JP2567412B2 - ディスクプレーヤにおける高速サーチ方法 - Google Patents

ディスクプレーヤにおける高速サーチ方法

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JP2567412B2
JP2567412B2 JP62234179A JP23417987A JP2567412B2 JP 2567412 B2 JP2567412 B2 JP 2567412B2 JP 62234179 A JP62234179 A JP 62234179A JP 23417987 A JP23417987 A JP 23417987A JP 2567412 B2 JP2567412 B2 JP 2567412B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ディスクプレーヤにおけるディスク上の目
標アドレス探索の為のサーチ方法に関する。
背景技術 ビデオフォーマット信号や音声信号等の情報信号がア
ドレスデータと共にトラック状に記録された情報記録デ
ィスク(以下、単にディスクと称する)を演奏するディ
スクプレーヤにおいては、トラックから情報信号を読み
取るピックアップがディスク半径方向に移動可能なスラ
イダーに担持されており、各トラックに記録されている
フレーム番号、ブロック番号、チャプタ番号、基準位置
からそのトラック位置までに要する演奏時間等のアドレ
スデータ、すなわち位置情報を読取って、現在演奏中の
データブロックの現在アドレスと演奏を開始すべき目標
データブロックの目標アドレスとの比較結果に基づいて
上記ピックアップの位置を制御して目標アドレスデータ
を探索することにより、任意の記録情報を所望の順序で
演奏するいわゆるランダムアクセスが可能である。
かかるアドレスデータの探索方式としては、例えば特
開昭58−62868に記載された方式が挙げられる。この従
来方式においてはピックアップから得られるアドレスデ
ータと目標アドレスデータを比較しつつスライダのディ
スク半径方向の移動速度すなわちスキャン速度を調整し
つついわゆるスキャン動作をなして目標アドレスの近傍
にピックアップを近接せしめるのである。
上記した従来のアドレスデータ探索方式ではスキャン
速度はアドレスデータを順次読取り得る速度以下にしな
ければならず、現在アドレスと目標アドレスの差が大き
い場合探索に要する時間が長くなり、素早いランダムア
クセスがなされるとは必ずしも言い難かったのである。
発明の概要 よって、本発明の目的とするところは素早いランダム
アクセスを為し得るディスクプレーヤにおける高速サー
チ方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本願第1の発明は、ディス
クにトラック上に記録された情報信号を読取るピックア
ップをディスク半径方向において位置決めするスライダ
及び上記ピックアップの情報検出点をトラック上に追従
せしめるトラッキングサーボ系を含むディスクプレーヤ
における目標アドレスの高速サーチ方法において、ピッ
クアップの存する初期トラックを検出する第1ステップ
と、上記初期トラックから目標アドレスデータを担う最
終目標トラックより所定収斂トラック数だけ現在トラッ
クに近い暫定目標トラックを設定する第2ステップと、
上記トラッキングサーボ系のサーボループをオフとして
上記暫定目標トラックに向けてスライダを加速する第3
ステップと、上記ピックアップによるトラック横断をカ
ウントして横断トラック数を知って上記暫定目標トラッ
クまでの残りトラック数を演算する第4ステップと、上
記スライダが上記残りトラック数を減速移動したときの
速度変化を予想して、これが所望の速度変化態様となる
ように上記スライダに制動を加えて減速せしめる第5ス
テップと、上記残りトラック数が所定値以下になるか若
しくは上記ピックアップの移動速度が所定速度以下に達
したとき上記スライダへの制動を停止して上記スライダ
を等速度移動せしめる第6ステップと、上記スライダの
現在位置でのアドレスデータを読取り、これにより上記
横断トラック数を補正する第7ステップと、該補正横断
トラック数と上記最終目標トラックとの差が所定値以下
になったら上記スライダの移動を停止して上記トラッキ
ングサーボ系のループをオンとする第8ステップとから
なることを特徴としている。
本願第2の発明は、ディスクにトラック上に記録され
た情報信号を読取るピックアップをディスク半径方向に
おいて位置決めするスライダ及び上記ピックアップの情
報検出点をトラック上に追従せしめるトラッキングサー
ボ系を含むディスクプレーヤにおける目標アドレスの高
速サーチ方法であって、ピックアップの存する初期トラ
ックを検出する第1ステップと、上記初期トラックから
目標アドレスデータを担う最終目標トラックより所定収
斂トラック数だけ現在トラックに近い暫定目標トラック
を設定する第2ステップと、上記トラッキングサーボ系
のサーボループをオフとして上記暫定目標トラックに向
けてスライダを加速する第3ステップと、上記ピックア
ップによるトラック横断をカウントして横断トラック数
を知って上記暫定目標トラックまでの残りトラック数を
演算する第4ステップと、上記スライダが上記残りトラ
ック数を減速移動したときの速度変化を予想して、これ
が所望の速度変化態様となるように上記スライダに制動
を加えて減速せしめる第5ステップと、上記残りトラッ
ク数が所定値以下になるか若しくは上記ピックアップの
移動速度が所定速度以下に達したとき上記スライダへの
制動を停止して上記スライダを等速度移動せしめる第6
ステップと、上記スライダの現在位置でのアドレスデー
タを読取り、これにより上記横断トラック数を補正する
第7ステップと、該補正横断トラック数と上記最終目標
トラックとの差が所定値以下になったら上記スライダの
移動を停止して上記トラッキングサーボ系のループをオ
ンとする第8ステップと、上記ピックアップから得られ
るアドレスデータと上記目標アドレスとが一致する迄上
記ピックアップをしてジャンプ動作せしめる第9ステッ
プとからなることを特徴とする。
実 施 例 以下、本発明の実施例について説明する。まず、本発
明によるサーチ方法を実行するディスクプレーヤを第1
図を参照しつつ説明する。第1図において、ディスク1
上のトラックにピックアップ2から光ビームが照射され
て情報検出スポットを形成し、その反射光はピックアッ
プ内の光電変換素子により電気信号に変換されて記録情
報信号がいわゆるRF信号として読取られる。ピックアッ
プ2の情報検出スポットはスライダ3に対して揺動自在
になされる。スライダ3は例えばMC型のリニアモータあ
るいは小慣性モーメントの回転モータ等の速応性の駆動
モータ14によって駆動され、これによってディスク半径
方向において正逆方向に移動する。RF信号(a)は復調
回路4によってビデオフォーマット信号に復調され、デ
ータ復調回路5に供給される。復調回路4は、上記ビデ
オフォーマット信号のデータ部分から例えばフレーム番
号やタイムコード等のアドレスデータを読取って、マイ
クロプロセッサ(以下、単にMPUと称する)6に供給す
る。MPU6にはキーボード等の入力手段7からサーチすべ
き目標アドレスデータが供給され、これがメモリ20に記
憶される。
また、ピックアップ2にはRF信号検出用受光素子の他
にトラッキングサーボを為すための受光素子が設けら
れ、この出力はトラッキングエラー信号(b)としてト
ラッキング制御回路8に供給される。トラッキング制御
回路8は、MPU6からのトラッキングオン信号(c)の下
で上記トラッキングエラー信号(b)に基づいてトラッ
キングユニット駆動信号(d)をピックアップ2に供給
していわゆるトラッキングサーボを為す。トラッキング
サーボがロック状態になるとトラッキングロック信号
(e)がMPU6に供給される。トラッキング制御回路8は
トラッキングエラー信号(b)の平均値をスライダサー
ボ信号(f)としてモータ制御回路12に供給し、モータ
制御回路12はMPU6からの制御指令(g)がスライダサー
ボを指令している限り、該スライダサーボ信号に応じた
電圧を発生するように電圧発生回路13に指令し、電圧発
生回路13はその出力電圧をスライダモータ駆動回路9に
供給する。この制御指令(g)には、他に加速指令、減
速指令、等速度サーボ指令、停止指令が含まれる。ま
た、トラッキングエラー信号(b)はトラックを情報読
取り点が横切るとその振幅が正弦波状に変化するので、
トラッキング制御回路8からトラッキングエラー信号
(b)を波形整形した信号がトラック交差信号(h)と
してトラックカウンタ10に供給され、上記情報読取り点
が交差したトラック数が積算される。なお、RF信号の包
絡線検波出力をトラック交差信号として用いることも出
来る。トラックカウンタ10の積算値(j)はMPU6に供給
され、MPU6からのリセット信号(k)によりクリアされ
る。また、トラックカウンタ10は初期値設定が可能にな
されている。MPU6は積算値(j)をサンプリングしその
変化率、すなわちサンプル値の前回値と今回値の差から
スライダ3の移動速度を検出し、このスライダ3の移動
速度を表わす速度信号Vactはモータ制御回路12に供給さ
れる。なお、トラッキングエラー信号(b)のゼロクロ
ス周期から上記移動速度を求めても良い。メモリ20に
は、MPU6の制御プログラム、信号データ、後述の減速度
データ等が記憶される。
なお、MPU6からジャンプ指令信号(1)がトラッキン
グ制御回路8に供給されるとトラッキング制御回路8は
ジャンプ指令信号(1)の内容に応じた分だけのジャン
プをなすべくトラッキングエラー信号に拘らずピックア
ップのトラッキングユニットを強制的に揺動せしめる。
モータ制御回路12は、制御指令(g)の内容に応じて
スライダ3の移動方向、速度及び制動力を設定する正若
しくは負電圧出力データを発生して電圧発生回路13に供
給する。電圧発生回路13は、電圧出力データを電圧信号
に変換してスライダモータ駆動回路9に供給する。スラ
イダモータ駆動回路9は、スライダ3をディスク半径方
向の正方向若しくは逆方向に付勢しあるいは減勢するリ
ニアモータ等の速応性の駆動モータ14に上記電圧信号に
応じて動作電流を供給する。
ディスク1を回転させるスピンドルモータ15は、MPU6
からの指令に応じて動作するスピンドルサーボ回路16に
よって、いわゆるCAVディスクのときは回転速度一定
に、CLVディスクのときは線速度一定に回転する。
次に、装置の動作について第2図の制御フローチャー
トを参照しつつ説明する。まず、操作者によってキーボ
ード7等の入力手段から演奏を開始すべき目標アドレス
がサーチ指令と共にMPU6に供給されてメモリ20に記憶さ
れる。CAVディスクの場合は、ビデオフォーマット信号
のアドレスデータ部分に挿入されているフレーム番号と
トラック番号とが対応しているので、このフレーム番号
をアドレスデータとして用いることが出来る。トラッキ
ング制御回路8にトラッキングサーボを指令する(ステ
ップS21)。メモリ20に保持されたサーチすべき目標フ
レーム番号FTGTを読取り(ステップS22)、データ復調
回路5の出力からピックアップの存する現在アドレスの
フレーム番号FPを読取る(ステップS23)。目標フレー
ム番号FTGTと現在フレーム番号FPとの減算値Dを得る
(ステップS24)。このDの値の正負によりスライダの
移動方向が定められる。減算値|D|が0であるときは終
了する(ステップS25)。減算値|D|が例えば11未満でか
つ0ではないときは、シングルジャンプをトラッキング
制御回路8に指令する(ステップS26、S27)。減算値|D
|が例えば11以上256未満であるときは、マルチジャンプ
サブルーチンを実行する(ステップS28)。減算値|D|が
例えば256以上3072未満であるときは、後述するターゲ
ットスキャンサブルーチンによる目標アドレスサーチを
実行する(ステップS29)。減算値Dの絶対値が例えば3
072以上であるときは、後述のハイスキャンサブルーチ
ンによる目標アドレスサーチを実行する(ステップS2
9)。
すなわち、実施例においては目標アドレスのサーチの
為に、下記のように減算値すなわち距離|D|に応じて4
段階のルーチンが用意される。
(1)シングルジャンプ(至近距離) フレーム番号差……1〜10(サーチ所要時間≦100ms) (2)マルチジャンプサブルーチン(近距離) フレーム番号差……11〜255(サーチ所要時間≦200ms) (3)ターゲットスキャンサブルーチン(中距離) フレーム番号差……256〜3071(サーチ所要時間≦300m
s) (4)ハイスキャンサブルーチン(遠距離) フレーム番号差……3072〜54000(サーチ所要時間≦500
ms) 各サブルーチンについて説明する。
シングルジャンプは、トラッキング制御のみによりな
される。トラッキングサーボがロックしてフレーム番号
が読込まれると、これを現在フレーム番号として目標フ
レーム番号までの番号差を計算してシングルジャンプ回
数及びジャンプ方向を定め、トラッキングユニットの揺
動により情報検出スポットを隣りのトラックへ移動させ
るシングルジャンプを1[ms]間隔で上記番号差に相当
する分だけ繰返し、トラッキングサーボをオンにして目
標フレーム番号を読取ることにより終了する。
マルチジャンプサブルーチンを第3図を参照しつつ説
明する。ピックアップのトラッキングユニットの揺動に
より1回当り、情報検出スポットが例えば最大100トラ
ックまでトラックを連続的に横切るいわゆるマルチジャ
ンプを行なう。まず、トラックカウンタ10をクリアし、
減算値Dの正負によりピックアップ2の移動方向を設定
する(ステップS31)。トラッキング制御回路8にマル
チジャンプ指令が発せられ(ステップS32)、トラッキ
ングユニットが揺動する。トラックカウンタ10の値Ntが
交差トラック数によって増加して100を越えると(ステ
ップS33)、マルチジャンプ指令の停止が発令されて、
マルチジャンプが終了する(ステップS34)。マルチジ
ャンプにより情報検出スポットがトラックを横切る速さ
を10×103(以下、10Kと表わす)[track/s]に設定す
ると、上記100トラックのマルチジャンプ1回に要する
時間は、約10[ms]である。このサブルーチンを終了す
ると第2図のステップS21に戻る。
ターゲットスキャンサブルーチンについては、以下、
第4図の制御フローチャートを参照しつつ説明する。タ
ーゲットスキャンサブルーチンは加速段階(ステップS5
0〜S52)、等速度段階(ステップS53〜S60)、図示しな
い収束段階(補正マルチジャンプ、補正シングルジャン
プ)に大別される。
まず、後述するHSフラグが1ではないと(ステップS4
1)、カウンタリセット信号(k)をトラックカウンタ1
0に供給してその積算値をクリアし(ステップS50)、ス
ライダの加速指令をモータ制御回路12に発する(ステッ
プS51)。この加速指令に応じて、モータ制御回路12は
例えば減算値Dの正負に応じて正負いずれかの電圧レベ
ルデータを電圧発生回路13に供給する。このとき電圧発
生回路13から所定の加速電圧がスライダモータ駆動回路
9に供給され、スライダ3の加速が開始される。スライ
ダの現在速度Vactが、例えば9K[track/s]の所定速度V
r1を越えるまで加速指令を続ける(ステップS51〜S5
2)。Vact〜Vr1を越えると(ステップS52)、スライダ
速度をビデオフォーマット信号のデータ部分の復調可能
な例えば18K[track/s]の上限速度Vr2以下のVCに引き
込む等速度サーボをなすべく速度設定信号VSをモータ制
御回路12に供給する(ステップS53)。速度設定信号VS
は、現在速度Vactと目標速度VCとの速度差にサーボ系の
係数Gを乗じた値と、基準速度VCとの減算値によって示
される。モータ制御回路12は電圧発生回路13に対してこ
の速度設定信号VSに応じた電圧を生ずべきことを指示す
る。ステップS53を繰返すことによって速度サーボをな
す。
スライダの現在速度VactがVC[track/s]になると
(ステップS54)、データ復調回路5からのフレーム番
号の復調をモニタする(ステップS55)。スライダが一
定距離を移動すると、その間に、情報検出スポットがト
ラック上のアドレスデータ部分を走査する機会が一定の
割合いで生じる。こうして、フレーム番号が読取られる
と、交差トラック数を積算しているトラックカウンタ10
の積算値(j)をフレーム番号に置換して正確な現在ア
ドレスを設定する(ステップS55、S56)。フレーム番号
(j)が読取られないときは、トラックカウンタの積算
は継続される(ステップS55)。トラックカウンタの積
算値Ntを現在アドレスとし(ステップS57)、基準位置
から目標アドレスを含む目標トラックまでのトラック数
NTGTから積算値Ntを引いた値すなわち残り距離NDを計算
する(ステップS58)。この残り距離NDが収束領域にお
ける移動距離に対応する例えば200トラックの所定距離N
D1以下になると(ステップS59)、スライダ停止指令を
モータ制御回路12に発っする(ステップS60)。そうで
ないときは、ステップS53〜S59を繰返す。このサブルー
チンを終了すると第2図のステップS21に戻る。
ステップS41においてHSフラグが1のときは、後述の
ハイスキャンサブルーチンが終了して本サブルーチンを
実行すべきことを示している。このときは等速度サーボ
引込みサブルーチンを実行する。まず、例えば54K[tra
ck/s]の所定速度VAの等速度サーボを指令する(ステッ
プS42)。VactがVAに低下すると(ステップS43)、例え
ば36K[track/s]の所定速度VBの等速度サーボを指令す
る(ステップS44)。VactがVBに低下すると(ステップS
45)、ステップS53に移行する。
この等速度サーボ引込みサブルーチンを介してハイス
キャンサブルーチンからターゲットスキャンサブルーチ
ンに移行することによってスライダを早朝に整定し、等
速度領域への円滑な移行を図っている。
このようにして等速度領域ではスライダーを比較的に
大なる速度で移動しつつアドレスデータを読取って、ト
ラックカウンタの積算値の訂正を繰返すことによってそ
の計数精度を高めている。
ここで、ステップS56〜S59の動作について説明を追加
する。市販の光学式ビデオディスクにおいてはビデオ情
報のフレーム番号等のアドレスデータは、例えば第1フ
ィールドの第17、18走査線に挿入されている。スライダ
を移動させたときに、ディスクからコードを読取れる最
大速度は情報検出スポットが1H(63.5μS)分トレース
しているときである。CAVディスクの最大トラック数は5
4000トラックであり、これを横切る為に要するスライダ
移動時間Tは、T=63.5×10-6×54000=3.4[S]であ
る。スライダをアドレスデータの復調可能な最大速度で
移動させた場合、アドレスデータはディスク1回転(3
3.3[ms])に1度読取ることが出来るので、アドレス
データを読取る間に横切るトラック数は、54000/3.4×3
3.3×10-3=529[track]となる。従って、アドレスデ
ータだけでサーチした場合は読取り精度を529トラック
以下にすることが出来ない。
一方、トラックカウンタにより情報検出スポットが横
切ったトラック数を積算した場合は、ディスク傷、埃、
ノイズ、ホーカスエラー、スライダ速度をディスク偏心
による影響が生ずる8kHz以下にした場合(例えば、ディ
スクの偏心による交差トラック分の速度は最大8kHzであ
り、アドレスデータの読取り可能な最大速度は約18kHz
である)等には、カウントミスが生ずる。
そこで、サーチにおいてアドレスデータの読取りとト
ラックカウンタの2つを併用してトラックカウンタの積
算値をアドレスデータとしてのフレーム番号により周期
的に正確な値に訂正することによって、カウントエラー
がその都度解消され現在アドレスの検出精度が増す。ま
た、従来の如くいちいちスライダを停止してトラッキン
グサーボをロックしてアドレスデータを復調せずとも良
いから、サーチ時間が短縮される利点もある。
ターゲットスキャンサブルーチンの他の制御態様を第
5図を参照しつつ説明する。第5図においてステップS5
0〜S54は第4図のステップS50〜S54と同一であり、かか
る部分の説明は省略する。まず、等速度サーボがなされ
ている状態において、データ復調回路5からアドレスデ
ータが復調されMPU6を介してメモリ20の現在アドレス記
憶領域に供給されて現在フレーム番号FPが更新されると
(ステップS71)、トラックカウンタ10にリセット信号
を発して積算値をクリアする(ステップS72)。メモリ2
0から現在フレーム番号FP及び目標フレーム番号FTGT
読取って残り距離Dを計算する(ステップS73〜S74)。
現在速度Vactに対応する停止距離(停止トラック数)d
をこれを予めデータマップとして記憶しているメモリ20
から読取る(ステップS75)。残り距離Dから停止距離
dを減じて補正残りフレーム数Dcrtを計算する(ステッ
プS76)。トラックカウンタ10の積算値Ntを読取り(ス
テップS77)、補正残りフレーム数Dcrtと比較する(ス
テップS78)。積算値Ntが補正残りフレームDcrtを越え
るとき、等速度サーボを終了し、スライダの停止を発令
して本サブルーチンを終了する(ステップS79)、そう
でない場合はステップS71から繰返す(ステップS78)。
ステップS71においてフレーム番号FPが更新されないと
きは、ステップS77、S78を実行してトラックカウンタの
積算値差Ntを読取り、スライダの停止時期を判別する。
こうして、正確な現在アドレスFPが復調される度に残
りフレーム数Dを演算し、トラックカウンタ10の積算値
をクリアして、それ以後における情報検出スポットの交
差トラック数Ntと補正残りフレーム数Dcrtとを比較して
停止時期を判断しているので、現在アドレスの検出精度
が高くかつディスクの傷やごみ等によって生じるカウン
トエラーの影響も少ない。
また、スライダの慣性力による制動開始後の停止距離
分dが予め補正されているので、特に、リニアモータに
よって付勢されるスライダのような摩擦抵抗の少ないス
ライダーのオーバーランの防止が可能である。
第6図に、ターゲットスキャンサブルーチンからサー
チ動作を行なった場合のスライダの速度変化例を示す。
ハイスキャンサブルーチンについて第7図を参照しつ
つ説明する。ハイスキャンサブルーチンでは、加速段階
と減速段階(ステップS104〜S117)においてオープン制
御がなされ、その後既述のターゲットスキャンサブルー
チンに移行する。
第2図のステップS29においてハイスキャンサブルー
チンが選択されると、距離Dから既述の等速度領域及び
収束領域におけるトラック数NBを減じて加速領域及び減
速領域においてスライダが横切るべきトラック数を計算
する。例えば、総トラック数から3600トラック(18K[t
rack/s]×200[ms])を減じたトラック数を加速領域
及び減速領域において情報検出スポットが交差すべき加
減速領域トラック数NJとする(ステップS102)。トラッ
クカウンタ10のリセット指令を発する(ステップS10
3)。スライダ加速指令をモータ制御回路12に発する
(ステップS104)。このとき電圧発生回路13は、例えば
最大電圧を発生してスライダ3の移動を開始させる。ト
ラックカウンタ10の積算値Ntを読取り、NJからNtを減じ
て加減速領域における残りトラック数Nrmgを計算する
(ステップS105、S106)。Ntから現在アドレスのフレー
ム番号Fppを推定した後(ステップS107)、推定フレー
ム番号Fppと加減速領域終了トラック番号に対応するフ
レーム番号の範囲でモータ制御回路12に減速指令を与え
てスライダ3を制動したときの減速度Kを後述する減速
度データマップから読取る(ステップS108)。制動開始
からスライダが停止するまでに情報検出スポットが交差
するであろう予想残りトラック数Ndclを式、Ndcl=Vact
2/2Kによって計算する(ステップS109)。この式の導出
については後述する。NdclがNrmgを越えると加速指令を
解除して減速指令をモータ制御回路12に発する(ステッ
プS110、S111)。モータ制御回路12は上記減速指令に応
じてスライダ3を停止せしめるべく所定制動電圧を電圧
発生回路に発生させる。NdclがNrmgを越えないときは、
サンプリング間隔を例えば0.5[ms]とするウェイトサ
イクル(ステップS112)を介してステップS105〜S110を
繰返す。積算値Nt及び加減速領域トラック数NJを読取っ
て加減速度領域の残りトラック数Nrmgを計算する(ステ
ップS113、S114)。残りトラック数Nrmgが所定数例えば
0より小となり(ステップS115)、あるいは現在速度が
例えば80K[track/s]の所定基準速度以下に低下すると
減速指令を停止する(ステップS117)。低下しないとき
は、ステップS113〜S116を繰り返して減速を継続する。
減速指令が解除されると、HSフラグを1に設定して上述
のターゲットスキャンサブルーチンに移行する(ステッ
プS120)。HS=1のときは既述した如くターゲットスキ
ャンサブルーチンにおいては等速度サーボ引込みサブル
ーチンが実行される。
以上説明した本発明によるサーチ方法によれば、目標
フレーム番号FTGTと現在フレーム番号FPとの差|D|が例
えば3072以上の大なる値のとき、スライダ3の速度変化
が第8図の如くなる。
第8図において、サーチ開始時刻t0から時刻t1までの
間はスライダ加速指令がモータ制御回路12に供給されて
おり、スライダは所定の加速度によって加速される。時
刻t1においてステップS110のNrmg≦Ndclの関係が成立
し、モータ制御回路12にはS111において減速指令が発せ
られる。次いで、時刻t2においては、S116の条件Nrmg≦
0もしくはVact≦Vr3のいずれかが成立し、モータ制御
回路12にはS117において減速指令停止が発せられる。次
いで、時刻t2からt3の間においては、等速度サーボ引込
みサブルーチンのS42乃至S45が実行され、時刻t3におい
ては、スライダ速度がVr2近傍に達し、更にVr2もしくは
それよりも小さい値の速度VCに等速度制御される(ステ
ップS53、S54)。時刻t4においてNDがND1以下となると
スライダ停止指令が発せられて時刻t5においてスライダ
が停止する。そうすると、トラッキングサーボ指令がト
ラッキング制御回路8に与えられ、時刻t6においてトラ
ッキングサーボがロックインしてフレーム番号差Dが得
られる。この値の大きさを判別し、11以上256未満であ
るときは、次いでマルチジャンプサブルーチンが時刻t7
まで実行される。差Dが11より小さくなると、シングル
ジャンプが時刻t8からt9まで繰返される。
こうして、ハイスキャンサブルーチンにおいては加速
領域から減速領域に切換える時期が適切に制御されるオ
ープンループ制御によって素早くスライダを移動し、そ
の後スライダを所定速度で移動しながらアドレスデータ
を読取ってトラックカウンタの更新を繰返すターゲット
スキャンを経て、所定の残りアドレスになると主として
ピックアップのトラッキング部の揺動による微調整を行
なう構成としているので、高速サーチが可能である。
スライダ3を急に加速あるいは減速すると、第10図に
示されるように慣性力によりピックアップ2のトラッキ
ングユニットが揺動してトラックカウンタエラーの生ず
る場合がある。第9図は第6図のハイスキャンサブルー
チンにおいて上記カウントエラーの防止策を講じた例を
示しており、対応する部分には同一符号を付してその説
明は省略する。第9図のステップS104a及びS111aに示さ
れるように、MPU6はスライダの加速(ステップS104)及
び減速指令(ステップS111)を発する際に、トラッキン
グユニットを揺動を抑制すべく加減速力の作用する方向
にトラッキングユニットを揺動させるジャンプ指令を発
する。このジャンプ指令は要するに該加減速力に応じた
トラッキングユニットの揺動をなす指令をトラッキング
制御回路8に与えるものである。また、必要であればト
ラッキングユニットの揺動の大きさを加減速力に応じて
調整することも出来る。すなわち、第12図(A)及び
(B)示されるようにスライダ3を加減速する為電圧発
生回路13の電圧出力を立ち上げあるいは立ち下げる際
に、トラッキング制御回路8は好ましくは上記電圧出力
レベルに対応したレベルあるいはパルス幅のジャンプ信
号を制動信号としてトラッキングユニットに供給してス
ライダの加減速方向に該トラッキングユニットを付勢し
てトラッキングユニットの振動を抑制する。
なお、トラッキングユニトの共振特性が例えば第11図
に示されるように30Hzにピークを有する場合は、ジャン
プ信号の印加時間Tを、T=(1/30)/2≒16[ms]とす
ることが望ましい。また、第12図(C)に示されるよう
にジャンプ信号レベルを時間と共に低下させるとトラッ
キングユニットに与えられるショックが減少して好まし
い。
等速度サーボ引込みサブルーチンは、次の等速度移動
段階への減速度の変化特性を適切に設定することによっ
てスライダの早期整定を図るものである。第13図に示さ
れるように、加速領域及び減速領域を経て、例えば、VC
=18K[track/s]の速度サーボによって等速度制御がな
される等速度領域に急に移行せんとするとスライダの振
動によって整定するまで時間を要する。そこで、第14図
に示されるように、スライダの速度が80K[track/s]に
低下すると、その速度を54K[track/s]にする54K速度
サーボをかけて減速加速度を緩め、更に、スライダの速
度を36K[track/s]にする36K速度サーボを経て、18K
[track/s]の速度サーボに移行する。
この速度サーボは、例えば、0.5[ms]毎にトラック
カウンタ10の積算値Ntをサンプリングして現在速度Vact
を計算し、目標速度との速度差によって電圧発生回路13
の出力を制御することによってなされる。また、目標速
度をVA=VA−n・Δとしてnを時間、現在速度Vact、あ
るいはトラックカウンタ値等によって順次切換えること
により段階的速度制御をなすようにしても良い。
こうして、段階的な速度サーボを介することにより例
えば最大制動力の印加される減速度領域から等速度領域
に円滑に移行することが出来る。
次に、減速度データマップについて説明する。
上述のハイスキャンサブルーチンでは、目標アドレス
近傍までスライダ3を素早く移動すべく加速領域及び減
速領域部分において、例えばスライダを最大加速により
速度を増す一方、所定切換点から最大制動力を与えて減
速するオープン制御を採用してサーチ時間を短縮してい
る。
このオープン制御を行う為、加速領域及び減速領域部
分でのスライダ等の駆動系全体の動作特性は一定の特性
であることが望ましいが、リニアモータを用いた場合、
その発生動力は駆動コイルの存する磁界等に依存する。
この磁界は一様ではなく、駆動コイルの位置を順次変化
させたとき、発生する駆動力あるいは制動力の変化は一
般に非線形であり、それ等は経時変化する。また、リニ
アモータを用いたスライダは一般に摩擦力が小さい為、
積極的に制動を与えないと慣性力により目的位置に停止
しない。
そこで、減速度データマップを用いてオープン制御に
おける制御精度を向上させるのが好ましい。
以下、第15図を参照しつつ説明する。第15図におい
て、スライダ3はフレーム番号Fの0点から加速を開始
し、AX時間経過後速度がAYのA点を経て、最大制動力が
印加され、経過時間BXにおいて速度BYの第1測定点Bに
至り、更に、減速が継続されて経過時間CXに速度がCY
減少した第2測定点Cに至るものとする。ここで、面積
OABBXはA点からB点に移動する迄に交差したトラック
数TBに相当する。面積OABCCXはA点からC点に移動する
迄に交差したトラック数TCに相当する。面積BCCXBXはB
点からC点に移動する迄に交差したトラック数TBCに相
当する。TBC=TC−TBである。
B点とC点の中間点におけるフレーム番号FnはFn=F
+TB+(TBC/2)、また、フレーム番号Fnにおける減速
度Knは、Kn=|(CY−BY)/(CX−BX)|[track/s2
として求められる。なお、A点を第1測定点とせず、B
点を第1測定点としたのは、スライダに急ブレーキをか
けたときのピックアップあるいはトラッキングユニット
の揺動を考慮したからである。
加速時間AXを小から大に順次変化させて同様の測定及
び演算を繰返すことによって、フレーム番号Fnとそのフ
レーム番号におけるスライダの減速度Knのグラフが得ら
れる。フレーム番号Fnとフレーム番号Fn+1との間におけ
るスライダの減速度は、例えば直線近似するものとす
る。かかる処理をスライダ移動方向の順方向と逆方向と
の二通りの方向に対して行う。こうして得られた減速度
データのグラフの例を第13図に示す。このグラフは、例
えばフレーム番号により検索可能な減速度データマップ
としてメモリ20に記憶される。
この減速度データマップの作成時期は、例えば電源投
入後にディスクが載置されると自動的に行なわれる。な
お、設計仕様に基づいてデータマップをメモリ20に予め
記憶させ個々のプレーヤ毎のデータマップ実測作成を不
要とすることも出来る。これらのデータマップの値は、
学習機能によりハイスキャンサブルーチンにおいて減速
動作が行われる度に減速度が測定されて更新することが
望ましい。こうすることによって、各フレーム番号にお
ける制動力の経時変化や制動力の固体差に対応すること
が出来る。
この減速度データマップを用いた加速領域から減速領
域への切換時期の判定方法について説明する。
加速領域及びD点までの減速領域での目標とする交差
トラック総数をTM、A点における交差トラック総数をTA
とすると、A点における残りトラック数TOは、 TO=TM−TA TOは略ΔADAxに相当するから、 TO≒AY・(Dx−Ax)/2 ここで、A点とD点間において支配的な減速度Knを推
定減速度として例えばA点とD点の中間のフレーム番号
Fnを指定することによりデータマップから読取ると、 Kn≒AY/(Dx−Ax) であるから、これを上記TOに代入すると、 TO=AY 2/2Kn、AY 2=2KnTOが得られる。
よって、加減速度領域における交差トラック総数TM
現在位置までの交差トラック総数TAとの差TDがTD≧TO
なったとき、もしくはスライダの現在速度AYが、 となったとき、減速領域に移行すれば加減衰領域におけ
る目標フレーム番号に収束可能である。
次に、ハイスキャンサブルーチンの他の実施例を第17
図を参照しつつ説明する。この制御方法は減速区間の減
速度を理想減速度となるように速度制御することによっ
て減速区間から等速度領域への移行を円滑に行なってス
ライダーの整定に要する時間を減少せんとするものであ
る。第17図において、加速区間の時間t1及び減速区間の
時間t2を短くすることによりサーチ時間を短縮すること
が出来る。そうする為には、加速度a1及びa2を増加させ
てスライダの駆動力越呼び制動力を大きくする必要があ
るが、それに伴って目標フレーム番号への入射角α
増加する。ここで、第18図に示されるように、入射角α
が小さいときはサーチ時間が増加する。入射角α
大きいときは目標フレーム番号近傍においてスライダの
移動方向の反転等が生じて第13図に示されるような振動
状態が発生して、スライダの到達位置精度の低下及び整
定時間の増大をもたらす。
よって、この制御方法では、第19図に示されるように
加速領域ではスライダモータ14の駆動力を最大限に活用
し得るオープン制御を行なう一方、減速領域ではスライ
ダ3の速度を調整してその減速度をスライダの移動速度
が振動的に変化することのないような最大の理想減速度
に維持するように制御することが望ましい。
次に、第20図を参照しつつこの制御手順について説明
する。まず、スライダ駆動系の動特性を考慮した理想減
速度KOがメモリ20に記憶されている。
第2図のステップS29においてハイスキャンサブルー
チンが選択されると、この減速度表を用いたオープン制
御サブルーチンを実行する。
距離Dから既述の等速度領域及び収束領域におけるト
ラック数NBを減じて加速領域及び減速領域においてスラ
イダが横切るべきトラック数を計算する(ステップS13
1)。例えば、総トラック数から3600トラック(18K[tr
ack/s]×200[ms]を減じたトラック数を、加速領域及
び減速領域において情報検出スポットが交差すべき加減
速領域トラック数NJとする(ステップS9)。トラックカ
ウンタ10のリセット指令を発する(ステップS132)。ス
ライダ加速指令をモータ制御回路12に発する(ステップ
S133)。モータ制御回路13は、例えば最大出力を発生し
てスライダ3の移動を開始させる。トラックカウンタ10
の積算値Ntを読取り、NJからNtを減じて加減速領域にお
ける残りトラック数Nrmgを計算する(ステップS134、S1
35)。残りトラック数Nrmg、カウンタの積算値Nt及び記
憶されている減速加速度KOとを既述の判別式 に代入して切換時点速度Vを計算する(ステップS13
6)。現在速度Vactが切換時点速度Vを越えたかどうか
を判断する(ステップS137)。越えないときは、サンプ
リング間隔を例えば0.5[ms]とするウェイトサイクル
(ステップS138)を介してステップS134〜S137を繰返
す。越えたときは、加速指令を解除して減速指令を発し
(ステップS139)、積算値Nt及び加減速領域トラック数
NJを読取って加減速度領域の残りトラック数Nrmgを計算
する(ステップS140、S141)。残りトラック数Nrmgが例
えば0もしくは負の値となると(ステップS142)、減速
指令を停止してこのサブルーチンを終了し、既述のター
ゲットスキャンサブルーチンに移行する(ステップS14
6)。そうでないときは、残りトラック数Nrmgと減速度K
Oから対応する理想現在速度VOを計算する(ステップS14
3)。速度サーボの目標速度VTGTを、VTGT=VO−(Vact
−VO)*Gとして計算する。ここで、速度サーボ回路の
利得をGとする。この目標速度VTGTに対応する速度設定
信号をモータ制御回路12に供給してスライダ3の速度を
制御する(ステップS144)。例えば0.5[ms]のウェイ
トサイクル(ステップS145)を介してステップS141〜S1
45を繰返すことにより追値制御を行って、減速領域の減
速度が理想減速度KOに追従するように速度制御をなす。
この制御方法によれば、等速度サーボ引込みサブルー
チンを経ずとも等速度段階へ適切な理想減速度で移行す
るからスライダの早期整定が図られる利点がある。
なお、この場合、理想減速度KOを残りトラック数の関
数としてNrmgの大きい程KOを大とし、Nrmgの小なる領域
においてのみ円滑なる等速度サーボ引込みをなし得るKO
とすることも考えられる。
CAVディスクではアドレスデータのフレーム番号とト
ラック番号とが対応するが、CLVディスクではアドレス
データとして始点から現在アドレスまでの再生時間がタ
イムコードとして記録されているので、タイムコードか
らトラック数を計算する。この計算方法は、例えば特開
昭59−157873に示されており、最内周のトラック半径を
rO、この半径における回転数をNo、トラックピッチを
P、時間tにおけり再生トラックの距離をr、現在トラ
ック位置のディスク中心からの距離rは、 現在アドレスから目標アドレスまでの距離DRは、夫々
のタイムコードをtO、t1とすると、 現在アドレスから目標アドレスまでのトラック数D
Pは、DP=DR/Pとして計算することが出来る。トラック
ピッチPは、例えばMPUがトラックピッチ測定プログラ
ムを実行することにより求められる。
こうして、演奏初期にCLVディスクであると判別した
場合には、アドレスデータからトラック数、トラック番
号等を計算するプログラムを適宜実行するようにして、
本発明を実施するのである。
なお、復調回路5、トラックカウンタ10、モータ制御
回路12の各機能をMPUに担わしめることも可能である。
また、実施例では電磁的制動を行なっているが、機械的
制動を行なうことも可能である。スライダーの速度検出
をトラックカウンタ10の積算値の変化に基づいて演算し
ているが、これに限られるものではなく、例えばスライ
ダー3の通路に設けられた磁気マーカをピックアップコ
イルによって検出しても良く、あるいは通路に設けられ
た光学的マーカを光学センサによって読取るようにして
スライダーの速度を検出しても良い。また、加速度セン
サを用いることも考えられる。
発明の効果 以上説明したように本発明の高速アドレスサーチ方法
においては、スライダを高速度まで加速した後所定速度
まで減速する加減速段階の後にアドレスデータの得られ
る範囲内の比較的に高い速度で等速移動する等速度移動
段階を設けたので、スライダを高速で移動して目標アド
レス近傍に精確に収斂することが可能となり、また、目
標アドレス近傍ではトラックジャンプ動作によって微調
整しているので、現在アドレスから目標アドレスまでの
距離が大きく離れている場合でも正確で素早くランダム
アクセスが可能となって好ましい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例の構成を示すブロック図、第
2図は、距離に応じて最適なサーチサブルーチンを選択
する為の手順を示すフローチャート、第3図は、マルチ
ジャンプサブルーチンの制御手順を示すフローチャー
ト、第4図は、ターゲットスキャンサブルーチンの制御
手順を示すフローチャート、第5図は、他のターゲット
スキャンサブルーチン例の制御手順を示すフローチャー
ト、第6図は、ターゲットスキャンサブルーチンからサ
ーチを開始した場合のスライダ速度変化例を説明する為
の説明図、第7図は、ハイスキャンサブルーチンの制御
手順を示すフローチャート、第8図は、ハイスキャンサ
ブルーチンからサーチを開始した場合のスライダ速度変
化例を説明する為の説明図、第9図は、ピックアップの
トラッキングユニットの振動を抑制する場合の制御手順
を示すフローチャート、第10図はトラッキングユニット
の揺動を説明する為の説明図、第11図は、トラッキング
ユニットの自己共振特性を示す図、第12図は、電圧発生
回路13の出力電圧とジャンプ信号との関係を説明する為
の説明図、第13図及び第14図は、スライダの整定を説明
する為の説明図、第15図及び第16図は、オープン制御に
用いられる減速度データマップを説明する為の説明図、
第17図乃至第19図は、他のハイスキャンサブルーチン例
を説明する為の説明図、第20図は、他のハイスキャンサ
ブルーチン例の制御手順を示すフローチャートである。 主要部分の符号の説明 2……ピックアップ 3……スライダ 5……データ復調回路 6……MPU 8……トラッキング制御回路 9……スライダモータ駆動回路 10……トラックカウンタ 12……モータ制御回路 13……電圧発生回路 14……駆動モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂田 晴康 埼玉県所沢市花園4丁目2610番地 パイ オニア株式会社所沢工場内 (56)参考文献 特開 昭61−276132(JP,A) 特開 昭64−59682(JP,A) 特開 昭64−67772(JP,A) 特公 昭49−42054(JP,B1)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスクにトラック上に記録された情報信
    号を読取るピックアップをディスク半径方向において位
    置決めするスライダ及び前記ピックアップの情報検出点
    をトラック上に追従せしめるトラッキングサーボ系を含
    むディスクプレーヤにおける目標アドレスの高速サーチ
    方法であって、 ピックアップの存する初期トラックを検出する第1ステ
    ップと、 前記初期トラックから目標アドレスデータを担う最終目
    標トラックより所定収斂トラック数だけ現在トラックに
    近い暫定目標トラックを設定する第2ステップと、 前記トラッキングサーボ系のサーボループをオフとして
    前記暫定目標トラックに向けてスライダを加速する第3
    ステップと、 前記ピックアップによるトラック横断をカウントして横
    断トラック数を知って前記暫定目標トラックまでの残り
    トラック数を演算する第4ステップと、 前記スライダが前記残りトラック数を減速移動したとき
    の速度変化を予想して、これが所望の速度変化態様とな
    るように前記スライダに制動を加えて減速せしめる第5
    ステップと、 前記残りトラック数が所定値以下になるか若しくは前記
    ピックアップの移動速度が所定速度以下に達したとき前
    記スライダへの制動を停止して前記スライダを等速度移
    動せしめる第6ステップと、 前記スライダの現在位置でのアドレスデータを読取り、
    これにより前記横断トラック数を補正する第7ステップ
    と、 該補正横断トラック数と前記最終目標トラックとの差が
    所定値以下になったら前記スライダの移動を停止して前
    記トラッキングサーボ系のループをオンとする第8ステ
    ップとからなることを特徴とするディスクプレーヤにお
    ける高速サーチ方法。
  2. 【請求項2】前記第5ステップにおいて、前記速度変化
    態様においては減速度が徐々に小となるようになってい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のディス
    クプレーヤにおける高速サーチ方法。
  3. 【請求項3】ディスクにトラック上に記録された情報信
    号を読取るピックアップをディスク半径方向において位
    置決めするスライダ及び前記ピックアップの情報検出点
    をトラック上に追従せしめるトラッキングサーボ系を含
    むディスクプレーヤにおける目標アドレスの高速サーチ
    方法であって、 ピックアップの存する初期トラックを検出する第1ステ
    ップと、 前記初期トラックから目標アドレスデータを担う最終目
    標トラックより所定収斂トラック数だけ現在トラックに
    近い暫定目標トラックを設定する第2ステップと、 前記トラッキングサーボ系のサーボループをオフとして
    前記暫定目標トラックに向けてスライダを加速する第3
    ステップと、 前記ピックアップによるトラック横断をカウントして横
    断トラック数を知って前記暫定目標トラックまでの残り
    のトラック数を演算する第4ステップと、 前記スライダが前記残りトラック数を減速移動したとき
    の速度変化を予想して、これが所望の速度変化態様とな
    るように前記スライダに制動を加えて減速せしめる第5
    ステップと、 前記残りトラック数が所定値以下になるか若しくは前記
    ピックアップの移動速度が所定速度以下に達したとき前
    記スライダへの制動を停止して前記スライダを等速度移
    動せしめる第6ステップと、 前記スライダの現在位置でのアドレスデータを読取り、
    これにより前記横断トラック数を補正する第7ステップ
    と、 該補正横断トラック数と前記最終目標トラックとの差が
    所定値以下になったら前記スライダの移動を停止して前
    記トラッキングサーボ系のループをオンとする第8ステ
    ップと、 前記ピックアップから得られるアドレスデータと前記目
    標アドレスとが一致する迄前記ピックアップをしてジャ
    ンプ動作せしめる第9ステップとからなることを特徴と
    するディスクプレーヤにおける高速サーチ方法。
  4. 【請求項4】前記第5ステップにおいて、前記速度変化
    態様においては減速度が徐々に小となるようになってい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載のディス
    クプレーヤにおける高速サーチ方法。
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