁′へ １７・・・・・・コイル、
１８・・・・・・永久磁石。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 周縁部を固定して互に対向させた２枚の弾性振動板
   の対向面上に、電磁石および永久磁石を取着し、前記電
   磁石と前記永久磁石との磁気的相互作用により前記２枚
   の弾性振動板を振動させることを特徴とするブザ。 ２ 前記２枚の弾性振動板は丸皿状に形成され、その周
   縁を互に固着して成ることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項に記載のブザ。 ３ 前記電磁石と前記永久磁石は、前記２枚の弾性振動
   板の前記対向面上に、各別に取着されることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項または第２項に記載のブザ。 ４ 前記電磁石は、円筒状磁心にコイルを巻回して成り
   、前記永久磁石は、前記円筒状磁心の内孔内に往復動自
   在に嵌挿されることを特徴とする特許請求の範囲第３項
   に記載のブザ。 ５ 前記永久磁石は円筒状に形成され、前記電磁石は前
   記永久磁石の内孔内に復往動自在に嵌挿されることを特
   徴とする特許請求の範囲第３項に記載のブザ。 ６ 前記２枚の弾性振動板は磁性材料より成り、前記電
   磁石と前記永久磁石とは前記２枚の弾性振動板のいずれ
   か一方の対向面上に取着されることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項または第２項に記載のブザ。