JP2569880Y2 - ダイナミックマイクロホンの振動板 - Google Patents
ダイナミックマイクロホンの振動板Info
- Publication number
- JP2569880Y2 JP2569880Y2 JP1991098144U JP9814491U JP2569880Y2 JP 2569880 Y2 JP2569880 Y2 JP 2569880Y2 JP 1991098144 U JP1991098144 U JP 1991098144U JP 9814491 U JP9814491 U JP 9814491U JP 2569880 Y2 JP2569880 Y2 JP 2569880Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diaphragm
- dome
- sub
- dynamic microphone
- peripheral
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は音声等の音波を電気信
号に変換するダイナミックマイクロホンに関し、特に詳
しく言うと、振動板のスチフネスを高めることなく異常
共振を効果的に抑えたダイナミックマイクロホンの振動
板に関する。
号に変換するダイナミックマイクロホンに関し、特に詳
しく言うと、振動板のスチフネスを高めることなく異常
共振を効果的に抑えたダイナミックマイクロホンの振動
板に関する。
【0002】
【従来の技術】音源から出射される音波によって振動す
る振動板に取付けられたボイスコイルを磁気回路のギャ
ップ内で振動板と一体に振動させ、ボイスコイルの振動
速度を電気信号として出力するダイナミックマイクロホ
ンは、業務用はもとより一般家庭においても広く利用さ
れている。このようなダイナミックマイクロホンは振動
板と、マグネットと、ボイスコイルと、そして振動板の
周縁部が接合されるとともにマイクロホンの各構成要素
を内蔵するユニットケースとから主に構成されており、
低域限界を低い周波数に位置させることが要求されるた
め、振動板やボイスコイルは種々工夫されている。共振
周波数を低く設定するには、ボイスコイルの重量を増す
こと、振動板の素材を薄くすること、そして振動板のサ
ブドームの形状を共振周波数が低くなるように変える等
の方法がある。
る振動板に取付けられたボイスコイルを磁気回路のギャ
ップ内で振動板と一体に振動させ、ボイスコイルの振動
速度を電気信号として出力するダイナミックマイクロホ
ンは、業務用はもとより一般家庭においても広く利用さ
れている。このようなダイナミックマイクロホンは振動
板と、マグネットと、ボイスコイルと、そして振動板の
周縁部が接合されるとともにマイクロホンの各構成要素
を内蔵するユニットケースとから主に構成されており、
低域限界を低い周波数に位置させることが要求されるた
め、振動板やボイスコイルは種々工夫されている。共振
周波数を低く設定するには、ボイスコイルの重量を増す
こと、振動板の素材を薄くすること、そして振動板のサ
ブドームの形状を共振周波数が低くなるように変える等
の方法がある。
【0003】しかしながら、ボイスコイルの重量を増す
と、振動雑音の増加を招き、また振動板の素材自体を薄
くしてそのスチフネスを低くすると3KHz以上の帯域
において異常発振が発生し易くなる。またサブドームの
形状を変えると、中高域に異常共振を発生させる原因に
なるので、試作には多くの成形型を製作しその中から適
当なものを選択しなければならず、この形状の決定には
経験的要素が大きく、試作費用も高くなり、結局コスト
高になる。
と、振動雑音の増加を招き、また振動板の素材自体を薄
くしてそのスチフネスを低くすると3KHz以上の帯域
において異常発振が発生し易くなる。またサブドームの
形状を変えると、中高域に異常共振を発生させる原因に
なるので、試作には多くの成形型を製作しその中から適
当なものを選択しなければならず、この形状の決定には
経験的要素が大きく、試作費用も高くなり、結局コスト
高になる。
【0004】この異常共振の原因は主として、サブドー
ムの厚みおよび形状に起因すると考えられる。これを抑
えるために、制動材である周辺処理剤をサブドームの全
面に塗布することが、例えば西ドイツのゼンハイザー社
より販売されている「 MD431U型」 のマイクロホン
等により実施されている。
ムの厚みおよび形状に起因すると考えられる。これを抑
えるために、制動材である周辺処理剤をサブドームの全
面に塗布することが、例えば西ドイツのゼンハイザー社
より販売されている「 MD431U型」 のマイクロホン
等により実施されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、周辺処
理剤をサブドームの全面に連続的に塗布すると、異常共
振の発生は改善されるが、周辺処理剤の薄膜がドーナツ
状に形成されることになり、特性のばらつきや劣化を生
じさせ、特に200Hz以下の低域特性が急激に減衰し
てしまい、実質的に低域の収音が困難になり、振動板の
形状を変えなければならない。また周辺処理剤が振動板
とユニットケースとの接着部に塗布されると特性が大き
く変化してしまう等、塗布には細心の注意を払いながら
行なわなければならず、安価なマイクロホンにはこの方
法は適用しづらい。
理剤をサブドームの全面に連続的に塗布すると、異常共
振の発生は改善されるが、周辺処理剤の薄膜がドーナツ
状に形成されることになり、特性のばらつきや劣化を生
じさせ、特に200Hz以下の低域特性が急激に減衰し
てしまい、実質的に低域の収音が困難になり、振動板の
形状を変えなければならない。また周辺処理剤が振動板
とユニットケースとの接着部に塗布されると特性が大き
く変化してしまう等、塗布には細心の注意を払いながら
行なわなければならず、安価なマイクロホンにはこの方
法は適用しづらい。
【0006】そこでこの考案は、異常共振が起こり易い
場所がサブドームであることを見出し、この異常共振し
易い場所にのみ周辺処理剤を塗布して異常共振を抑える
ようにしたダイナミックマイクロホンの振動板を提供す
ることにある。
場所がサブドームであることを見出し、この異常共振し
易い場所にのみ周辺処理剤を塗布して異常共振を抑える
ようにしたダイナミックマイクロホンの振動板を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この考案のダイナミック
マイクロホンの振動板は、センタードームとこのセンタ
ードームの外周を囲むように形成されたサブドームとを
有するダイナミックマイクロホンの振動板において、前
記サブドームには、制振のための周辺処理剤が島状に適
当な間隔をおいて厚さ10〜50μmでかつ、同サブド
ームの全表面積の60%程度を覆うように塗布されてい
ることを特徴とするものである。
マイクロホンの振動板は、センタードームとこのセンタ
ードームの外周を囲むように形成されたサブドームとを
有するダイナミックマイクロホンの振動板において、前
記サブドームには、制振のための周辺処理剤が島状に適
当な間隔をおいて厚さ10〜50μmでかつ、同サブド
ームの全表面積の60%程度を覆うように塗布されてい
ることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】このように振動板のサブドームには、制振材と
しての周辺処理剤が島状に適当な間隔をおいて厚さ10
〜50μmで、かつ、その全表面積の60%程度を覆う
ように塗布されているので、周辺処理剤による振動板の
スチフネスの変化は極めて小さくなり、特定の周波数で
共振するのを防止するとともに、低域限界の急激な減衰
を防止して低い音も確実に収音することができる。また
塗布作業も極めて簡単であり、安価に提供することがで
きる。
しての周辺処理剤が島状に適当な間隔をおいて厚さ10
〜50μmで、かつ、その全表面積の60%程度を覆う
ように塗布されているので、周辺処理剤による振動板の
スチフネスの変化は極めて小さくなり、特定の周波数で
共振するのを防止するとともに、低域限界の急激な減衰
を防止して低い音も確実に収音することができる。また
塗布作業も極めて簡単であり、安価に提供することがで
きる。
【0009】
【実施例】以下、この考案を図面に示す一実施例につい
て説明すると、振動板1は従来と同様に、中央にセンタ
ードーム2を有し、このセンタードーム2の外周縁部に
はドーナッツ状にサブドーム3が、そしてこのサブドー
ム3の外周縁には平坦な周縁部4が一体的に形成されて
いる。周縁部4はユニットケース5の前面の外縁部6に
接着剤等によって固着される。
て説明すると、振動板1は従来と同様に、中央にセンタ
ードーム2を有し、このセンタードーム2の外周縁部に
はドーナッツ状にサブドーム3が、そしてこのサブドー
ム3の外周縁には平坦な周縁部4が一体的に形成されて
いる。周縁部4はユニットケース5の前面の外縁部6に
接着剤等によって固着される。
【0010】サブドーム3の頂点部分には、合成ゴムや
アクリルゴムにトリクロルエタン等の有機溶剤を含む溶
液で構成された制振のための周辺処理剤7が適当な幅と
長さを持ち、かつ間隔を置いて複数塗布されている。こ
れら周辺処理剤7はユニットケース5の外縁部6に振動
板1を固着した後、図3に示すようなマクス部材11を
サブドーム3にあてがい、上方から溶液状の周辺処理剤
をスプレー塗布することによりサブドーム3に固着する
ことができる。すなわち、マクス部材11は略振動板1
と同じ径を有し、サブドーム3の頂部と相対する部分を
中心にその円周方向に延びかつ半径方法に所定の幅を有
する楕円形の切欠き部12が島状に円周方向に間隔をお
いて複数形成されている。このマクス部材11は、周辺
処理剤により変質しない金属あるいは合成樹脂製の板材
で構成されている。本考案において、周辺処理剤7は、
厚さ10〜50μmで、かつ、サブドーム3の全表面積
の約60%程度を覆うように所定の間隔をもって島状に
塗布されている。
アクリルゴムにトリクロルエタン等の有機溶剤を含む溶
液で構成された制振のための周辺処理剤7が適当な幅と
長さを持ち、かつ間隔を置いて複数塗布されている。こ
れら周辺処理剤7はユニットケース5の外縁部6に振動
板1を固着した後、図3に示すようなマクス部材11を
サブドーム3にあてがい、上方から溶液状の周辺処理剤
をスプレー塗布することによりサブドーム3に固着する
ことができる。すなわち、マクス部材11は略振動板1
と同じ径を有し、サブドーム3の頂部と相対する部分を
中心にその円周方向に延びかつ半径方法に所定の幅を有
する楕円形の切欠き部12が島状に円周方向に間隔をお
いて複数形成されている。このマクス部材11は、周辺
処理剤により変質しない金属あるいは合成樹脂製の板材
で構成されている。本考案において、周辺処理剤7は、
厚さ10〜50μmで、かつ、サブドーム3の全表面積
の約60%程度を覆うように所定の間隔をもって島状に
塗布されている。
【0011】これによりサブドーム3にはその頂部から
半径方向に適度な幅を持ち、かつ円周方向に延びるよう
に周辺処理剤7が塗布される。この場合、切欠き部12
の半径方向幅はサブドーム3に塗布される幅より狭くし
ておくことは勿論である。
半径方向に適度な幅を持ち、かつ円周方向に延びるよう
に周辺処理剤7が塗布される。この場合、切欠き部12
の半径方向幅はサブドーム3に塗布される幅より狭くし
ておくことは勿論である。
【0012】
【考案の効果】以上説明したように、この考案によれば
ダイナミックマイクロホンの振動板のサブドームには、
制振材としての周辺処理剤が島状に適当な間隔をおいて
厚さ10〜50μmで、かつ、そのサブドームの全表面
積の60%程度を覆うように塗布されているので、周辺
処理剤による振動板のスチフネスの変化による振動板の
動作が阻害されることは極めて小さく、異常共振を防止
でき、低コストで周波数応答の優れたダイナミックマイ
クロホンを提供することができる。
ダイナミックマイクロホンの振動板のサブドームには、
制振材としての周辺処理剤が島状に適当な間隔をおいて
厚さ10〜50μmで、かつ、そのサブドームの全表面
積の60%程度を覆うように塗布されているので、周辺
処理剤による振動板のスチフネスの変化による振動板の
動作が阻害されることは極めて小さく、異常共振を防止
でき、低コストで周波数応答の優れたダイナミックマイ
クロホンを提供することができる。
【図1】この考案の一実施例に係るダイナミックマイク
ロホンの振動板をユニットケースとともに示す平面図で
ある。
ロホンの振動板をユニットケースとともに示す平面図で
ある。
【図2】その縦断面図で、ユニットケースは一部のみ示
されている。
されている。
【図3】周辺処理剤を塗布するためのマスク部材を示す
平面図である。
平面図である。
1 振動板 2 センタードーム 3 サブドーム 4 周縁部 5 ユニットケース 7 周辺処理剤 11 マスク部材 12 切欠き部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−75315(JP,A) 特開 昭56−115100(JP,A) 実開 昭63−7890(JP,U) 実開 平4−12793(JP,U) 実開 昭52−127426(JP,U) 実開 昭54−114928(JP,U) 実開 昭64−7496(JP,U) 実開 昭62−161491(JP,U) 実開 昭54−114928(JP,U) 実公 昭54−44583(JP,Y2)
Claims (1)
- 【請求項1】 センタードームとこのセンタードームの
外周を囲むように形成されたサブドームとを有するダイ
ナミックマイクロホンの振動板において、前記サブドー
ムには、制振のための周辺処理剤が島状に適当な間隔を
おいて厚さ10〜50μmで、かつ、同サブドームの全
表面積の60%程度を覆うように塗布されていることを
特徴とするダイナミックマイクロホンの振動板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991098144U JP2569880Y2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | ダイナミックマイクロホンの振動板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991098144U JP2569880Y2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | ダイナミックマイクロホンの振動板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0543694U JPH0543694U (ja) | 1993-06-11 |
JP2569880Y2 true JP2569880Y2 (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=14212011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991098144U Expired - Lifetime JP2569880Y2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | ダイナミックマイクロホンの振動板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2569880Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4578986B2 (ja) * | 2005-01-14 | 2010-11-10 | 株式会社オーディオテクニカ | ダイナミックマイクロホンユニットおよびその製造方法 |
JP5909169B2 (ja) * | 2012-09-25 | 2016-04-26 | 京セラ株式会社 | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5529078Y2 (ja) * | 1978-08-03 | 1980-07-11 | ||
JPS637890U (ja) * | 1986-06-30 | 1988-01-19 |
-
1991
- 1991-10-31 JP JP1991098144U patent/JP2569880Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0543694U (ja) | 1993-06-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2560932Y2 (ja) | 動電型マイクロホンの振動板 | |
CA1160732A (en) | Securing of lead wires to electro-acoustic transducers | |
JP2020502840A (ja) | ヘッドホン装置 | |
JP2548580Y2 (ja) | ダイナミックマイクロホン | |
JP3992275B2 (ja) | 小型スピーカー | |
JP2569880Y2 (ja) | ダイナミックマイクロホンの振動板 | |
JP4578986B2 (ja) | ダイナミックマイクロホンユニットおよびその製造方法 | |
JPH11205895A (ja) | スピーカ | |
JP2023161699A (ja) | 副振動板、およびスピーカ | |
JP2001189994A (ja) | スピーカ用振動板及び同振動板を備えたスピーカ装置 | |
JP3077240B2 (ja) | スピーカ | |
JP2903177B2 (ja) | ダイナミックマイクロホンの振動板支持方法 | |
JP3245074B2 (ja) | ダブルドーム振動板及びそれを用いたスピーカー | |
JPH08140183A (ja) | 音響装置の振動板 | |
KR840001170Y1 (ko) | 전기음향 변환기 | |
JPS6342797Y2 (ja) | ||
JPH0635598Y2 (ja) | ダイヤフラム形振動板を装着したスピーカ | |
JPS6153895A (ja) | スピ−カ− | |
JPH05137194A (ja) | ドーム型スピーカ | |
JP2003299176A (ja) | スピーカ装置 | |
JPS6031359Y2 (ja) | 電気音響変換器 | |
JP5453079B2 (ja) | 音響用ダイナミック型変換器 | |
JPH0416557Y2 (ja) | ||
JPS6314558Y2 (ja) | ||
JPH04299699A (ja) | スピーカ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19971125 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |