JP2551012B2

JP2551012B2 - 口腔用組成物

Info

Publication number: JP2551012B2
Application number: JP62180853A
Authority: JP
Inventors: 文彦常田; 憲司金子
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1987-07-20
Filing date: 1987-07-20
Publication date: 1996-11-06
Anticipated expiration: 2011-11-06
Also published as: JPS6426512A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は口臭の原因となるメチルメルカプタン等に対
して消臭作用を有する口腔用組成物に関する。

従来の技術及び発明が解決しようとする問題点従来より、消臭有効成分として各種植物の抽出物を口
腔用組成物に配合することが提案されている。

例えば、消臭作用を有する植物の抽出物として、シソ
科植物（特開昭57−204278号公報）；大黄，エゾウコ
ギ，辛夷，和厚朴，ホウノキ（葉），蘓朴，連ぎょう，
紫根，地骨皮，枸杞，陳皮，山椒，車前草，モウセンゴ
ケ等の植物（特開昭60−77763号公報）；シラカバ，イ
トヒメハギ，ザクロ，セイヨウノコギリソウ，リンデ
ン，コオウレン，オウレン等の植物（特開昭61−240960
号公報）；シソ科，クスノキ科植物（特開昭54−84070
号公報）；ユッカ属の植物（特開昭53−133645号公
報）；ケシ科植物（特開昭55−111413号公報）；ツバキ
科植物（特開昭59−66839号公報）；ハイビスカス（特
開昭59−227814号公報）；キキョウ科植物（特開昭60−
7848号公報）；スイカズラ（特開昭60−163810号公
報）；カルダモン（特開昭61−97213号公報）等の抽出
物を用いることが提案されている。

しかしながら、これらの消臭有効成分のなかには、口
腔用組成物に配合した場合、保存安定性が十分でなかっ
たり、香り，色等が強くて実用的に使用することができ
ないものがあり、また口臭抑制効果の点で十分満足し得
ないものもあった。

本発明はメチルメルカプタン等に対する消臭効果が高
く、口臭を効果的に抑制し得る植物抽出物（消臭有効成
分）を配合した口腔用組成物を提供することを目的とす
る。

問題点を解決するための手段及び作用本発明者らは上記目的を達成するため、鋭意検討を進
めた結果、下記に示すガガイモ科植物の抽出物がメチル
メルカプタン等に対して優れた消臭効果を有し、確実な
口臭抑制作用を示すことを見出し、本発明をなすに至っ
たものである。

以下、本発明を更に詳しく説明する。

本発明に係る口腔用組成物は、消臭有効成分としてシ
ナンクム属、ホヤ属、ステファノティス属、マルスデニ
ア属、アスクレピアス属、ギムネマ属、ゴムフォカルプ
ス属、スタペリア属から選ばれるガガイモ科植物の１種
又は２種以上を溶媒で抽出することによって得られる抽
出物を配合してなるものである。

ここで、シナンクム属植物としてはスズサイコ，フナ
バラソウ，クサタチバナ，イケマ，コイケマ，カモメヅ
ル，イヨカズラ，スズメノオゴゲなどが、ホヤ属植物と
してはサクラランなどが、ステファノティス属植物とし
てはシタキソウなどが、マルスデニア属植物としては、
コンズランゴ，キジョランなどが、アスクレピアス属植
物としてはトウワタ，オオトウワタ，ヤナギトウワタな
どが、ギムネマ属植物としてはギムネマなどが、ゴムフ
ォカルプス属としてはフウセントウワタなどが、スタペ
リア属としてはオオサイカク，ギュウカクなどが使用で
き、これら植物の果実、種子、葉、茎、細枝、樹皮、
根、根皮などの消臭有効成分を含む部位が原料として好
適に用いられる。

これら植物から消臭有効成分を得る場合は、好ましく
は植物を乾燥した後、切断し、粉末としたものを使用
し、これを水、無機酸水溶液、無機塩水溶液、無機塩基
水溶液、有機溶媒等の１種又は２種以上の混合溶媒で抽
出するものであるが、抽出溶媒としては特に水が好まし
い。抽出操作としては、植物粉末に対し３〜20倍量（重
量部）、好ましくは５〜10倍量の溶媒を用い、80℃以
下、特に40〜70℃で10分〜２時間抽出する方法が採用で
き、抽出に当っては撹拌、振盪等を行なうことができ
る。

なお、上記抽出操作で得られた抽出液は、溶媒を留去
したものを口腔用組成物に配合するのが通常であるが、
溶媒が水、エタノール等の場合は溶媒を留去せずにその
まま口腔用組成物に配合することもできる。

また、本発明においては、消臭有効成分として抽出物
の１種を単独で又は２種以上の混合物（抽出物の混合液
又は２種以上の植物を同時に抽出処理して得られもの）
として使用し得る。

本発明の消臭有効成分（抽出物）の配合量は、口腔用
組成物の種類等によって相違するが、口腔用に用いる場
合口腔用組成物全体の0.0001〜50％（重量％、以下同
じ）、特に0.001〜５％とすることが好ましい。なお、
本発明消臭有効成分はそれ単独で用いてもよく、他の消
臭有効成分と組合せて用いてもよい。

本発明の口腔用組成物のその他の成分としては、口腔
用組成物の種類，剤型等に応じた適宜な成分が配合され
得る。例えば、歯磨を製造する場合は第２リン酸カルシ
ウム，炭酸カルシウム，ピロリン酸カルシウム，不溶性
メタリン酸ナトリウム，非晶質シリカ，結晶質シリカ，
アルミノシリケート，酸化アルミニウム，水酸化アルミ
ニウム，レジン等の研磨剤（配合量通常20〜60重量
％）、カルボキシメチルセルロースナトリウム，ヒドロ
キシエチルセルロースナトリウム，アルギン酸塩，カラ
ゲナン，アラビアガム，ポリビニルアルコール等の粘結
剤（通常0.3〜５重量％）、ポリエチレングリコール，
ソルビトール，グリセリン，プロピレングリコール等の
粘稠剤（通常10〜70重量％）、ラウリル硫酸ナトリウ
ム，ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム，水素添加
ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム，
ラウリルスルホ酢酸ナトリウム,N−ラウロイルザルコシ
ン酸ナトリウム,N−アシルグルタミン酸塩，ショ糖脂肪
酸エステル等の発泡剤（通常0.1〜５重量％）、それに
ペパーミント，スペアミント等の精油,l−メントール，
カルボン，オイゲノール，アネトール等の香料素材など
の香料、サッカリンナトリウム，ステビオサイド，ネオ
ヘスペリジルジヒドロカルコン，グリチルリチン，ペリ
ラルチン,p−メトキシシンナミックアルデヒドなどの甘
味剤，防腐剤，各種有効成分などの成分が配合され、こ
れら成分を水と混和し、常法に従って製造する。また、
マウスウォッシュ等の口腔洗浄剤その他においても、製
品の性状に応じた成分が適宜配合される。

発明の効果本発明の口腔溶組成物は上述したガガイモ科植物の抽
出物を消臭有効成分としていることにより、メチルメル
カプタン等に対して優れた消臭作用を有し、口臭を効果
的に抑制することができる。

以下、本発明消臭有効成分の製造例とその消臭効果を
実験例により示す。

〔製造例〕

第１表に示す植物の乾燥粉末に対し、その粉末量の10
倍量の溶媒を加え、40〜70℃で１時間振盪撹拌した。次
いで残渣を別し、残渣に新しい溶媒を加え、上記と同
様にして撹拌を行なった。更に、残渣の別、撹拌を繰
り返し、３回の抽出操作を行なった。

液をまとめて40℃で減圧下に濃縮し、粉末状の消臭
有効成分を得た。

〔実験例〕消臭力内容量22〜23mlの試験管に上記方法で得られた消臭有
効成分を水又はエタノールに溶解して0.3％溶液を調製
し、その1ml（コントロールの場合は水又はエタノール1
ml）に0.1Mリン酸緩衝溶液を加えてpHを7.5に調整し
た。これにメチルメルカプタン１μg/mlを含む10容量％
エタノール水溶液0.5ml（メチルメルカプタン0.5μｇ）
を添加し、直ちにシリコーン栓をして１分間激しく撹拌
した。37℃で６分間静置した後、ガスクロマトグラフ用
のガス用シリンジにて5mlの空気をシリコーン栓を突き
刺して試験管内に注入した。30秒間激しく撹拌した後、
ガス用シリンジでヘッドスペースから気体を5ml採取し
て直ちにガスクロマトグラフに注入し、メチルメルカプ
タンの積分カウントを測定して、下記式から消臭率を求
めた。なおガスクロマトグラフとしては日立製作所製16
3を使用した。

C:コントロールの積分カウント S:サンプルの積分カウントこのようにして得られた消臭率と消臭有効成分との関
係を第２表に示す。

第２表の結果より、本発明消臭有効成分はメチルメル
カプタンに対し高い消臭力を有することが認められる。

以下、実施例を示すが、本発明は下記実施例に制限さ
れるものではない。

〔実施例１〕練歯磨炭酸カルシウム 50.0 ％グリセリン 20.0 カラゲナン 0.5 カルボキシメチルセルロース 1.0 ラウリルジエタノールアマイド 1.0 ショ糖モノラウレート 2.0 香料 1.0 サッカリン 0.1 カモメズルエタノール抽出物 0.15 クロルヘキシジン 0.01 デキストラナーゼ 0.01 水残計 100.0 ％〔実施例２〕練歯磨第２リン酸カルシウム・２水和物 50.0 ％グリセリン 20.0 カルボキシメチルセルロース 2.0 ソジウムラウリルサルフェート 2.0 香料 1.0 サッカリン 0.1 フナバラソウエチルエーテル抽出物 0.2 クロルヘキシジン 0.01 水残計 100.0 ％〔実施例３〕チューインガムガムベース 20 ％砂糖 53 グルコース 10 水飴 16.4 香料 0.5 ギムネマ水抽出物 0.1 計 100.0 ％〔実施例４〕マウスウォッシュエタノール 15 ％香料１サッカリン 0.01 コンズランゴ水抽出物２モノフルオロリン酸ソーダ 0.1 クロルヘキシジン 0.01 ラウリルジエタノールアマイド 0.3 水残計 100.0 ％〔実施例５〕マウスウォッシュエタノール 15 ％グリセリン７香料１ギムネマ水抽出物１サッカリン 0.05 クエン酸 0.02 リン酸水素２ナトリウム 0.05 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油２パラオキシ安息香酸ブチル 0.5 水残計 100.0 ％

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】シナンクム属、ホヤ属、ステファノティス
属、マルスデニア属、アスクレピアス属、ギムネマ属、
ゴムフォカルプス属、スタペリア属から選ばれるガガイ
モ科植物の１種又は２種以上を溶媒で抽出することによ
って得られる抽出物を消臭有効成分として配合してなる
ことを特徴とする口腔用組成物。