JP2570327B2 - フォーカスサーボ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、TVカメラに装着されるレンズ鏡筒のフォー
カスサーボ装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のこの種のフォーカスサーボ装置は、第４図に示
すような構造であった。

この第４図に於いて、レンズ鏡筒（21）は不図示のTV
カメラ本体に装着されており、レンズ鏡筒（21）のフォ
ーカス環（22）には回転用ギヤ（23a）および検出用ギ
ヤ（24a）が歯合されている。回転用ギヤ（23a）はモー
タ（23b）に、検出用ギヤ（24a）は回転検出器（24b）
に軸支されている。回転用ギヤ（23a）とモータ（23b）
とはフォーカス環（22）を回転させる回転手段を構成
し、検出用ギヤ（24a）と回転検出器（24b）とは回転角
度検出手段を構成している。モータ（23b）および回転
検出器（24b）は制御手段（25）に接続されており、制
御手段（25）が制御用スイッチ（25a）のONにより、フ
ォーカス環（22）を回転させるための回転制御信号をモ
ータ（23b）に出力し、またフォーカス環（22）の回転
角度を、その最大回転までに検出させるための検出制御
信号を角度検出器（24b）に出力する。尚、回転手段、
回転角度検出手段、制御手段（25）は、不図示のレンズ
鏡筒（21）の装着部材上に配設され、これらの手段は前
記装着部材によってレンズ鏡筒（21）に装着されてい
る。

〔本発明が解決しようとする問題点〕

上記の如き従来のフォーカスサーボ装置において、制
御手段（25）は第４図中のフォーカス環（22）の最大回
転に応じて制御しているが、TVカメラ本体に別のレンズ
鏡筒を装着させる際、そのフォーカス環の最大の回転角
度が第４図中のフォーカス環（22）よりも大きいとき
は、以下のような問題点が出てくる。

すなわち、制御手段（25）が第４図中のフォーカス環
（22）の最大の回転角度よりも越えたことを検知するこ
とができないために、角度検出手段（24a、24b）が別の
フォーカス環の最大回転までに回転角度を検出すること
ができず、これによって、フォーカス環の最大の回転角
度がそれぞれ異なる数個のレンズ鏡筒を前述のフォーカ
スサーボ装置に使用することはできないという問題点が
生じてしまう。

そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
で、フォーカス環の最大の回転角度がそれぞれ異なる数
個のレンズ鏡筒の全てを使用できるフォーカスサーボ装
置を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成するために、第１実施例に対
応する第１図を用いて説明すると、本発明は、 フォーカス環（3,11）の最大の回転角度がそれぞれ異
なる数個のレンズ鏡筒（1,2）と； 前記フォーカス環（3,11）を回転させる回転手段（4
a,4b）と； 前記フォーカス環（3,11）の回転角度を、その最大の
回転まで検出する検出手段（5a,5b,6a,6b）と； 前記回転手段（4a,4b）を制御すると共に、前記検出
手段（5a,5b,6a,6b）を制御する制御手段（７、7a）
と； から成るフォーカスサーボ装置に於いて、 前記検出手段（5a,5b,6a,6b）をそれぞれのレンズ鏡
筒（1,2）の最大回転角度に対応せしめて複数配設し、
更に前記レンズ鏡筒（1,2）に設けた識別部材（９）と
協働して、その識別信号を前記制御手段（７）に出力す
る識別手段（10a,10b,10c）を設け、該識別手段（10a,1
0b,10c）の出力信号に応じて前記制御手段（７）によ
り、前記フォーカス環（3,11）の回転角度を、それぞれ
の最大の回転角度まで駆動制御することを備えたことを
技術的要件としている。

〔作用〕

前記検出手段（5a,5b,6a,6b）をそれぞれのレンズ鏡
筒（1,2）の最大回転角度に対応せしめて複数配設する
一方、前記識別手段（10a,10b,10c）が識別部材（９）
により数個のレンズ鏡筒（1,2）のそれぞれを識別し、
その出力信号に応じて前記制御手段（７）が複数の検出
手段にフォーカス環（3,11）の回転角度を、それぞれの
最大の回転角度まで駆動制御せしめるために、フォーカ
ス環（3,11）の最大の回転角度がそれぞれ異なる数個の
レンズ鏡筒（1,2）の全てを使用するフォーカスサーボ
装置を得ることができる。

〔実施例〕

本発明の第１実施例を第１図に基づいて説明する。

この第１図に於いて、レンズ鏡筒（１）は不図示のTV
カメラ本体に装着されており、他方のレンズ鏡筒（２）
はTVカメラ本体から外している。レンズ鏡筒（１）のフ
ォーカス環（３）の歯形部には、１個の回転用ギヤ（4
a）と２個の検出用ギヤ（5a）、（6a）が歯合されてい
る。回転用ギヤ（4a）はモータ（4b）に、第１検出用ギ
ヤ（5a）は第１ポテンショ（5b）に、第２検出用ギヤ
（6a）は第２ポテンショ（6b）に、それぞれ軸支されて
いる。回転用ギヤ（4a）とモータ（4b）とはフォーカス
環を回転させる回転手段を構成し、第１検出用ギヤ（5
a）と第１ポテンショ（5b）とは第１角度検出手段を構
成し、第２検出用ギヤ（6a）と第２ポテンショ（6b）と
は第２角度検出手段を構成する。モータ（4b）、第１、
第２ポテンショ（5b）（6b）は制御手段（７）に接続さ
れている。制御手段（７）には、制御用スイッチ（7a）
がON−OFF間の移動自在に設けられている。

レンズ鏡筒（１）の後方に設けた環（８）には識別用
ピン（９）が固設されている。識別用ピン（９）に圧接
されている一片（10a）は識別用本体（10b）に設けられ
ており、一片（10a）は識別用本体（10b）のボタン（10
c）を押圧している。一片（10a）と識別用本体（10b）
とボタン（10c）とはそれぞれのレンズ鏡筒（１）、
（２）を識別する識別手段を構成する。この識別手段は
制御手段（７）に接続されている。

以上のように、フォーカスサーボ装置は回転手段、第
１、第２角度検出手段、制御手段、識別手段によって構
成されており、このフォーカスサーボ装置はレンズ鏡筒
（１）の着脱部材上に配設され、この着脱部材を介して
レンズ鏡筒（１）に装着されている。また、レンズ鏡筒
（１）には前述の識別ピン（９）を設けているが、別の
レンズ鏡筒（２）には識別ピンを設けていない。さら
に、第１回転角度検出手段（5a,5b）はレンズ鏡筒
（１）のフォーカス環（３）の回転角度を、その最大の
回転角度以内に検出し、第２回転角度検出手段（6a,6
b）は別のレンズ鏡筒（２）のフォーカス環（11）の回
転角度を、その最大の回転角度以内に検出するものとす
る。

このように構成された本発明のフォーカスサーボ装置
の動作について述べる。

まず、レンズ鏡筒（１）を不図示のTVカメラ本体に装
着し、次いで３つのギヤ（4a）、（5a）、（6a）がフォ
ーカス環（３）と噛み合うように、前述のフォーカスサ
ーボ装置をレンズ鏡筒（１）の着脱部材を介してレンズ
鏡筒（１）に装着すると、識別ピン（９）により一片
（10a）が圧接され、識別用本体（10b）のボタン（10
c）が前記圧接によって押される。識別用本体（10b）が
ボタン（10c）の押圧によってレンズ鏡筒（１）を識別
し、その識別信号を制御手段（７）に出力する。制御手
段（７）は回転制御用スイッチ（7a）の移動により、フ
ォーカス環（３）を回転させるための回転制御信号を第
１モータ（4b）に出力すると共に、識別用本体（10a）
からの識別信号に応答してフォーカス環（３）の回転角
度を、その最大の回転角度以内に検出させるための検出
制御信号を第１ポテンショ（5b）に出力する。このため
に、第１ポテンショ（5b）は第１検出用ギヤ（5a）を経
てフォーカス環（３）の回転角度を、その最大の回転角
度以内に検出する。

レンズ鏡筒（１）の代わりに別のレンズ鏡筒（２）を
不図示のTVカメラ本体に装着し、次いで３つのギヤ（4
a）、（5a）、（6a）が別のフォーカス環（11）と噛み
合うように、前述のフォーカスサーボ装置をレンズ鏡筒
（１）の着脱部材を介してレンズ鏡筒（１）に装着する
と、別のレンズ鏡筒（２）には前述の如く識別ピン
（９）を設けていないために、図中の一片（10a）が圧
接されず、識別用本体（10b）のボタン（10c）も押圧さ
れず、これによって識別用本体（10b）が別のレンズ鏡
筒（２）を識別し、その識別信号を制御手段（７）に出
力する。制御手段（７）は回転制御用スイッチ（7a）の
移動により、別のフォーカス環（11）を回転させるため
の回転制御信号を第１モータ（4b）に出力すると共に、
識別用本体（10a）からの識別信号に応答して別のフォ
ーカス環（11）の回転角度を、その最大の回転角度以内
に検出させるための検出制御信号を第２ポテンショ（6
b）に出力する。このために、第２ポテンショ（6b）が
第２検出用ギヤ（6a）を経てフォーカス環（11）の回転
角度を、その最大の回転角度以内に検出する。

次に、第２実施例を第２図に基づいて説明する。尚、
第２図中、第１図中と同一符号の部材は同一部材である
ので、説明を省略する。但し、第２図（第２実施例）と
第１図（第１実施例）との違いは、角度検出手段の構造
である。第１図では第１ポテンショ（5b）と第２ポテン
ショ（6b）は並列に配設されているが、第２図では第１
ポテンショ（5b）と第２ポテンショ（6b）は直列接続の
状態で配設されている。このような構成であるから、識
別用本体（10b）が識別ピン（９）の有無によりレンズ
鏡筒（１）、（２）のいずれかを識別し、その識別信号
に応じて、制御手段（７）が回転制御用スイッチ（7a）
のONによって第１ポテンショ（5b）、第２ポテンショ
（6b）のいずれかに制御信号を出力する。この制御信号
が第１ポテンショ（5b）に入力すると、第１ポテンショ
（5b）が検出用ギヤ（12）によりフォーカス環（３）の
回転角度を検出し、また制御信号が第２ポテンショ（6
b）に入力すると、第２ポテンショ（6b）が第１ポテン
ショ（5b）を介して検出用ギヤ（12）により第１図中の
別のフォーカス環（11）の回転角度を検出する。それ以
外の動作は第１実施例（第１図参照）と同様である。

今度は第３実施例を、第３図に基づいて説明する。第
３図はフォーカスサーボ装置の概略上面図であり、第３
図中、第１図中と同一符号の部材は同一部材であるので
説明を省略する。

第３図に於いて、角度検出手段は１個のポテンショ
（13）と、回転軸（14）を経てポテンショ（13）に軸支
される２個のギヤ（15）、（16）と、一方のギヤ（16）
と歯合される伝達ギヤ（17）とから構成されている。

識別用本体（10b）が識別ピン（９）の有無によりレ
ンズ鏡筒（１）、（２）のいずれかを識別し、その識別
信号に応じて、制御手段（７）が回転制御用スイッチ
（7a）のONによって、前記ギヤ（15）、（16）、（17）
を図示の矢印方向に移動させながら切り換える。すなわ
ち、識別用本体（10a）がレンズ鏡筒（１）を識別した
ときは、制御手段（７）が第１ギヤ（15）を用いるよう
に切り換え、別のレンズ鏡筒（２）を識別したときは、
第２ギヤ（16）と伝達ギヤ（17）とを用いるように切り
換える。これらのギヤの切り換えと同時に、ポテンショ
（13）が制御手段（７）によりフォーカス環（２）、
（11）の回転角度を、それぞれの最大の回転角度まで駆
動制御する。

〔発明の効果〕

以上の本発明によれば、検出手段がそれぞれのレンズ
鏡筒の最大回転角度に対応せしめて複数配設され、また
識別手段が識別部材により数個のレンズ鏡筒のそれぞれ
を識別し、その出力信号に応じて前記制御手段が複数の
検出手段にフォーカス環の回転角度を、それぞれの最大
の回転角度まで駆動制御せしめるために、フォーカス環
の最大の回転角度がそれぞれ異なる数個のレンズ鏡筒の
全てを使用するフォーカスサーボ装置を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の第１実施例に係るフォーカスサーボ
装置の概略斜視図である。 第２図は、本発明の第２実施例に係るフォーカスサーボ
装置の概略斜視図である。 第３図は、本発明の第３実施例に係るフォーカスサーボ
装置の概略上面図である。 第４図は、従来に係るフォーカスサーボ装置の概略斜視
図である。 〔主要部分の符号の説明〕 （１）、（２）……レンズ鏡筒 （３）、（11）……フォーカス環 （4a）……回転用ギヤ、（4b）……モータ （5a）、（6a）、（12）……検出用ギヤ （5b）、（6b）……ポテンショ （７）……制御回路、（９）……識別ピン （10a）……一片、（10b）……識別用本体 （10c）……識別用ボタン

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】TVカメラ本体に装着されるレンズ鏡筒のフ
   ォーカス環を駆動機構で回転させ、回転する前記フォー
   カス環の回転角度を回転角度検出手段で検出し、制御装
   置を用いて前記駆動機構及び前記回転角度検出手段を制
   御するフォーカスサーボ装置において、 前記レンズ鏡筒を識別して識別信号を前記制御装置に出
   力する識別機構と、 前記識別信号に対応した検出制御信号を前記回転角度検
   出手段に出力すると共に、フォーカス環を回転させるた
   めに前記駆動機構に回転制御信号を出力する制御装置
   と、 前記検出制御信号を受けて前記フォーカス環の回転角度
   をその最大の回転角度まで検出する回転角度検出手段
   と、 前記回転制御信号を受けてフォーカス環を回転させる駆
   動機構と、 を有することを特徴とするフォーカスサーボ装置。
2. 【請求項２】前記回転角度検出手段は、前記TVカメラに
   装着されるレンズ鏡筒のそれぞれの最大回転角度に対応
   させるために複数配置されることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載のフォーカスサーボ装置。
3. 【請求項３】前記回転角度検出手段は、前記制御装置か
   らの検出制御信号を受けた時に、装着されているレンズ
   鏡筒のフォーカス環の最大回転角度に対応させるために
   切り換えを行う切換装置を有することを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載のフォーカスサーボ装置。