JPS6025107Y2 - 電磁形音響変換器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電磁石と該電磁石を包囲する如く設けられた
永久磁石とにより前記電磁石と空隙を介して対向させた
振動板を振動させるようにした電磁形音響変換器に関す
る。

第１図は、−この種の電磁形音響変換器の従来例を示し
、非磁性金属材料より戒る円筒状のケース１の底部に、
杓周面を繰広げた環状の段差部１ａを形成しＪ数段差部
１ａ内にプリント基板２およびコイル３付の鉄心４を有
する座金５を重ね合わせた？聾、で口金接着すると共に
、座金５上にコイル１．ｓよび鉄心４から成る電磁石を
包囲する如く、円筒状の永久磁石６を配置し、さらに収
納ケース１の上部開口端に、鉄心４の先端面４ａおよび
本久磁右、６９上端面６ａに対してそれぞれ空隙Ｇ□、
Ｇ２を介して対向すべく、磁性金属振動板７を装架する
横通となっている。

、上記構造の電磁形童響変換器における振動板７あ振動
運動は、振動板７のバネ性およびコイル３に適当な周波
数の交流電流を供給したとき永久磁石９４“め直流バイ
□アス磁界の影響を受けながら、振動板７゛ト鉄心４め
先端面４ａとの間に交互的に発生す名磁気的峨引、反発
力に依存して生起するものである。

したがって振動板７を所定の音圧、音質が得られるよう
に振動させるためには、空隙Ｇ□の距離を所定値に管理
することが、最も重要な事項となる。

ところが第１図のような構造であると、収納ケース１、
鉄心４および座金５の加工誤差、さらに段差部ｉａ＆座
金５との間の接着剤介在による組立誤差の影響を受けて
、鉄心４の先端面４ａの位置が浮動し、空隙Ｃ１が変動
してしまうという欠点を生じる。

空隙Ｇ□の距離は、実用上せいぜい１００μ程度の微小
値であり、各部の加工誤差や段差部１ａと座金５との間
に介在する接着剤層の厚さが極く小さいものであっても
、空隙Ｇ□の変動率が非常に大きくなり、音圧レベルが
大幅に変動してしまう。

第２図は、上述のような各部の加工、組立誤差による空
隙の変動の問題を解決するために提案された電磁層音響
変換器の断面図で、合成樹脂より成る筒状の収納ケース
１′に、鉄心４を備える底板５′をインサート底形した
構造としである。

インサート底形にあたっては、収納ケース１′の振動板
支持面１’ｂに対する鉄心４の先端面４ａの位置を、成
形相の型によって規制する。

こうすることによって、空隙Ｇ１を成形誤差によって定
まる一定の高精度の寸法に設定することができるから、
空隙Ｇ１の変動幅の非常に小さい一定品質の電磁層音響
変換器を提供することができる。

しかし第２図に示す電磁層音響変換器は、電磁石を構成
するコイル３のコイル、端末処理が面倒で、量産性に欠
ける欠点があった。

すなわち、鉄心４を底板５′と共に収納ケース１に一イ
ンサート底形する構成であるため、コイル３を鉄心４に
装着した後、そのコイル端末３ａ、３ｂを底板５′に穿
設した通孔５’ａ＊ ５’ｂに挿通させて外部に導出
しなければならず、コイル端末３ａ、３ｂの穴くぐり作
業が面倒でこの作業に長時間を要し、量産性に欠ける欠
点があった。

しかもこの種の軍磁形音響変換器は腕時計用のブザとし
ての重要な用途があり、全体の形状やコイルの線径が非
常に小さいものとなるから、前述の穴くぐり作業は非常
な困難を伴っていた。

本考案は上述する諸問題を解決し、空隙距離を高精度か
つ一定の値に設定し得、しかも電磁石コイルの端末処理
が容易で量産性に富む電磁層音響変換器を提供すること
を目的とする。

上記目的を達成するため、本考案は、電磁石と該電磁石
を包囲する如く設けられた永久磁石との磁気的相互作用
により前記電磁石と空隙を介して対向すべく配置された
振動板を振動させるようにした電磁層音響変換器におい
て、２前記振動板を支持する筒体に、前記電磁石の鉄心
を備える底板を一体にインサート成形し、かつ前記筒体
の側筒部に軸心方向の両端縁に達する切欠部を有して成
ることを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内容を具体
的に詳説する。

第３図は本考案に係る電磁層音響変換器の分解斜視図、
第４図は同じくその組立断面図を示す。

図において、第１図、第２図と同一の符号は、同一機能
を有する構成部分を示している。

この実施例においては、収納ケースとなる合成樹脂筒体
１′に、電磁石を構成する鉄心４を有する底板５′を一
体にインサート底形すると共に、筒体１′の側筒部１’
ｃに軸方向の両端縁に達するスリット状の切欠部Ｓを設
けである。

鉄心４と底板５′は同一の磁性金属板材を用いて一体成
形してあり、これを筒体１′にインサート成形するにあ
たっては、既に第２図において説明した如く、筒体１′
の振動板支持面１’ｂに対する鉄心４の先端面４ａの位
置を、成形相の型によって規制する。

また切欠部Ｓは、前述のインサート成形時に同時に形成
することが望ましいが、インサート成形後に筒体１′の
側筒部１’ｃを一定幅で切除することにより形成するこ
ともできる。

さらに実施例に示すように、切欠部Ｓに対応する底板５
′の外周部にも切欠部Ｓ′を設けることも自由である。

本考案に係る電磁層音響変換器は上述のような構造であ
るから、振動板７と鉄心４の先端面４ａとの間の空隙Ｇ
□を、一定の高精度の寸法に設定し一定高品質の電磁層
音響変換器を提供することとなる。

しかも、筒体１′の側筒部１’ｃに切欠部Ｓを設けたこ
とで、鉄心４に巻装した後のコイル３のコイル端末３ａ
ｖ３ｂを、切欠部Ｓを通して底板５′の裏側に導くこと
ができ、従来のようなコイル端末３ａｔａｂの穴くぐり
作業が不要となるから、コイル端末３ａ、３ｂの処理を
短時間で簡単に行なうことができるようになる。

底板５′の裏側に導かれたコイル端末３ａ、３ｂは予め
底板５′の外面に貼り付けたプリント基板等に半田付は
固着される。

なお切欠部Ｓによる筒体１′と底板５′との間め接着力
低下が懸念される場合は、第５図に示すように、筒体１
′内に埋没する底板５′の外周面上に、突起５’ｃを設
けることが考慮される。

この突起５’ｃは、連続体として形成してもよいし、ま
たは外周部分に点在するようなものであってもよく、さ
らには、底板５′の上面もしくは下面のいずれか一方ま
た両面に突出すようなものであってもよい。

また切欠部Ｓからの音の漏れや水の侵入を防止するため
、第６図に示すように、全体をケース８で覆う構造も考
慮される。

この場合、ケース８の上面８ａを振動板として機能させ
、振動板７を省略することもできる。

さらに上述の実施例では、筒体１′は収納ケースの役目
をしているが、筒体１′をプラスチックマグネットによ
って構成することにより、部品点数減少によるコストダ
ウン、小形化を図ることもできる。

以上詳説したように本考案は、電磁石と該電磁石を包囲
する如く設けられた永久磁石との磁気的相互作用により
前記電磁石と空隙を介して対向すべく配置された振動板
を振動させるようにした電磁層音響変換器において、前
記振動板を支持する筒体に、前記電磁石の鉄心を備える
底板を一体にインサート成形し、かつ前記筒体の側筒部
に軸心方向の両端縁に達する切欠部を有して成ることを
特徴とするから、空隙距離を高精度かつ一定の値に設定
し得、しかも電磁石コイルの端末処理が容易で量産性に
富む電磁層音響変換器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁層音響変換器の断面図、第２図は別
の電磁層音響変換器の断面図、第３図は本考案に係る電
磁層音響変換器の分解斜視図、第４図は同じくその組立
断面図、第５図は底板の別の実施例を示す斜視図、第６
図は本考案に係る電磁層音響変換器の別の実施例におけ
る断面図である。 １・・・・・・ケース、１′・・・・・・筒体、３・・
・・・・コイル、４・・・・・・鉄心、５，５′・・・
・・・座金または底板、６・・・・・・永久磁石、７・
・・・・・振動板、Ｇ□・・・・・・空隙、Ｓ・・・・
・・切欠部。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）電磁石と該電磁石を包囲する如く設けられた永久
   磁石との磁気的相互作用により前記電磁石と空隙を介し
   て対向すべく配置きれた振動板を振動させる電磁形音響
   変換器において、前□記振動板を支持する筒体に、前記
   電磁石の鉄心を備える底板を一体にインサート成形し、
   かつ前記筒体の側筒部に軸方向の両端縁に達する切欠部
   を有して成ることを特徴とする電磁形音響変換器。
2. （２）前記底板は、前記切欠部に対応する外周部に切欠
   部を有して成ることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項に記載の電磁形音響変換器。
3. （３）前記底板は、前記筒体内に埋没する部分の面上に
   突起を有して成ることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項または第２項に記載の電磁形音響変換器。