JP2567215Y2 - 鎖と南京錠とを連結する金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ．産業上の利用分野： 本考案は、駐車場、駐輪場などの出入り口の柱の間に
鎖を掛け外し自在に張り渡すために用いる、鎖と南京錠
とを連結する金属に関するものである。

ロ．従来の技術： 従来、南京錠を用いて柱の間に鎖を掛け外し自在に張
り渡すには、一端を元柱に離脱不能に固定した鎖の他端
を、南京錠のつるに掛け、そのつるを更に先柱の受輪に
掛けて南京錠を施錠する、と言う方法によつていた。

即ち、南京錠は鎖にも先柱にも固定されることなく、
南京錠、鎖、柱の３者はそれぞれ独立しており、それぞ
れ分離可能の状態で使用されていた。

ハ．考案が解決しようとする問題点。： 駐車場、駐輪場で車両を出し入れする際、従来のよう
に鎖と南京錠とを分離して別々のままで使用すると、外
した鎖の先端には南京錠のつるが引つ掛かつているだけ
にしかすぎず、つるを錠体に差し込んで施錠しなけれ
ば、誰でも自由勝手に南京錠を鎖から外すことが出来
た。

従つて、南京錠を紛失したり、持ち去られるなどの事
故が多く、特に管理人が不在の駐車場、駐輪場で、契約
者がそれぞれ合鍵を持っていて、自由に鎖を掛け外しす
るように自主管理しているアパート、マンシヨンなどの
駐車場・駐輪場では、契約者の鍵の掛け忘れや不注意に
より、南京錠の盗難や紛失が多発していた。

ニ．考案の目的： 駐車場、駐輪場などの出入り口の柱の間に、鎖を掛け
外し自在に張り渡すために用いる鎖と南京錠とを簡易・
有効に連結する金具を、安価に供給することにより、不
注意による南京錠の紛失や盗難を防止することを目的と
する。

ホ．考案の構成： この考案を図面にもとづいて説明すると、（１）は連
結金具、（２）は南京錠、（３）は鎖、（４）は元柱、
（５）は先柱、である。

連結金具（１）は、両側壁（６）と底（７）と天井
（８）とより成り、前後を解放した断面矩形の箱体
（９）と、該箱体（９）の両側壁（６）の一部を夫々同
体に突出させた両袖（10）と、両袖（10）に貫通固定し
た掛軸（11）とより成つている。

また、箱体（９）天井（８）の中央には、掛軸（11）
側に解放したつる受溝（12）が設けられており、箱体
（９）は南京錠（２）に外嵌合している。

なお、（13）は南京錠（２）のつる、（14）はつる
（13）の基部、（15）はつる（13）の先端、（16）は
鍵、である。

また、連結金具（１）の側壁（６）の幅は、第１図に
示したように、南京錠（２）の幅の半分以下で良く、鍵
（16）の回転の邪魔にならないように、必要に応じて底
（７）の一部を第２図および第４図に示したように円弧
状に切り欠いて切欠（17）を作つておく。

ヘ．作用： 本案連結金具は図面および上記説明のとうりの形状に
構成されており、次の如くに南京錠に取り付けて使用す
る。

鍵（20）により南京錠（２）を開錠し、つる（13）を
横に廻しておいて、本連結金具（１）の袖（10）の側よ
り南京錠（２）を箱体（９）の内部に挿入（第２図、第
３図および第４図に矢印をもって挿入方向を表示）し、
つる（13）の基部（14）がつる受溝（12）の最奥端に衝
当するまで押し込む。すると、南京錠（２）の半部以上
が、第１図（ロ）および第２図に示したように、箱体
（９）の反対側に突出し、箱体（９）は南京錠（２）に
密に外嵌合する。

次に、鎖（３）の一端を両袖（10）の間に入れ、掛軸
（11）を掛孔（18）に通して掛軸（11）の両端をかしめ
て、鎖（３）を連結金具（１）に固定する。このとき、
つるの基部（14）がつる受溝（12）の最奥端に接し鎖
（３）の表面が南京錠（２）に接するように、つる受溝
（12）の深さと鎖（３）の太さとの関係をを定めておく
と、連結金具（１）の中で南京錠（２）ががたつくこと
がない。

このように構成した本案連結金具（１）は、掛軸（1
1）により南京錠（２）の挿入側への脱出を防ぎ、か
つ、つる受溝（12）によつて反対側への脱出をも防いで
いるので、南京錠（２）と鎖（３）とは離脱することが
ない。

また、鍵（16）により南京錠（２）を開錠した場合、
つるの先端（15）は障害物に当たることなく、自由に回
動できるので、南京錠（２）の使用勝手は連結金具
（１）を付けない時と全く変わらない。

ト．実施例： 図には、市販の50ミリシリンダー南京錠を用いる場合
の本案連結金具（１）の１例を示した。

なお、本案連結金具（１）の材料は、適当な剛性を有
する材料であれば何でも良いが、金属板または硬質プラ
スチツクが適当である。

チ．考案の効果： 本考案は上記の如くに構成され、作用するので、次の
ような効果がある。

・駐車場、駐輪場などで、車両を出し入れする際、合鍵
を用いて南京錠を先柱の受輪から外しても、南京錠その
ものは鎖から外れることがないので、外した鎖をうつか
りそのままにしておいても、南京錠を紛失したり、盗ま
れたりすることがない。

・南京錠の施錠および開錠は、本案連結金具をつけない
場合と全く変わらないので、使用に当たつての違和感が
ない。

・本案連結金具は、構造が簡単で製造が容易なので、極
めて安価に供給できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案金具の４面図で、 （イ）は左側面図、 （ロ）は正面図、 （ハ）は右側面図、 （ニ）は平面図、 第２図は、本案金具の斜視図、 第３図および第４図は、説明のための斜視図、 第５図は、使用状態を示す説明図、 である。 図において、 （１）……連結金具 （２）……南京錠 （３）……鎖 （６）……側壁 （８）……天井 （９）……箱体 （10）……袖 （11）……掛軸 （12）……つる受溝 （13）……つる （18）……天井 である。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】鎖と南京錠とを連結する金具において、 南京錠（２）を収容する、両側壁（６）と底（７）と天
   井（８）とよりなり、前後を解放した、断面矩形の箱体
   （９）と、 該箱体（９）の両側壁（６）の一部をそれぞれ同体に突
   出させた両袖（10）と、 該両袖（10）に貫通固定した掛軸（11）と、 箱体（９）の天井（８）の中央に、掛け軸（11）側に解
   放したつる受溝（12）を設けたこと、 箱体（９）を南京錠（２）に密に外嵌合させたこと、 とを特徴とする、鎖と南京錠とを連結する金具。