JP2570428Y2 - モータ - Google Patents

モータ

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JP2570428Y2
JP2570428Y2 JP3736192U JP3736192U JP2570428Y2 JP 2570428 Y2 JP2570428 Y2 JP 2570428Y2 JP 3736192 U JP3736192 U JP 3736192U JP 3736192 U JP3736192 U JP 3736192U JP 2570428 Y2 JP2570428 Y2 JP 2570428Y2
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eccentric shaft
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eccentric
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正人 岩田
博之 椎名
恭一 下村
萩原  浩
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Mitsuba Corp
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Mitsuba Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、モータに関し、特に、
偏心軸付モータ軸の回転バランスを確保するためのバラ
ンサの取付構造に係り、例えば、往復ピストン容積形ポ
ンプ駆動用のモータに利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、往復ピストン容積形ポンプがモ
ータにより駆動される場合、モータ軸の先端部に偏心軸
が一体回転するように設けられ、この偏心軸にピストン
のコネクティングロッドが軸受を介して回転自在に連結
されている。このモータにおいては、この偏心軸にバラ
ンサが取り付けられることにより、偏心軸分の回転バラ
ンスが確保されている。
【0003】従来のこの種のモータにおけるバランサの
取り付け方法としては、モータ軸の先端に突設された偏
心軸に一方取り部を切削加工により切設し、この一方取
り部にバランサを嵌合して一体回転するように固定する
方法が採用されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなバランサ取付方法による往復ピストン容積形ポンプ
駆動用モータにおいては、次のような問題点がある。
【0005】 モータ軸の偏心軸に一方取り加工を施
す作業は、切削加工の位置決めが難しく、製作加工費が
高くなる。
【0006】 バランサはコネクティングロッド軸受
の外側に配置されるので、モータ軸の振れが大きくな
り、この現象に起因するモータの異音が発生する。
【0007】 バランサはポンプケーシング内に配置
されることになるが、バランサの配置箇所が偏心軸の先
端部であるため、コネクティングロッドのポンプケーシ
ング内での動作に支障が生じないように、バランサに逃
げ部を切削加工する必要がある。したがって、この切削
作業による工数が増加する。
【0008】本考案の目的は、作業性を高めつつ、モー
タ軸の回転バランスを確保することができるモータを提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案に係るモータは、
モータ軸の端部に偏心軸が一体回転するように配設され
ているとともに、偏心軸との回転バランスを確保するた
めのバランサがモータ軸と一体回転するように固定され
ているモータにおいて、前記バランサは偏心位置に軸挿
通孔が開設され、前記偏心軸よりも大径の円柱形状に一
体成形されているとともに、その一端面には回り止め穴
形成されており、前記偏心軸の一端部がバランサの前
記回り止め穴に嵌入されて前記偏心軸およびバランサが
前記軸挿通孔において前記モータ軸に嵌合されているこ
とを特徴とする。
【0010】
【作用】前記した手段によれば、モータ軸に対するバラ
ンサの固定作業のみで済み、偏心軸に一方取り部を切削
加工する作業を要しない。また、バランサはモータ軸の
基端部側に配設されるから、モータ軸の振れが低減され
る。また、軸長が短くなるとともに、バランサに対する
負荷用軸受逃げ部を切削加工しなくて済む。
【0011】
【実施例】図1は本考案の一実施例である往復ピストン
容積形ポンプ駆動用モータを示す縦断面図、図2はその
要部を示す分解斜視図、図3(a)、(b)はその作用
を説明するための各説明図である。
【0012】本実施例において、本考案に係るモータ
は、往復ピストン容積形ポンプ駆動用モータとして構成
されている。このモータ10はモータ部と、ピストンが
往復動する容積形ポンプ部とを備えている。
【0013】モータ部11はヨーク13とエンドブラケ
ット12とから成るハウジングを備えており、ヨーク1
3の内周にはマグネット14が複数個、磁界を形成する
ように周方向に等間隔に配されて固定されている。モー
タハウジング内にはヨーク13の長さよりも長いモータ
軸15が回転自在に軸架されており、モータ軸15には
アーマチュア16およびコミテータ17が互いに隣合わ
せに配されて固装されている。このコミテータ17には
ブラシ18が摺接されており、モータ軸15はその一端
部が端部軸受19により、また、中間部が中間部軸受2
0によりそれぞれ回転自在に支承されている。
【0014】モータ軸15の中間部軸受20側の先端部
はハウジングの外部に突出されており、その突出端部に
は取付部21が、軸線方向に一体的に形成されている。
この取付部21は、モータ軸15よりも直径の小さな円
柱形状に形成されている小径部22と、この小径部22
の基端側片脇に形成されている雄一方取り部23と、小
径部22の先端部に形成されており、ストッパリング2
6が嵌着される環状溝25とによって構成されている。
【0015】取付部21には偏心軸30が一体回転する
ように取り付けられているとともに、その両側に第1バ
ランサおよび第2バランサが配設されて一体回転するよ
うに固定されている。
【0016】偏心軸30は焼結成形法によって略円柱形
状に一体成形されており、その中央部には取付部21の
小径部22と同径の軸挿通孔31が、図3に示されてい
るように、その孔心(A)がこの偏心軸30の中心線B
(以下、偏心Bということがある。)に対して寸法Eだ
け偏心されて開設されている。
【0017】この軸挿通孔31の一端部には、モータ軸
15の外径と同径の円形形状に形成された回り止め穴3
2が連続するように開設されており、この回り止め穴3
2はモータ軸15の中心線Aと同軸上に配されている。
したがって、この回り止め穴32は軸挿通孔31に対し
て同心になっており、また、偏心軸30の偏心Bに対し
て寸法Eだけ偏心した状態になっている。また、回り止
め穴32の一部には雄一方取り部23に嵌合する雌一方
取り部33が形成されている。
【0018】この偏心軸30の片側端部には第1バラン
サ34が嵌合されている。第1バランサ34は焼結成形
法によって略円盤形状に一体成形されている。第1バラ
ンサ34の中心線上には軸挿通孔35が開設されてお
り、軸挿通孔35にはモータ軸15が挿通されている。
軸挿通孔35には雄一方取り部23に嵌合する雌一方取
り部36が形成されている。
【0019】図3(a)に示されているように、モータ
軸15が第1バランサ34の軸挿通孔35に挿通された
状態において、軸挿通孔35すなわち第1バランサ34
の中心線はモータ軸15の中心線Aと一致する。第1バ
ランサ34には回り止め穴37が軸挿通孔35の端部に
連続するように開設されており、この回り止め穴37は
軸挿通孔35、第1バランサ34およびモータ軸15の
中心線Aに対して寸法Eすなわち中心線Aと偏心軸30
の中心線Bとの偏心量Eだけ偏心されている。第1バラ
ンサ34がモータ軸15に嵌合される以前に、回り止め
穴37には偏心軸30が圧入される。このとき、偏心軸
30の軸挿通孔31と第1バランサ34の軸挿通孔35
とが芯合わせされる。そして、図3(a)に示されてい
るように、モータ軸15が第1バランサ34の軸挿通孔
35および偏心軸30の軸挿通孔31に挿通された状態
において、回り止め穴37に嵌入した偏心軸30の中心
線Bと、この偏心軸30の挿通孔31に挿通したモータ
軸15の中心線Aとが偏心しているため、偏心軸30は
第1バランサ34に対して回り止めされた状態になる。
【0020】偏心軸30の外周には後記するコネクティ
ングロッド軸受49が第1バランサ34に隣接して嵌合
されており、この軸受49には後記するコネクティング
ロッドが嵌合されている。
【0021】取付部21の小径部22における先端部に
は第2バランサ40が、コネクティングロッド軸受49
に隣接して一体回転するように嵌合されている。第2バ
ランサ40は焼結成形法によって略円盤形状に一体成形
されている。第2バランサ40には軸挿通孔41がモー
タ軸15の中心線Aと同心に開設されている。
【0022】第2バランサ40には第2の回り止め穴4
3が、軸挿通孔41におけるコネクティングロッド軸受
側の端部に配されて連続するように開設されており、こ
の回り止め穴43はモータ軸15の中心線Aに対して偏
心量Eだけ偏心されている。したがって、回り止め穴4
3は偏心軸30の軸挿通孔31の中心線Bと同心に配さ
れている。そして、第2バランサ40の回り止め穴43
は偏心軸30の端部に嵌合されており、この状態で、取
付部21の小径部22と軸挿通孔41とが嵌合されてい
る。
【0023】取付部21の環状溝25にはストッパリン
グ26が嵌着されており、このストッパリング26によ
って第1バランサ34、偏心軸30および第2バランサ
40は軸方向への抜けが阻止されるようになっている。
【0024】そして、本実施例において、第1バランサ
34および第2バランサ40は、偏心軸30に対してダ
イナミックアンバランスおよびスタッティックアンバラ
ンスを同時に修正するために、図3(a)に示されてい
る重心G1、G2の重量および位置が次式を満足するよ
うに設定されている。
【0025】 M1×L1=M2×L2・・・ M1+M2=M3 ・・・
【0026】ここで、M1は第1バランサ34の重心G
1における第1バランサ34のアンバランス量であっ
て、第1バランサ34の質量×中心線Aからの距離によ
って求められる。M2は第2バランサ40の重心G2に
おける第2バランサ40のアンバランス量であって、第
2バランサ40の質量×中心線Aからの距離、によって
求められる。M3は偏心軸30の重心G3における偏心
軸30のアンバランス量であって、偏心軸30の質量×
中心線Aからの距離、によって求められる。L1は第1
バランサ34の重心G1と偏心軸30の重心G3との距
離、L2は第2バランサ40の重心G2と偏心軸30の
重心G3との距離、である。
【0027】前記式によってダイナミックアンバラン
スが修正され、前記式によってスタティックアンバラ
ンスが修正される。なお、第1バランサ34にはモータ
軸15、第1バランサ34および偏心軸30に形成され
た一方取り部23、36、33等によってアンバランス
についての修正分が加味されている。
【0028】他方、ポンプ部50はポンプケーシング5
1を備えており、ポンプケーシング51はモータ部11
のエンドブラケット12に隣接されて固定されている。
ポンプケーシング51にはシリンダ室52が一体的に形
成されており、このシリンダ室52にはピストン53が
摺動自在に嵌合されている。
【0029】ピストン53にはコネクティングロッド5
4の一端部がピン55を介して回転自在に連結されてお
り、このコネクティングロッド54の他端部はコネクテ
ィングロッド軸受49により回転自在に支承されてい
る。
【0030】シリンダ室52の一端(上端部)にはシリ
ンダヘッド56が当接されて固定されており、このシリ
ンダヘッド56には吐出口57および吸入口58がそれ
ぞれ開設されている。吐出口57側には吐出弁59が流
体の流通を開閉するように配設されており、吸入口58
には吸入弁60が流体の流通を開閉するように配設され
ている。
【0031】吐出弁59はスプリング(図示せず)の付
勢力によって吐出口57を閉鎖し、シリンダ室52内の
圧力が上昇したときにスプリングの付勢力に抗して吐出
口57を開くように構成されている。吸入弁60はスプ
リング(図示せず)の付勢力によって吸入口58を閉鎖
し、シリンダ室52内の圧力が低下したときにスプリン
グの付勢力に抗して吸入口58を開くように構成されて
いる。
【0032】次に作用を説明する。モータが運転されて
モータ軸15が回転すると、両バランサ34、40自体
はA軸を中心として回転(自転)するが、偏心軸30は
モータ軸15の中心線Aを中心点とし、偏心軸30の中
心線である偏心Bを軌跡とする円(すなわち、中心線A
と偏心Bとの偏心量Eを半径とする円)に沿って公転す
る。
【0033】したがって、この偏心軸30の公転運動に
追従してコネクティングロッド軸受49も公転運動を行
い、このコネクティングロッド軸受49の公転運動に伴
い、このコネクティングロッド軸受49に支承されたコ
ネクティングロッド54を介してピストン53がシリン
ダ52内を往復運動する。
【0034】ピストン53の往復運動の際、ピストン5
3が上昇して圧縮行程に移行すると、シリンダ室52内
が加圧され、加圧された流体が吐出口57を介して排出
される。次に、ピストン53が下降し吸入行程に入る
と、吸入弁60を介してシリンダ52内に流体が導入さ
れる。この動作を繰り返すことによって、ポンプ作用が
実行される。
【0035】ところで、モータ軸15には偏心軸30が
一体回転するように取り付けられているため、ポンプ部
50を除いたモータ軸15自体の回転バランスは、偏心
軸30のアンバランス量分だけ不均衡になっている。
【0036】しかし、本実施例においては、モータ軸1
5の中間部に第1バランサ34と第2バランサ40とが
モータ軸15と一体回転するように嵌着されているた
め、偏心軸30の不均衡が第1、第2バランサ34、4
0によって修正されることになる。つまり、モータ軸1
5自体の回転バランスは偏心軸30と第1、第2バラン
サ34、40との相殺により均衡が図られた状態にな
る。
【0037】このとき、第1バランサ34および第2バ
ランサ40は、前記式およびを満足するように構成
されているため、偏心軸30についてのダイナミックア
ンバランスおよびスタティックアンバランスが偏心軸3
0の近傍において同時に修正される。このため、本実施
例によれば、第1バランサ34および第2バランサ40
のアンバランス量をいずれも小さく抑制することができ
る。その結果、モータ軸15全体としての回転アンバラ
ンスの修正作業を簡略化することができる。
【0038】すなわち、例えば、図3(b)に示されて
いるように、偏心軸30の片側にバランサbが付設され
ることによって、偏心軸30のアンバランスが修正され
る従来例の場合には、モータ軸15のアーマチュア16
に第1バランサとしてパテaが固定的に取り付けられた
り、反対に、アーマチュア16に切欠部(図示せず)が
切設されたりすることにより、モータ軸15全体の回転
アンバランスが修正されることになる。
【0039】そして、この従来例の場合におけるアンバ
ランスの修正作業は、次式、を満足するように実行
されることになる。
【0040】 Ma×La=Mb×Lb・・・ Mb+Ma=M3 ・・・
【0041】前記式中、Maはアーマチュア16に固着
されるパテaの重心Gaにおけるパテaのアンバランス
量であって、パテaの質量×中心線Aからの距離、によ
って求められる。Laはパテaの重心Gaと偏心軸30
の重心G3とからの距離、Mbはバランサbの重心Gb
におけるバランサbのアンバランス量であって、バラン
サbの質量×中心線Aからの距離によって求められる。
Lbはバランサbの重心Gbと偏心軸30の重心G3と
の距離である。
【0042】前記式、において、LaはLbよりも
きわめて大きいから、偏心軸30の片側に配設されるバ
ランサbのアンバランス量Mbは、パテaのアンバラン
ス量Maよりも遙かに大きく設定する必要がある。した
がって、従来例におけるバランサbのアンバランス量M
bは、本実施例における第1バランサ34および第2バ
ランサ40のアンバランス量M1とM2との総和と同じ
になる。
【0043】バランサbのアンバランス量Mbが大きく
なると、バランサbのサイズが大きくなるため、バラン
サbがポンプ部50の構成部品と干渉し易くなる。
【0044】しかし、本実施例においては、第1バラン
サ34および第2バランサ40のアンバランス量のそれ
ぞれM1、M2を小さく抑制することができるため、第
1バランサ34および第2バランサ40を小型化するこ
とができ、その結果、ポンプ部50の構成部品との干渉
を未然に回避することができる。
【0045】また、バランサbのアンバランス量Mbが
大きくなると、バランサbによるアンバランスの修正に
おいて誤差が発生し易く、かつ、その誤差の量も大きく
なり易い。そこで、モータ軸15全体としてパテaによ
るアンバランスの修正作業が実施されることになるが、
大きい誤差が発生する分だけ、その修正作業は難しくな
る。
【0046】しかし、本実施例においては、第1バラン
サ34および第2バランサ40によって偏心軸30分の
アンバランスはダイナミックおよびスタティックの双方
について小さなアンバランス量によって修正されるた
め、第1バランサ34、第2バランサ40によるアンバ
ランスの修正において、誤差の発生頻度は抑制され、か
つ、発生する誤差の量はきわめて抑制される。
【0047】したがって、本実施例においては、モータ
軸15全体としてのアンバランスの修正作業は、偏心軸
30分を除く、アーマチュア16やコミテータ17に関
するアンバランスの修正に限定されることになるため、
きわめて簡単に実施することができる。
【0048】本実施例によれば、偏心軸30、第1バラ
ンサ34および第2バランサ40がいずれも、焼結成形
法によってそれぞれ一体成形されているため、その加工
工数が大幅に低減されるとともに、大量生産することが
できる。
【0049】そして、偏心軸30と第1バランサ34と
は各別に焼結成形された後、モータ軸15に嵌合される
前に、偏心軸30の一端部が第1バランサ34の回り止
め穴37に嵌入されることによって一体化されるため、
一体化後の形状において非対称形状を実現することがで
きる。つまり、焼結成形後に切削加工によって非対称形
状のバランサ付偏心軸を作り出す必要がないため、焼結
成形法の前記メリットを低減させなくて済む。
【0050】さらに、本実施例によれば、第1バランサ
34および第2バランサ40はこれらの回り止め穴3
7、43においてモータ軸15と偏心軸30とに跨がっ
て嵌合されていることにより、その偏心関係によって回
り止めされた状態になるため、一方取り部23、33、
36は省略することができる。
【0051】なお、第2バランサ40は場合によっては
省略することができる。
【0052】図4は本考案の他の実施例である往復ピス
トン容積形ポンプ駆動用モータを示す縦断面図、図5は
その要部を示す分解斜視図である。
【0053】本実施例2が前記実施例1と異なる点は、
偏心軸30Aがモータ軸15Aに切削加工等により一体
的に突設されており、この偏心軸30Aとモータ軸15
Aとに跨がって1個のバランサ44が嵌合されている点
にある。
【0054】すなわち、モータ軸15Aの中間部軸受2
0側の先端部には偏心軸30Aが軸線方向に一体的に突
設されている。この偏心軸30Aはモータ軸15Aの中
心Aに対して偏心した位置に中心(以下、偏心というこ
とがある。)Bを有するとともに、モータ軸15Aより
も径の小さな円柱形状に切削加工により一体的に形成さ
れている。この偏心軸30Aの先端部にはストッパリン
グ26が嵌着される環状溝25が形成されている。
【0055】モータ軸15Aにはバランサ44が偏心軸
30Aに跨がるように配されて、一体回転するように嵌
合されている。すなわち、バランサ44は焼結成形方法
により、略円盤形状に一体成形されており、本体45を
備えている。本体45にはモータ軸15Aの外径に等し
い円形を有するモータ軸嵌入部46と、偏心軸30Aの
外径に等しい内径を有する偏心軸嵌入部47とがそれぞ
れ一体的に開設されている。
【0056】モータ軸嵌入部46は本体45の中心Cに
対して偏心した位置に配置されて開設されており、この
偏心量の調整によって偏心軸30Aとのバランスが実質
的に確保されるようになっている。偏心軸嵌入部47は
モータ軸嵌入部46の底面において、モータ軸15Aの
中心Aと偏心軸30Aの偏心Bとの関係になるように、
その中心Bがモータ軸嵌入部47の中心線Aに対して偏
心されている。
【0057】バランサ44の偏心軸嵌入部47側の端面
には、円形リング形状に形成されたスペーサ部48が軸
線方向に一体的に突設されており、このスペーサ部48
は偏心軸嵌入部47と同心円に配されて、その内径が偏
心軸嵌入部47の内径に等しくなるように形成されてい
る。
【0058】そして、バランサ44はモータ軸嵌入部4
6側から偏心軸30Aに嵌合されて行き、モータ軸嵌入
部46にモータ軸15Aの端部が嵌入されて、偏心軸嵌
入部47に偏心軸30Aが嵌入される。この状態で、バ
ランサ44はモータ軸15Aと一体回転する状態にな
る。
【0059】バランサ44が嵌着された偏心軸30Aの
外側部分には、負荷用軸受としてのコネクティングロッ
ド軸受49が嵌合される。続いて、偏心軸30Aの先端
に形成された環状溝25にストッパリング26が嵌着さ
れることによって、コネクティングロッド軸受49は偏
心軸30Aに抜け止め状態で取り付けられることにな
る。
【0060】次に作用を説明する。モータ軸15Aの回
転に伴って、バランサ44はA軸を中心として回転する
が、このバランサ44にはスペーサ48が一体的に形成
されているため、バランサ44はコネクティングロッド
軸受49とスペーサ48を介して離間した状態で回転す
ることになる。したがって、バランサ44が軸受49お
よびコネクティングロッド54の障害になることはな
い。
【0061】ところで、モータ軸15Aには偏心軸30
Aが一体的に突設されているため、モータ軸15A自体
の回転バランスは、偏心軸30Aのアンバランス量分だ
け不均衡になっている。
【0062】しかし、本実施例においては、モータ軸1
5Aの中間部にバランサ44がモータ軸15Aと一体回
転するように嵌着されているため、偏心軸30Aの不均
衡がバランサ44によって修正されることになる。つま
り、モータ軸15A自体の回転バランスは偏心軸30A
とバランサ44との相殺により均衡が図られた状態にな
る。
【0063】本実施例2によれば、次のような効果が得
られる。 モータ軸の先端部と、モータ軸の先端部に設けられ
た偏心軸との境界の部位にバランサが嵌着されているた
め、偏心軸に一方取り加工部を設けることなく、バラン
サをモータ軸に一体回転するように固定することがで
き、加工作業性および組付作業性を高めることができ
る。
【0064】 バランサは負荷用軸受に対してモータ
軸の基端部側に配設されているため、モータ軸の振れを
低減することができるとともに、モータ軸の軸長を短く
することができる。
【0065】 バランサの負荷用軸受側にスペーサが
一体的に形成されているため、従来のようなバランサに
おける負荷用軸受逃げ部を切削加工により形成しなくて
済み、生産性を高めることができる。
【0066】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
モータ軸の先端部と、モータ軸の先端部に設けられた偏
心軸との境界の部位にバランサが嵌着されているため、
偏心軸に一方取り加工部を設けることなく、バランサを
モータ軸に一体回転するように固定することができ、加
工作業性および組付作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である揺動ピストン容積形ポ
ンプ駆動用モータを示す縦断面図である。
【図2】その要部を示す分解斜視図である。
【図3】(a)、(b)はその作用を説明するための各
説明図である。
【図4】本考案の他の実施例である揺動ピストン容積形
ポンプ駆動用モータを示す縦断面図である。
【図5】その要部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10…揺動ピストン容積形ポンプ駆動用モータ、11…
モータ部、12…エンドブラケット、13…ヨーク、1
4…マグネット、15、15A…モータ軸、16…アー
マチュア、17…コミテータ、18…ブラシ、19…端
部軸受、20…中間部軸受、21…取付部、22…小径
部、23、24…雄一方取り部、25…環状溝、26…
ストッパリング、30、30A…偏心軸、31…軸挿通
孔、32…回り止め穴、33、36…雌一方取り部、3
4…第1バランサ、35…軸挿通孔、37…回り止め
穴、40…第2バランサ、41…軸挿通孔、42…雌一
方取り部、43…回り止め穴、44…バランサ、45…
バランサ本体、46…モータ軸嵌入部、47…偏心軸嵌
入部、48…スペーサ部、49…コネクティングロッド
軸受、50…ポンプ部、51…ポンプケーシング、52
…シリンダ室、53…ピストン、54…コネクティング
ロッド、55…ピン、56…シリンダヘッド、57…吐
出口、58…吸入口、59…吐出弁、60…吸入弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 萩原 浩 群馬県桐生市広沢町1丁目2681番地 株 式会社三ツ葉電機製作所内 (56)参考文献 実開 昭62−140869(JP,U)

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ軸の端部に偏心軸が一体回転する
    ように配設されているとともに、偏心軸との回転バラン
    スを確保するためのバランサがモータ軸と一体回転する
    ように固定されているモータにおいて、 前記バランサは偏心位置に軸挿通孔が開設され、前記偏
    心軸よりも大径の円柱形状に一体成形されているととも
    に、その一端面には回り止め穴が形成されており、 前記偏心軸の一端部がバランサの前記回り止め穴に嵌入
    されて前記偏心軸およびバランサが前記軸挿通孔におい
    て前記モータ軸に嵌合されていることを特徴とするモー
    タ。
  2. 【請求項2】 モータ軸の端部に偏心軸が一体回転する
    ように配設されているとともに、偏心軸との回転バラン
    スを確保するためのバランサがモータ軸と一体回転する
    ように固定されているモータにおいて、 前記バランサが前記モータ軸と前記偏心軸とに跨がって
    嵌合されているとともに、偏心軸嵌入部がモータ軸嵌入
    部に対して偏心軸の偏心量分だけ偏心されていることを
    特徴とするモータ。
  3. 【請求項3】 前記バランサの偏心軸嵌入側端面にスペ
    ーサ部が一体的に突設されているとともに、前記偏心軸
    に負荷用軸受がこのスペーサ部に当接された状態で、偏
    心軸に嵌合されていることを特徴とする実用新案登録請
    求の範囲第2項記載のモータ。
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