JP2570644B2 - 圧電セラミックス - Google Patents
圧電セラミックスInfo
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- ZBSCCQXBYNSKPV-UHFFFAOYSA-N oxolead;oxomagnesium;2,4,5-trioxa-1$l^{5},3$l^{5}-diniobabicyclo[1.1.1]pentane 1,3-dioxide Chemical compound [Mg]=O.[Pb]=O.[Pb]=O.[Pb]=O.O1[Nb]2(=O)O[Nb]1(=O)O2 ZBSCCQXBYNSKPV-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 2
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧電セラミックスに関
し、特に積層構造の圧電アクチュエータ素子に用いる圧
電セラミックスに関する。
し、特に積層構造の圧電アクチュエータ素子に用いる圧
電セラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】圧電性を示すセラミックスの電気・機械
エネルギー変換作用を利用した装置には、例えばフィル
ターや圧電磁気トランス或いは超音波モーター等のよう
な圧電アクチュエータ素子(以下、PA素子と記す)に
交番電界を印加したときの機械的共振に伴う変位を利用
するものやマスフローコントローラの弁の開閉装置のよ
うなリジッドに生じる変位を用いる装置等があり利用形
態は多様である。上記の各種装置に用いられるPA素子
は構造から単純型と複合型に大別される。単純型は強誘
電体の電界誘起歪をそのまま利用するものであり、単板
の圧電セラミックスから成る単板構造素子、或いはそれ
らを積層した積層構造素子のように圧電縦効果を利用す
るものと単管,ハニカム管のように圧電横効果を利用す
るものとに分けられる。一方、複合型素子とは圧電誘起
歪をそのまま利用するのではなく、バイモルフ,尺取り
虫構造等のように他の弾性材料との組み合わせにより変
位量を空間的,時間的に拡大するものである。これら各
種のPA素子の中でも積層構造のPA素子(以下、積層
型PA素子と記す)は他のアクチュエータと比較して変
位発生量は少ないものの、(1)発生力が大きい、
(2)応答速度が速い、(3)電気・機械エネルギー変
換効率が高い等の特徴を持つ。本発明は、このような積
層型PA素子の材料として好適な圧電セラミックスに関
するものである。
エネルギー変換作用を利用した装置には、例えばフィル
ターや圧電磁気トランス或いは超音波モーター等のよう
な圧電アクチュエータ素子(以下、PA素子と記す)に
交番電界を印加したときの機械的共振に伴う変位を利用
するものやマスフローコントローラの弁の開閉装置のよ
うなリジッドに生じる変位を用いる装置等があり利用形
態は多様である。上記の各種装置に用いられるPA素子
は構造から単純型と複合型に大別される。単純型は強誘
電体の電界誘起歪をそのまま利用するものであり、単板
の圧電セラミックスから成る単板構造素子、或いはそれ
らを積層した積層構造素子のように圧電縦効果を利用す
るものと単管,ハニカム管のように圧電横効果を利用す
るものとに分けられる。一方、複合型素子とは圧電誘起
歪をそのまま利用するのではなく、バイモルフ,尺取り
虫構造等のように他の弾性材料との組み合わせにより変
位量を空間的,時間的に拡大するものである。これら各
種のPA素子の中でも積層構造のPA素子(以下、積層
型PA素子と記す)は他のアクチュエータと比較して変
位発生量は少ないものの、(1)発生力が大きい、
(2)応答速度が速い、(3)電気・機械エネルギー変
換効率が高い等の特徴を持つ。本発明は、このような積
層型PA素子の材料として好適な圧電セラミックスに関
するものである。
【0003】上述したように、積層型PA素子は他のア
クチュエータに比べて発生変位量が少ないことからその
発生変位量を大きくすることが技術的課題であり、従来
からそのための研究・開発が構造・材料の双方の面から
進められている。構造面の技術の例としては、積層セラ
ミックコンデンサの実用過程で得られた技術を利用し、
薄膜・多積層化により同一駆動電圧に対する発生変位量
を大きくする方法が代表的である。一方、材料面でも電
気・機械エネルギー変換効率が高く発生歪の大きなセラ
ミックスが選ばれるが、それと共に主成分が同一のセラ
ミックスでも組成比を変化させたり、微量添加物を加え
るなどして用途に適した特性の材料を開発することが行
われる。その一例として、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 −PbTiO3 系(以下、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )
O3 をPMNでPbTiO3 をPTで表し、PMN−P
T系と記す)セラミックスが知られている。この圧電セ
ラミックスはPMNとPTのモル分率をx,y(x+y
=100)で表すときx≒40付近の組成が擬立方晶系
と正方晶系と相境界組成となり圧電効果の大きい材料と
なることが知られている(日本セラミック協会編、「セ
ラミック工学ハンドブック」、1910頁、技報堂出版
株式会社、1989年)。上記のPMN−PT系セラミ
ックスはPbO,MgO,Nb2 O5 ,TiO3 の4種
類の金属酸化物を主成分とし、これら主成分を配合した
後、湿式ボールミル等で粉砕・混合して乾燥後これを仮
焼し、更に湿式ボールミル等で再粉砕することで得られ
るものであるが、前述したように、主成分に微量添加物
を加えたり主成分の一部を主成分以外の他の成分で置換
したりすることにより、電気特性・機械特性・圧電特性
等に様々な特徴を持たせることが可能となる。
クチュエータに比べて発生変位量が少ないことからその
発生変位量を大きくすることが技術的課題であり、従来
からそのための研究・開発が構造・材料の双方の面から
進められている。構造面の技術の例としては、積層セラ
ミックコンデンサの実用過程で得られた技術を利用し、
薄膜・多積層化により同一駆動電圧に対する発生変位量
を大きくする方法が代表的である。一方、材料面でも電
気・機械エネルギー変換効率が高く発生歪の大きなセラ
ミックスが選ばれるが、それと共に主成分が同一のセラ
ミックスでも組成比を変化させたり、微量添加物を加え
るなどして用途に適した特性の材料を開発することが行
われる。その一例として、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 −PbTiO3 系(以下、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )
O3 をPMNでPbTiO3 をPTで表し、PMN−P
T系と記す)セラミックスが知られている。この圧電セ
ラミックスはPMNとPTのモル分率をx,y(x+y
=100)で表すときx≒40付近の組成が擬立方晶系
と正方晶系と相境界組成となり圧電効果の大きい材料と
なることが知られている(日本セラミック協会編、「セ
ラミック工学ハンドブック」、1910頁、技報堂出版
株式会社、1989年)。上記のPMN−PT系セラミ
ックスはPbO,MgO,Nb2 O5 ,TiO3 の4種
類の金属酸化物を主成分とし、これら主成分を配合した
後、湿式ボールミル等で粉砕・混合して乾燥後これを仮
焼し、更に湿式ボールミル等で再粉砕することで得られ
るものであるが、前述したように、主成分に微量添加物
を加えたり主成分の一部を主成分以外の他の成分で置換
したりすることにより、電気特性・機械特性・圧電特性
等に様々な特徴を持たせることが可能となる。
【0004】ところで、前述した積層PA素子は近年、
色々な分野に利用されつつあり、例えば高温ガスの流量
弁の駆動に用いられる場合は、120〜150℃という
高温環境下にて使用されることになる。しかし、このよ
うな高温の環境下ではPA素子の材料であるセラミック
スが絶縁抵抗劣化を起こし実用的ではない場合が多い。
前述のPMN−PT系セラミックスも例外ではない。こ
の様な場合、一般的にはMnを添加することにより絶縁
特性が改善されることが知られている。
色々な分野に利用されつつあり、例えば高温ガスの流量
弁の駆動に用いられる場合は、120〜150℃という
高温環境下にて使用されることになる。しかし、このよ
うな高温の環境下ではPA素子の材料であるセラミック
スが絶縁抵抗劣化を起こし実用的ではない場合が多い。
前述のPMN−PT系セラミックスも例外ではない。こ
の様な場合、一般的にはMnを添加することにより絶縁
特性が改善されることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、PM
N−PT系セラミックスは異なる結晶系の相境界近辺の
組成において圧電定数d33が大きく積層型PA素子の材
料として好適である。更に、Mnを添加することにより
高温の環境化でも絶縁抵抗劣化を抑制できるようにな
る。ところが、一般に圧電セラミックスへのMnの単純
添加は圧電定数d33を低下させるという副作用が発生す
る(例えば、特開平4−300246号公報参照)。
N−PT系セラミックスは異なる結晶系の相境界近辺の
組成において圧電定数d33が大きく積層型PA素子の材
料として好適である。更に、Mnを添加することにより
高温の環境化でも絶縁抵抗劣化を抑制できるようにな
る。ところが、一般に圧電セラミックスへのMnの単純
添加は圧電定数d33を低下させるという副作用が発生す
る(例えば、特開平4−300246号公報参照)。
【0006】本発明は、PMN−PT系セラミックスの
良好な圧電特性を損なわずに、高温環境化での絶縁抵抗
劣化を改善した、高温での使用が可能な圧電セラミック
スを提供することを目的とするものである。
良好な圧電特性を損なわずに、高温環境化での絶縁抵抗
劣化を改善した、高温での使用が可能な圧電セラミック
スを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電セラミック
スは、モル分率xのマグネシウムニオブ酸鉛とモル分率
yのチタン酸鉛を主成分とする2成分固溶体組成物を
{Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 }x (PbTiO3 )
y (但し、x+y=100)と表現するとき、前記2成
分固溶体組成物中の前記PbTiO3 の一部をモル分率
aのMnZrO3にて置換した{Pb(Mg1/3 Nb
2/3 )O3 }x (PbTiO3 )(y-a) (MnZr
O3 )a で表される3成分固溶体組成分を主成分とする
ことを特徴とする。
スは、モル分率xのマグネシウムニオブ酸鉛とモル分率
yのチタン酸鉛を主成分とする2成分固溶体組成物を
{Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 }x (PbTiO3 )
y (但し、x+y=100)と表現するとき、前記2成
分固溶体組成物中の前記PbTiO3 の一部をモル分率
aのMnZrO3にて置換した{Pb(Mg1/3 Nb
2/3 )O3 }x (PbTiO3 )(y-a) (MnZr
O3 )a で表される3成分固溶体組成分を主成分とする
ことを特徴とする。
【0008】ここで、前記2成分固溶体組生物の成分の
モル分率yが36.90以上37.00以下の範囲にあ
り、擬正方晶系(psedo−cubic)強誘電相と
立法晶系強誘電相との相境界近辺の組成であり、前記3
成分固溶体組成物のMnZrO3 のモル分率aが0.0
5以上0.10以下の範囲にある。
モル分率yが36.90以上37.00以下の範囲にあ
り、擬正方晶系(psedo−cubic)強誘電相と
立法晶系強誘電相との相境界近辺の組成であり、前記3
成分固溶体組成物のMnZrO3 のモル分率aが0.0
5以上0.10以下の範囲にある。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0010】図1は本発明の一実施例の圧電セラミック
スおよび従来のPMN−PT系2成分圧電セラミックス
の比抵抗の温度特性を表す特性図、図2は本発明の一実
施例の圧電セラミックスおよび従来のPMN−PT系2
成分圧電セラミックスの圧電定数の温度特性を表す特性
図である。本発明の一実施例として、圧電定数の大きく
なる異結晶系相境界付近の組成であるPMN−PT系セ
ラミックスのPTの一部をMnZrO3 にて置換した3
成分系セラミックスを用いて単板を作成し、単板の絶縁
抵抗と歪量の温度特性からセラミックス材の比抵抗と圧
電定数d33を求めた。本実施例では出発原料としてPb
O,MgO,Nb2 O5 ,TiO2 ,MnZrO3 を用
い、これらの原料を表1に示した組成比になるように精
密秤量した。
スおよび従来のPMN−PT系2成分圧電セラミックス
の比抵抗の温度特性を表す特性図、図2は本発明の一実
施例の圧電セラミックスおよび従来のPMN−PT系2
成分圧電セラミックスの圧電定数の温度特性を表す特性
図である。本発明の一実施例として、圧電定数の大きく
なる異結晶系相境界付近の組成であるPMN−PT系セ
ラミックスのPTの一部をMnZrO3 にて置換した3
成分系セラミックスを用いて単板を作成し、単板の絶縁
抵抗と歪量の温度特性からセラミックス材の比抵抗と圧
電定数d33を求めた。本実施例では出発原料としてPb
O,MgO,Nb2 O5 ,TiO2 ,MnZrO3 を用
い、これらの原料を表1に示した組成比になるように精
密秤量した。
【0011】
【表1】
【0012】各原料の純度は全て99%以上である。次
に、秤量した各原料をボールミルで湿式粉砕し、粉末ス
ラリーを濾過,乾燥した後仮焼し、更に仮焼粉を湿式ボ
ールミルで再粉砕した。仮焼条件は、温度850℃,時
間2時間である。上記の再粉砕粉をプレス加工しプレス
単板を作成した後昇温速度100℃/H,保持温度10
00℃,保持時間4Hにて焼成した。上述の工程により
得た焼成単板の比抵抗および圧電定数d33を表1に示
す。また、それをグラフ化して図1および図2に示す。
に、秤量した各原料をボールミルで湿式粉砕し、粉末ス
ラリーを濾過,乾燥した後仮焼し、更に仮焼粉を湿式ボ
ールミルで再粉砕した。仮焼条件は、温度850℃,時
間2時間である。上記の再粉砕粉をプレス加工しプレス
単板を作成した後昇温速度100℃/H,保持温度10
00℃,保持時間4Hにて焼成した。上述の工程により
得た焼成単板の比抵抗および圧電定数d33を表1に示
す。また、それをグラフ化して図1および図2に示す。
【0013】表1および図1,図2において試料番号N
o.1(PMN60,PT40)は、異結晶相の境界線
上に位置する(日本セラミック協会編、「セラミック工
学ハンドブック」、1910頁、図6(a)に示される
相図参照)組成比のセラミックスであり、MnZrO3
によるPTの置換を行わない試料である。試料番号N
o.2は、試料番号No.1におけるPTを全体に対す
るモル分率が0.05%のMnZrO3 で置換してPT
のモル分率を36.95%としたとした試料である。い
ずれの試料もPMNの全体に対するモル分率は一定であ
る。表1および図1を参照すると、MnZrO3 により
置換量を0.05%(No.2),0.1%(No.
3)と増加するに従って測定した全温度領域(25〜1
50℃)で比抵抗が増大し、また温度上昇に伴う比抵抗
の低下が小さくなる。特に、高温領域(120〜150
℃)におけるMnZrO3 置換の効果が著しくなる。
o.1(PMN60,PT40)は、異結晶相の境界線
上に位置する(日本セラミック協会編、「セラミック工
学ハンドブック」、1910頁、図6(a)に示される
相図参照)組成比のセラミックスであり、MnZrO3
によるPTの置換を行わない試料である。試料番号N
o.2は、試料番号No.1におけるPTを全体に対す
るモル分率が0.05%のMnZrO3 で置換してPT
のモル分率を36.95%としたとした試料である。い
ずれの試料もPMNの全体に対するモル分率は一定であ
る。表1および図1を参照すると、MnZrO3 により
置換量を0.05%(No.2),0.1%(No.
3)と増加するに従って測定した全温度領域(25〜1
50℃)で比抵抗が増大し、また温度上昇に伴う比抵抗
の低下が小さくなる。特に、高温領域(120〜150
℃)におけるMnZrO3 置換の効果が著しくなる。
【0014】一方、表1および図2を参照すると、N
o.1〜No.3の圧電定数d33の温度特性曲線は全温
度領域で良く一致している。即ち、PMN−PT系セラ
ミックスにMnを単純添加したときに起こる圧電定数d
33の低下は見られず、良好な圧電特性を維持しているこ
とが判る。
o.1〜No.3の圧電定数d33の温度特性曲線は全温
度領域で良く一致している。即ち、PMN−PT系セラ
ミックスにMnを単純添加したときに起こる圧電定数d
33の低下は見られず、良好な圧電特性を維持しているこ
とが判る。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、P
MN−PT系2成分固溶体組生物のPTの一部をMnZ
rO3 で置換することにより、上記2成分組成物の良好
な圧電特性を維持したまま120〜150℃というよう
な高温領域における絶縁抵抗の低下を改善できる。本発
明の圧電セラミックスを積層PA素子に適用すればその
用途をさらに拡大することができるので、本発明の工業
的価値は大きい。
MN−PT系2成分固溶体組生物のPTの一部をMnZ
rO3 で置換することにより、上記2成分組成物の良好
な圧電特性を維持したまま120〜150℃というよう
な高温領域における絶縁抵抗の低下を改善できる。本発
明の圧電セラミックスを積層PA素子に適用すればその
用途をさらに拡大することができるので、本発明の工業
的価値は大きい。
【図1】本発明の一実施例の圧電セラミックスおよび従
来のPMN−PT系2成分圧電セラミックスの比抵抗の
温度特性を表す特性図である。
来のPMN−PT系2成分圧電セラミックスの比抵抗の
温度特性を表す特性図である。
【図2】本発明の一実施例の圧電セラミックスおよび従
来のPMN−PT系2成分圧電セラミックスの圧電定数
の温度特性を表す特性図である。
来のPMN−PT系2成分圧電セラミックスの圧電定数
の温度特性を表す特性図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 モル分率xのマグネシウムニオブ酸鉛と
モル分率yのチタン酸鉛を主成分とする2成分固溶体組
成物を{Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 }x(PbTi
O3 )y (但し、x+y=100)と表現するとき、前
記2成分固溶体組成物中の前記PbTiO3 の一部をモ
ル分率aのMnZrO3 にて置換した{Pb(Mg1/3
Nb2/3 )O3 }x (PbTiO3 )(y-a) (MnZr
O3 )a で表される3成分固溶体組成分を主成分とする
ことを特徴とする圧電セラミックス。 - 【請求項2】 前記2成分固溶体組生物の成分のモル分
率yが36.90以上37.00以下の範囲にあり、擬
正方晶系(psedo−cubic)強誘電相と立法晶
系強誘電相との相境界近辺の組成であることを特徴とす
る請求項1記載の圧電セラミックス。 - 【請求項3】 前記3成分固溶体組成物のMnZrO3
のモル分率aが0.05以上0.10以下の範囲内にあ
ることを特徴とする請求項1記載の圧電セラミックス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6322669A JP2570644B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 圧電セラミックス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6322669A JP2570644B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 圧電セラミックス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08175865A JPH08175865A (ja) | 1996-07-09 |
JP2570644B2 true JP2570644B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=18146290
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6322669A Expired - Lifetime JP2570644B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 圧電セラミックス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2570644B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE50015994D1 (en) * | 1999-12-16 | 2010-10-28 | Epcos Ag | Nt |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP6322669A patent/JP2570644B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08175865A (ja) | 1996-07-09 |
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