JP2567559Y2 - 摩擦クラッチ付小型モータ - Google Patents

摩擦クラッチ付小型モータ

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JP2567559Y2
JP2567559Y2 JP1208292U JP1208292U JP2567559Y2 JP 2567559 Y2 JP2567559 Y2 JP 2567559Y2 JP 1208292 U JP1208292 U JP 1208292U JP 1208292 U JP1208292 U JP 1208292U JP 2567559 Y2 JP2567559 Y2 JP 2567559Y2
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JP
Japan
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pivot
friction clutch
disc spring
collar
case
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JP1208292U
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Inventor
田 直 人 原
嶋 新 二 大
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自動車電機工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、自動車の電動サンル
ーフの開閉用動力源に利用される摩擦クラッチ付小型
モータに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の電動サンルーフの開閉用動力源
である摩擦クラッチ付小型モータとしては実開昭63−
81661号公報に記載されたものが知られている。
【0003】上記の公報に記載された摩擦クラッチ付小
型モータを示した図4において、摩擦クラッチ付小型モ
ータ50は、枢軸51の図中の左方側である基端側が第
1のケース52に装着した軸受53により回転可能に支
持されており、枢軸51の図中の右方側である先端側が
第2のケース54に装着した軸受55によりカラー56
を介して回転可能に支持されている。
【0004】枢軸51の中央にはウオームホイール57
が挿通してあり、このウオームホイール57はアーマチ
ュア58に備えたアーマチュアシャフト58aに形成さ
れたウオーム58bに噛み合うとともに、ウオームホイ
ール57の内側に摩擦クラッチ59が収容されている。
摩擦クラッチ59は、ウオームホイール57に回転不能
に係止されたフェーシング59aとこのフェーシング5
9aの両側で枢軸51に回転不能に係止されたディスク
59bおよび59cからなり、デスク59b、59c
をフェーシング59aに対して皿ばね60により押圧す
る。
【0005】皿ばね60は枢軸51に挿通してあり、こ
の皿ばね60の一端は一方のディスク59bに当接し、
皿ばね60の他端は円筒形状をなす前記カラー56の一
端に当接する。カラー56は外側が第2のケース54に
装着された軸受61に回転可能に支持されており、カラ
ー56の他端にロックワッシャ62を当接させ、さら
に、前記軸受55の内径よりも大きい外形のナット63
を枢軸51に締め付ける。
【0006】ナット63を枢軸51に締め込むことによ
り皿ばね60はデスク59b、59cをフェーシング
59aに対して押圧するので、ウオームホイール57の
回転動力はフェーシング59aと両ディスク59b,5
9cとの摩擦力によりディスク59b,59cに伝達さ
れて枢軸51に対して伝達される。
【0007】ここで、デスク59b、59cとフェー
シング59aとのあいだでの滑りトルクの調整を行うに
際しては、他方のデスク59c、フェーシング59
a、一方のディスク59bを収容したウオームホイール
57を枢軸51に組み付けてから、枢軸51の基端側を
第1のケース52の軸受53に挿入して、一方のディス
ク59bに皿ばね60の一端を当接させ、皿ばね60の
他端にカラー56の一端を当接させる。
【0008】そして、この状態で、第2のケース54の
軸受55を枢軸51の先端側に挿入させるとともに、第
2のケース54の外側からロックワッシャ61を介して
ナット62を枢軸51に対して締め付け、第1のケース
52を第2のケース54に組み付けてから、モータアッ
セブリ状態で、デスク59b、59cのフェーシング
59aに対してのスリップ率を検出することにより滑り
トルクの調整を行う。
【0009】
【従来の問題点】ところが、上記した摩擦クラッチ付小
型モータ50では、第2のケース54の外側からロック
ワッシャ61を介してナット62を枢軸51に締め付
け、第1のケース52を第2のケース54に組み付けた
モータアッセブリ状態で、デスク59b、59cのフ
ェーシング59aに対しての滑りトルクの調整を行うよ
うになっており、その際に、デスク59b、59cと
フェーシング59aとのあいだでの滑りトルクが規定の
値に達していない場合、一方のデスク59b、他方の
ディスク59c、フェーシング59aの交換を行うに
は、軸受55の内径よりも大きい外形のナット63およ
びロックワッシャ62を枢軸51から取り外し、さら
に、第2のケース54を第1のケース52から取り外し
て分解状態としないと、デスク59b、59cおよび
フェーシング59aを収容したウオームホイール57を
取り出せないため、滑りトルクが規定の値に達していな
い場合の再調整が厄介であるという問題点があった。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】考案が解決しようとす
る課題は、滑りトルクの調整がモータアッセブリ状態で
しか行えないと、再調整を行うのに無駄な時間を要する
点である。
【0011】
【課題を解決するための手段】この考案に係わる摩擦ク
ラッチ付小型モータは、再調整を行うのに無駄な時間を
要さないようにするため、カラーの外周部の外径寸法
ナットの外径寸法よりも大きく形成し、且つカラーの皿
ばね側に、ナットの締め付けにより皿ばねの摩擦クラッ
チへの押圧力を設定する押圧力設定部を設けた構成とし
たことを特徴としており、より好ましい実施態様におい
て押圧力設定部に、皿ばねの他方の端部を係止させる係
止溝と、係止溝から摩擦クラッチ側に向けて突出し且つ
枢軸の一部に当接する枢軸当接突起とが設けられている
構成としたことを特徴としており、再調整を行う際に無
駄な時間を必要としないようにすることで、組み込み性
の大幅な改善を図れる摩擦クラッチ付小型モータを提供
するという目的を実現した。
【0012】
【考案の作用】この考案に係わる摩擦クラッチ付小型モ
ータにおいて、カラーの外周部の外径寸法がナットの外
寸法よりも大きく形成されているため、ナットを枢軸
に締め付けてある状態でケースの組み付けを行え、ケ
ースの取り外しのみで摩擦クラッチを容易に取り外せ
る。また、摩擦クラッチは、カラーの皿ばね側に設けら
れた押圧力設定部によりケースを介さない状態でもアッ
センブリとなるため、滑りトルクの調整を摩擦クラッチ
の単体状態で行えるので、滑りトルクの調整をモータア
ッセブリ状態として行う必要がない。
【0013】
【実施例】以下、この考案に係わる摩擦クラッチ付小型
モータの一実施例を図1ないし図3に基づいて説明す
る。
【0014】図示する摩擦クラッチ付小型モータ1は、
図1中の左方側の第1のケース2とこの第1のケース2
に組み付けられる図1中の右方側の第2のケース3のあ
いだに、ギヤ収容部4が形成されている。
【0015】第1のケース2のほぼ中央には、オイルシ
ール5を介して第1の軸受6が装着してあるとともに、
第2のケース3の前記第1の軸受6に対応した中央には
当該第1の軸受6の内径よりも大きい内径を有する第2
軸受7が装着されており、第2のケース3は第1のケ
ース2にビス8をねじ込ませることによって固定され
る。
【0016】そして、ギヤ収容部4内には、枢軸9、ウ
オームホイール10、第1歯車11、第2歯車12、第
3歯車13、出力軸14、アーマチュア15に備えたア
ーマチュアシャフト15aの先端側に形成されたウオー
ム15bが収容されており、枢軸9の基端側は前記第1
のケース2の第1の軸受6に挿入されているとともに、
枢軸9の先端側には枢軸本体9aに有する外径よりも小
さい外径の雄ねじ軸9bが形成されているとともに雄ね
じ9bと枢軸本体9aのあいだには環状の段差部9cが
設けられており、第2のケース3の第2の軸受7にカラ
ー16を介して挿入されている。
【0017】第1歯車11は枢軸9の基端寄りで枢軸9
に同心で固定されており、この第1歯車11は第2歯車
12に噛み合う。第2歯車12は第1のケース2および
第2のケース3に回転可能に支持されており、この第2
歯車12は第3歯車13に噛み合う。第3歯車13は第
1のケース2および第2のケース3に回転可能に支持さ
れた出力軸14に同心で取付けられ、出力軸14には第
2のケース3の外側で出力歯車17が同心で固定されて
いる。この出力歯車17にはサンルーフリッドに連結し
た図示しないワイヤを噛み合わせるようになっており、
枢軸9の回転動力は第1歯車11、第2歯車12、第3
歯車13により減速されて出力歯車17に伝達される。
【0018】また、ウオームホイール10は枢軸9の中
央部分に同心で挿入されており、枢軸9に対して回転可
能になっている。ウオームホイール10は前記アーマチ
ュアシャフト15aのウオーム15bに噛み合う。
【0019】そして、ウオームホイール10の中央には
凹状に形成されたクラッチ収容部10aが設けられてお
り、このクラッチ収容部10aに摩擦クラッチ18が収
容されている。
【0020】摩擦クラッチ18は一方のディスク18
a、他方のディスク18b、フェーシング18cからな
り、一方のディスク18aおよび他方のディスク18b
は枢軸9に設けられた係止切欠9aに対して係止するこ
とにより枢軸9に回転不能に固定されている。フェーシ
ング18cはクラッチ収容部10aの内周側に設けられ
た凸部10bに対して係止することによりウオームホイ
ール10に回転不能に固定されている。
【0021】ここで、摩擦クラッチ18はウオームホイ
ール10に一体的に回転するフェーシング18cに対し
て両ディスク18a,18cが摩擦接触することで、両
ディスク18a,18bに一体的に回転する枢軸9に対
してウオームホイール10の回転動力が伝達される。
【0022】前記摩擦クラッチ18の他方のディスク1
8bには皿ばね19の一端が当接している。皿ばね19
は図1中の横方向に向けて弾性を有するものであり、中
央に設けられた丸孔19a内にカラー16が挿入されて
いる。
【0023】前記カラー16は図3により明らかなよう
に、略円筒形状をなすものであって、その外径寸法は前
記第2のケース3の第2の軸受7の内径寸法よりもわず
かに小さくなっており、第2の軸受7内に挿入される。
また、カラー16の内径寸法は前記枢軸9の雄ねじ軸9
bの外径寸法よりもわずかに大きくなっており、雄ねじ
軸9bが挿入される。
【0024】カラー16に備えたカラー本体16aの前
記摩擦クラッチ18側には押圧力設定部16bが設けら
れている。この押圧力設定部16bには前記枢軸9の雄
ねじ軸9bの外径寸法よりもわずかに大きいものとして
摩擦クラッチ18の他方のディスク18bに向けて円筒
形状に突出した枢軸当接突起16b1が設けられてお
り、この枢軸当接突起16b1は枢軸9の段差部9cに
対して当接する。
【0025】また、押圧力設定部16bには前記枢軸当
接突起16b1の基端側とカラー本体16aとのあいだ
に、カラー本体16aの外側から内周に向けて環状に凹
んだ係止溝16b2が設けられており、この係止溝16
b2は前記皿ばね19の丸孔19a内において皿ばね1
9の他端に係止する。
【0026】カラー16を挿入させた枢軸9の先端寄り
にはワッシャ20とナット21が取付けられている。ワ
ッシャ20およびナット21の外径寸法は前記カラー1
6の外径寸法よりも小さくしてあり、ワッシャ20を介
してナット21を枢軸9に対してねじ込ませることによ
りカラー16を皿ばね19側に押圧する。
【0027】このような構造をなす摩擦クラッチ付小型
モータ1を組み立てるに際しては、第1歯車11と摩擦
クラッチ18を収容したウオームホイール10とを組付
けた枢軸9の摩擦クラッチ18側に皿ばね19を挿通さ
せ、そのうえで、枢軸9に押圧力設定部16bを先にし
てカラー16を挿通させてワッシャ20を介しナット2
1を枢軸9に締め込む。
【0028】ナット21を枢軸9に締め込むことによ
り、カラー16の係止溝16b2に皿ばね19の他端が
係止した状態で皿ばね19は摩擦クラッチ18を押圧す
るため、皿ばね19の弾性力により他方のディスク18
b,一方のディスク18aをフェーシング18cに圧接
させる。ナット21が締め込まれるにつれ、カラー16
の枢軸当接突起16b1が枢軸9の段差部9cに対し当
接すると、ナット21の締め込みを拘束するため、ナッ
ト21の締め込みを中止することにより、皿ばね19は
カラー16の枢軸当接突起16b1が枢軸9の段差部9
cに当接した位置で弾性力を設定される。
【0029】ここで、皿ばね19により押圧力を設定さ
れた摩擦クラッチ18は第1のケース2にも第2のケー
ス3に組付けられていないクラッチアッセンブリ状態
となるため、この単体状態の慣らし工程において滑りト
ルクの調整を行う。
【0030】その際、滑りトルクが規定の値に達してい
ない場合、ナット21,ワッシャ20,カラー16,皿
ばね19を枢軸9から取り外すだけで、一方のディスク
18aまたは他方のディスク18bまたはフェーシング
18cの交換を行う。
【0031】滑りトルクの調整を行った後に、枢軸9の
基端側を第1のケース2の第1の軸受6に挿入しつつウ
オームホイール10をアーマチュアシャフト15aのウ
オーム15bに噛み合わせ、第2歯車12および第3歯
車13を第1のケース2にセットし、第2のケース3の
第2の軸受7内にカラー16,ワッシャ20,ナット2
1ごと枢軸9を挿入して第2のケース3を第1のケース
に組付ける。
【0032】この際、カラー16の外径寸法はワッシャ
20の外径寸法よりも、ナット21の外径寸法よりも大
きいので、カラー16を第2の軸受7に挿入させること
で、ワッシャ20もナット21も第2の軸受7内に挿入
されて第2のケース3の外側に突出する。
【0033】そして、第3の歯車13に第2のケース3
の外側から出力軸14を取付けることにより組み立てを
完了する。
【0034】そこで、アーマチュア15に対して外部接
続用配線15dから電流を流すと、アーマチュア15が
回転し、アーマチュアシャフト15aが回転するため、
ウオームホイール10はアーマチュアシャフト15の回
転動力を伝達されて回転する。
【0035】ウオームホイール10が回転することによ
り、摩擦クラッチ18のフェーシング18cもウオーム
ホイール10と一体的に回転するため、このフェーシン
グ18cと両ディスク18a,18bとのあいだでの摩
擦力によりウオームホイール10の回転動力が両ディス
ク18a,18bに伝達されて枢軸9を回転させる。
【0036】枢軸9が回転することにより、枢軸9の回
転動力は第1歯車11、第2歯車12、第3歯車13に
より減速されて出力歯車17に伝達されるので、出力歯
車17の回転によりこの出力歯車17に噛み合うワイヤ
を移動させてサンルーフリッドを作動させるものとな
る。
【0037】
【考案の効果】以上説明してきたように、この考案に係
わる摩擦クラッチ付小型モータは、カラーの外周部の
寸法をナットの外径寸法よりも大きく形成し、且つカ
ラーの皿ばね側に、ナットの締め付けにより皿ばねの摩
擦クラッチへの押圧力を設定する押圧力設定部を設けた
構成としたことから、ナットを枢軸に締め付けてある状
態でケースの組み付けを行えるため、ケースの取り外し
のみで摩擦クラッチを容易に取り外せ、また、摩擦クラ
ッチはカラーの皿ばね側に設けられた押圧力設定部によ
りケースを介さないクラッチアッセンブリ状態で滑りト
ルクの調整を行えるため、モータアッセブリ状態として
行う必要がなくなり、それによって、再調整を行う際に
無駄な時間を必要とせず、組み込み性の大幅な改善を図
ることができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係わる摩擦クラッチ付小型モータの
一実施例の縦断正面図である。
【図2】図1に示した摩擦クラッチ付小型モータの右側
面図である。
【図3】図1に示した摩擦クラッチ付小型モータにおい
てのカラーの外観斜視図である。
【図4】従来の摩擦クラッチ付小型モータの縦断正面図
である。
【符号の説明】
1 摩擦クラッチ付小型モータ 2,3 (ケース)第1のケース,第2のケース 9 枢軸 10 ウオームホイール 15 アーマチュア 15a アーマチュアシャフト 16 カラー 16b 押圧力設定部 18 摩擦クラッチ 19 皿ばね 21 ナット

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枢軸を回転可能に支持するケースと、 前記枢軸に回転可能に支持され且つアーマチュアシャフ
    トのウオームと噛合うウオームホイールと、 前記ウオームホイールに設けられた摩擦クラッチと、 前記摩擦クラッチに一方の端部が当接する皿ばねと、 前記皿ばねの他方の端部に当接するとともに、前記ケー
    スに回転可能に支持されるカラーと、 前記枢軸への締め付けにより前記カラーを前記皿ばねに
    対して押圧するナットを備えた摩擦クラッチ付小型モー
    タにおいて、 前記カラーの外周部の外径寸法は、前記ナットの外径
    よりも大きく形成され、且つ当該カラーの皿ばね側に
    、ナットの締め付けにより皿ばねの摩擦クラッチに対
    する押圧力を設定する押圧力設定部設けられている
    とを特徴とする摩擦クラッチ付小型モータ。
  2. 【請求項2】 カラーの押圧力設定部に、皿ばねの
    方の端部係止さる係止溝と、前記係止溝から摩擦ク
    ラッチ側に向けて突出し且つ枢軸の一部に当接する枢軸
    当接突起とが設けられていることを特徴とする請求項1
    に記載の摩擦クラッチ付小型モータ。
JP1208292U 1992-03-11 1992-03-11 摩擦クラッチ付小型モータ Expired - Lifetime JP2567559Y2 (ja)

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JPH0573321U JPH0573321U (ja) 1993-10-08
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