JP2566882Y2 - プルタイプクラッチ用レリーズ装置及びそれに用いられるスクープリング - Google Patents

プルタイプクラッチ用レリーズ装置及びそれに用いられるスクープリング

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JP2566882Y2
JP2566882Y2 JP1991019146U JP1914691U JP2566882Y2 JP 2566882 Y2 JP2566882 Y2 JP 2566882Y2 JP 1991019146 U JP1991019146 U JP 1991019146U JP 1914691 U JP1914691 U JP 1914691U JP 2566882 Y2 JP2566882 Y2 JP 2566882Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本考案は、レリーズ装置、特に、
エンジンとトランスミッションとの間に配置されたプル
タイプクラッチのダイヤフラムスプリング内周部をトラ
ンスミッション側に移動させてクラッチの連結解除を行
うためのプルタイプクラッチ用レリー ズ装置、及びそれ
に用いられるスクープリングに関する。
【従来の技術及びその課題】クラッチディスク及びクラ
ッチカバーを備えた通常のクラッチでは、ダイヤフラム
スプリングがプレッシャープレートをフライホイール側
に押すことにより、プレッシャープレートとフライホイ
ールとの間でクラッチディスクが挟持されると、クラッ
チ連結状態となる。そして、プルタイプクラッチでは、
ダイヤフラムスプリングの内周部がレリーズ装置により
トランスミッション側に引き出されると、クラッチ解除
状態となる。このようなプルタイプクラッチに用いられ
るレリーズ装置では、一般に、レリーズベアリングのイ
ンナーレースが軸方向に延び、ダイヤフラムスプリング
の内周部に固定された係止部を通過してさらにクラッチ
内部に進入している。そして、このインナーレースと係
止部とがワイヤリングで連結されており、これにより、
インナーレースをトランスミッション側に引き出すこと
により係止部を移動させ、ひいてはダイヤフラムスプリ
ングの押圧力を解除することができる。また、インナー
レースにはスクープリングが設けられており、これによ
ってインナーレースを係止部から取り外すことができ
る。図12は、本願出願人が特開平1−119925号
で提案したレリーズ装置を示している。この構成におい
ては、レリーズベアリングのインナーレース116が、
ダイヤフラムスプリングの内周端部に固定された係止部
117に対してワイヤリング118を介し連結されてい
る。また、ワイヤリング118の軸方向後方(図12の
右方)において、インナーレース116にはスクープリ
ング119が嵌合している。しかし、この構成では、イ
ンナーレース116が前方(図12の左方)に移動可能
であるため、ワイヤリング118が空間A内に移動し得
る。こうなると、係止部117側とインナーレース11
6側との間に相対回転が生じてしまい、両者が破損する
等の不具合が生じる。すなわち、このような構成のレリ
ーズ装置では、充分に高い連結信頼性が得られない。本
考案の目的は、プルタイプクラッチ用レリーズ装置の連
結の信頼性を高め得るスクープリングを提供することに
ある。
【課題を解決するための手段】請求項1に係るレリーズ
装置は、エンジンとトランスミッションとの間に配置さ
れたプルタイプクラッチのダイヤフラムスプリング内周
部をトランスミッション側に移動させてクラッチの連結
解除を行うためのプルタイプクラッチ用レリーズ装置で
あって、環状係止部材と、レリーズ部材と、ワイヤリン
グと、スクープリングとを備えている。環状係止部材は
ダイヤフラムスプリングの内周端部に固定され内周面に
退避溝とエンジン側を向く嵌合溝とが形成されている。
レリーズ部材は係止部材の内周側からトランスミッショ
ン側に延びて配置され、外周面にトランスミッション側
を向く嵌合溝が形成されている。ワイヤリングは、半径
方向に弾性変形可能であり、係止部材とレリーズ部材の
両嵌合溝間に配置されレリーズ部材のトランスミッショ
ン側への移動により係止部材を同方向に移動させるため
のものである。スクープリングは、ワイヤリングを両嵌
合溝間から取り外すためのものである。そして、スクー
プリングは、環状のリング本体と、第1爪と、第2爪と
を有している。リング本体は、レリーズ部材の外周面に
支持され、レリーズ部材に対して所定の範囲で軸方向に
移動可能である。第1爪は、リング本体からエンジン側
に延びるように形成され、レリーズ部材及びスクープリ
ングをエンジン側に移動させた際にワイヤリングの内周
側とレリーズ部材との間に進入してワイヤリングを係止
部材の退避溝に導く。第2爪は、リング本体からエンジ
ン側に延びるように形成され、半径方向に弾性変形が可
能であり、外周側に突出する折り曲げ部を先端に有し、
折り曲げ部は係止部材をワイヤリング側に押圧可能であ
るとともにエンジン側に移動した状態で係止部材の嵌合
溝に係合可能である。請求項2に係るスクープリング
は、ダイヤフラムスプリングの内周端部に固定され内周
面にエンジン側を向く嵌合溝が形成された環状係止部材
と、係止部材の内周側からトランスミッション側に延び
て配置され、外周面にトランスミッション側を向く嵌合
溝が形成されたレリーズ部材と、係止部材とレリーズ部
の両嵌合溝間に配置されレリーズ部材のトランスミッ
ション側への移動により係止部材を同方向に移動させる
ためのワイヤリングとを備えたプルタイプクラッチ用レ
リーズ装置のスクープリングであって、環状のリング本
体と、第1爪と、第2爪とを備えている。リング本体
は、レリーズ部材の外周面に支持され、レリーズ部材
対して所定の範囲で軸方向に移動可能である。第1爪
は、リング本体からエンジン側に延びるように形成さ
れ、ワイヤリングの内周側とレリーズ部材との間に挿入
可能である。第2爪は、リング本体からエンジン側に延
びるように形成され、半径方向に弾性変形が可能であ
り、外周側にフック状に突出する折り曲げ部を先端に有
し、折り曲げ部は係止部材をワイヤリング側に押圧可能
である。請求項3に係るスクープリングは、請求項2の
スクープリングにおいて、係止部材の内周側のトランス
ミッション側角には面取りが形成されており、折り曲げ
部の先端は面取りに当接して係止部をワイヤリング側に
押圧する。請求項4に係るスクープリングは、請求項2
又は3のスクープリングにおいて、第1爪の先端外周面
にはワイヤリングの内周面に当接する傾斜面が形成され
ている。
【作用】請求項1及び2に記載のプルタイプクラッチ用
レリーズ装置及びスクープリングでは、ダイヤフラムス
プリングの内周端部に固定された係止部材とレリーズ部
材とがワイヤリングによって連結されている。ワイヤリ
ングは、係止部材及びレリーズ部材の両嵌合溝間に嵌合
しており、さらに係止部材はスクープリングの第2爪に
よってワイヤリング側に押圧されている。しかも、スク
ープリングはトランスミッション側への移動は規制され
るので、係止部材とワイヤリングとは、第2爪とレリー
ズ部材の嵌合溝との間で互いに押圧された状態で安定的
に連結されていることになる。このようにして、係止部
材とレリーズ部材との間の連結の信頼性が高まる。
た、ワイヤリングを嵌合溝から取り外す際は、スクープ
リング及びレリーズ部材をエンジン側に移動させ、スク
ープリングの第1爪をワイヤリングとレリーズ部材との
間に進入させる。このとき、ワイヤリングは係止部材の
退避溝に導かれる。次にスクープリング及びレリーズ部
材をトランスミッション側に引き出すと、スクープリン
グの第2爪先端の折り曲げ部が係止部材の嵌合溝に係合
し、所定の範囲でレリーズ部材のみがトランスミッショ
ン側に移動する。そして、さらにレリーズ部材をトラン
スミッション側に移動させると、第2爪は半径方向に弾
性変形しながらレリーズ部材とともに係止部材から抜け
出る。このようにして、スクープリングによってワイヤ
リングが嵌合溝から取り外され、レリーズ部材を係止部
材から取り外すことができる。請求項3に記載のスクー
プリングでは、折り曲げ部の先端が係止部材の面取り部
を半径方向外方及びワイヤリング側に付勢している。請
求項4に記載スクープリングでは、第1爪の傾斜面によ
ってワイヤリングを効率よくすくいあげることができ
る。
【実施例】図1は、本考案の一実施例が採用されたプル
タイプクラッチを示している。図1において、このプル
タイプクラッチは、主として、クラッチカバー組立体1
と、クラッチディスク2と、レリーズ装置3とを有して
いる。クラッチカバー組立体1は、エンジン側のフライ
ホイール5に固定されたクラッチカバー6と、クラッチ
カバー6の内側に配置されたプレッシャープレート7及
びダイヤフラムスプリング8とを有している。ダイヤフ
ラムスプリング8は外周端部背面がクラッチカバー6に
より支持されており、半径方向のほぼ中間部がプレッシ
ャープレート7に当接して、プレッシャープレート7を
クラッチディスク2側に弾性的に押圧している。ダイヤ
フラムスプリング8は内周端から半径方向の中間部にか
けて放射状のスリットを備えており、内周端部8aはレ
リーズ装置3に連結されている。クラッチディスク2の
外周部には摩擦フェーシングが設けられ、この摩擦フェ
ーシングがフライホイール5とプレッシャープレート7
との間に挟持されるようになっている。クラッチディス
ク2の中心部には、トランスミッション側のメインドラ
イブシャフト9の前端部(図1の左端部)がスプライン
係合している。クラッチカバー1の後方(図1の右方)
には、ミッションハウジング10が配置されている。ク
ラッチディスク2にスプライン係合するメインドライブ
シャフト9の後部は、ミッションハウジング10内に延
びている。ミッションハウジング10の前端部には、ク
ラッチカバー1及びフライホイール5などを外周側から
覆うクラッチハウジング11が一体に設けられている。
レリーズ装置3の構成を図2及び図3に示す。ここで、
O−O線は中心線である。レリーズ装置3は、クイル1
4と、レリーズベアリング15と、レバープレート17
(係止部材)と、ワイヤリング18と、スクープリング
19とから主として構成されている。クイル14は、レ
リーズフォーク(図示せず)に連結されて外部からの操
作により駆動され得る。レリーズベアリング15のアウ
ターレース15aはクイル14に固定されており、クイ
ル14とともに移動する。レリーズベアリング15のイ
ンナーレース16(レリーズ部材)は、軸方向前方に延
長して形成された延長部16aを有している。延長部1
6aの先端部の外周面には、環状の第1リング退避溝1
6bが形成されている。第1リング退避溝16bから軸
方向後方にかけては、径が大きくなるように傾斜するテ
ーパ状のすくい上げ面16cが形成されている。すくい
上げ面16cの後方には、軸方向後方からの力を支持す
るための環状の第1嵌合溝16dが形成されている。第
1嵌合溝16dは、ワイヤリング18の外面の一部と接
触し得るように断面が円弧状になっており、組み付け状
態においてはワイヤリング18が軸方向後方側から当接
している。さらにその後方には、第1嵌合溝16dの後
端に一致する径の段差部16eが形成されている。この
段差部16eの軸方向中間部には、軸方向後方に向かっ
て径が小さくなるように傾斜するテーパ面16fが形成
されている。段差部16eの後方には、スクープリング
19の軸方向後方への移動を妨げるための当接部16g
が形成されている。ワイヤリング18は、断面が円形の
円環状部材であり、しかも半径方向に変形可能である。
ワイヤリング18は、半径方向外方へ弾性的に変形させ
られた状態で、すなわち、自己の弾性により半径方向内
方へ変形しようとする状態で、延長部16aの第]嵌合
溝16dに嵌合している。レバープレート17は筒状の
部材であり、図2のように軸方向前部に外向きのフラン
ジ部17aを備えている。フランジ部17aは、サポー
トプレート20との間でダイヤフラムスプリング8の内
周端部8aを挟持している。レバープレート17の内周
側端部には、軸方向後方から連続して、軸方向前方に配
置されたワイヤリング18を支持するための第2嵌合溝
17bと、それよりさらに半径方向外方に奥行きが深く
なっている第2退避溝17cとが形成されている。第2
嵌合溝17bは、ワイヤリング18の外周の一部と面接
触し得るように断面がほぼ円弧状になっている。第2退
避溝17cより前方には、半径方向に形成された押し上
げ面17dが形成されている。さらに、レバープレート
17の内周側でトランスミッション側角には、面取り1
7eが形成されている。延長部16aの外周には、円筒
状のスクープリング19が軸方向にスライド自在に配置
されている。スクープリング19を図4及び図5で詳細
に説明する。スクープリング19は板金製であり、フラ
ンジ部19a(リング本体)と、フランジ部19aから
突出した複数の第1爪19b及び第2爪19cとを備え
ている。図2及び図3の組み付け状態において、フラン
ジ部19aはインナーレース16の当接部16gに当接
してトランスミッション側に移動不能になっている。爪
19b,19cはフランジ部19aの内周縁から軸方向
に延びている。爪19b,19cは、薄い円板材を折曲
げることにより形成されたものであり、半径方向に弾性
変形可能になっている。図から明らかなように、第1爪
19b及び第2爪19cはそれぞれ円周方向に等間隔で
形成されている。第1爪19bは6本であり、第2爪1
9cは3本である。第1爪19bは先端から、切り込み
部19d、乗り上げ部19e、及び内周部側に突起した
突起部19fを有している。切り込み部19dは、第1
爪19bの先端外周面に形成されたテーパ面である。第
1爪19bの切り込み部19dはワイヤリング18の内
周側に当接している。乗り上げ部19eは第1爪19b
の先端側外周面に形成された環状凹部である。突起部1
9fはテーパ面16fに当接している。第2爪19cは
外周側にフック状に突出する折曲げ部19gを先端に有
している。折り曲げ部19gは第1爪19bより半径方
向外側に配置され、その先端がレバープレート17の面
取り17eに当接している。このようにして、第2爪1
9cは、レバープレート17を半径方向外方及び軸方向
ワイヤリング18側に付勢している。したがって、ワイ
ヤリング18はインナーレース16の第1嵌合溝16d
に押し付けられる。この状態でレバープレート17とワ
イヤリング18とは、第2爪19cとインナーレース1
6の第1嵌合溝16dとの間で互いに押圧されている
(レバープレート17はワイヤリング18によりスクー
プリング19の第2爪19cに押圧されている)。言い
換えると、レバープレート17の内周部はワイヤリング
18と第2爪19cとの間で挟持され、インナレース1
6に対して軸方向に移動不能になっている。また、ワイ
ヤリング18がレバープレート17から外れにくい。以
上のようにして、レバープレート17とインナーレース
16との間の連結の信頼性が高まる。次に、上述の実施
例の組立て・分解作業について説明する。レリーズベア
リング15をレバープレート17に組付ける際には、図
6に示すように、あらかじめワイヤリング18を延長部
16aに形成された第1退避溝16bに嵌合しておく。
この状態では、ワイヤリング18はそれ自身の半径方向
内方への弾性力によって第1退避溝16bに押しつけら
れ、半径方向の移動が規制されている。この状態で、イ
ンナーレース16を軸方向前方に移動させて、延長部1
6aをレバープレート17の内側へと押し込む。する
と、ワイヤリング18がレバープレート17の押し上げ
面17dに当接する。さらにレリーズベアリング15を
軸方向前方に移動させると、ワイヤリング18はすくい
上げ面16c上を移動して外周側に拡張し、かつ軸方向
後方に押される。このため、ワイヤリング18は、第1
退避溝16bから外れ、その後方外周側にある第1嵌合
溝16d側へと移動する(図7)。このとき、スクープ
リング19の第2爪19cの折曲げ部19gがレバープ
レート17の内周側に弾性的に当接しており、これによ
って延長部16aとレバープレート17との相対的位置
関係が正しく維持される。図7の状態からさらにレリー
ズベアリング15を軸方向前方へと押し、ワイヤリング
18の位置までインナーレース16の第1嵌合溝16d
を移動させると、ワイヤリング18は自己の弾性力によ
り収縮して第1嵌合溝16d内に嵌まり込む。次にレリ
ーズベアリング15を逆方向(軸方向後方)に移動させ
ると、ワイヤリング18は押し上げ面17dに当接した
状態から第2嵌合溝17b側へと移動し、ワイヤリング
18は第1嵌合溝16dと第2嵌合溝17bとの間で係
止されて、図8に示す組み付け状態となる。このとき、
ワイヤリング18は、第1嵌合溝16bにより軸方向前
部と半径方向内側を支持されており、第2嵌合溝17b
に軸方向後部と半径方向外側を支持されている。そのた
め、ワイヤリング18は両者の間で安定的に保持されて
おり、軸方向及び半径方向に外れない。また、この状態
では、スクープリング19の第1爪19bがワイヤリン
グ18の軸方向後部を支持しており、さらには第2爪1
9cがレバープレート17をワイヤリング18側に押圧
している。そのため、レバープレート17とワイヤリン
グ18及び延長部16aとが安定的に連結されており、
ワイヤリング18が空間B側に外れてしまうことはな
い。すなわち、組み付け状態において、特にスクープリ
ング19の第2爪19cがレバープレート17をワイヤ
リング18側に押圧しているため、インナーレース16
とレバープレート17との間の連結の信頼性が向上して
いる。また、レリーズベアリング15全体を軸方向後方
に付勢することによってワイヤリング18の保持を行う
ことは不要であり、そのためこのプルタイプクラッチに
は遊び量調整可能なクラッチブースターの使用が可能で
ある。分解の際には、図8の状態から、インナーレース
16を軸方向前方へと移動させる。これにより、スクー
プリング19の第1爪19bの切り込み部19dがワイ
ヤリング18の内周側に挿入され、ワイヤリング18は
第1爪19bの乗り上げ部19dに乗り上げて外周側に
拡張する。同時に、ワイヤリング18は、第2嵌合溝1
7bから外れ、軸方向前方かつ外周側に移動して押し上
げ面17dに当接する。また、この動作中、スクープリ
ング19の第2爪19cはレバープレート17の内側を
弾性的に変形しながら通過し第2嵌合溝17bに嵌合す
る(図9)。この状態から、インナーレース16を逆方
向(軸方向後方)に移動させると、スクープリング19
の第2爪19cの折曲げ部19gが第2嵌合溝17bに
引っ掛かる。そのため、スクープリング19を残してイ
ンナーレース16のみが軸方向後方に移動する。そし
て、第1爪19bの内側突起部19fが段差部16e上
に設けたテーパ面16f上に乗り上げると、第1爪19
bの乗り上げ部19e及びワイヤリング18は外周側に
持ち上げられた状態となる(図10)。このようにし
て、インナーレース16のテーパ面16fと薄い板材か
ら成形加工されたスクープリング19の第1爪19bと
によって、ワイヤリング18が第1嵌合溝16dを容易
に乗り越えることが可能となる。なお、テーパ面16f
に内側突起部19fが乗り上げる構成となっているの
で、スクープリング19が薄くてもワイヤリング18が
第1嵌合溝16dを乗り越えられる。図10の状態で
は、第1爪19bの切りこみ部19dは第1嵌合溝16
dに当接し、それ以上軸方向前方へは移動できない。こ
の状態から、インナーレース16を軸方向後方へとさら
に移動させると、延長部16aとスクープリング19は
ともに軸方向後方に移動し、ワイヤリング18は第1嵌
合溝16dを乗り越えた状態となる(図11)。さらに
インナーレース16を軸方向後方に移動させ続けると、
ワイヤリング18は自己の弾性力によって縮小しながら
すくい上げ面16c上を移動し、第1退避溝16bに嵌
まり込み、図6に示す組立て前の状態になる。このよう
にして、インナーレース16をレバープレート17から
容易に外すことができる。分解が終了した状態では、ワ
イヤリング18は第4退避溝16bに嵌入している。し
たがって、次の組立て作業に先立ってワイヤリング18
を強制的に弾性変形させて別の場所へと移動させる必要
はない。
【考案の効果】以上のように本考案では、係止部材とレ
リーズ部材との間の連結の信頼性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例が採用されたプルタイプクラ
ッチの縦断面図。
【図2】そのレリーズ装置の縦断面部分図。
【図3】図2の拡大部分図。
【図4】そのスクープリングの平面図。
【図5】図4のV−V断面図。
【図6】レリーズ装置の組立て・分解動作を示す縦断面
部分図。
【図7】レリーズ装置の組立て・分解動作を示す縦断面
部分図。
【図8】レリーズ装置の組立て・分解動作を示す縦断面
部分図。
【図9】レリーズ装置の組立て・分解動作を示す縦断面
部分図。
【図10】レリーズ装置の組立て・分解動作を示す縦断
面部分図。
【図11】レリーズ装置の組立て・分解動作を示す縦断
面部分図。
【図12】従来例のレリーズ装置の縦断面部分図。
【符号の説明】
3 レリーズ装置 8 ダイヤフラムスプリング 8a 内周端部 15 レリーズベアリング 16 インナーレース 17 レバープレート 18 ワイヤリング 19 スクープリング 19a フランジ部 19b 第1爪 19c 第2爪

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンとトランスミッションとの間に配
    置されたプルタイプクラッチのダイヤフラムスプリング
    内周部をトランスミッション側に移動させてクラッチの
    連結解除を行うためのプルタイプクラッチ用レリーズ装
    置であって、 前記ダイヤフラムスプリングの内周端部に固定され内周
    面に退避溝とエンジン側を向く嵌合溝とが形成された環
    状係止部材と、 前記係止部材の内周側からトランスミッション側に延
    び、外周面にトランスミッション側を向く嵌合溝が形成
    されたレリーズ部材と、 半径方向に弾性変形可能であり、前記係止部材とレリー
    ズ部材の両嵌合溝間に配置され前記レリーズ部材のトラ
    ンスミッション側への移動により前記係止部材を同方向
    に移動させるためのワイヤリングと、 前記ワイヤリングを前記両嵌合溝間から取り外すための
    スクープリングとを備え、 前記スクープリングは、 前記レリーズ部材の外周面に支持され、前記レリーズ部
    材に対して所定の範囲で軸方向に移動可能な環状のリン
    グ本体と、 前記リング本体からエンジン側に延びるように形成さ
    れ、前記レリーズ部材及びスクープリングをエンジン側
    に移動させた際に前記ワイヤリングの内周側と前記レリ
    ーズ部材との間に進入して前記ワイヤリングを前記係止
    部材の退避溝に導くための第1爪と、 前記リング本体からエンジン側に延びるように形成さ
    れ、半径方向に弾性変形が可能であり、外周側に突出す
    る折り曲げ部を先端に有し、前記折り曲げ部は前記係止
    部材を前記ワイヤリング側に押圧可能であるとともにエ
    ンジン側に移動した状態で前記係止部材の嵌合溝に係合
    可能な第2爪とを備えている、 プルタイプクラッチ用レリーズ装置。
  2. 【請求項2】ダイヤフラムスプリングの内周端部に固定
    され内周面にエンジン側を向く嵌合溝が形成された環状
    係止部材と、 前記係止部材の内周側からトランスミッション側に延
    び、外周面にトランスミッション側を向く嵌合溝が形成
    されたレリーズ部材と、 前記係止部材とレリーズ部材の両嵌合溝間に配置され前
    レリーズ部材のトランスミッション側への移動により
    前記係止部材を同方向に移動させるためのワイヤリング
    と、 を備えたプルタイプクラッチ用レリーズ装置のスクープ
    リングであって、 前記レリーズ部材の外周面に支持され、前記レリーズ部
    に対して所定の範囲で軸方向に移動可能な環状のリン
    グ本体と、 前記リング本体からエンジン側に延びるように形成さ
    れ、前記ワイヤリングの内周側と前記レリーズ部材との
    間に挿入可能な第1爪と、 前記リング本体からエンジン側に延びるように形成さ
    れ、半径方向に弾性変形が可能であり、外周側にフック
    状に突出する折り曲げ部を先端に有し、前記折り曲げ部
    は前記係止部材を前記ワイヤリング側に押圧可能である
    第2爪と、 を備えたプルタイプクラッチ用レリーズ装置のスクープ
    リング。
  3. 【請求項3】前記係止部材の内周側のトランスミッショ
    ン側角には面取りが形成されており、前記折り曲げ部の
    先端は前記面取りに当接して前記係止部材を前記ワイヤ
    リング側に押圧する、請求項2に記載のスクープリン
    グ。
  4. 【請求項4】前記第1爪の先端外周面には前記ワイヤリ
    ングの内周面に当接する傾斜面が形成されている、請求
    項2又は3に記載のスクープリング。
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