JP2569639B2

JP2569639B2 - 消臭剤

Info

Publication number: JP2569639B2
Application number: JP62304119A
Authority: JP
Inventors: 耕司渋谷; 幸一新保
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1987-12-01
Filing date: 1987-12-01
Publication date: 1997-01-08
Anticipated expiration: 2012-01-08
Also published as: JPH01145063A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、メチルメルカプタン等の揮発性硫黄化合物
に対して良好な消臭作用を有する消臭剤に関し、更に詳
述すれば、消臭有効成分としてグルコン酸銅又はクエン
酸銅とシソ科植物又はフトモモ科植物の溶媒抽出物とを
併用した消臭剤に関する。

従来の技術及び発明が解決しようとする問題点従来より、銅化合物に消臭効果があることは知られて
おり、銅化合物を消臭有効成分として配合した下記のよ
うな組成物が提案されている。

銅や酸化銅の触媒作用を利用した消臭剤（米国特許
第3655868号，同第4112066号）。

硫酸銅等の銅化合物と活性炭（担体）とを配合した
消臭剤。

銅化合物と酸化剤と活性炭とを配合した消臭剤。

長鎖アルキロイルザルコシン銅を配合した口腔用組
成物（特開昭61−37720号）。

二価フェノールと銅化合物とを配合した消臭剤（特
開昭61−232853号）。

また、消臭有効成分として各種植物の溶媒抽出物を利
用することも知られており、消臭有効成分として下記に
示すような植物の溶媒抽出物と銅化合物とを併用した組
成物が提案されている。

モクセイ科植物の溶媒抽出物と銅化合物とを配合し
た消臭剤（特開昭61−232854号）。

ツバキ科植物の溶媒抽出物とグルコン酸銅とを配合
した口臭除去組成物（特開昭62−142109号）。

しかしながら、消臭有効成分としては、消臭効果に優
れている上、速効性及び持続性を有し、しかも安全性が
高く、製品化した場合に着色させないなどの効果を有す
るものが望まれているが、これらの要望を十分満足させ
る消臭剤は少ない。

問題点を解決するための手段及び作用本発明者らは、上記要望に応えるため鋭意検討を重ね
た結果、食品添加物として使用されるグルコン酸銅
〔（C₆H₁₁O₇）₂Cu〕及びそのアルカリ金属塩並びにクエ
ン酸銅〔Cu₂C₆H₄O₇・2 1/2H₂O〕及びそのアルカリ金属
塩から選ばれる銅化合物とシソ科植物又はフトモモ科植
物の溶媒抽出物とを併用することにより、これら両成分
が相乗的に作用し、メチルメルカプタン等の揮発性硫黄
化合物に対して高い消臭効果を有する上、かかる両成分
を特に水溶液系として調製するとその消臭効果が速効的
に作用し、また両成分の併用で効果の持続性が高まり、
加えて両成分は安全性が高いことを知見し、本発明をな
すに至ったものである。

以下、本発明につき更に詳述する。

本発明の消臭剤は、グルコン酸銅及びそのアルカリ金
属塩並びにクエン酸銅及びそのアルカリ金属塩から選ば
れる銅化合物とシソ科植物又はフトモモ科植物の溶媒抽
出物とを消臭有効成分として含有するもので、歯磨剤，
洗口液等の口腔用組成物、チューインガム，キャンデ
ー，錠菓等の菓子類、フットケア剤、室内消臭剤、生ゴ
ミ用のスプレー式消臭剤等として使用される。

ここで、上記アルカリ金属塩としては、例えばクエン
酸銅二ナトリウム−銅（II）（Na₂CuC₆H₂O₇・xH₂O）、
クエン酸二ナトリウム−銅（II）（Li₂CuC₆H₄O₇・xH
₂O）、クエン酸二カリウム−銅（II）（K₂CuC₆H₄O₇・xH
₂O）等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩は、水へ
の溶解性が高いので、特に水溶液系の消臭剤とする場合
に有効に用いられる。

また、シソ科又はフトモモ科の植物の溶媒抽出物を得
る場合においてかかる植物としては下記のものが例示さ
れる。

I.シソ科植物セージ、ローズマリー、ルリハッカ、キランソウ、ジ
ュウニヒトエ、カイジンドウ、ニガクサ、マンネンロ
ウ、タツナミソウ、ミソガワソウ、チクマハッカ、ケイ
ガイ、ラショウモンカズラ、カキドウシ、カワミドリ、
ウシボグサ、ジャコウソウ、オドリコソウ、ヒメオドリ
コソウ、ホトケノザ、ヤマジオウ、メハジキ、イヌゴ
マ、チョロギ、ミゾコウジュ、タンジン、アキノタムラ
ソウ、キバナアキギリ、サルビア、ヒゴロモソウ、トウ
バナ、クルマバナ、イブキジャコウソウ、タチジャコウ
ソウ、シロネ、ハッカ、オランダハッカ、ブラックミン
ト、シソ、チリメンジソ、エゴマ、ヤマジソ、ヒメジ
ソ、イヌコウジュ、ナギナタコウジュ、シモバシラ、ミ
ズトラノオ、テンニンソウ、ヤマハッカ、アキチョウ
ジ、イヌヤマハッカ、カメバヒキオコシ、ヒキオコシ、
パチュリ、ラベンダー、セイボリー、バジル、マジョラ
ム、オレガノ、ヘデオマ、ニオイニガクサ、ヒソップ
ス、エゾノオドリコソウ、ニガハッカ、メリッサ、ヤグ
ルマカッコウ、マウンテンミント等。

II.フトモモ科植物チョウジ、ユーカリ（Eucalyptus globulus Labil
l）、オールスパイス（Myrtaceae Pimenta officinalis
LINDLEY）、バンジロウ（Myrtaceae Psidium gua）、
ヴァバ、テンニンカ等。

これらの植物から溶媒抽出物を得る場合、植物は生の
ままでも乾燥したものでも使用することができるが、使
用性の点からは乾燥粉末を使用し、これを溶媒で抽出す
ることが好ましい。更に、抽出操作としては通常の方法
を採用でき、例えば植物を溶媒に温浸したり、ソックス
レー抽出器を利用して抽出する方法などが好適に採用さ
れ、更に必要に応じて加水分解処理を行なうこともでき
る。溶媒としては、水，酸水溶液，塩水溶液，アルカリ
水溶液，エチルエーテル，エチレンクロライド，ジオキ
サン，アセトン，メタノール，エタノール,n−ブタノー
ル，酢酸エチル，プロピレングリコール等の極性溶媒の
１種又は２種以上、もしくはｎ−ヘキサン，石油エーテ
ル，リグロイン，シクロヘキサン，四塩化炭素，クロロ
ホルム，ジクロルメタン,1,2−ジクロルエタン，トルエ
ン，ベンゼン等の非極性溶媒の１種又は２種以上、或い
はこれら極性溶媒と非極性溶媒との混合溶媒が使用し得
る。

なお、上記抽出操作で得られた抽出液は、溶媒を留去
したものを消臭剤に配合するのが通常であるが、溶媒が
水，エタノール等の場合は溶媒を留去せずにそのまま消
臭剤に配合することもできる。

本発明においては、消臭有効成分として上述したよう
な銅化合物と植物の溶媒抽出物とを併用配合するもので
あり、これら消臭有効成分の配合量は、消臭剤の種類に
より種々選択されるが、銅化合物を全成分量に対して0.
00001〜２％（重量％、以下同じ）、特に0.0005〜0.5％
配合すると共に、植物の溶媒抽出物を全成分量に対して
0.001〜２％、特に0.005〜１％配合することが好まし
い。更に、これら両成分の配合比は特に制限されない
が、銅化合物と植物の溶媒抽出物とが重量比で1:10^-1〜
1:10⁵、特に1:1〜1:10³の割合となるように配合するこ
とが好適である。

本発明に係る消臭剤は、種々の剤型に調製し得る。例
えば、本発明消臭有効成分を適宜な溶媒に溶解した溶液
状のもの、或いはペースト状，粉粒状，ブロック状，
紙，繊維等の担体への吸着状態等の所望の形態に調製し
得る。この場合、本発明消臭有効成分は、固体状態，水
溶液状態，有機溶媒に溶解した状態等の種々の形態にお
いてその消臭効果が非常に安定に持続し、このため剤型
の選択に制限がないものである。また、本発明消臭有効
成分は、水への溶解性が良好であり、水溶液系として使
用するとその消臭効果を速効的に発揮することができ
る。

なお、本発明の消臭剤のその他の成分としては、その
消臭剤の種類、剤型等に応じた適宜な成分（例えば歯磨
類、洗口剤等の口腔用組成物とする場合、研磨剤、粘結
剤、保湿剤、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、各種有効成
分など）が配合され得る。

この場合、本発明消臭有効成分はそれ単独で用いても
よく、他の消臭有効成分と組合せて用いてもよい。

発明の効果本発明の消臭剤は、メチルメルカプタン等の硫黄化合
物に対して優れた消臭効果を有し、しかもその効果を速
効的かつ持続的に発揮して悪臭を効果的に抑えることが
できる。また、本発明に係る消臭有効成分は安全性が高
く、種々の製品に好適に利用することができる。

以下、本発明消臭有効成分の消臭効果を調べた実験例
を示す。

〔実験例１〕消臭力試験内容量22〜23mlの試験管に第１表に示す消臭有効成分
を含む水溶液又はエタノール溶液（コントロールの場合
はエタノールのみ）1mlと0.1Mリン酸緩衝液1.5mlを加え
てpH7.5に調整した。これにメチルメルカプタン１μg/m
lを含む10容量％エタノールの水溶液0.5ml（メチルメル
カプタン含有量0.5μｇ）を添加し、直ちにシリコーン
ゴム栓をして１分間激しく攪拌した。次いで37℃に６分
間静置した後、ガスクロマトグラフ用のガス用シリンジ
にて5mlの空気をシリコーンゴム栓を突き刺して試験管
内に注入した。30秒間激しく攪拌してから同じくガス用
シリンジでヘッドスペースガスを5ml採取して直ちにガ
スクロマトグラフに注入し、メチルメルカプタンの積分
カウントを測定した。なお、ガスクロマトグラフとして
は日立製作所製163を使用した。

また、下記計算式により消臭率を算出した。

C:コントロールの測定値 S:サンプルの測定値結果を第１表に示す。

第１表の結果より、本発明に係るシソ科植物又はフト
モモ科植物の溶媒抽出物とグルコン酸銅又はクエン酸銅
とを併用配合した溶液は、メチルメルカプタンに対して
優れた消臭効果を有することが認められた。

以下、本発明消臭剤の実施例を示す。なお、下記実施
例において、％はいずれも重量％である。

〔実施例１〕洗口剤（％）グルコン酸銅 0.05 チョウジ水抽出物 0.1 エタノール 20 香料 1 サッカリンナトリウム 0.05 ショ糖脂肪酸エステル 1.0 水残 100.0 〔実施例２〕洗口剤（％）グルコン酸銅 0.05 チョウジアセトン抽出物 0.1 エタノール 10 ソルビット 10 ポリオキシエチレン（60）硬化ヒマシ油 0.1 ショ糖モノパルミテート 0.2 サッカリンナトリウム 0.2 香料 0.6 水残 100.0 〔実施例３〕洗口剤（％）クエン酸酸銅 0.05 ローズマリーエタノール抽出物 0.1 エタノール 15 グリセリン 10 ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート１サッカリンナトリウム 0.02 香料 0.5 水残 100.0 〔実施例４〕家庭用消臭剤（％）エタノール 99.5 香料 0.1 クエン酸銅 0.2 チョウジ水抽出物 0.2 100.0 〔実施例５〕ヘアトニック（％）エタノール 59 グリセリン５サリチル酸 0.3 ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド１グルコン酸銅 0.1 タイム30％エタノール抽出物 0.1 香料 0.5 水残 100.0

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】グルコン酸銅及びそのアルカリ金属塩並び
にクエン酸銅及びそのアルカリ金属塩から選ばれる銅化
合物とシソ科植物又はフトモモ科植物の溶媒抽出物とを
消臭有効成分とすることを特徴とする消臭剤。