JP2570675Y2 - 加工布挟持用クリップ - Google Patents

加工布挟持用クリップ

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JP2570675Y2
JP2570675Y2 JP8524292U JP8524292U JP2570675Y2 JP 2570675 Y2 JP2570675 Y2 JP 2570675Y2 JP 8524292 U JP8524292 U JP 8524292U JP 8524292 U JP8524292 U JP 8524292U JP 2570675 Y2 JP2570675 Y2 JP 2570675Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、長尺の加工布を刺繍枠
に挟持する為の加工布挟持用クリップに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ミシンアーム部を1頭だけ備えた
単頭式刺繍機や複数のミシンアーム部を備えた多頭式刺
繍機など、種々の刺繍機が実用に供されている。例え
ば、多頭式刺繍機は、複数のミシンアーム部の数に応じ
た枚数の加工布に同様の刺繍模様を同時に形成し得るよ
うに、加工布を保持する平枠を複数個分取付ける為の矩
形状の可動枠が、X軸方向及びY軸方向に駆動されるよ
う構成されたものが提案されている。
【0003】ところで、この種の多頭式刺繍機において
は、反物などの長尺の加工布に同様の刺繍模様を複数箇
所に刺繍縫製することも可能である。この場合には、前
記可動枠の内周部に矩形状の原反枠を取付け、この原反
枠に長尺の加工布を一面に載置し、加工布挟持用クリッ
プにより、加工布を挟持するよう構成されていた。この
従来の加工布挟持用クリップとしては、特公平1─54
462号公報に記載されたものがあり、このクリップ
は、図6に示すように、刺繍枠100のレール101と
の間で、加工布Wを挟持するもので、第1押圧片103
及び第2押圧片104と、その内端部を連結する中央グ
リップウエブ105とが一体形成され、このグリップウ
エブ105の内側に楕円形の開拡棒106が配置され、
この開拡棒106に手動レバー107が固定されてい
る。
【0004】そして、手動レバー107を回動して開拡
棒106の楕円形断面の長軸を水平方向にすることによ
り、第1押圧片103及び第2押圧片104を押し拡げ
て、両押圧片103,104とレール101との間で加
工布Wを挟持する。また、加工布Wを刺繍枠100から
取り出す場合は、手動レバー107を回動して開拡棒1
06の楕円形断面の長軸を鉛直方向にすることにより、
第1押圧片103及び第2押圧片104を基準姿勢に切
換えて、加工布挟持用クリップ112をレール101か
ら取り外す。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の加工布挟持用クリップにおいては、開拡棒106を
その断面形状が楕円形のものを用いなければならず、こ
の開拡棒106に連結する手動レバー107は、ねじ1
08により、開拡棒106に固定しなければならない。
しかも、第1押圧片103には、加工布Wを台板109
に押しつける為の押え部材110をビス111により取
り付けなければならず、部品点数が多くなり、かつその
分、組立作業も煩雑となるといった問題点があった。
【0006】本考案は、前記問題点を解決する為になさ
れたものであり、その目的は、部品点数を小にし得、組
立が容易に行える加工布挟持用クリップを提供すること
にある。更に、本考案は、加工布が刺繍中に刺繍枠の内
方向へ引張られた場合、更に押圧力を増すことが可能な
加工布挟持用クリップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係る加工布挟持用クリップは、刺繍枠の
内周部にその略全長に亙って設けられ上方が開放する支
持凹溝に係合させて、支持凹溝と協働して加工布を弾性
的に挟持するものであり、弾性を有し、支軸を中心とし
て互いに回動可能に連結された第1押圧片及び第2押圧
片と、その第1押圧片及び第2押圧片の各先端押圧部が
支軸よりも下側に位置し、支持凹溝へ上方から挿入可能
な略へ字形の基準姿勢と、第1押圧片及び第2押圧片の
各先端押圧部が支軸よりも上側に位置し、各先端押圧部
を外側へ方向づけて支持凹溝の内側壁に押圧可能な略逆
へ字形の開拡姿勢とに切換える切換えレバーとを備えた
ものである。
【0008】また、請求項2に係る加工布挟持用クリッ
プは、前記切換えレバーが第1押圧片と一体形成される
と共に、第2押圧片と一体形成され支持凹溝の第1押圧
片側の外側壁に押圧可能な弾性締付片を設けたものであ
る。
【0009】
【作用】前記構成を有する請求項1に係る加工布挟持用
クリップにおいては、長尺の加工布を原反枠に挟持させ
る場合、加工布を刺繍枠の上から支持凹溝に載置させ、
クリップの第1押圧片及び第2押圧片を、基準姿勢に切
換えた状態で、加工布の上側から支持凹溝に係合させ
る。そして、切換えレバーを支軸を中心として回動さ
せ、両押圧片を弾性変形させて、支軸が両押圧片の先端
押圧部の側壁に対する作用点よりも下側に位置する開拡
姿勢に切換え、両押圧片により、支持凹溝の側壁との間
で加工布を挟持する。一方、請求項2に係る第2押圧片
に一体形成された弾性締付片は、第2押圧片が外方向へ
拡がるに連れて、支軸周りに回動し、第2押圧片の開拡
姿勢では、支持凹溝の外側壁に押圧・係合するようにな
る。
【0010】尚、加工布は、刺繍がされるに連れて内側
に収縮し、これに伴なって、第1押圧片及び第2押圧片
が開拡姿勢から基準姿勢に戻ろうとするが、両押圧片
は、基準姿勢から最も押圧力の大となる支軸と先端押圧
部の作用点が一直線上になる線上を越えて開拡姿勢に切
換っている為、両押圧片は、支持凹溝から外れることは
なく、しかも最も押圧力を発揮する方向へ変形するだけ
だから、クリップの押圧力が増大する。
【0011】また、請求項2に係る加工布挟持用クリッ
プにおいては、切換えレバーを第1押圧片と一体形成
し、弾性締付片を第2押圧片と一体形成しているから、
これらと支軸のみから加工布挟持用クリップを構成する
ことができ、その部品点数が少なくなり、加工布挟持用
クリップの組立作業を容易に行える。
【0012】
【実施例】以下、本考案の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例は、多頭式刺繍機に設けられた刺繍
枠に長尺の加工布を挟持させる挟持用クリップに本考案
を適用した場合のもので、図1はその多頭式刺繍機の概
略斜視図である。本実施例の多頭式刺繍機Mは、図1に
示すように、左右方向に延びるベースフレーム1の上面
の後部側には、左右方向に所定長さを有する平面視略矩
形状のミシン支持板2が配設され、このミシン支持板2
上に3台の刺繍ミシンMHが所定間隔毎に左右方向に1
列状に配列されている。これら刺繍ミシンMHのアーム
部3の前端部には、左右方向に1列状に配列された12
本の針棒(図示略)を装着した針棒ケース7が夫々取付
けられ、図示外の針棒切換え機構により針棒ケース7が
左右方向に移動可能され、所望の色の刺繍糸で刺繍縫目
を形成する為の針棒が択一的に選択可能に構成されてい
る。
【0013】一方、図1に示すように、アーム部3に連
なる脚柱部4の下端部のベッド本体部5はミシン支持板
2上に取付けられ、このベッド本体部5の前端部からシ
リンダベッド6が前方に延び、このシリンダベッド6の
前端部には糸輪捕捉器(図示略)が設けられ、選択され
た針棒に取付けられた縫針8との協働により所望の色の
刺繍糸で加工布Wに刺繍縫目が形成されるようになって
いる。ここで、前記針棒や天秤9を上下動させる上軸
(図示略)及び糸輪捕捉器を回転させる下軸(図示略)
は、ミシンモータ(図示略)に連結されたVベルト10
により回転駆動される駆動軸11により駆動される。
【0014】また、図1に示すように、前記ミシン支持
板2の前側でシリンダベッド6の上面と略同一高さにな
るように、作業用テーブル13が配設され、この作業用
テーブル13を含み、この作業用テーブル13の左右両
側に設けられた1対の補助テーブル14・15に亙っ
て、左右方向に延びる平面視矩形状の可動枠16が載置
されている。そして、この可動枠16の右端部の駆動枠
部16aがX軸駆動機構(図示略)によりX軸方向(左
右方向)に移動駆動されるとともに、その左端部の駆動
枠部16bとこの駆動枠部16aとがY軸駆動機構(図
示略)により同時にY軸方向(前後方向)に移動駆動さ
れる。従って、可動枠16はこれらX軸駆動機構とY軸
駆動機構によりXY平面上を移動可能になっている。
【0015】次に、前記可動枠16に長尺の加工布Wを
挟持させる原反枠20について、図2〜図5に基いて説
明する。ここで、図2は加工布挟持用クリップと原反枠
の一部を示す斜視図、図3は加工布挟持用クリップを支
持凹溝に嵌合した基準姿勢を示す図1のA─A線縦断側
面図、図4は同じく加工布挟持用クリップを開拡姿勢に
切換え加工布を挟持した状態を示す縦断側面図である。
また、図5は同じく加工布挟持用クリップの開拡姿勢で
加工布が内側に引張られたときのクリップの状態を示す
縦断側面図である。
【0016】前記可動枠16の内周部には、図3に示す
ように、可動枠16より一段低い取付け部16aがその
内周部の全長に亙って可動枠16と一体的に形成され、
この矩形状の取付け部16aには、原反枠20がその外
周部で複数のビス21により取付けられ、この原反枠2
0と可動枠16とにより刺繍枠22が構成されている。
そして、原反枠20には、その略全長に亙って、図2〜
図5に示すように、上方を開放する凹状の支持凹溝23
が形成されている。この支持凹溝23は、図3に示すよ
うに、加工布Wの外周部を載置可能な平面状の底壁24
と、その両端に形成された半円弧状の側壁25,26と
を有している。そして、外側の側壁26にフランジ27
が形成され、このフランジ27が前記可動枠16の取付
け部16aにビス21により固定されている。
【0017】次に、この支持凹溝23に係合させて、支
持凹溝23と協働して加工布Wを弾性的に挟持する加工
布挟持用クリップ30について説明する。この加工布挟
持用クリップ30は、図2に示すように、弾性を有し、
支軸31を中心として互いに回動可能に連結された第1
押圧片32及び第2押圧片33と、この第1押圧片32
及び第2押圧片33を基準姿勢35(図3参照)と開拡
姿勢36(図4参照)とに切換える切換えレバー38
と、前記支持凹溝23の第1押圧片側(原反枠20の内
周部側)の側壁25の外側面25bに押圧可能な弾性締
付片39とから構成されている。そして、図2に示すよ
うに、前記切換えレバー38と第1押圧片32とが一体
形成されて第1挟持部材40が構成され、また、弾性締
付片39と第2押圧片33とが一体形成されて第2挟持
部材41が構成され、これら第1挟持部材40と第2挟
持部材41とが、支軸31によりX状に連結されてい
る。
【0018】前記第1挟持部材40は、所定長さを有す
る弾性材からなり、図3に示すように、支軸部で折曲さ
れて側面視略V字形に形成されており、また、図2に示
すように、第1押圧片32の先端部が、前記支持凹溝2
3の側壁25の形状に合わせて半円弧状に形成されて先
端押圧部32aが形成され、更に、第1押圧片2の支軸
側端部の中央部に、前記切換えレバー38が連続形成さ
れる。また、第1押圧片32の支軸側端部には、図2に
示すように、前記支軸31を軸受けするヒンジ部42が
折曲形成されている。そして、前記切換えレバー38
は、図3に示すように、長尺に形成され、第1押圧片3
2及び第2押圧片33の姿勢切換えを僅かな力で容易に
行えるように構成されている。
【0019】前記第2挟持部材41は、所定長さを有す
る弾性材からなり、図3に示すように、支軸部で折曲さ
れて側面視略M字形に形成されており、第2押圧片33
の先端部が、前記支持凹溝23の外側の側壁26の内周
面形状に合わせて半円弧状に形成されて先端押圧部33
aが形成され、更に、弾性締付片39の先端部が、支持
凹溝23の内側の側壁25の外周面形状に合わせて半円
弧状に形成されて先端締付部39aが形成されている。
そして、第2挟持部材41の中央部には、図2に示すよ
うに、前記切換えレバー38を嵌挿するための長孔43
が形成され、また、その左右両側には、前記支軸31を
軸受けするヒンジ部44が折曲形成されている。そし
て、前記弾性締付片39の先端は、加工布Wの緊張レベ
ル(刺繍レベル)になるように、その高さが設定されて
いる。
【0020】尚、前記切換えレバー38により切換えら
れる第1押圧片32及び第2押圧片33の基準姿勢35
は、第1押圧片32および第2押圧片33の先端押圧部
32a,33aが、図3に示すように、前記支軸31よ
りも下側に位置し、前記支持凹溝23へ上方から挿入可
能な略へ字形の姿勢である。また、開拡姿勢36は、第
1押圧片32及び第2押圧片33の各先端押圧部32
a,33aの側壁25,26に対する作用点Pが、図4
に示すように、支軸31よりも上側に位置し、先端押圧
部32a,33aを外側(先端押圧部32a,33aが
互いに拡がる方向)へ方向づけて支持凹溝23の側壁2
5,26の内側面25a,26aに押圧可能な略逆へ字
形の姿勢である。
【0021】上記のように構成された加工布挟持用クリ
ップ30の組立作業について説明する。先ず、所定長さ
を有する弾性材から、夫々第1挟持部材40及び第2挟
持部材41を所望の形状に切断し、第1挟持部材40の
中央部にヒンジ部42を折曲形成し、先端部に先端押圧
部32aを形成するとともに、中央部を折曲して略V字
形に形成し、更に切換えレバー38を形成する。一方、
第2挟持部材41では、長孔43及びヒンジ部44を形
成し、両端部に先端押圧部33a及び先端締付部39a
を形成する。そして、第1挟持部材40及び第2挟持部
材41を嵌め合わせ、そのヒンジ部42,44に支軸3
1を通して、加工布挟持用クリップ30を完成する。こ
のように、加工布挟持用クリップ30は、第1挟持部材
40、第2挟持部材41及び支軸31のみで構成されて
いるので、その部品点数が少なく、組立作業も容易に行
える。
【0022】次に、上述のように組立てられた加工布挟
持用クリップ30を使用して、長尺の加工布Wを原反枠
20に挟持させる作業について説明する。先ず、加工布
Wを原反枠20の上側から、可動枠16の内周部つまり
原反枠20の支持凹溝23に載置させる。そして、加工
布挟持用クリップ30の第1押圧片32及び第2押圧片
33を、基準姿勢35に切換えた状態で、図3に示すよ
うに、加工布Wの上側から支持凹溝23に係合させる。
そして、切換えレバー38を支軸31を中心として下方
へ回動させると、この切換えレバー38と一体的に形成
された第1押圧片32も支軸31周りに回動しようとす
るが、第1押圧片32の先端押圧部32aが支持凹溝2
3の内側の側壁25に規制され、先端押圧部32aは側
壁25の方向に拡がるようになる。これに伴って、第2
押圧片33の先端押圧部33aも同様に、外側の側壁2
6の方向に拡がる。
【0023】この状態から、更に、切換えレバー38を
下方向へ回動すると、第1押圧片32及び第2押圧片3
3は、その先端押圧部32a,33aが側壁25,26
に押圧された状態で弾性変形し、図4に示すように、支
軸31が先端押圧部32a,33aの側壁25,26に
対する作用点Pよりも下側に位置する開拡姿勢36に切
換わり、第1押圧片32及び第2押圧片33により、支
持凹溝23の側壁25,26との間で、加工布Wを挟持
することになる。
【0024】一方、第2押圧片33に一体形成された弾
性締付片39は、第2押圧片33が外方向へ拡がるに連
れて、支軸31周りに回動し、第2押圧片33の開拡姿
勢36では、図4に示すように、支持凹溝23の内側の
側壁25の外側面25bに押圧・係合するようになる。
このとき、弾性締付片39の下端は、加工布Wの緊張レ
ベル(刺繍レベル)に設定されているから、加工布W
は、図4に示すように、弾性締付片39により、緊張レ
ベルに配置されるようになり、刺繍位置の上下方向が精
度良く設定されることになる。この加工布挟持用クリッ
プ30の挟持操作を複数のクリップ30について夫々行
い、原反枠20の略全周に亙って、加工布Wを挟持す
る。そうすると、加工布Wは、緊張された状態で、原反
枠20に支持される。
【0025】次に、加工布Wの刺繍中における加工布挟
持用クリップ30の動作について説明する。加工布W
は、刺繍されるに連れて、図5の矢印Bで示すように、
内側に収縮する。このとき、加工布Wの収縮により、弾
性締付片39が図5の鎖線で示す位置から実線で示す位
置に拡がろうとし、支持凹溝23の内部に位置する第1
押圧片32及び第2押圧片33も、図5の鎖線で示す開
拡姿勢36から基準姿勢35に戻ろうとするが、両押圧
片32,33は、基準姿勢35から最も押圧力の大とな
る支軸31と先端押圧部32a,33aの作用点Pが一
直線上になる線上を越えて、開拡姿勢36に切換ってい
る為、第1押圧片32及び第2押圧片33は、図5に実
線で示すように、最も押圧力を発揮する方向(矢印D方
向)へ僅かに変形する。従って、加工布Wが、図5に示
すように、内側に引張られると、加工布挟持用クリップ
30の押圧力(矢印C方向への押圧力)が増大し、加工
布Wの支持凹溝23からの抜出しを防ぐようになる。
【0026】次に、加工布挟持用クリップ30の取外し
操作を説明すると、加工布Wの刺繍が終了すれば、加工
布挟持用クリップ30の切換えレバー38を上方へ引上
げる。そうすると、その引上げ力によって、支軸31が
上方へ移動し、第1押圧片32及び第2押圧片33は、
図4に示す開拡姿勢36から図3に示す基準姿勢35に
切換わり、加工布挟持用クリップ30を支持凹溝23か
ら容易に抜き出すことができる。
【0027】このように、簡単な構成により、加工布W
を原反枠20に支持することができ、刺繍時に加工布W
が収縮しても、加工布挟持用クリップ30の押圧力が増
大するから、加工布Wが支持凹溝23から抜け出すのを
防止できる。更に、支持凹溝23と加工布挟持用クリッ
プ30とは、加工布Wを介して連結することになり、加
工布Wにより、加工布挟持用クリップ30が支持凹溝2
3内を摺動するのを防止できる。また、第1押圧片3
2、第2押圧片33及び弾性締付片39は、夫々弾性を
有しているから、加工布Wの布厚に影響されずに加工布
Wを挟持することができる。更に、切換えレバー38が
長尺に形成されているから、両押圧片32,33の姿勢
切換え操作も小さな操作力で行うことができる。
【0028】尚、本考案は、上記実施例に限定されるも
のではなく、本考案が適用される範囲内で多くの修正・
変更を加えることができるのは勿論である。例えば、上
記実施例の弾性締付片39は必ずしも必要なものではな
く、また、切換えレバーや弾性締付片等は各押圧片と一
体に形成されていなくてもよい。更に、刺繍枠は、上記
実施例に示すように、可動枠と原反枠とを別個に形成し
たものに限らず、一体形成されたものであってもよい。
【0029】
【考案の効果】以上詳述したように、請求項1に係る加
工布挟持用クリップによれば、第1押圧片及び第2押圧
片が支軸を中心として互いに回動可能に連結され、両押
圧片は、その開拡姿勢で各先端押圧部が支軸よりも上側
に位置し、先端押圧部を外側へ方向づけて支持凹溝の内
側壁に押圧可能とされているので、加工布が刺繍中に刺
繍枠の内方向へ引張られた場合、最も押圧力を発揮する
方向へ変形することになり、更に加工布への押圧力を増
大することができる。更に、請求項2に係る加工布挟持
用クリップによれば、切換えレバーが第1押圧片と一体
形成され、弾性締付片が第2押圧片と一体形成されてい
るので、これらと支軸とからクリップを構成でき、その
部品点数を少なくでき、組立作業も容易に行えるといっ
た優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】多頭式刺繍機の概略斜視図である。
【図2】加工布挟持用クリップの斜視図である。
【図3】加工布挟持用クリップを支持凹溝に嵌合した基
準姿勢を示す図1のA─A線縦断側面図である。
【図4】同じく加工布挟持用クリップを開拡姿勢に切換
え加工布を挟持した状態を示す縦断側面図である。
【図5】同じく加工布挟持用クリップの開拡姿勢で加工
布が内側に引張られたときのクリップの状態を示す縦断
側面図である。
【図6】従来の加工布挟持用クリップの縦断側面図であ
る。
【符号の説明】
16 可動枠 20 原反枠 22 刺繍枠 23 支持凹溝 25 側壁 26 側壁 30 加工布挟持用クリップ 31 支軸 32 第1押圧片 33 第2押圧片 35 基準姿勢 36 開拡姿勢 38 切換えレバー 39 弾性締付片

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺繍枠の内周部にその略全長に亙って設
    けられ上方が開放する支持凹溝に係合させて、支持凹溝
    と協働して加工布を弾性的に挟持する加工布挟持用クリ
    ップであって、 弾性を有し、支軸を中心として互いに回動可能に連結さ
    れた第1押圧片及び第2押圧片と、 その第1押圧片及び第2押圧片の各先端押圧部が前記支
    軸よりも下側に位置し、前記支持凹溝へ上方から挿入可
    能な略へ字形の基準姿勢と、第1押圧片及び第2押圧片
    の各先端押圧部が支軸よりも上側に位置し、各先端押圧
    部を外側へ方向づけて支持凹溝の内側壁に押圧可能な略
    逆へ字形の開拡姿勢とに切換える切換えレバーとを備え
    たことを特徴とする加工布挟持用クリップ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の加工布挟持用クリップ
    において、前記切換えレバーが前記第1押圧片と一体形
    成されると共に、前記第2押圧片と一体形成され、前記
    支持凹溝の第1押圧片側の外側壁に押圧可能とされた弾
    性締付片を設けたことを特徴とする請求項1に記載の加
    工布挟持用クリップ。
JP8524292U 1992-11-16 1992-11-16 加工布挟持用クリップ Expired - Lifetime JP2570675Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005121432A1 (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Tokai Kogyo Mishin Kabushiki Kaisha ミシン
WO2008007831A1 (en) * 2006-07-10 2008-01-17 Tae Ki Kim Cloth tensioning apparatus in embroidering machine

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WO2008007831A1 (en) * 2006-07-10 2008-01-17 Tae Ki Kim Cloth tensioning apparatus in embroidering machine

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