JP2570244Y2 - カード挿入・排出機構 - Google Patents

カード挿入・排出機構

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JP2570244Y2
JP2570244Y2 JP1993048091U JP4809193U JP2570244Y2 JP 2570244 Y2 JP2570244 Y2 JP 2570244Y2 JP 1993048091 U JP1993048091 U JP 1993048091U JP 4809193 U JP4809193 U JP 4809193U JP 2570244 Y2 JP2570244 Y2 JP 2570244Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、プリペイドカードが利
用可能な自動販売機・鉄道用切符販売機・カード公衆電
話機などのカード処理装置に適用され、カードが挿入・
排出されるカード挿入・排出機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動販売機・鉄道用切符販売機・
カード公衆電話機などに使用されるカード処理装置は、
価値に見合った度数情報が記録されたカードに対し、利
用度数に応じてカード残度数が減算処理されるようにな
っている。
【0003】そして、この種のカード処理装置では、最
初に挿入した1枚目のカードの残高が購入金額に不足す
る場合、引き続き2枚目のカードを挿入することで、所
望の物品を購入または通話などのサービスが受けられる
ようになっている。
【0004】図4は特公平5−22950号公報に開示
されたカード処理装置を示す図である。このカード処理
装置では、カード挿入口とカード返却口が1個のカード
出入口70で形成され、カード出入口70から一定長さ
の位置にカード71(71a,71b)の挿入を阻止す
るシャッター機構72が配設され、カード71が搬送さ
れるカード処理搬送路73の奥方にカード待避機構74
が設けられている。
【0005】そして、1枚目のカード71aに記録され
ている価値が無くなって金額が不足する場合、カード待
避機構74を動作させて1枚目のカード71aをカード
待避通路75に一時待避させる。その後、挿入状態にあ
る2枚目の追加カード71bを自動的に取り込み、この
カード71bから不足する金額が減算されると、所望の
物品を購入または通話などのサービスが受けられる。こ
の減額処理において、各々のカード71が所定額まで減
額されると、カード71の残高または残度数の目安とす
るため、返却時にカード71に対してパンチ機構76に
よりさん孔処理が行われる。そして、所望のサービスが
終了すると、待避していた価値の無いカード71aは、
追加カード71bと共に1枚ずつカード出入口70より
返却される。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところで、この種のカ
ード処理装置に使用されるカード71は、通常ペットカ
ードと称し、非常に薄く形成されているので、シャッタ
ー機構72が解除れている状態では、カード出入口70
から複数枚(例えば2枚)のカード70を重ねて挿入す
ることが可能である。このため、従来のカード処理装置
では、例えばカード出入口直後のカード処理搬送路73
中にセンサを設け、2枚のカードが重なってカード出入
口より挿入されたときに、これら2枚のカードをセンサ
により検知してカードの長さを判断している。ここで、
もし、カードが所定長さ以上であると判別されると、種
類の異なるカードか2枚のカードの一部が重なり合って
搬送されていると判断し、アラームを出力するとともに
カードが返却されるようになっていた。
【0007】しかしながら、2枚のカードが完全に重な
り合っていた場合には、長さだけでは判断できないの
で、この重なり合った2枚のカードを装置内部に取り込
む可能性があった。
【0008】そして、2枚のカードが重なったまま装置
内部に取り込まれると、搬送機構であるローラで内部所
定位置まで正常に搬送されず、搬送路の途中で停止して
いまい、その処理が行えないという問題があった。
【0009】また、カードが装置内部の所定位置まで取
り込まれると、2枚のカードは、磁気ヘッドによってそ
の磁気情報が読み出されて処理されることになる。例え
ば550円のカードと1000円のカードが重なって取
り込まれ、550円のカードの磁気面が磁気ヘッド側に
あった場合、磁気ヘッドは、550円のカードの磁気情
報を読み取る。そして、顧客が100円のジュースを購
入すると、550円のカードから減算処理し、500円
以下になったという事で、減算処理後の450円のカー
ドに対して残額500以下を示すさん孔処理を行なう。
この際、未処理の1000円のカードも一緒にさん孔処
理され、この残額1000円は、見た目には残額が50
0円以下と誤って判断するおそれがあった。
【0010】また、上述した従来のカード処理装置で
は、カード出入口からカードが1枚ずつ挿入・排出さ
れ、カードが1枚排出されてから次のカードが排出され
るまでに間があり、複数枚のカードを一括して取り出す
ことができないので、利用者は1枚のカードを取り出し
た後、残りのカードをカード出入口に残したままその場
を立ち去るおそれがあり、カードの抜き忘れを確実に防
止することができなかった。
【0011】そこで、本考案は、上述した問題点に鑑み
て成されたものであって、その目的は、挿入時にはカー
ドが2枚以上重なった状態で装置内部に取り込むことが
なく、返却時には複数枚のカードを一緒に排出でき、カ
ードの取り忘れを確実に防止できるカード挿入・排出機
構を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案によるカード挿入・排出機構は、複数枚のカ
ード4が通過可能で、該カードが挿入・排出される1個
の挿入口5と、該挿入口に回動自在に軸支され、前記挿
入口と対面する先端部の幅方向に該挿入口の下面5cと
接離する一対の突出部8a,8aを有し、該突出部間に
1枚のカードが通過可能な凹部8cが形成されたシャッ
ター部材9と、該シャッター部材の各突出部が前記挿入
口の下面を押圧接触して前記シャッター部材の凹部と前
記挿入口の下面とにより1枚のカードのみが通過可能な
通路10を形成するように該シャッター部材を回動して
付勢力を与える付勢手段11と、前記カードの排出時に
該付勢手段による付勢力に抗して前記シャッター部材の
各突出部が前記挿入口の下面から離れるように前記カー
ドに搬送力を与えるカード搬送機構17とを備え、前記
カードの挿入時には、前記通路より1枚ずつカードが挿
入され、前記カードの排出時には、前記挿入口より複数
枚のカードが一緒に排出されることを特徴としている。
【0013】
【作用】挿入口5に軸支されたシャッター部材9は、常
時付勢手段11によりその先端の一対の突出部8a,8
aが装置内部側に回動しようとする付勢力が与えられて
いる。通常、シャッター部材9の各突出部8a,8a
は、付勢手段11の付勢力により挿入口5の下面5cに
押圧接触して止まっている。カード4の挿入時には、シ
ャッター部材9の突出部8a,8a間の凹部8cと挿入
口の下面5cとにより形成された通路10からカード4
が1枚ずつ挿入可能となる。カード4の排出時には、カ
ード4の端面がシャッター部材9の突出部8a,8aを
押圧して付勢手段11による付勢力に抗してシャッター
部材9の突出部8a,8aが挿入口5の下面5cから離
れる方面に回動し、複数枚のカード4が一緒に排出され
る。なお、カード4の排出が終了すると、再びシャッタ
ー部材9は、付勢手段11の付勢力によりその先端の一
対の突出部8a,8aを挿入口5の下面5cに押圧接触
して止まる。
【0014】
【実施例】図1(a),(b)は本考案によるカード挿
入・排出機構の一実施例であって、カード挿入時および
排出時の動作を示す断面図、図2(a),(b)は同カ
ード挿入口に設けられた挿入口レバーの正面図および側
面図、図3は同カード挿入口が適用されるカード処理装
置の概略構成図である。
【0015】まず、図3に基づいて本考案によるカード
挿入・排出機構が適用されるカード処理装置の構成につ
いて説明する。
【0016】カード処理装置の外形をなす筐体1は、上
部に突出部2を有する箱型に形成され突出部2が表面に
現れるように自動販売機や公衆電話機などの機器に組み
込まれている。
【0017】筐体1の突出部2の前面には、カード4
(4a,4b)が挿入・排出される1個のカード挿入口
5が形成されている。
【0018】カード挿入口5の奥には、段部15が形成
されており、この段部15は装置の底部に向かう逆J字
状のカード搬送路16に連通している。このカード搬送
路16は、カード挿入口5に連通する1枚分のカード4
の長さに対応した湾曲路16aと、湾曲路16aに連通
して筐体1の底部に垂下する直線路16bとによって形
成されている。カード搬送路16上には、カード搬送機
構17、シャッター機構18、待避機構19、磁気ヘッ
ド部20、パンチユニット21が配設されている。
【0019】また、カード搬送路16には、磁気ヘッド
部20の前側の直線路16bよりカード待避路25が分
岐して形成されている。このカード待避路25は、所望
の物品の購入または通話などのサービスを受けるにあた
って、金額に不足が生じたときに、1枚目のカード4a
を待避させている。
【0020】カード搬送機構17は、搬送ローラ26、
カード搬送ベルト27、搬送モータ28を備えて構成さ
れている。
【0021】搬送ローラ26は、カード4の長手方向の
寸法より短い間隔でカード搬送路16上に複数配設され
ている。この搬送ローラ26は、主動ローラ26A(2
6Aa,26Ab,26Ac,26Ad,26Ae)と
従動ローラ26B(26Ba,26Bb,26Bc)で
構成されたもので、各主動ローラ26A間には、無端状
のカード搬送ベルト27が掛け渡されている。また、主
動ローラ26Adと同一軸上に設けられた図示しないプ
ーリと、搬送モータ28との間に、図示しない無端状の
搬送ベルトが掛け渡されている。
【0022】そして、搬送モータ28の駆動によって各
搬送ローラ26を回転制御し、カード搬送路16に沿っ
てカード4を往復移動させている。
【0023】シャッター機構18は、カード挿入口5か
らのカード4の挿入を停止・解除するもので、シャッタ
ー30、シャッター用ソレノイド31を備えて概略構成
されている。
【0024】シャッター30は、カード挿入口5の直後
でカード搬送路16上に配設されており、上シャッター
部材30aと下シャッター部材30bによって一体的に
構成されている。上シャッター部材30aと下シャッタ
ー部材30bとの間には、複数枚のカード4が通過可能
なカード通路32を形成している。
【0025】また、シャッター30には、主動ローラ2
6Aaと対向する従動ローラ26Baが一体に設けられ
ている。下シャッター部材30bの突出片30baは、
シャッター用ソレノイド31の作動片31aに対向して
いる。従動ローラ26Baの軸にはシャッター復帰バネ
33が取り付けられ、このシャッター復帰バネ33の付
勢力により、シャッター30はシャッター用ソレノイド
31の方向に付勢されている。そして、シャッター30
は、シャッター用ソレノイド31のオン・オフによって
固定軸30cを中心に所定角度回動自在とされ、このと
き、従動ローラ26Baも主動ローラ26Aaと接離す
るように連動して移動する。
【0026】そして、シャッター用ソレノイド31がオ
ン状態のときは、下シャッター部材30bがカード挿入
口5とカード搬送路16との間の連通を阻止する位置に
移動し、カード挿入口5からのカード4の挿入を禁止し
ている。このとき、下シャッター部材30bの先端部の
上面は、カード挿入口5の段部15より手前側の上面に
当接している。これにより、シャッター30のカード通
路32は、カード挿入口5の段部15を境に、カード挿
入口5とは連通せずにカード搬送路16とのみ連通して
いる。またこのとき、従動ローラ26Baは主動ローラ
26Aaから離れる。
【0027】シャッター用ソレノイド31がオフ状態
(カード挿入前の状態)のときは、シャッター30のカ
ード通路32がカード挿入口5とカード搬送路16との
間を連通するように位置し、従動ローラ26Baは、シ
ャッター復帰バネ33の付勢力によって主動ローラ26
Aaに圧接している。
【0028】待避機構19は、金額が不足したときの1
枚目のカード4aをカード待避路25に待避させるもの
で、待避ガイド36、待避用ソレノイド37、プッシャ
ローラ38を備えて概略構成されている。
【0029】待避ガイド36は、シャッター機構18と
磁気ヘッド部20との間のカード搬送路16の直線路1
6bと平行に配設されており、一端の支軸36aを中心
に回動自在である。また、一端の突出片36bは、待避
用ソレノイド37に接続されている。
【0030】プッシャローラ38は、主動ローラ26A
cと対向する位置に配設され、アーム39の先端に回動
自在に軸支されている。アーム39は、待避ガイド36
の支軸36aに軸支されており、プッシャローラ38
は、支軸36aを中心として主動ローラ26Ac方向に
回動自在である。
【0031】待避ガイド36とアーム39との間には、
プッシャバネ40が設けられており、待避ガイド36の
回動時にプッシャローラ38を連動させている。
【0032】待避用ソレノイド37は、作動片37aに
コイルバネ41が設けられ、オン時に電磁力により作動
片37aが突出し、オフ時にコイルバネ41により復帰
する。
【0033】そして、待避用ソレノイド37がオン状態
のとき、待避ガイド36は、主動ローラ26Ac方向に
所定角度回動し、カード搬送路16上に突出する。同時
に、プッシャローラ38が主動ローラ26Acに接触す
る。
【0034】この状態で、搬送モータ28の逆転によ
り、1枚目のカード4aをカード待避路25に自動的に
導くことができる。また、搬送モータ28の正転時に
は、待避されたカード4aをカード搬送路16の直線路
16bに戻す。
【0035】待避用ソレノイド37がオフ状態のとき
は、待避ガイド36がカード搬送路16上から待避し、
かつ、プッシャローラ38が主動ローラ26Acから離
れる。これにより、1枚目のカード4aをカード待避路
25に待避させることができる。この待避用ソレノイド
37がオフ状態のとき、待避ガイド36は、直線路16
bと平行な状態に位置している。この状態で、搬送モー
タ28の正逆転により、カード搬送路16の直線路16
b上で2枚目のカード4bを搬送することができる。
【0036】磁気ヘッド部20は、磁気ヘッド45と押
圧ローラ46を備えて構成されている。磁気ヘッド45
は、カード搬送路16上を搬送するカード4の磁気情報
を読み出して図示しない上位のホストコンピュータに出
力している。また、磁気ヘッド45は、所定のサービス
が行われたときに、磁気情報に基づいてホストコンピュ
ータが減額処理した結果に基づいてカード4の磁気情報
の書き換えを行っている。
【0037】パンチユニット21は、カード4の残高
(残度数)の目安として、所定額まで減額処理されたカ
ード4に対して返却時にさん孔処理を行っている。
【0038】上述したカード搬送路16上には、カード
挿入口5へのカード4の挿入・排出を検知する挿入検知
センサ50、1枚目のカード4aがカード待避路25に
待避したか否かを検知する待避検知センサ52、カード
4を湾曲路16aまで搬送する際の搬送モータ28のパ
ルス数を決定する上でのタイミング信号として用いられ
るカウント用センサ53、カード4が最奥部まで搬送さ
れたか否かを検知する搬送位置確認センサ55をはじめ
として、カード4の搬送状態を検知する7種類のセンサ
50〜56が配設されている。
【0039】これらのセンサ50〜56は、カード4の
長手方向の寸法より短い間隔で配設されており、各セン
サの検知信号に基づいてカード搬送機構17、シャッタ
ー機構18、待避機構19、磁気ヘッド部20、パンチ
ユニット21の各部の駆動を制御している。また、すべ
てのセンサ50〜56の出力より、2枚のカード4a,
4bがカード待避路25を含めてカード搬送路16に残
留せずカード挿入口5に排出されたか否かのジャム検出
が行えるようになっている。
【0040】次に、図1および図2に基づいてカード挿
入・排出機構の構成について詳述する。
【0041】カード挿入口5は、外側に角度θ1の広い
開口5aを成しており、この開口5aより筐体1の上面
側に向かって所定角度傾斜した少なくとも2枚分のカー
ド4が通過可能なカード通路5bを形成している。この
カード挿入口5の下面5cは、装置内部側の傾斜角θ2
より小さい角度θ3の段差突起6を持つ傾斜面を成して
おり、この段差突起6により、カード挿入口5の内部か
ら排出されるカード4をわずかに屈曲させて保持し、カ
ード4の落下を防止している。
【0042】図2(a)に示すように、カード挿入口5
の上部には、中心軸7と、この中心軸7に回動自在な左
右一対のレバー片8からなるシャッター部材をなす挿入
口レバー9が軸支されている。各レバー片8の先端の外
側部分は、カード挿入口5の下面5cと接離する所定幅
の突出部8a,8aを形成している。この突出部8aの
突出量L1は1枚分のカード4の厚さL2よりやや大き
く形成されている(2枚分のカードの厚さよりは小さ
い)。突出部8a,8a間には、カード4の幅H1より
大きい幅H2の凹部8cが形成され、この凹部8cはカ
ード挿入口5の下面5cとにより1枚のカード4のみ通
過可能なカード通路10を形成している。各レバー片8
の上部には、押圧突起8bが一体形成されている。この
押圧突起8bは、筐体1側に取り付けられた付勢手段と
しての板バネ11によって各レバー片8の先端がカード
挿入口5の下面5cを押圧接触するように付勢されてい
る。そして、各レバー片8の先端はカード挿入口5の下
面5cに接触し、それ以上装置内部側に回動しないよう
になっている。
【0043】次に、上記のように構成されたカード挿入
・排出機構をカード処理装置に適用した場合の動作につ
いて説明する。
【0044】ここで、購入金額に対して1枚目のカード
4aの残高のみで購入できる場合には、一般的なカード
処理動作が行われる。以下の動作説明においては、1枚
目のカード4aの残高が購入金額に満たず、2枚目のカ
ード4bを追加する場合について説明する。
【0045】まず、初期位置では、シャッター用ソレノ
イド31はオフしており、シャッター30は、シャッタ
ー復帰バネ33により、シャッター30のカード通路3
2がカード挿入口5とカード搬送路16との間を連通し
てカード挿入を許可する場所に位置している。また、従
動ローラ26Baは主動ローラ26Aaに接触してい
る。このとき、待避用ソレノイド37もオフしており、
待避ガイド36は、コイルバネ41により、カード搬送
路16から引き込まれた場所に位置し、プッシャローラ
38は、カード搬送機構17とは離れた場所に位置して
いる。
【0046】ここで、顧客が1枚目のカード4aをカー
ド挿入口5に挿入し、このカード挿入を挿入検知センサ
50が検知すると、搬送モータ28が正転してカード4
aは従動ローラ26Baと主動ローラ26Aaに挟まれ
て湾曲路16aに搬送され、その後、磁気ヘッド部20
まで搬送する。
【0047】この外部からの1枚目のカード4aの挿入
時を含み、通常は、板バネ11の付勢力が押圧突起8b
を介して各レバー片8に伝えられる。これにより、各レ
バー片8の先端には装置内部側に回動しようとする付勢
力が与えられており、各レバー片8の先端部端面がこの
付勢力によりカード挿入口5の下面5cに押圧接触して
止まっている。従って、外部と装置内部とはレバー片8
間に形成されたカード通路10のみが開口していること
になり、カード4の挿入時には、カード通路10により
1枚のカード4のみが挿入可能となり、2枚以上のカー
ド4の挿入は阻止される(図1(a)参照)。
【0048】そして、この1枚目のカード4aの後端が
装置内に入ったことを挿入検知センサ50が検知する
と、シャッター用ソレノイド31がオンし、シャッター
復帰バネ33に抗してシャッター30を外部からの追加
カードの挿入を禁止し、かつ装置内部からのカード4a
の排出を禁止する位置に移動させる。
【0049】次に、磁気ヘッド45は、1枚目のカード
4aの残高を読み取る。このときの残高情報は、図示し
ない上位のホストコンピュータに出力される。
【0050】1枚目のカード4aの残高が読み取られ残
高が購入金額に不足すると、待避用ソレノイド37がオ
ンし、待避ガイド36が支点を中心に回転して待避ガイ
ド36の先端がカード搬送路16を越える。このとき、
プッシャローラ38も連動して動作し、主動ローラ26
Acに接触する。
【0051】この状態で、搬送モータ28が逆転する
と、1枚目のカード4aがカード挿入口5側に逆送さ
れ、主動ローラ26Acおよびプッシャローラ38の回
転により、1枚目のカード4aは、ローラ26Ac,3
8間に挟まれた状態で待避ガイド36によってカード待
避路25に誘導される。
【0052】ここで、1枚目のカード4aがカード待避
路25に待避したことを待避検知センサ52が確認する
と、待避用ソレノイド37がオフし、待避ガイド36お
よびプッシャローラ38は、コイルバネ41によって初
期位置に戻る。このとき、カード4aの端部は、待避ガ
イド36およびプッシャローラ38間に挟持された状態
のまま待機する。また、同時にシャッター用ソレノイド
31がオフし、シャッター30は、シャッター復帰バネ
33によってカード挿入を許可する位置に移動する。
【0053】次に、顧客が2枚目のカード4bをカード
挿入口5に挿入すると、このカード挿入を挿入検知セン
サ50が検知し、搬送モータ28の正転により、2枚目
のカード4bを磁気ヘッド部20まで搬送する。この状
態で、磁気ヘッド45は、2枚目のカード4bの残高を
読み取る。
【0054】この外部からの2枚目のカード4bの挿入
時も、1枚目のカード4aの挿入時と同様に、外部から
はレバー片8間に形成されたカード通路10より1枚の
カード4bのみが挿入可能となり、2枚以上のカード4
の挿入は阻止される(図1(a)参照)。
【0055】2枚目のカード4bの後端が装置内に入っ
たことを挿入検知センサ50が検知すると、シャッター
用ソレノイド31がオンし、シャッター30は、再び追
加カードの挿入を禁止し、かつ装置内部からのカード排
出を禁止する位置まで移動する。
【0056】2枚目のカード4bの残高情報がホストコ
ンピュータに出力されると、ホストコンピュータから指
示されたプログラムに従って、2枚目のカード4bの減
額処理を行った後、1枚目のカード4aの減額処理が行
われる。
【0057】そして2枚目のカード4bの減額処理が終
了すると、カード4bには、磁気ヘッド45により、減
額後の新規残高が磁気情報として書き込まれる。その
後、必要に応じてパンチユニット21によるさん孔処理
が行われ、カード挿入口5側へ搬送される。
【0058】このとき、シャッター用ソレノイド31は
オン状態にあり、シャッター30は、装置内部からのカ
ード4の排出を禁止する位置に移動し、カード挿入口5
とシャッター30内部のカード通路32は繋がっていな
い。そして、カウント用センサ53が2枚目のカード4
bの後端を検知し、搬送モータ28が所定パルス数逆転
すると、2枚目のカード4bは、後端がカード搬送路1
6の直線路16bから外れた位置まで搬送され、湾曲路
16aに待機状態となる。このとき、シャッター用ソレ
ノイド31がオンしているので、2枚目のカード4bの
両端は、主動ローラ26Aa,26Abと従動ローラ2
6Ba,26Bbに挟持されていない。これにより、2
枚目のカード4bは、湾曲路16aの位置で待機するこ
とになる。
【0059】次に、2枚目のカード4bが待機状態にあ
ることを待機検知センサ51が検知すると、待避用ソレ
ノイド37がオンし、待避ガイド36内部のカード通路
がカード搬送路16と接続される。このとき、待避ガイ
ド36が支点を中心に回転し、待避ガイド36の先端が
カード搬送路16を越えるとともに、アーム39も連動
してプッシャローラ38が主動ローラ26Acに接触す
る。
【0060】この状態で、搬送モータ28が正転する
と、カード待避路25に待避していた1枚目のカード4
aは、端部が待避ガイド36およびプッシャローラ38
間に挟持された状態で、主動ローラ26Acおよびプッ
シャローラ38の回転により、カード待避路25からカ
ード搬送路16に取り出されて磁気ヘッド45まで搬送
される。このとき、湾曲路16aに待機している2枚目
のカード4bは、主動ローラ26Aa,26Abと従動
ローラ26Ba,26Bbに挟持されていないので、搬
送モータ28の駆動力が伝達されず、磁気ヘッド部20
側へ搬送されることはない。また、カード4bの後端
は、カード搬送路16から外れて段差16aaに位置し
ている。
【0061】次に、1枚目のカード4aから残高全額が
減額されて新規残高として0円がエンコードされる。そ
の後、必要に応じてパンチユニット21による穿孔処理
が行われる。
【0062】そして、カウント用センサ53が1枚目の
カード4aの後端を検知し、搬送モータ28が所定パル
ス数逆転すると、1枚目のカード4aは、湾曲路16a
まで搬送され、2枚目のカード4bと重なって待機状態
となる。このとき、シャッター用ソレノイド31がオン
状態にあり、シャッター30は、内部からのカード4の
排出を禁止する位置に移動している。これにより、シャ
ッター30のカード通路32上に段部15が位置し、シ
ャッター30のカード通路32は、カード挿入口5とは
連通せず、カード搬送路16とのみ連通する。そして、
カード通路32上に位置した段部15の壁面により、先
に待機していた2枚目のカード4bは、湾曲路16aま
で搬送されてきた1枚目のカード4aに押されてカード
挿入口5から排出されるのを防止することができる。
【0063】次に、2枚のカード4a,4bが待機状態
になると、シャッター用ソレノイド31がオフし、シャ
ッター復帰バネ33により、シャッター30が移動し、
シャッター30内部のカード通路32とカード挿入口5
が連通する。このとき、シャッター機構18の従動ロー
ラ26Baも2枚のカード4a,4bを挟持して搬送可
能になり、搬送モータ28の逆転に伴い、2枚のカード
4a,4bは、一括してカード挿入口5側に排出され
る。
【0064】この内部からのカード4の排出時には、カ
ード4の端面が各レバー片8の先端部を押圧して、板バ
ネ11による付勢力に抗して各レバー片8の先端を挿入
口方向に回動する。これにより、板バネ11は、押圧突
起8bによって持ち上げられる。この結果、各レバー片
8の先端とカード挿入口5の下面5cには隙間が生じ、
複数枚(例えば2枚)のカード4が一括して排出可能と
なり、所定量排出された所でカード挿入口5の段差突起
6により屈曲して保持される(図1(b)参照)。な
お、この保持されたカード4を利用者が抜き取った後、
再び各レバー片8は板バネ11の付勢力により、その先
端部端面をカード挿入口5の下面5cに押圧接触して止
まる。
【0065】従って、上述した実施例によれば、1枚の
カード4のみ通過可能なカード通路10が形成された挿
入口レバー9の先端、すなわち、各レバー片8の突出部
8aの先端は、板バネ11により付勢されてカード挿入
口5の下面5cに押圧接触するので、装置外部からのカ
ード4の挿入時には、2枚以上重なった状態で装置内部
に取り込まれるおそれがない。これにより、従来のよう
に、未処理のカードに誤ってパンチ処理を施すこともな
く、カード4を1枚ずつ確実にカード挿入口5より取り
込んで装置内で処理することができる。また、装置内部
からのカード4の排出時には、複数枚のカード4がカー
ド挿入口5から一緒に排出されるので、カード4の取り
忘れを確実に防止して返却することができる。
【0066】ところで、上述した実施例では、付勢手段
として、板バネ11により挿入口レバー9の各レバー片
8の先端をカード挿入口5に押圧接触させる構成につい
て説明したが、この板バネ11に代えてコイルスプリン
グなどの弾性部材によって挿入口レバー9を付勢する構
成としてもよい。
【0067】また、上述した実施例のカード挿入口5
は、図3に示すカード処理装置の構成に限らず、カード
を1枚ずつ挿入して、取引終了後の複数枚のカードを一
括して排出する構成の装置であれば適用することができ
る。
【0068】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
外部から1枚のカードしか挿入を許可せず、2枚以上重
なった状態で装置内部に取り込まれることがなく、カー
ドの返却時に複数枚のカードを一緒に排出できるカード
挿入・排出機構を特別な位置調整を必要とせずに少ない
部品で簡単な構造により構成でき、このカード挿入口を
カード処理装置に適用すれば、従来のように、誤って未
処理のカードにパンチ処理を施すことがなく、カードの
取り忘れも確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本考案によるカード挿入・排出機構の一
実施例であって、カード挿入時の動作を示す断面図 (b)同カード挿入・排出機構のカード排出時の動作を
示す断面図
【図2】(a)カード挿入口に設けられた挿入口レバー
の正面図 (b)カード挿入口に設けられた挿入口レバーの側面図
【図3】同カード挿入・排出機構が適用されるカード処
理装置の一実施例を示す図
【図4】従来のカード挿入口を備えたカード処理装置の
構成を示す図
【符号の説明】
4…カード、5…カード挿入口(挿入口)、9…挿入口
レバー(シャッター部材)、11…板バネ(付勢手
段)、17…カード搬送機構。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚のカード(4)が通過可能で、該
    カードが挿入・排出される1個の挿入口(5)と、 該挿入口に回動自在に軸支され、前記挿入口と対面する
    先端部の幅方向に該挿入口の下面(5c)と接離する一
    対の突出部(8a,8a)を有し、該突出部間に1枚の
    カードが通過可能な凹部(8c)が形成されたシャッタ
    ー部材(9)と、 該シャッター部材の各突出部が前記挿入口の下面を押圧
    接触して前記シャッター部材の凹部と前記挿入口の下面
    とにより1枚のカードのみが通過可能な通路(10)を
    形成するように該シャッター部材を回動して付勢力を与
    える付勢手段(11)と、 前記カードの排出時に該付勢手段による付勢力に抗して
    前記シャッター部材の各突出部が前記挿入口の下面から
    離れるように前記カードに搬送力を与えるカード搬送機
    構(17)とを備え、 前記カードの挿入時には、前記通路より1枚ずつカード
    が挿入され、前記カードの排出時には、前記挿入口より
    複数枚のカードが一緒に排出されることを特徴とするカ
    ード挿入・排出機構。
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